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第九章 俺様、ダンジョンに潜る
13、よし、やってみるか。
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1号の作成してくれたマップのお陰で、10階層までは特に問題もなく下ってこられた。
と言っても、前回俺とルシアちゃんが最深部から外へ出たときと違い、速度より安全を取っているため進軍速度は速くない。
すでにダンジョンに入ってから3回目の野営である。
ここまではずっと迷宮型の階が続き、遭遇したのもゴーレムやアンデッドくらいで特筆すべきものもない。
浅層ではエミーリオや騎士達が経験値を稼ぎたいと言うのでよほど危機にならない限りは俺もアルベルト達も手を出さない方針でやってみた。
今のところ脱落者はおろか、怪我人も出てはいない。
「さて、次の11階でジルベルタの用意してくれた地図が終わる。12階からは本当に手探り状態だが、このまま先行するので問題ないか?」
「参考までに、俺達が前回90階まで行った時の出口の方角を伝えておく」
「助かる」
1号がアルベルトに確認し、そのまま先行し続けるらしい。
12階からは行軍速度が更に遅くなるのか……。
幸い黒モンスター達がダンジョンモンスターをあらかた狩っていってくれたから、こちらが襲われる頻度もそう多くないのだが。このまま差が開いてしまわないだろうか。
「む、敵性反応。これまでよりかなり強い」
「場所は?」
「11階層の奥。えーっと、12階層に続く階段のある辺りだ」
1号が警告を発する。
緊張しかけた面々は、11階層と聞いて少しだけ弛緩した。
しかし、階段前か。予想されるのは階層ボスだが、こんな浅い場所にいるか?
「位置的に避けては通れんな。少し様子を見させる」
『分体達だけでは進めなかろう。アルベルト、俺様も先行するぞ』
「リージェ様、私も行きますわ!」
『だめだ。ルシアはアルベルト達と一緒にいろ』
ルシアちゃんがついてきたがったが、自力回復できる俺より、輜重部隊に何かあった時にルシアちゃんが傍にいないのは問題だろう。
この辺の敵はまだ雑魚だし、ルシアちゃんのことはアルベルト達が守れるだろうし。うん、置いて行った方が安全。
俺が却下したら、ルシアちゃんがむくれてしまった。こういう所はまだ子供だな。
『ルシア、俺様は頑丈だが、輜重部隊はそうではない。幸いここまではまだ雑魚ばかりだが、怪我をした時に俺様もルシアもいないのでは治療ができんだろう? 俺様がいない間、ルシアが彼らを守るのだ』
これはルシアにしかできないことだと言ってやったら、ルシアちゃんはすっかりやる気になった。
責任感が強いからなぁ。
ちょっとルシアちゃんチョロすぎて将来が心配だよ。まぁ、俺が守れば良いんだけど。
「すぐに追いつきますから、待っていてくださいね、リージェ様」
ルシアちゃんに見送られ、俺は分体達を追って単身11階層へと突入した。
索敵をかけると、弱々しい小さい反応が多数と、大きな反応が二つ。大きな反応は一緒にいるようだ。
他に大きな反応はないし、取り敢えずそっちに行ってみるか。
「ん? 待てよ、壁を壊して一直線に向かった方が早いんじゃないか?」
よし、やってみるか。
俺は目の前にあった壁に全力体当たり。
「いってぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
げっ! 今のでHP半分持ってかれた!
しかも全然壊れてねぇ! 少し入ったヒビも、悶絶している間に修復されやがった!
ぶつかった時の轟音で雑魚まで集まってきたし。最悪。
「あぁ、もう、めんどくせぇ! 血飛沫と共に踊れ!」
群がってきたゴーレムもスケルトンも、斬撃耐性があるようだが俺の爪を防ぎきることはできなかった。
バラバラに砕けて崩れ落ち、迷宮に溶けるように消えていく。
『――≪リージェ≫が経験値1750を獲得しました――』
「よっしゃー!」
雑魚とはいえ、やはり一気に殲滅するのは気持ちいい。スカッとする。
とはいえ、また囲まれても面倒だし急ぐか。
索敵で検知した大きな反応がある正面は壁。左右に分かれる道のどちらかが正解なんだが、さて……。
「お困りかね?!」
「お困りだね!」
「こっちだ!」
「こっちだぞー」
お、タイミングよく分体達のお迎えきた。
個体数が減ったからか、間隔を少しずつ開けてにょきにょき生えてくる。
『うむ、迎えにくるとは感心感心』
「うん、ちょうどお前が壁に激突した辺りから」
「みみみみみ見らrt……?!」
「ぐぎゃっ!」
思わず殴って磨り潰してしまったけど、うん、俺ワルクナイ。
証拠隠滅……って、確か全個体で記憶共有されてるんだったか……?
じゃあ、他の個体も磨り潰さなきゃなぁ……?
「ちょ、たんま! ストップ! それ以上やるとマジで個体減るから!」
『む、仕方ない』
器用にも水魔法と土魔法で「犯人はリージェ」なんてダイイングメッセージを書いていた分体がむくりと起き上がって俺を止める。
まぁ、ふざけるのはこのくらいにしようか。
全速力で分体達が示す道を駆け抜ける。
道中何体かのスケルトンやゴーレムが道を塞いでいたが、構わず突き進む。
スピードを落とさずそのまま跳ね飛ばし、遅れて経験値獲得の脳内アナウンスが響く。
きちんと全部倒したか確認はしていないが、あの程度アルベルト達なら大丈夫だろ。
こっちについてきてトレイン状態になったならそれはそれでまた吹き飛ばせばいい。
そうして、強大な敵性反応があった場所に近づくと、爆発音や固い物がぶつかり合うような音が幾度も聞こえた。
戦闘音だ――……。
急ぎ駆け付けた俺が見たものは、まるで特撮映画さながらの怪獣大決戦だった。
と言っても、前回俺とルシアちゃんが最深部から外へ出たときと違い、速度より安全を取っているため進軍速度は速くない。
すでにダンジョンに入ってから3回目の野営である。
ここまではずっと迷宮型の階が続き、遭遇したのもゴーレムやアンデッドくらいで特筆すべきものもない。
浅層ではエミーリオや騎士達が経験値を稼ぎたいと言うのでよほど危機にならない限りは俺もアルベルト達も手を出さない方針でやってみた。
今のところ脱落者はおろか、怪我人も出てはいない。
「さて、次の11階でジルベルタの用意してくれた地図が終わる。12階からは本当に手探り状態だが、このまま先行するので問題ないか?」
「参考までに、俺達が前回90階まで行った時の出口の方角を伝えておく」
「助かる」
1号がアルベルトに確認し、そのまま先行し続けるらしい。
12階からは行軍速度が更に遅くなるのか……。
幸い黒モンスター達がダンジョンモンスターをあらかた狩っていってくれたから、こちらが襲われる頻度もそう多くないのだが。このまま差が開いてしまわないだろうか。
「む、敵性反応。これまでよりかなり強い」
「場所は?」
「11階層の奥。えーっと、12階層に続く階段のある辺りだ」
1号が警告を発する。
緊張しかけた面々は、11階層と聞いて少しだけ弛緩した。
しかし、階段前か。予想されるのは階層ボスだが、こんな浅い場所にいるか?
「位置的に避けては通れんな。少し様子を見させる」
『分体達だけでは進めなかろう。アルベルト、俺様も先行するぞ』
「リージェ様、私も行きますわ!」
『だめだ。ルシアはアルベルト達と一緒にいろ』
ルシアちゃんがついてきたがったが、自力回復できる俺より、輜重部隊に何かあった時にルシアちゃんが傍にいないのは問題だろう。
この辺の敵はまだ雑魚だし、ルシアちゃんのことはアルベルト達が守れるだろうし。うん、置いて行った方が安全。
俺が却下したら、ルシアちゃんがむくれてしまった。こういう所はまだ子供だな。
『ルシア、俺様は頑丈だが、輜重部隊はそうではない。幸いここまではまだ雑魚ばかりだが、怪我をした時に俺様もルシアもいないのでは治療ができんだろう? 俺様がいない間、ルシアが彼らを守るのだ』
これはルシアにしかできないことだと言ってやったら、ルシアちゃんはすっかりやる気になった。
責任感が強いからなぁ。
ちょっとルシアちゃんチョロすぎて将来が心配だよ。まぁ、俺が守れば良いんだけど。
「すぐに追いつきますから、待っていてくださいね、リージェ様」
ルシアちゃんに見送られ、俺は分体達を追って単身11階層へと突入した。
索敵をかけると、弱々しい小さい反応が多数と、大きな反応が二つ。大きな反応は一緒にいるようだ。
他に大きな反応はないし、取り敢えずそっちに行ってみるか。
「ん? 待てよ、壁を壊して一直線に向かった方が早いんじゃないか?」
よし、やってみるか。
俺は目の前にあった壁に全力体当たり。
「いってぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
げっ! 今のでHP半分持ってかれた!
しかも全然壊れてねぇ! 少し入ったヒビも、悶絶している間に修復されやがった!
ぶつかった時の轟音で雑魚まで集まってきたし。最悪。
「あぁ、もう、めんどくせぇ! 血飛沫と共に踊れ!」
群がってきたゴーレムもスケルトンも、斬撃耐性があるようだが俺の爪を防ぎきることはできなかった。
バラバラに砕けて崩れ落ち、迷宮に溶けるように消えていく。
『――≪リージェ≫が経験値1750を獲得しました――』
「よっしゃー!」
雑魚とはいえ、やはり一気に殲滅するのは気持ちいい。スカッとする。
とはいえ、また囲まれても面倒だし急ぐか。
索敵で検知した大きな反応がある正面は壁。左右に分かれる道のどちらかが正解なんだが、さて……。
「お困りかね?!」
「お困りだね!」
「こっちだ!」
「こっちだぞー」
お、タイミングよく分体達のお迎えきた。
個体数が減ったからか、間隔を少しずつ開けてにょきにょき生えてくる。
『うむ、迎えにくるとは感心感心』
「うん、ちょうどお前が壁に激突した辺りから」
「みみみみみ見らrt……?!」
「ぐぎゃっ!」
思わず殴って磨り潰してしまったけど、うん、俺ワルクナイ。
証拠隠滅……って、確か全個体で記憶共有されてるんだったか……?
じゃあ、他の個体も磨り潰さなきゃなぁ……?
「ちょ、たんま! ストップ! それ以上やるとマジで個体減るから!」
『む、仕方ない』
器用にも水魔法と土魔法で「犯人はリージェ」なんてダイイングメッセージを書いていた分体がむくりと起き上がって俺を止める。
まぁ、ふざけるのはこのくらいにしようか。
全速力で分体達が示す道を駆け抜ける。
道中何体かのスケルトンやゴーレムが道を塞いでいたが、構わず突き進む。
スピードを落とさずそのまま跳ね飛ばし、遅れて経験値獲得の脳内アナウンスが響く。
きちんと全部倒したか確認はしていないが、あの程度アルベルト達なら大丈夫だろ。
こっちについてきてトレイン状態になったならそれはそれでまた吹き飛ばせばいい。
そうして、強大な敵性反応があった場所に近づくと、爆発音や固い物がぶつかり合うような音が幾度も聞こえた。
戦闘音だ――……。
急ぎ駆け付けた俺が見たものは、まるで特撮映画さながらの怪獣大決戦だった。
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