46 / 54
第三章 スキルの力と金策と裏切り
十八
しおりを挟む
僕は、人込みを避けるように路地裏に入ると、すぐさま本の世界へと入り込む。
そして、蝙蝠族が集まっている場所に行くと、皆が驚いたように集まってきた。
「どうしたのですか!? わざわざこちらにまっすぐ来られるなんて」
蝙蝠族の長もすぐに出てきてくれた。
時間が惜しかったため、すぐさま用件を伝える。
「ドロフェイはいる?」
「はい。今は休んでいるかと思いますが」
「申し訳ないんだけど呼んできてくれないかな? 急いで頼みたいことがあるんだ」
「は、はい。ただいま」
長は慌てた様子ですぐに呼びに行ってくれた。
余談だが、ドロフェイにさんつけしていたところ、それはやめてほしいとレイカに言われた。
なんでも、各種族の上に立つのだから、言葉遣いも気を付けて欲しいとのことらしい。
慣れないけれど、馴染むときは来るんだろうか。
しばらくまっていると、ドロフェイが飛んできてくれた。
文字通り、空を飛んできたドロフェイは、すぐさま跪き、頭をさげる。
「エンド様。急ぎ御用とのこと。どうなされましたか?」
「調べてほしいことがあるんだ」
「調べてほしいこと……ですか?」
「うん。君がみかけた商人のことなんだけど――」
僕が詳細を話すと、彼は眉をひそめてしまう。
どうかしたのかな、と思っていると申し訳なさそうに彼が口をひらいた。
「エンド様。申し訳ないのですが、私だけでは難しいかもしれません」
思いもよらない言葉に、僕はびっくりした。
ここをつきとめたドロフェイのことだ。大概のことはなんとかなると思ってたけど、そうではないらしい。
「できないってこと?」
「そういうわけではありません。私一人では難しいと思われます」
「つまり協力者が必要だってことだよね」
「はい。できれば、犬人族と猫人族の助力も欲しいのです」
「わかった。今すぐ僕が頼んでくるよ」
「私も一緒に参りましょう」
理由は聞かない。
ここを突き止めた彼がそういうのだ。ならば、必要なのだろう。
犬人族と猫人族のところにいって頼むと、二つ返事で了承してくれた。
なんでも、本の世界の場所を突き止めるときも、この三種族が協力してくれていたらしい。
きっとそれならうまくやってくれるのだろう。
「エンド様の様子が普段と違いますな……」
「なんか、いい男の香りがするにゃ」
「エンド様……やば、かっこいい……」
なにやら、皆がつぶやいているけど聞こえない。
とにかく今は、早く情報が欲しい。
協力してくれる皆に後でお礼をしないと、などと思いつつ、僕は駆け出す彼らの後ろ姿を見つめていた。
どうか彼ら自身にも危険がなく、うまくやってくれることを信じて。
そして、蝙蝠族が集まっている場所に行くと、皆が驚いたように集まってきた。
「どうしたのですか!? わざわざこちらにまっすぐ来られるなんて」
蝙蝠族の長もすぐに出てきてくれた。
時間が惜しかったため、すぐさま用件を伝える。
「ドロフェイはいる?」
「はい。今は休んでいるかと思いますが」
「申し訳ないんだけど呼んできてくれないかな? 急いで頼みたいことがあるんだ」
「は、はい。ただいま」
長は慌てた様子ですぐに呼びに行ってくれた。
余談だが、ドロフェイにさんつけしていたところ、それはやめてほしいとレイカに言われた。
なんでも、各種族の上に立つのだから、言葉遣いも気を付けて欲しいとのことらしい。
慣れないけれど、馴染むときは来るんだろうか。
しばらくまっていると、ドロフェイが飛んできてくれた。
文字通り、空を飛んできたドロフェイは、すぐさま跪き、頭をさげる。
「エンド様。急ぎ御用とのこと。どうなされましたか?」
「調べてほしいことがあるんだ」
「調べてほしいこと……ですか?」
「うん。君がみかけた商人のことなんだけど――」
僕が詳細を話すと、彼は眉をひそめてしまう。
どうかしたのかな、と思っていると申し訳なさそうに彼が口をひらいた。
「エンド様。申し訳ないのですが、私だけでは難しいかもしれません」
思いもよらない言葉に、僕はびっくりした。
ここをつきとめたドロフェイのことだ。大概のことはなんとかなると思ってたけど、そうではないらしい。
「できないってこと?」
「そういうわけではありません。私一人では難しいと思われます」
「つまり協力者が必要だってことだよね」
「はい。できれば、犬人族と猫人族の助力も欲しいのです」
「わかった。今すぐ僕が頼んでくるよ」
「私も一緒に参りましょう」
理由は聞かない。
ここを突き止めた彼がそういうのだ。ならば、必要なのだろう。
犬人族と猫人族のところにいって頼むと、二つ返事で了承してくれた。
なんでも、本の世界の場所を突き止めるときも、この三種族が協力してくれていたらしい。
きっとそれならうまくやってくれるのだろう。
「エンド様の様子が普段と違いますな……」
「なんか、いい男の香りがするにゃ」
「エンド様……やば、かっこいい……」
なにやら、皆がつぶやいているけど聞こえない。
とにかく今は、早く情報が欲しい。
協力してくれる皆に後でお礼をしないと、などと思いつつ、僕は駆け出す彼らの後ろ姿を見つめていた。
どうか彼ら自身にも危険がなく、うまくやってくれることを信じて。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
追放されたS級清掃員、配信切り忘れで伝説になる 「ただのゴミ掃除」と言って神話級ドラゴンを消し飛ばしていたら世界中がパニックになってますが?
あとりえむ
ファンタジー
【5話ごとのサクッと読める構成です!】
世界を救ったのは、聖剣ではなく「洗剤」でした。
「君のやり方は古いんだよ」 不当な理由でS級クランを追放された、ベテラン清掃員・灰坂ソウジ(38歳)。 職を失った彼だったが、実は彼にはとんでもない秘密があった。 呪いのゴーグルのせいで、あらゆる怪物が「汚れ」にしか見えないのだ。
・神話級ドラゴン
⇒ 換気扇の頑固な油汚れ(洗剤で瞬殺)
・深淵の邪神
⇒ トイレの配管詰まり(スッポンで解決)
・次元の裂け目
⇒ 天井の雨漏りシミ(洗濯機で丸洗い)
「あー、ここ汚れてるな。チャチャッと落としておくか」
本人はただ業務として掃除をしているだけなのに、その姿は世界中で配信され、人類最強の英雄として崇められていく! 可愛い元ダンジョン・コアや、潔癖症の聖女も入社し、会社は今日も大忙し。 一方、彼を追放した元クランは、汚れ(モンスター)に埋もれて破滅寸前で……?
「地球が汚れてる? じゃあ、一回丸洗いしますか」 最強の清掃員が、モップ片手に世界をピカピカにする、痛快・勘違い無双ファンタジー!
【免責事項】
この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。
※こちらの作品は、カクヨムと小説家になろうでも公開しています。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
過労死コンサル、貧乏貴族に転生す~現代農業知識と魔法で荒地を開拓していたら、いつの間にか世界を救う食糧大国になっていました~
黒崎隼人
ファンタジー
農業コンサルタントとして過労死した杉本健一は、異世界の貧乏貴族ローレンツ家の当主として目覚めた。
待っていたのは、荒れた土地、飢える領民、そして莫大な借金!
チートスキルも戦闘能力もない彼に残された武器は、前世で培った「農業知識」だけだった。
「貴族が土を耕すだと?」と笑われても構わない!
輪作、堆肥、品種改良! 現代知識と異世界の魔法を組み合わせた独自農法で、俺は自らクワを握る「耕作貴族」となる!
元Sランク冒険者のクールなメイドや、義理堅い元騎士を仲間に迎え、荒れ果てた領地を最強の農業大国へと変えていく、異色の領地経営ファンタジー!
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる