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第九章 俺様、ダンジョンに潜る
17、鑑定ちゃん、出番ですよ
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女神像の中に入っていたのは、1冊の本と金銀一対のハンドベル、細工が違う二つの腕輪だった。
どれも俺が使うというよりは、ルシアちゃん向けだろう。
さて、鑑定ちゃん、出番ですよ。
――――――――――――――――――――――
【精霊の書】
かつて精霊王が契約を交わした精霊の名と能力が記された契約書。
所有者は記載された能力を使用することができる。
この本自体が精霊の能力によって具現化された物であり、劣化や傷がつかない。
【封印の鈴】
忘れ去られし古の女神によって作られた、精霊の力を封じる鈴。
音が聞こえた者の能力を1オーラ封じる。
【和魂の鈴】
忘れ去られし古の女神によって作られた、精霊を鎮める鈴。
音が聞こえた者の負の感情を消す。
【反射の腕輪】
精霊王によって作られた、精霊の力を跳ね返す腕輪。
精霊の力そのものは反射できるが、それによって発生した事象や物理攻撃は反射できない。
【創世の腕輪(コピー)】
忘れ去られし古の女神の能力が込められた腕輪の劣化コピー。
MPを代償に、様々な物を作ることができる。
模造品のため、作り出せるものには限りがある。
―――――――――――――――――――――――
ほほぅ! これはまたずいぶんと凄いアイテムが。
金色の鈴があれば脅威に感じていた偽女神の未来予知や洗脳を封じられるってことね。
で、銀色の鈴を鳴らせば偽女神が大人しくなる、と。
精霊の書と創世の腕輪はイマイチ使いどころがわからんが、反射の腕輪も対偽女神戦においては強力な防御アイテムだ。
「このようなアイテムがあること、王家の伝承にもありませんでしたわ」
『偽女神が隠していたんだろう』
誰もこんな所に、偽女神の能力に有効なアイテムがあるなんて思いもしないだろう。
わかったとしても、この壁をどうこうするのは容易じゃないからな。
……1号は事も無げにやってみせてたけど。
どう考えても対偽女神用と思われるこれらのアイテムを作った辺り、忘れ去られし古の女神とやらも偽女神のことを警戒していたのだろう。
そして、これらのアイテムを処分するのではなく女神像に隠していたルネットとかいう人物も偽女神と対立していた側だと思われる。
で、隠されていたこれらのアイテムが無事俺達の手に入ったあたり、偽女神の未来予知も完璧ではないのかもしれない。
「これがあれば勝てるな!」
「待て待て。この鈴がもし俺達にも有効だったら、スキル抜きの肉弾戦になるって事じゃないか?」
喜ぶ一同を、アルベルトが諫める。
その言葉で全員がハッとする。
魔法もスキルによるものだ。そのスキルは、精霊が俺達に同化させられて与えてもらった物。
なら、敵だけじゃなくこちらもスキルが使えなくなる可能性は大いにある。
『試すなら今、か』
これらをぶっつけ本番で戦闘に組み込むのは少し不安がある。
一度使ったら二度と使えないなんて説明はないから、検証するなら雑魚しかいない今しかないだろう。
オークキングと遭遇することを考え、野営をした広間まで戻ることにした。
「では、鳴らします」
――リィィィィン……。
全員が広間に入り、1号が出入り口を封鎖して安全を確保したところでルシアちゃんが金色の鈴を鳴らした。
高めの音が広間内に響く。
『総員、スキルは使えるか?』
「え? リージェ様、今何と?」
おっと、そういや念話もスキルだった。
俺の言葉はただの唸り声にしか聞こえなかったようで、ルシアちゃんが首を傾げる。
会話ができないって辛い……。
「魔法が使えない」
「こっちはスキルも」
あちこちで上がる困惑の声。
うん、やっぱり全員に有効だったか。
これが1オーラ……約2時間か……キツイな。
「ルシア様、他のアイテムも試してみましょう」
エミーリオに促され、ルシアちゃんが他のアイテムに手を伸ばす。
まずは俺も一番気になっていた、精霊の書。
ルシアちゃんがその表紙をめくると、中は白紙だった。
「何だ、何も書いてないじゃないか……」
「……もしかして、精霊が人間のスキルとして宿ってしまっているせいですかね」
がっかりした声を出すバルトヴィーノ。
鑑定結果では記載された能力をということだったから、この本は全く何の役にも立たないってことか。
自分のスキルにない能力を使えるって、かなりロマンがあると思うんだが。残念。
役に立たないものを持ち歩く余裕はない。
投げ捨ててしまおう、と本を掴もうとしたらうっかり体勢を崩してしまった。
爪がまっすぐに本に突き立つ。
「「!?」」
俺の挙動に驚いた一同が、全く何事もなかったかのように鎮座する本にもう一度驚く。
そういや、傷つかないって鑑定で……。
「アルベルト」
「応」
目配せをしたベルナルド先生が本を自分の前に構え、アルベルトが剣で斬りかかった。
スキルに拠らないとはいえ、勢いが乗った剣先がベルナルド先生ごと切り裂くかと思われたその時。
ト、と軽い音と同時に剣がピタリと止まった。
何の変哲もない普通の本が剣を受け止めるという異様な光景に一同息を呑む。
「これをルシア様の防具に仕立て直せ!」
「はっ!」
絶対本来の使い方と違うが、精霊の書はこれ以上ない防御力を誇ることがわかった。
すかさずジルベルタが輜重部隊に命令し、あっという間に背部に本を仕込んだ革製の胸当てが完成した。
なかなかの厚みの本が仕込んであるから着心地は悪いだろうが、背後から心臓一撃なんてことはこれでなくなったわけだ。
「他のアイテムは……スキルを封じられている現状では検証のしようがありませんね……」
困ったようにルシアちゃんが言う。
確かに、反射は物理攻撃には利かないし、創世とやらもMPが必要になる。
和魂は……一応鳴らしてみると、封印の鈴より僅かに低音の心地良い音色が鳴ったが、特に何か変わったという実感はできなかった。
この鈴に関してはぶっつけ本番で試すしかないな。
封印の鈴の効果が切れるまでの間、これらのアイテムをどう戦いに組み込むか戦略を話し合うことになった。
どれも俺が使うというよりは、ルシアちゃん向けだろう。
さて、鑑定ちゃん、出番ですよ。
――――――――――――――――――――――
【精霊の書】
かつて精霊王が契約を交わした精霊の名と能力が記された契約書。
所有者は記載された能力を使用することができる。
この本自体が精霊の能力によって具現化された物であり、劣化や傷がつかない。
【封印の鈴】
忘れ去られし古の女神によって作られた、精霊の力を封じる鈴。
音が聞こえた者の能力を1オーラ封じる。
【和魂の鈴】
忘れ去られし古の女神によって作られた、精霊を鎮める鈴。
音が聞こえた者の負の感情を消す。
【反射の腕輪】
精霊王によって作られた、精霊の力を跳ね返す腕輪。
精霊の力そのものは反射できるが、それによって発生した事象や物理攻撃は反射できない。
【創世の腕輪(コピー)】
忘れ去られし古の女神の能力が込められた腕輪の劣化コピー。
MPを代償に、様々な物を作ることができる。
模造品のため、作り出せるものには限りがある。
―――――――――――――――――――――――
ほほぅ! これはまたずいぶんと凄いアイテムが。
金色の鈴があれば脅威に感じていた偽女神の未来予知や洗脳を封じられるってことね。
で、銀色の鈴を鳴らせば偽女神が大人しくなる、と。
精霊の書と創世の腕輪はイマイチ使いどころがわからんが、反射の腕輪も対偽女神戦においては強力な防御アイテムだ。
「このようなアイテムがあること、王家の伝承にもありませんでしたわ」
『偽女神が隠していたんだろう』
誰もこんな所に、偽女神の能力に有効なアイテムがあるなんて思いもしないだろう。
わかったとしても、この壁をどうこうするのは容易じゃないからな。
……1号は事も無げにやってみせてたけど。
どう考えても対偽女神用と思われるこれらのアイテムを作った辺り、忘れ去られし古の女神とやらも偽女神のことを警戒していたのだろう。
そして、これらのアイテムを処分するのではなく女神像に隠していたルネットとかいう人物も偽女神と対立していた側だと思われる。
で、隠されていたこれらのアイテムが無事俺達の手に入ったあたり、偽女神の未来予知も完璧ではないのかもしれない。
「これがあれば勝てるな!」
「待て待て。この鈴がもし俺達にも有効だったら、スキル抜きの肉弾戦になるって事じゃないか?」
喜ぶ一同を、アルベルトが諫める。
その言葉で全員がハッとする。
魔法もスキルによるものだ。そのスキルは、精霊が俺達に同化させられて与えてもらった物。
なら、敵だけじゃなくこちらもスキルが使えなくなる可能性は大いにある。
『試すなら今、か』
これらをぶっつけ本番で戦闘に組み込むのは少し不安がある。
一度使ったら二度と使えないなんて説明はないから、検証するなら雑魚しかいない今しかないだろう。
オークキングと遭遇することを考え、野営をした広間まで戻ることにした。
「では、鳴らします」
――リィィィィン……。
全員が広間に入り、1号が出入り口を封鎖して安全を確保したところでルシアちゃんが金色の鈴を鳴らした。
高めの音が広間内に響く。
『総員、スキルは使えるか?』
「え? リージェ様、今何と?」
おっと、そういや念話もスキルだった。
俺の言葉はただの唸り声にしか聞こえなかったようで、ルシアちゃんが首を傾げる。
会話ができないって辛い……。
「魔法が使えない」
「こっちはスキルも」
あちこちで上がる困惑の声。
うん、やっぱり全員に有効だったか。
これが1オーラ……約2時間か……キツイな。
「ルシア様、他のアイテムも試してみましょう」
エミーリオに促され、ルシアちゃんが他のアイテムに手を伸ばす。
まずは俺も一番気になっていた、精霊の書。
ルシアちゃんがその表紙をめくると、中は白紙だった。
「何だ、何も書いてないじゃないか……」
「……もしかして、精霊が人間のスキルとして宿ってしまっているせいですかね」
がっかりした声を出すバルトヴィーノ。
鑑定結果では記載された能力をということだったから、この本は全く何の役にも立たないってことか。
自分のスキルにない能力を使えるって、かなりロマンがあると思うんだが。残念。
役に立たないものを持ち歩く余裕はない。
投げ捨ててしまおう、と本を掴もうとしたらうっかり体勢を崩してしまった。
爪がまっすぐに本に突き立つ。
「「!?」」
俺の挙動に驚いた一同が、全く何事もなかったかのように鎮座する本にもう一度驚く。
そういや、傷つかないって鑑定で……。
「アルベルト」
「応」
目配せをしたベルナルド先生が本を自分の前に構え、アルベルトが剣で斬りかかった。
スキルに拠らないとはいえ、勢いが乗った剣先がベルナルド先生ごと切り裂くかと思われたその時。
ト、と軽い音と同時に剣がピタリと止まった。
何の変哲もない普通の本が剣を受け止めるという異様な光景に一同息を呑む。
「これをルシア様の防具に仕立て直せ!」
「はっ!」
絶対本来の使い方と違うが、精霊の書はこれ以上ない防御力を誇ることがわかった。
すかさずジルベルタが輜重部隊に命令し、あっという間に背部に本を仕込んだ革製の胸当てが完成した。
なかなかの厚みの本が仕込んであるから着心地は悪いだろうが、背後から心臓一撃なんてことはこれでなくなったわけだ。
「他のアイテムは……スキルを封じられている現状では検証のしようがありませんね……」
困ったようにルシアちゃんが言う。
確かに、反射は物理攻撃には利かないし、創世とやらもMPが必要になる。
和魂は……一応鳴らしてみると、封印の鈴より僅かに低音の心地良い音色が鳴ったが、特に何か変わったという実感はできなかった。
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