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第1章 魔王の再臨/番外編
リヨンドとラルフ<モロクに出会う前編>
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「ラルフ……私が例の『勇者』に選ばれたらしい。」
「え?」
ディナーを終えた頃に届いた手紙をラルフに差し出す。
300年前に滅んだとされる魔王が復活しようとしている…と、数ヶ月前にその片鱗が確認されたと世界中で話題になった。
魔王はかつて世界中を破壊し、目に付く生き物を片っ端っから殺戮していったという伝説が残っている破壊の王、魔王モロク。
その魔王を討つ者…『勇者』にまさかこの私が選ばれてしまったのだ。
「明日の早朝、1人で現場へ向かうようにと指示書が来たよ。明日の朝だなんて急すぎる…相変わらず適当で乱暴だなぁ。」
沢山の候補の中からたった1人だけが選ばれる『勇者』。
それだけ聞くととても光栄に聞こえるけど真意としてはぼやきたくもなる。
現場へ行く、ということは死亡する確率が90%を超えている事を意味する。
つまり、咬ませ犬。
まずは1人行ってみて強さを確認してこい、こちらが殺られて帰ってこなかったとしたらそれはそれ…という事。
ラルフは手紙の中身を読んで、呆然としてしまう。
「何故私なのかなぁ…?うっかりSランクの魔物を倒してしまったからかなぁ…?報酬に釣られてチャレンジ討伐とか行かなきゃよかったなぁ。」
偶然が重なってたまたま倒せただけなのに。
もしかしてあれが『勇者』を決めるための試験だったのかな?
「……リヨンド、これって辞退はできないのかい?それかせめて何人かで行くように…」
「まぁ、無理だろうね…協議会のジジィどもの決定を覆すのはかなり難しいだろう。」
バン、と勢いよく手紙を机に叩きつけてラルフは頭を抱えた。
「リヨンドは強いけど…でも相手は魔王だ…1人でなんてどうかしてる……!!」
ラルフを抱き締めてライトブラウンの髪に鼻を埋めると、ラルフはハッとしたように慌てて私を抱き締め返してくれた。
「あ………ごめん、ごめんよ、リヨンド…一番不安なのはリヨンドなのに…」
「私こそ、ごめん。ついぼやいてしまったね。……ねぇ、ラルフ。決まってしまったからには私は行かなきゃいけないけれど…明日の出発まで一緒にいよう。ね?」
ラルフを宥めながら2人掛けのソファに一緒に腰掛ける。
「…そうだ、初めて出会った時の事覚えてるかい?11年前にカファレルが怪我して慌ててここに駆け込んだ時だよね。あの時はまだ私もカファレルも魔物の討伐や狩りに慣れてなくて。」
「……うん、覚えてるよ。リヨンドはカファレルが死んでしまうんじゃないかって連日ここに泊まりきりだったね。僕は不謹慎にもそんなリヨンドに惹かれて何度もアタックしたっけ。強い男の憂い顔にきゅんとしちゃったんだよ。」
ラルフに手を握られ、私もそっと指を絡ませた。
あの頃、私はまだ経験値が足りずカファレルに怪我をさせてしまい酷く落ち込んでいた。
ラルフはそんな私に寄り添ってくれた。
「それから付き合って、仕事で出ても私の帰る場所はここになって……」
「10年以上経つんだね。…出会った頃はまだ20代だったのに、あっという間に40歳が目前に迫ってるだなんて時間というのは恐ろしいね…」
「ふふ、…色んな事があったね。沢山土産話を持ち帰って、その度にラルフに聞いてもらって。」
「あっ、僕は毒龍の卵を盗む話が一番お気に入りだったよ!」
ふふ、とようやくラルフが笑顔になり少し安心する。
「あれは自分でも滑稽でね。未だに思い出すと笑えてくるよ。まあ……結末は最悪だったけど。」
旅の途中に立ち寄ったギルドの依頼で毒龍の卵2つを納品する依頼を受けた。
依頼自体は極簡単ではあったのだけど…
毒龍は一度に2つの卵を産むが形状認知能力が悪く、卵と同じくらいの大きさのものであれば卵かどうか見分けがつかない。
その卵というのが丁度大人の男が蹲ったくらいの大きさでとても重く殻も頑丈だ。
親鳥が一瞬巣を離れた隙をついて1つを先に失敬して、もう1つ…というタイミングで親鳥が戻ってきてしまい、巣の中で咄嗟に膝を抱えて体を丸めたのだが…なかなか親鳥が巣を離れてくれず、卵として丸一日温められ続けていたという話だ。
「帰ってきた日、酷い臭いだったね。」
「毒龍は臭いって本当なんだよ。数日間あの臭いに悩まされて本当に最悪だった…お陰であの臭いが取れるまでラルフはキスもしてくれなかったからね。」
「ごめんよ、やっぱり僕も人間だから…あの臭いはどうしても無理だったんだよ。…僕は動物が大好きで本当は自分の目で野生の彼等を見て歩く動物探検家になりたかったけど、身体が弱いから歩かなくても動物に関われる獣医になったんだ。だからリヨンドが色んな動物や魔物の話をしてくれるのはいつも楽しくて次を楽しみに……」
また少し悲しげな表情をするラルフの唇にそっとキスをすると、ラルフは甘えるように私の首に抱きついてきた。
その背中を抱き締めてもう一度ゆっくり唇を重ねる。
ラルフの、薄く柔らかいしっとりした唇。
愛おしいという感情と、離れ難い思いが溢れ出しそうになって強く抱き締め、耳元で「ベッド、行こうか?」と聞くと泣きそうな声で「うん」と返ってきた。
ラルフの部屋のキングベッドに移動して2人で服を脱いで互いの体を確かめ合うようにあちこちにキスをして、触れ合う。
ラルフの首筋に唇を寄せて、肉が付きにくいせいで痩せた胸に指を這わすと吐息に混じって小さな声が漏れ始めた。
「…ぁ……はっ、…ん、ん…リヨンド…はぁっ…」
私の名前を口にするラルフに愛しさが溢れていく。
ラルフの唇を塞いで舌を絡めるとラルフが私のソレに触れた。
「っ、…ラルフ……」
「はっ、…あは、…久しぶりだし…僕にも何かやらせて…」
ラルフの手にジワリと快感の波がやってくる。
「じゃあ、一緒に…」
私もラルフのソレを軽く扱くとラルフはピクリと体を震わせた。
私のも、ラルフのも、もう透明な蜜をこぼし始めている音が聞こえる。
荒い息と時々溢れる互いの声にどんどん興奮していく。
「ぁ、……んん…っ、…リヨンド…駄目、だめ…っ…出ちゃ…っ、から…っ」
私の手を握って止めると、私のソレからも手を離し、手の甲で目元を隠しながら何度か息をしてから笑った。
「…はぁ、はぁ…、あはは…今日はコッチでリヨンドと一緒がいい…」
そう言って足を開き、後孔を指で軽く広げて見せる。
「私も久しぶりなんであんまり煽らないでくれないかな…っ」
ラルフの、腹に落ちた透明な蜜を指に絡めて後孔に当てがうとラルフの腰がねだるように浮く。
そのまま中に指を沈めていく。
「ん、んんぅ…っ、んッ、…はあっ、ぁ…」
ラルフの中をぐにぐにとほぐしていく。
その熱を忘れないように、味わうようにしっかりと。
「あぁ…っ、リヨ…ッ…ぁ、あ…んっ」
ラルフの声を塞ぐように唇を塞ぎ、再び舌を絡めながら後孔の指を2本に増やした。
縋るような手で私の腕を、背中を、ラルフが掻き抱く。
クチュ、と後孔から音が聞こえて長いキスをしたまま、指を3本に増やす。
もうラルフのソコはうねって収縮を繰り返し私を煽るばかりだ。
「ん…っ、んぅ…リヨン、ド…もぅ…っ、痛くてもい、から…っ」
「…ラルフ……ごめんね…私も、もう…」
ソコから指を引き抜き、ラルフの足を抱えて私のソレを当てがい、ゆっくり挿入した。
「あぁあっ…、痛っ、…んんッ、んっ…」
「痛いよね…ごめんね…」
ぎゅうぎゅうに締め付けてくるソコに割って挿入るように少しずつやや無理矢理ナカへと進めると、ラルフが私の腕に爪を立てて仰け反った。
「ァあッ…!」
骨張った肩や鎖骨、首に何度もキスをしてラルフの息がある程度落ち着くのを待つ。
「ラルフ…好きだよ…」
「はっ、は、ぁっ、僕…僕も、…リヨンド…っ、…」
何度か啄むようなキスをしてから一気に最奥を突いた。
「ひっ、アぁあっ!」
「あぁ…ラルフ、挿入ったよ…っ、…」
「ふっ…んんっ…ん、はぁっ、はあっ、…あはは…っ…」
頬を赤らめて潤んだ瞳のまま小さく笑うラルフを抱き締めるようにしてゆっくり腰を動かす。
「ぁ、…んっ……僕の事は、いいから…、リヨンドの好きに…っ」
頬を撫でられた瞬間、もう2度とこんな風に居られなくなるかもしれないと急に悲しみが胸に広がった。
もっとずっとラルフと一緒にいたい…。
「…リヨンド………」
ラルフにもう一度頬を撫でられてハッとした。
「あ…ごめん、何だかちょっとね…」
「リヨンド……お願いがあるんだ。…僕が明日の朝起きないように…惨めに泣いて縋ってリヨンドを引き止めないように…今からリヨンドにぐちゃぐちゃにしてほしい……リヨンド、好きだよ、凄く、好きなんだ…っ、だから、……お願い……」
「…っ、……ラルフ…、愛してる…愛してるよ…」
もう何度目か分からないキスをして…それから…
私はこれまでした事のない程…ラルフが失神するまでめちゃくちゃに抱いた。
目が覚めるとまだ日の登る前だった。
隣を見ると泣き腫らした顔のラルフが寝息を立てている。
こんなに愛する人…これで見納めだなんて。
ごめんね、昨日は沢山痛い思いしたよね…。
投げ出されたままのラルフの手に口付けて音を立てないようにそっとベッドを出た。
私自身が死ぬのは怖くない。
でも私の運命に他の命を巻き込む事はできない…ケージの中で私を待っているカファレルの顎を擽るとカファレルは気持ちよさそうに目を細めた。
「カファレル、君はお留守番だ。ラルフの事をよろしく頼んだよ。」
ケージを閉めるとカファレルはバサバサ、と羽ばたいた。
私が死んだ後、私が残していったものはどうなるのだろうか。
軽く息を吐いて頭を振り、身支度をしてそっとラルフの屋敷を出た。
魔王モロクを討ち、きっと帰ってくると誓って。
リヨンドとラルフ<モロクと出会う前編> 終わり
「え?」
ディナーを終えた頃に届いた手紙をラルフに差し出す。
300年前に滅んだとされる魔王が復活しようとしている…と、数ヶ月前にその片鱗が確認されたと世界中で話題になった。
魔王はかつて世界中を破壊し、目に付く生き物を片っ端っから殺戮していったという伝説が残っている破壊の王、魔王モロク。
その魔王を討つ者…『勇者』にまさかこの私が選ばれてしまったのだ。
「明日の早朝、1人で現場へ向かうようにと指示書が来たよ。明日の朝だなんて急すぎる…相変わらず適当で乱暴だなぁ。」
沢山の候補の中からたった1人だけが選ばれる『勇者』。
それだけ聞くととても光栄に聞こえるけど真意としてはぼやきたくもなる。
現場へ行く、ということは死亡する確率が90%を超えている事を意味する。
つまり、咬ませ犬。
まずは1人行ってみて強さを確認してこい、こちらが殺られて帰ってこなかったとしたらそれはそれ…という事。
ラルフは手紙の中身を読んで、呆然としてしまう。
「何故私なのかなぁ…?うっかりSランクの魔物を倒してしまったからかなぁ…?報酬に釣られてチャレンジ討伐とか行かなきゃよかったなぁ。」
偶然が重なってたまたま倒せただけなのに。
もしかしてあれが『勇者』を決めるための試験だったのかな?
「……リヨンド、これって辞退はできないのかい?それかせめて何人かで行くように…」
「まぁ、無理だろうね…協議会のジジィどもの決定を覆すのはかなり難しいだろう。」
バン、と勢いよく手紙を机に叩きつけてラルフは頭を抱えた。
「リヨンドは強いけど…でも相手は魔王だ…1人でなんてどうかしてる……!!」
ラルフを抱き締めてライトブラウンの髪に鼻を埋めると、ラルフはハッとしたように慌てて私を抱き締め返してくれた。
「あ………ごめん、ごめんよ、リヨンド…一番不安なのはリヨンドなのに…」
「私こそ、ごめん。ついぼやいてしまったね。……ねぇ、ラルフ。決まってしまったからには私は行かなきゃいけないけれど…明日の出発まで一緒にいよう。ね?」
ラルフを宥めながら2人掛けのソファに一緒に腰掛ける。
「…そうだ、初めて出会った時の事覚えてるかい?11年前にカファレルが怪我して慌ててここに駆け込んだ時だよね。あの時はまだ私もカファレルも魔物の討伐や狩りに慣れてなくて。」
「……うん、覚えてるよ。リヨンドはカファレルが死んでしまうんじゃないかって連日ここに泊まりきりだったね。僕は不謹慎にもそんなリヨンドに惹かれて何度もアタックしたっけ。強い男の憂い顔にきゅんとしちゃったんだよ。」
ラルフに手を握られ、私もそっと指を絡ませた。
あの頃、私はまだ経験値が足りずカファレルに怪我をさせてしまい酷く落ち込んでいた。
ラルフはそんな私に寄り添ってくれた。
「それから付き合って、仕事で出ても私の帰る場所はここになって……」
「10年以上経つんだね。…出会った頃はまだ20代だったのに、あっという間に40歳が目前に迫ってるだなんて時間というのは恐ろしいね…」
「ふふ、…色んな事があったね。沢山土産話を持ち帰って、その度にラルフに聞いてもらって。」
「あっ、僕は毒龍の卵を盗む話が一番お気に入りだったよ!」
ふふ、とようやくラルフが笑顔になり少し安心する。
「あれは自分でも滑稽でね。未だに思い出すと笑えてくるよ。まあ……結末は最悪だったけど。」
旅の途中に立ち寄ったギルドの依頼で毒龍の卵2つを納品する依頼を受けた。
依頼自体は極簡単ではあったのだけど…
毒龍は一度に2つの卵を産むが形状認知能力が悪く、卵と同じくらいの大きさのものであれば卵かどうか見分けがつかない。
その卵というのが丁度大人の男が蹲ったくらいの大きさでとても重く殻も頑丈だ。
親鳥が一瞬巣を離れた隙をついて1つを先に失敬して、もう1つ…というタイミングで親鳥が戻ってきてしまい、巣の中で咄嗟に膝を抱えて体を丸めたのだが…なかなか親鳥が巣を離れてくれず、卵として丸一日温められ続けていたという話だ。
「帰ってきた日、酷い臭いだったね。」
「毒龍は臭いって本当なんだよ。数日間あの臭いに悩まされて本当に最悪だった…お陰であの臭いが取れるまでラルフはキスもしてくれなかったからね。」
「ごめんよ、やっぱり僕も人間だから…あの臭いはどうしても無理だったんだよ。…僕は動物が大好きで本当は自分の目で野生の彼等を見て歩く動物探検家になりたかったけど、身体が弱いから歩かなくても動物に関われる獣医になったんだ。だからリヨンドが色んな動物や魔物の話をしてくれるのはいつも楽しくて次を楽しみに……」
また少し悲しげな表情をするラルフの唇にそっとキスをすると、ラルフは甘えるように私の首に抱きついてきた。
その背中を抱き締めてもう一度ゆっくり唇を重ねる。
ラルフの、薄く柔らかいしっとりした唇。
愛おしいという感情と、離れ難い思いが溢れ出しそうになって強く抱き締め、耳元で「ベッド、行こうか?」と聞くと泣きそうな声で「うん」と返ってきた。
ラルフの部屋のキングベッドに移動して2人で服を脱いで互いの体を確かめ合うようにあちこちにキスをして、触れ合う。
ラルフの首筋に唇を寄せて、肉が付きにくいせいで痩せた胸に指を這わすと吐息に混じって小さな声が漏れ始めた。
「…ぁ……はっ、…ん、ん…リヨンド…はぁっ…」
私の名前を口にするラルフに愛しさが溢れていく。
ラルフの唇を塞いで舌を絡めるとラルフが私のソレに触れた。
「っ、…ラルフ……」
「はっ、…あは、…久しぶりだし…僕にも何かやらせて…」
ラルフの手にジワリと快感の波がやってくる。
「じゃあ、一緒に…」
私もラルフのソレを軽く扱くとラルフはピクリと体を震わせた。
私のも、ラルフのも、もう透明な蜜をこぼし始めている音が聞こえる。
荒い息と時々溢れる互いの声にどんどん興奮していく。
「ぁ、……んん…っ、…リヨンド…駄目、だめ…っ…出ちゃ…っ、から…っ」
私の手を握って止めると、私のソレからも手を離し、手の甲で目元を隠しながら何度か息をしてから笑った。
「…はぁ、はぁ…、あはは…今日はコッチでリヨンドと一緒がいい…」
そう言って足を開き、後孔を指で軽く広げて見せる。
「私も久しぶりなんであんまり煽らないでくれないかな…っ」
ラルフの、腹に落ちた透明な蜜を指に絡めて後孔に当てがうとラルフの腰がねだるように浮く。
そのまま中に指を沈めていく。
「ん、んんぅ…っ、んッ、…はあっ、ぁ…」
ラルフの中をぐにぐにとほぐしていく。
その熱を忘れないように、味わうようにしっかりと。
「あぁ…っ、リヨ…ッ…ぁ、あ…んっ」
ラルフの声を塞ぐように唇を塞ぎ、再び舌を絡めながら後孔の指を2本に増やした。
縋るような手で私の腕を、背中を、ラルフが掻き抱く。
クチュ、と後孔から音が聞こえて長いキスをしたまま、指を3本に増やす。
もうラルフのソコはうねって収縮を繰り返し私を煽るばかりだ。
「ん…っ、んぅ…リヨン、ド…もぅ…っ、痛くてもい、から…っ」
「…ラルフ……ごめんね…私も、もう…」
ソコから指を引き抜き、ラルフの足を抱えて私のソレを当てがい、ゆっくり挿入した。
「あぁあっ…、痛っ、…んんッ、んっ…」
「痛いよね…ごめんね…」
ぎゅうぎゅうに締め付けてくるソコに割って挿入るように少しずつやや無理矢理ナカへと進めると、ラルフが私の腕に爪を立てて仰け反った。
「ァあッ…!」
骨張った肩や鎖骨、首に何度もキスをしてラルフの息がある程度落ち着くのを待つ。
「ラルフ…好きだよ…」
「はっ、は、ぁっ、僕…僕も、…リヨンド…っ、…」
何度か啄むようなキスをしてから一気に最奥を突いた。
「ひっ、アぁあっ!」
「あぁ…ラルフ、挿入ったよ…っ、…」
「ふっ…んんっ…ん、はぁっ、はあっ、…あはは…っ…」
頬を赤らめて潤んだ瞳のまま小さく笑うラルフを抱き締めるようにしてゆっくり腰を動かす。
「ぁ、…んっ……僕の事は、いいから…、リヨンドの好きに…っ」
頬を撫でられた瞬間、もう2度とこんな風に居られなくなるかもしれないと急に悲しみが胸に広がった。
もっとずっとラルフと一緒にいたい…。
「…リヨンド………」
ラルフにもう一度頬を撫でられてハッとした。
「あ…ごめん、何だかちょっとね…」
「リヨンド……お願いがあるんだ。…僕が明日の朝起きないように…惨めに泣いて縋ってリヨンドを引き止めないように…今からリヨンドにぐちゃぐちゃにしてほしい……リヨンド、好きだよ、凄く、好きなんだ…っ、だから、……お願い……」
「…っ、……ラルフ…、愛してる…愛してるよ…」
もう何度目か分からないキスをして…それから…
私はこれまでした事のない程…ラルフが失神するまでめちゃくちゃに抱いた。
目が覚めるとまだ日の登る前だった。
隣を見ると泣き腫らした顔のラルフが寝息を立てている。
こんなに愛する人…これで見納めだなんて。
ごめんね、昨日は沢山痛い思いしたよね…。
投げ出されたままのラルフの手に口付けて音を立てないようにそっとベッドを出た。
私自身が死ぬのは怖くない。
でも私の運命に他の命を巻き込む事はできない…ケージの中で私を待っているカファレルの顎を擽るとカファレルは気持ちよさそうに目を細めた。
「カファレル、君はお留守番だ。ラルフの事をよろしく頼んだよ。」
ケージを閉めるとカファレルはバサバサ、と羽ばたいた。
私が死んだ後、私が残していったものはどうなるのだろうか。
軽く息を吐いて頭を振り、身支度をしてそっとラルフの屋敷を出た。
魔王モロクを討ち、きっと帰ってくると誓って。
リヨンドとラルフ<モロクと出会う前編> 終わり
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