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4 解決
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「その『愛』、捨ててみませんか?」
そう問いかけると、夫人は思考が停止したように動かなくなった。
この言葉はあまりにも唐突すぎたと反省し、補足の説明をする。
「実は私、魔女なんです」
「……魔女?」
フリーズ状態から戻った夫人は、目の焦点を私にあわせる。
「そうです。そして、能力は【『愛』を結晶化する】ことです」
彼女は深く考え込みながら、そっとティーカップの縁をなぞる。
「そう……。つまり、わたくしのこの厄介な状態を治してくださるということかしら?」
こちらを見つめる瞳には、今まで人を引っ張ってきた領主としての威厳が垣間見える。それに、彼女自身も自分の人格の分離を自覚していたようだ。
(一から説明する必要がなくてよかった……)
「はい。前領主様への『愛』を結晶にして捨て去れば、もう一つの人格も自然と消え去ると思います」
なぜなら、深い『愛』ゆえの悲しみに堪えきれなくなったせいで出来た人格だからだ。地盤となる『愛』がなくなれば、その上に成り立つ人格が消えるのが道理だ。
「あの~、それと、言わなければならないことが一つだけ……」
先程まで滔々と語っていた魔女の尻込みする様子に、夫人は身構える。
「実は、今回の町の異変の原因が……」
「原因が?」
夫人は急かすように言葉を繰り返す。
魔女は言いずらそうに、顔を下に向けたまま話す。
「夫人だと思われます……」
「わたくし?」
「はい……」
まさか異変の調査を依頼した自分自身が、その異変の原因だったとは思いもよらなかったのだろう。本日何度目かのフリーズ状態になっている。
「その、『愛』って飛ぶことがあるんです」
「飛ぶですって?!」
「そうなるのは『愛』が変化して『憎しみ』になった場合なんですが」
「『憎しみ』……」
「領民たちを憎いと思ったこと、ありました……?」
人の心に深く踏み込む行為に、今更ながら体に緊張が走る。負の感情だからこそ、より慎重にならなければならない。
「数え切れないほどあるわ」
「ううん」
あまりにもはっきりと言われ、感嘆の声を上げてしまう。
「夫が事故にあったのも、領民のための視察に向かう道中だったもの」
複雑な感情をこめた言葉には、夫人の苦悩を感じる。
彼女は今まで溜め込んできた苦しみを語った。
あの事故は仕方のないことだった。それでも、あの時にあの人を引き留めていればと後悔は尽きない。そのやりきれない悲しみを、領民たちにぶつけるのはいけないとわかっていた。
彼らが、自分に対してどんなに心無い言葉をかけてきても。
「でも、それで憎むのもお門違いよね。実際にあの人の命を奪ったのは彼らじゃないのだから」
苦笑交じりにそう言う夫人の姿から、今までそうやって独りでたえてきたのだろうと思った。
「……感情はままならないものです。抑えれば抑えるほど、膨れ上がります」
下手な慰めは悪手だと思いながら、なんとか言葉を紡ぐ。
せめて気持ちが伝わるように、しっかりと顔を上げる。
「そう……、そうね……」
少しだけしわのあるその頬には、一筋の涙がつたった。
「もう、大丈夫よ」
ハンカチを目元から離し、いまだ潤んでいる瞳をこちらに向ける。
ハンカチをもつ手は、少しだけ震えている。
「……いいんですか?」
夫人の様子をうかがいながらも、最後の確認を行う。
彼女の答えは、もう決まっているのだろうと思っていても。
「ええ。もういない人に執着していても、いいことがないと学んだもの」
彼女は、故人への想いを断ち切る決断を下した。
今ある大切なもの、領民たちのために生きると決めたようだ。
「彼らに思うところはあるけれど、それでもわたくしの大切な領民たちですから」
笑顔をみせる彼女の本心はわからない。
しかし、彼女にも多くの物語があったことだけは確かに感じた。
「それでは、始めます」
魔女の言葉に夫人は静かに頷く。
私は夫人のそばに座り、彼女の手を祈りを捧げるように握った。
夫人は急激な眠気に襲われる。そして、そのまま気を失った。
気が付くと、草花がそよ風に揺れる野原に立っていた。
そばには一組の男女がいた。
女性のほうは夫人だ。きっともう一方の男性は前領主だろう。
(とても幸せそう)
その幸せな思い出を、私はこれから奪っていく。
それが『愛』を捨てるということだから。『思い出』を捨てるということだから。
(ほんとに……役に立たない魔女)
この能力が人を幸せにしたことなんてない。それでも、使わなければならない運命に交わる。
(もうずっと家にいたい)
思いを巡らせていると、夫人の思い出の世界が消えていく。
前領主の姿も、溶けるように消えていった。
(時間か……)
消えてゆく世界を手で掬う。
それらは手の平の上で結晶となった。
淡い新緑の結晶。
パリーンッ
それは手の中で砕け散った。
これで夫人は、故人に囚われることはなくなった。
(……帰ろう)
「今回は本当に助かりましたわ!」
「……そうか」
晴れやかな顔の夫人と釈然としない顔のテディさん。
彼は異常な気配がする湖の方へ行っていたそうだ。しかし、突然その気配が消えたかと思ったら、この町の異変も収まっていた。そのため、一度この屋敷に帰ってきたら満面の笑みの夫人に出迎えられたというわけだ。
(その湖の異常な気配って……)
「……イザベラさん」
テディさんがどこかに連絡を取るために席を外した間に、小声で夫人に声をかける。名前で呼んでいるのは彼女の要望だ。
「どうされたの?」
声を潜める私にあわせて、彼女も小声で答えてくれる。
「湖になにか捨てました?」
「……ええ、夫との思い出の品を捨てたことがあるわ」
―――未練を断ち切りたくて
彼女は苦笑しながらそう言った。
やはり、そう簡単に人は切り替えられないだろう。彼女の目は何かを思い出すように遠くを見ていた。
「多分……それが呪いの媒介物みたいになっていたんだと思います」
「呪い?」
『愛』は『憎しみ』に変容し、その『憎しみ』は強い呪いになることがある。
夫人には、簡単にそう説明した。
「そう、今回の件は全てわたくしのせいだったのですね……」
悔いるように俯く夫人に、私はおどけたように言った。
「いいえ?強いて言うならあなたが優しすぎたのが原因ですかね」
予想外の言葉でキョトンとした顔に、私は呆けたような顔をしてみせる。
「あら……、褒めて下さってもマフィンしか出せませんことよ?」
「マフィン……!」
子どものように目を輝かせる魔女を見て、夫人は楽し気に笑った。
「この依頼は、これで完了としていいだろうか」
テディさんが戻ってきて、話が再開される。
彼はまだこの解決に納得がいっていないようだ。無表情だが、不満げな雰囲気を感じられる。
それはそうだと思う。今回、私が魔女として行ったことは夫人に黙ってもらっているから。彼にとっては、いつの間にか解決していたという状況だ。納得できなくても仕方ない。
(まあ、それでも言う気はないけど)
彼は魔女を探している。今回のことを全て話せば、王都に連行されることは間違いない。一部を隠しながら話しても、彼はこういう部分では鋭そうだから誤魔化せる気がしない。
「それでは、お見送りいたしますわ」
考え込んでいるうちに、いつの間にか話は終わったようだ。
最後も夫人が直々に見送ってくれるみたいだ。
「お待ちになって」
テディさんのテレポートで帰ろうとしたその時、夫人に引き留められた。
どうやら、私を呼んでいるらしい。
屋敷の門の前に立つ夫人のもとまで歩いていく。
そばまで行くと、彼女はそっと私の耳に顔をよせる。
「お困りになったら、ぜひお越しになって」
親切な言葉を有難いと思いながら、返事はしなかった。
困ったように微笑むだけにとどめた。
こうして、今回の依頼は幕を閉じた。
(あれ?私めちゃくちゃ仕事してない?)
魔女がそのことに気が付いたのは、家に帰りお風呂から出た後だった。
そう問いかけると、夫人は思考が停止したように動かなくなった。
この言葉はあまりにも唐突すぎたと反省し、補足の説明をする。
「実は私、魔女なんです」
「……魔女?」
フリーズ状態から戻った夫人は、目の焦点を私にあわせる。
「そうです。そして、能力は【『愛』を結晶化する】ことです」
彼女は深く考え込みながら、そっとティーカップの縁をなぞる。
「そう……。つまり、わたくしのこの厄介な状態を治してくださるということかしら?」
こちらを見つめる瞳には、今まで人を引っ張ってきた領主としての威厳が垣間見える。それに、彼女自身も自分の人格の分離を自覚していたようだ。
(一から説明する必要がなくてよかった……)
「はい。前領主様への『愛』を結晶にして捨て去れば、もう一つの人格も自然と消え去ると思います」
なぜなら、深い『愛』ゆえの悲しみに堪えきれなくなったせいで出来た人格だからだ。地盤となる『愛』がなくなれば、その上に成り立つ人格が消えるのが道理だ。
「あの~、それと、言わなければならないことが一つだけ……」
先程まで滔々と語っていた魔女の尻込みする様子に、夫人は身構える。
「実は、今回の町の異変の原因が……」
「原因が?」
夫人は急かすように言葉を繰り返す。
魔女は言いずらそうに、顔を下に向けたまま話す。
「夫人だと思われます……」
「わたくし?」
「はい……」
まさか異変の調査を依頼した自分自身が、その異変の原因だったとは思いもよらなかったのだろう。本日何度目かのフリーズ状態になっている。
「その、『愛』って飛ぶことがあるんです」
「飛ぶですって?!」
「そうなるのは『愛』が変化して『憎しみ』になった場合なんですが」
「『憎しみ』……」
「領民たちを憎いと思ったこと、ありました……?」
人の心に深く踏み込む行為に、今更ながら体に緊張が走る。負の感情だからこそ、より慎重にならなければならない。
「数え切れないほどあるわ」
「ううん」
あまりにもはっきりと言われ、感嘆の声を上げてしまう。
「夫が事故にあったのも、領民のための視察に向かう道中だったもの」
複雑な感情をこめた言葉には、夫人の苦悩を感じる。
彼女は今まで溜め込んできた苦しみを語った。
あの事故は仕方のないことだった。それでも、あの時にあの人を引き留めていればと後悔は尽きない。そのやりきれない悲しみを、領民たちにぶつけるのはいけないとわかっていた。
彼らが、自分に対してどんなに心無い言葉をかけてきても。
「でも、それで憎むのもお門違いよね。実際にあの人の命を奪ったのは彼らじゃないのだから」
苦笑交じりにそう言う夫人の姿から、今までそうやって独りでたえてきたのだろうと思った。
「……感情はままならないものです。抑えれば抑えるほど、膨れ上がります」
下手な慰めは悪手だと思いながら、なんとか言葉を紡ぐ。
せめて気持ちが伝わるように、しっかりと顔を上げる。
「そう……、そうね……」
少しだけしわのあるその頬には、一筋の涙がつたった。
「もう、大丈夫よ」
ハンカチを目元から離し、いまだ潤んでいる瞳をこちらに向ける。
ハンカチをもつ手は、少しだけ震えている。
「……いいんですか?」
夫人の様子をうかがいながらも、最後の確認を行う。
彼女の答えは、もう決まっているのだろうと思っていても。
「ええ。もういない人に執着していても、いいことがないと学んだもの」
彼女は、故人への想いを断ち切る決断を下した。
今ある大切なもの、領民たちのために生きると決めたようだ。
「彼らに思うところはあるけれど、それでもわたくしの大切な領民たちですから」
笑顔をみせる彼女の本心はわからない。
しかし、彼女にも多くの物語があったことだけは確かに感じた。
「それでは、始めます」
魔女の言葉に夫人は静かに頷く。
私は夫人のそばに座り、彼女の手を祈りを捧げるように握った。
夫人は急激な眠気に襲われる。そして、そのまま気を失った。
気が付くと、草花がそよ風に揺れる野原に立っていた。
そばには一組の男女がいた。
女性のほうは夫人だ。きっともう一方の男性は前領主だろう。
(とても幸せそう)
その幸せな思い出を、私はこれから奪っていく。
それが『愛』を捨てるということだから。『思い出』を捨てるということだから。
(ほんとに……役に立たない魔女)
この能力が人を幸せにしたことなんてない。それでも、使わなければならない運命に交わる。
(もうずっと家にいたい)
思いを巡らせていると、夫人の思い出の世界が消えていく。
前領主の姿も、溶けるように消えていった。
(時間か……)
消えてゆく世界を手で掬う。
それらは手の平の上で結晶となった。
淡い新緑の結晶。
パリーンッ
それは手の中で砕け散った。
これで夫人は、故人に囚われることはなくなった。
(……帰ろう)
「今回は本当に助かりましたわ!」
「……そうか」
晴れやかな顔の夫人と釈然としない顔のテディさん。
彼は異常な気配がする湖の方へ行っていたそうだ。しかし、突然その気配が消えたかと思ったら、この町の異変も収まっていた。そのため、一度この屋敷に帰ってきたら満面の笑みの夫人に出迎えられたというわけだ。
(その湖の異常な気配って……)
「……イザベラさん」
テディさんがどこかに連絡を取るために席を外した間に、小声で夫人に声をかける。名前で呼んでいるのは彼女の要望だ。
「どうされたの?」
声を潜める私にあわせて、彼女も小声で答えてくれる。
「湖になにか捨てました?」
「……ええ、夫との思い出の品を捨てたことがあるわ」
―――未練を断ち切りたくて
彼女は苦笑しながらそう言った。
やはり、そう簡単に人は切り替えられないだろう。彼女の目は何かを思い出すように遠くを見ていた。
「多分……それが呪いの媒介物みたいになっていたんだと思います」
「呪い?」
『愛』は『憎しみ』に変容し、その『憎しみ』は強い呪いになることがある。
夫人には、簡単にそう説明した。
「そう、今回の件は全てわたくしのせいだったのですね……」
悔いるように俯く夫人に、私はおどけたように言った。
「いいえ?強いて言うならあなたが優しすぎたのが原因ですかね」
予想外の言葉でキョトンとした顔に、私は呆けたような顔をしてみせる。
「あら……、褒めて下さってもマフィンしか出せませんことよ?」
「マフィン……!」
子どものように目を輝かせる魔女を見て、夫人は楽し気に笑った。
「この依頼は、これで完了としていいだろうか」
テディさんが戻ってきて、話が再開される。
彼はまだこの解決に納得がいっていないようだ。無表情だが、不満げな雰囲気を感じられる。
それはそうだと思う。今回、私が魔女として行ったことは夫人に黙ってもらっているから。彼にとっては、いつの間にか解決していたという状況だ。納得できなくても仕方ない。
(まあ、それでも言う気はないけど)
彼は魔女を探している。今回のことを全て話せば、王都に連行されることは間違いない。一部を隠しながら話しても、彼はこういう部分では鋭そうだから誤魔化せる気がしない。
「それでは、お見送りいたしますわ」
考え込んでいるうちに、いつの間にか話は終わったようだ。
最後も夫人が直々に見送ってくれるみたいだ。
「お待ちになって」
テディさんのテレポートで帰ろうとしたその時、夫人に引き留められた。
どうやら、私を呼んでいるらしい。
屋敷の門の前に立つ夫人のもとまで歩いていく。
そばまで行くと、彼女はそっと私の耳に顔をよせる。
「お困りになったら、ぜひお越しになって」
親切な言葉を有難いと思いながら、返事はしなかった。
困ったように微笑むだけにとどめた。
こうして、今回の依頼は幕を閉じた。
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