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第六章 俺様、東方に行く
30、ご都合主義万歳
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ドナートに教えられた屋敷はすぐに見つかった。
他の貴族の屋敷はゴシック調であったりシンメトリーであったりと洗練された美しいデザインなのに対し、件の豚伯爵の屋敷はゴテゴテとしたいかにも成金趣味な外観だったのだ。
「目がっ! 目がぁぁぁぁぁあああ!!」
『黙れ、見つかるだろうが』
庭園に配置された石像に貼られた金箔で反射された日の光が目に突き刺さる。金はかけているんだろうが、正直悪趣味としか言いようがない。
何で豚伯爵の屋敷を知っているのか不思議にも思ったが、奴の評判や黒結晶の宝飾品をばらまいていた宝石商などの情報をもたらしたのもドナートだったし。きっと貴族街を調査している中で調べたんだろう。
『さて、どこにいるかな?』
「取り敢えず、今の俺らは可愛い小鳥ちゃんにしか見えないはずだから堂々と行こうぜ」
小鳥ちゃんという言い方に何となく抵抗を覚えるが、ルシアちゃん達が待っているしさっさと調べよう。
二階のバルコニーへ降り立つと、言い争うような声が聞こえた。咄嗟に身を隠してしまったが、そういや隠れる必要なかったんだ。まぁ、それでも見つかるよりは見つからないほうが良いに決まっている。
そっと覗き込むと、言い争っている男のうち一人は豚伯爵だった。ご都合主義万歳。
「話が違うじゃないか! 勇者を殺し、絶望を撒き散らす! その混乱の隙にあんたが国を奪い、我々が動きやすいよう制度を変えるというから協力したというのに!」
「話が違うだと?! それはこちらの台詞だ! 何故お前たちの動向が王にばれていた? それに、宰相でも王でも混乱に乗じて殺せるなんて言っておいて結局死んだのは下級貴族一人ではないか!」
んん? 何か聞き捨てならない話だな。
装飾品をジャラジャラ付けた豚と、瘦せぎすの緑衣の男。聞き耳を立てていて二人の会話からわかったのは、どうやら瘦せぎすの男が黒結晶をばらまいていた宝石商らしい。
んでもって、やっぱり豚伯爵とグルだったわけだ。
勇者一行を襲うというのは囮で、本命はロリコン王と宰相か。情報が筒抜けだったのはどっちかが裏切ったとかじゃなくて、宝石商の動きが派手すぎたからだね。陰謀に向かないようあんたら。
何で自分の奴隷である勇者を襲わせるのかなって思ったけど、囮だって言うなら納得だ。王が暗殺された混乱に乗じて勇者たちが襲撃者を討伐。その勇者を召喚した伯爵が次の王が決まるまでとかなんとか言い包めて王の座に就く。
「……って筋書きだろう」
『なるほど?』
さすが1号、と言ったら調子に乗り始めたので地面に叩き落として踏み潰す。
やめてぇぇ、エキスが出ちゃうぅぅなんて意味不明なことを言いながらタップしているからまだ余裕がありそうだな。
なんてやっている隙に、伯爵が宝石商を斬り捨てていた。
「まったく、ぎゃあぎゃあと煩い男だ。襲撃が失敗したのはまぁ良い。勇者の良い経験値となっただろうからな。手駒が強くなればそれはそれで好都合。あとはあの聖女も経験値に変えて蜥蜴を連れ帰るのを待つだけだ」
『残念だが、貴様の企みはここまでだ』
「何だ?! 鳥が喋った?」
モンスターか、と剣を抜く伯爵。そういや術解けてなかったな。この姿で凄んでも仕方ないか。
『私欲のために黒の使徒と手を組み、人々をモンスターに堕とした行為! 断じて赦してはおけぬ! 天罰!!』
最初は俺が伯爵を殺すのを止めてこの国の法で裁かせるなんて言っていた1号も、伯爵のやり取りを聞いた後では一切止めようとしなかった。
伯爵は勇者が襲撃で死のうが返り討ちにしようがどちらでも良いとハッキリ言った。
1号としても、生徒である勇者達の命が軽んじられたことが許せなかったようだ。
俺としては顔も名前も碌に覚えていない勇者達が軽んじられようとどうでも良いが、ルシアちゃんを襲い殺すつもりだったという発言は許せない。
『――≪リージェ≫が経験値2814を獲得しました――』
俺の両翼の先から眩い光線が飛び、交差するようにして伯爵の上半身を消し飛ばした。
これで、主人不在となった隷属の腕輪は簡単に壊せるだろう。
「さぁ、皆の所に戻ってアスー皇国に向かおうぜ」
『ああ。勇者達の心のケアは貴様に任せる。ルシアの時は操られている時の記憶があったからな。彼らもきっと全て覚えているだろう』
「了解。先生に任せときなさい!」
こんな時ばかりはこのふざけた姿の小さい生き物が頼もしく見えた。
……悔しいから言ってやらないけどね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ステータス】
名前 : リージェ
レベル : 22
EXP : 1065975/3454790
HP : 80820/ 80820
MP : 50450/ 57046
Atk : 188645
Def : 61276
スキル : タリ―語 Lv.3
我が劫火に焼かれよ Lv.5
血飛沫と共に踊れ Lv.5
全てを見通す神の眼 Lv.4
念話 Lv.3
我を害さんとする者よ、姿を現せ Lv.1
反転せよ Lv.3
天罰 Lv.3
水よ、集いて俺様の命に従え Lv.1
称号 : 中二病(笑)
害虫キラー
農家
ドM
聖竜(仮)
黒の使徒(仮)
他の貴族の屋敷はゴシック調であったりシンメトリーであったりと洗練された美しいデザインなのに対し、件の豚伯爵の屋敷はゴテゴテとしたいかにも成金趣味な外観だったのだ。
「目がっ! 目がぁぁぁぁぁあああ!!」
『黙れ、見つかるだろうが』
庭園に配置された石像に貼られた金箔で反射された日の光が目に突き刺さる。金はかけているんだろうが、正直悪趣味としか言いようがない。
何で豚伯爵の屋敷を知っているのか不思議にも思ったが、奴の評判や黒結晶の宝飾品をばらまいていた宝石商などの情報をもたらしたのもドナートだったし。きっと貴族街を調査している中で調べたんだろう。
『さて、どこにいるかな?』
「取り敢えず、今の俺らは可愛い小鳥ちゃんにしか見えないはずだから堂々と行こうぜ」
小鳥ちゃんという言い方に何となく抵抗を覚えるが、ルシアちゃん達が待っているしさっさと調べよう。
二階のバルコニーへ降り立つと、言い争うような声が聞こえた。咄嗟に身を隠してしまったが、そういや隠れる必要なかったんだ。まぁ、それでも見つかるよりは見つからないほうが良いに決まっている。
そっと覗き込むと、言い争っている男のうち一人は豚伯爵だった。ご都合主義万歳。
「話が違うじゃないか! 勇者を殺し、絶望を撒き散らす! その混乱の隙にあんたが国を奪い、我々が動きやすいよう制度を変えるというから協力したというのに!」
「話が違うだと?! それはこちらの台詞だ! 何故お前たちの動向が王にばれていた? それに、宰相でも王でも混乱に乗じて殺せるなんて言っておいて結局死んだのは下級貴族一人ではないか!」
んん? 何か聞き捨てならない話だな。
装飾品をジャラジャラ付けた豚と、瘦せぎすの緑衣の男。聞き耳を立てていて二人の会話からわかったのは、どうやら瘦せぎすの男が黒結晶をばらまいていた宝石商らしい。
んでもって、やっぱり豚伯爵とグルだったわけだ。
勇者一行を襲うというのは囮で、本命はロリコン王と宰相か。情報が筒抜けだったのはどっちかが裏切ったとかじゃなくて、宝石商の動きが派手すぎたからだね。陰謀に向かないようあんたら。
何で自分の奴隷である勇者を襲わせるのかなって思ったけど、囮だって言うなら納得だ。王が暗殺された混乱に乗じて勇者たちが襲撃者を討伐。その勇者を召喚した伯爵が次の王が決まるまでとかなんとか言い包めて王の座に就く。
「……って筋書きだろう」
『なるほど?』
さすが1号、と言ったら調子に乗り始めたので地面に叩き落として踏み潰す。
やめてぇぇ、エキスが出ちゃうぅぅなんて意味不明なことを言いながらタップしているからまだ余裕がありそうだな。
なんてやっている隙に、伯爵が宝石商を斬り捨てていた。
「まったく、ぎゃあぎゃあと煩い男だ。襲撃が失敗したのはまぁ良い。勇者の良い経験値となっただろうからな。手駒が強くなればそれはそれで好都合。あとはあの聖女も経験値に変えて蜥蜴を連れ帰るのを待つだけだ」
『残念だが、貴様の企みはここまでだ』
「何だ?! 鳥が喋った?」
モンスターか、と剣を抜く伯爵。そういや術解けてなかったな。この姿で凄んでも仕方ないか。
『私欲のために黒の使徒と手を組み、人々をモンスターに堕とした行為! 断じて赦してはおけぬ! 天罰!!』
最初は俺が伯爵を殺すのを止めてこの国の法で裁かせるなんて言っていた1号も、伯爵のやり取りを聞いた後では一切止めようとしなかった。
伯爵は勇者が襲撃で死のうが返り討ちにしようがどちらでも良いとハッキリ言った。
1号としても、生徒である勇者達の命が軽んじられたことが許せなかったようだ。
俺としては顔も名前も碌に覚えていない勇者達が軽んじられようとどうでも良いが、ルシアちゃんを襲い殺すつもりだったという発言は許せない。
『――≪リージェ≫が経験値2814を獲得しました――』
俺の両翼の先から眩い光線が飛び、交差するようにして伯爵の上半身を消し飛ばした。
これで、主人不在となった隷属の腕輪は簡単に壊せるだろう。
「さぁ、皆の所に戻ってアスー皇国に向かおうぜ」
『ああ。勇者達の心のケアは貴様に任せる。ルシアの時は操られている時の記憶があったからな。彼らもきっと全て覚えているだろう』
「了解。先生に任せときなさい!」
こんな時ばかりはこのふざけた姿の小さい生き物が頼もしく見えた。
……悔しいから言ってやらないけどね。
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【ステータス】
名前 : リージェ
レベル : 22
EXP : 1065975/3454790
HP : 80820/ 80820
MP : 50450/ 57046
Atk : 188645
Def : 61276
スキル : タリ―語 Lv.3
我が劫火に焼かれよ Lv.5
血飛沫と共に踊れ Lv.5
全てを見通す神の眼 Lv.4
念話 Lv.3
我を害さんとする者よ、姿を現せ Lv.1
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