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第三章 スキルの力と金策と裏切り
十八
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僕は、人込みを避けるように路地裏に入ると、すぐさま本の世界へと入り込む。
そして、蝙蝠族が集まっている場所に行くと、皆が驚いたように集まってきた。
「どうしたのですか!? わざわざこちらにまっすぐ来られるなんて」
蝙蝠族の長もすぐに出てきてくれた。
時間が惜しかったため、すぐさま用件を伝える。
「ドロフェイはいる?」
「はい。今は休んでいるかと思いますが」
「申し訳ないんだけど呼んできてくれないかな? 急いで頼みたいことがあるんだ」
「は、はい。ただいま」
長は慌てた様子ですぐに呼びに行ってくれた。
余談だが、ドロフェイにさんつけしていたところ、それはやめてほしいとレイカに言われた。
なんでも、各種族の上に立つのだから、言葉遣いも気を付けて欲しいとのことらしい。
慣れないけれど、馴染むときは来るんだろうか。
しばらくまっていると、ドロフェイが飛んできてくれた。
文字通り、空を飛んできたドロフェイは、すぐさま跪き、頭をさげる。
「エンド様。急ぎ御用とのこと。どうなされましたか?」
「調べてほしいことがあるんだ」
「調べてほしいこと……ですか?」
「うん。君がみかけた商人のことなんだけど――」
僕が詳細を話すと、彼は眉をひそめてしまう。
どうかしたのかな、と思っていると申し訳なさそうに彼が口をひらいた。
「エンド様。申し訳ないのですが、私だけでは難しいかもしれません」
思いもよらない言葉に、僕はびっくりした。
ここをつきとめたドロフェイのことだ。大概のことはなんとかなると思ってたけど、そうではないらしい。
「できないってこと?」
「そういうわけではありません。私一人では難しいと思われます」
「つまり協力者が必要だってことだよね」
「はい。できれば、犬人族と猫人族の助力も欲しいのです」
「わかった。今すぐ僕が頼んでくるよ」
「私も一緒に参りましょう」
理由は聞かない。
ここを突き止めた彼がそういうのだ。ならば、必要なのだろう。
犬人族と猫人族のところにいって頼むと、二つ返事で了承してくれた。
なんでも、本の世界の場所を突き止めるときも、この三種族が協力してくれていたらしい。
きっとそれならうまくやってくれるのだろう。
「エンド様の様子が普段と違いますな……」
「なんか、いい男の香りがするにゃ」
「エンド様……やば、かっこいい……」
なにやら、皆がつぶやいているけど聞こえない。
とにかく今は、早く情報が欲しい。
協力してくれる皆に後でお礼をしないと、などと思いつつ、僕は駆け出す彼らの後ろ姿を見つめていた。
どうか彼ら自身にも危険がなく、うまくやってくれることを信じて。
そして、蝙蝠族が集まっている場所に行くと、皆が驚いたように集まってきた。
「どうしたのですか!? わざわざこちらにまっすぐ来られるなんて」
蝙蝠族の長もすぐに出てきてくれた。
時間が惜しかったため、すぐさま用件を伝える。
「ドロフェイはいる?」
「はい。今は休んでいるかと思いますが」
「申し訳ないんだけど呼んできてくれないかな? 急いで頼みたいことがあるんだ」
「は、はい。ただいま」
長は慌てた様子ですぐに呼びに行ってくれた。
余談だが、ドロフェイにさんつけしていたところ、それはやめてほしいとレイカに言われた。
なんでも、各種族の上に立つのだから、言葉遣いも気を付けて欲しいとのことらしい。
慣れないけれど、馴染むときは来るんだろうか。
しばらくまっていると、ドロフェイが飛んできてくれた。
文字通り、空を飛んできたドロフェイは、すぐさま跪き、頭をさげる。
「エンド様。急ぎ御用とのこと。どうなされましたか?」
「調べてほしいことがあるんだ」
「調べてほしいこと……ですか?」
「うん。君がみかけた商人のことなんだけど――」
僕が詳細を話すと、彼は眉をひそめてしまう。
どうかしたのかな、と思っていると申し訳なさそうに彼が口をひらいた。
「エンド様。申し訳ないのですが、私だけでは難しいかもしれません」
思いもよらない言葉に、僕はびっくりした。
ここをつきとめたドロフェイのことだ。大概のことはなんとかなると思ってたけど、そうではないらしい。
「できないってこと?」
「そういうわけではありません。私一人では難しいと思われます」
「つまり協力者が必要だってことだよね」
「はい。できれば、犬人族と猫人族の助力も欲しいのです」
「わかった。今すぐ僕が頼んでくるよ」
「私も一緒に参りましょう」
理由は聞かない。
ここを突き止めた彼がそういうのだ。ならば、必要なのだろう。
犬人族と猫人族のところにいって頼むと、二つ返事で了承してくれた。
なんでも、本の世界の場所を突き止めるときも、この三種族が協力してくれていたらしい。
きっとそれならうまくやってくれるのだろう。
「エンド様の様子が普段と違いますな……」
「なんか、いい男の香りがするにゃ」
「エンド様……やば、かっこいい……」
なにやら、皆がつぶやいているけど聞こえない。
とにかく今は、早く情報が欲しい。
協力してくれる皆に後でお礼をしないと、などと思いつつ、僕は駆け出す彼らの後ろ姿を見つめていた。
どうか彼ら自身にも危険がなく、うまくやってくれることを信じて。
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