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第三章 スキルの力と金策と裏切り
五
しおりを挟む「私は反対です」
本の世界に戻った僕は、ひとまずこのことを村長さんに相談しにいった。
というのも、やはり年長者であり村をおさめていた人だ。僕よりも全然知識も経験もあるだろう。
なぜだか、ルルルとカターニャさんも同席してるけど、こっちにくるといつものことだ。
気にはしない。
「ふむ。そうじゃの。たしかに怪しいことこの上ないが……エンド様はどうお考えで?」
「僕? うーん。そうだね。正直、任せてみてもいいかなって思ってる」
「ほぉ」
「エンド様?」
村長さんの面白がるような視線と、レイカの冷たい視線が一斉に僕に向く。
っていうか、とりあえず思ったことを言っただけなのに。
「理由はありますか? あの少女はとても可愛らしかったですが」
「可愛らしい? そういうのじゃなくて、こっちにリスクがないかなって思っただけだから」
僕がそういうと、なぜだかレイカは安心したように息を吐いていた。
よくわからないけど、安心したのならよかったよ。
それよりも、今は商売の話だ。
僕は考えていることを少しずつ言葉にしていく。
どうしてか、最近よく頭がまわる気がするんだ。
なんだか、頭の中がすっきりしているっていうか。
「だってさ。もしだまされたとして、僕らは何を失うの?」
僕の言葉を聞いて二人は眉を顰める。
「僕らはこの世界から果物をとって外で売ってる。もしあの子が仮にだまそうとしたって、失うのは外に持っていった果物だけ。きっと、普通なら果物を育ててる場所とか、ほかにも色々なものをとられるんだろうけど、ここは僕のスキルの中の世界だから。僕が奪われなきゃそれでいいのかなって。まあ、騙されたならそれだけこっちで家を作るのが遅くなるけど……それはしょうがないかなって」
僕がそういうと、村長さんは唸りながら頷いてくれた。
「たしかにの。心配なのは、向こうで商売する権利じゃが、それについては気を付けていれば早々問題ないだろうしの」
「もし、この街で商売ができなくなれば移動すればいいのかもしれません。エンド様の世界はその土地に縛られませんからね」
ようやく柔らかくなった空気に、カターニャさんやルルルも声をあげた。
「この世界は本当に豊かです。果物だけをとっても数えきれないくらいの種類がありますから」
「ルルル、パイナップル大好き!!」
僕は皆の意見を聞きながら静かに頷いた。
「ならあの子に任せてみようか。明日、また市で会おうって話してあるから細かい話もその時にしようかな」
それに……。
「なんか気になるんだよね。あの子……」
そんなことをつぶやきながら、僕はカターニャさんが用意してくれた夕食を食べるのだった。
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