69 / 158
第三章
1.寄合 その③:社会契約
しおりを挟む
「アンタさぁ、そうやって警邏の真似事がしたい訳? 裸で?」
「いいや、違う。確かに王都の治安悪化は懸念事項の一つ。しかし、自分の目的は別にある。それは――全人類の『救済』」
「は? 何から救済するってのよ」
「自分らを縛り付ける、この世の全て」
そう言って、変態はチラと王城の方へ意味深な視線を向けた。おいおい、まさか……この変態はよりもにもよって、王政を打倒しようという腹なのか? ……裸で?
「原始時代――人が人として産み落とされた時、アレはあったか。王は、貴族は」
「ないに決まってるでしょ」
「ならば本来、人は自由だったのだな。まるで、神のごとく振る舞う者も、その奴隷のごとく振る舞う者もなかった」
彼は身振り手振りを交えて熱く語り出す。
「想像できるか? 人はもっと単純な『愛』――『自己愛』と『他者愛』によってのみ生きていたのだ。それがどうしてこのような不平等を生み出してしまったのか」
「……そりゃ、アンタの言うところの、その『愛』とやらが働いた結果なんじゃないの」
私は、更に上の方へ視線を調整しながら応える。
「人一人じゃ限界があるでしょ。生まれつき体が弱い奴とか、病気した奴とか怪我した奴は、厳しい大自然の中では死ぬしかない。だから、人は群れることで弱者を救い、外敵や食糧、自然環境といった諸問題の解決に取り組むことで今日まで生存してきた。不平等も……まあ、その仕組みの一つなんじゃないの? 認めたくはないことだけど。……アンタは人を殺したい訳?」
「とんでもない、全くもって貴殿の言う通りだ。社会は素晴らしい! 人の編み出した叡智だよ……」
だが――と、彼は悲しそうに続ける。
「だが、そういった相互協力の副作用として、人の精神は複雑に進化してしまった。もはや、人と人との関係は単純な『愛』という言葉では語り尽くせない。社会の中に私的財産が生まれ、そこに価値がつき、やがて人は彼我の私的財産の価値を比較するようになった。そして、他人より抜きん出たいという欲望が人の心に根差し、それは救いがたい『悪徳』を齎した! よいか、不平等は決して社会の仕組みの一つと看過できるものではない! 自分らが正さんと欲すれば正されるシステムの不備に過ぎないのだ!」
王党派として政争の一端に関わるようになった私としては、身につまされる説教だ。確かに世界には、社会には『悪徳』が蔓延っている。
(だけど、全裸で社会問題を論じられてもねえ……)
いまいち説得力に欠ける。はたして、どこまで本気で言っているのか。
「自分の目的は人々をその『悪徳』から救い、肉体的にも精神的にも救済することである! あらゆる柵からの救済!」
「フンッ……要は理由つけて脱ぎたいだけじゃないの? この変態が」
「変態ではない! これは大狼の体へと変ずる際の致し方ない弊害! 自分は救済者、『寄合』の盟主メッサーラである!」
方法や将来のビジョンはさっぱりだが、コイツはただの変態じゃなく思想ある変態だったらしい。ヤバそうな奴がもっとヤバくなっただけだ。
「リン、戻って来たぞ」
「そうね」
警察署の方角から複数人の足音が聞こえてきた。もう時間稼ぎは十分だろう。正直、精神にきていたから助かった。
「今宵、貴殿と対話ができてよかった」
変態の耳も足音をとらえたか、音がする方へ視線を向けながら話を切り上げようとする。
今度は逃げる気か? だが、みすみす逃がしてやるつもりは毛頭ない。
「あっそ……じゃあ、そろそろお縄についてもらおうかしら」
「そういう訳にはいかない。自分はまだ道の途中なのだから……皆、後は頼む!」
「皆?」
その時、違和感に気づいた。
(……足音が違う。警察制服のブーツじゃない!)
不揃いな足音だった。駆け付けてくる集団の靴底の種類がそれぞれ違う――つまり、警察ではない! 振り向くと、そこにいたのは警察などではなく正体不明の黒衣の集団だった。
視界の端で変態が大狼に姿を変える。マズイと思った時には、既に黒衣の集団の先頭を走る者たちが私に向かって飛びかかってきており、大狼はその場でクルリと華麗なターンを決めていた。野郎、逃げる気だ。
「フハハハハハッ! また会おうではないか。リン殿!」
不愉快な笑声を聞き流す。不意を衝かれたのは事実だけど、乱された思考はとっくに落ち着きを取り戻していた。大丈夫、十分に対応可能な範囲だ。
「問題ないわ。マネ」
「うーっす」
やる気のないマネの声に合わせて、カラギウスの剣を振るう。実体化させていない非致死性の魔力刃だから躊躇うことはない。一刀で集団の先鋒三人を斬り伏せた後は、その勢いを殺さず逃げる大狼へ剣を投擲する。
「おっと!」
大狼は軽やかに四本脚でステップを踏み、危なげなく私が投げた剣を躱した。だが、それこそ私の狙い。
「よし、ベストポジション! ――射出!」
「ッ――何ィ!?」
屋根から勢いよく射出されたカラギウスの剣が、大狼の後ろ足を貫く。さっき屋根から降りる前に、マネの体組織と予備の剣を残しておいたのだ。
狙い通り、その後ろ足に体重をかけていた大狼は、バランスを崩して派手にすっ転び、建物の壁に突っ込んだ。
「さぁて、と」
襲いかかってくる黒衣の一人に裏拳を食らわせ、急いで姿勢を立て直そうと激しくもがく大狼のもとに走る。途中、地面に転がる剣をマネに拾わせ、私はそれを大上段に振り上げた。
「これで終わりよ!」
「――だから、言ったのに。『負ける』ってぇ」
だがその時、突如として緊張感のない間延びした幼気な声が聞こえたかと思うと、壁からにゅっと生えてきた子供のものと思しき小さな両腕が大狼のもさもさの毛を掴み、壁の中に引っ張り込んでゆく。
「壁の、中に……!?」
幽体の月を蝕むものが建物の中から干渉しているのかと思い壁ごと斬ってみるも、何ら手応えらしきものは返ってこない。その間にも、大狼はまるで底なし沼へ沈むように壁の中へずぶずぶと消えてゆく。
「そう言うな、ワキールよ。自分は勝ち負けの勝負に来た訳じゃない。しかし、結局は予定にない場面で君の手を借りる羽目になってしまったことは詫びよう」
他の皆も頼む、と大狼が人に戻りながら言うと、ワキールと呼ばれた子供らしき人物は「もうやってる」と答えた。振り返ると、黒衣の集団もずぶずぶと床や壁に沈み始めていた。
「見込みが甘かった事は反省しているが、リン殿は我が同志である。どうしても早いうちに顔を合わせなければならなかったのだ。分かってくれ、ワキール」
「同志って露出のぉ?」
「ふっ……違うさ、ワキール。違うさ……」
変態は、壁の中にいるであろうワキールと、まるでもう全てが終わったかのように呑気に会話している。
(舐めやがって……)
確かに認めたくはないが、ワキールとやらの力の正体が分からない以上、ここからどうにかする手段は思いつかない……だが、このままみすみす帰してしまうのは癪だった。
「アンタたち……一体、何者よ。諸侯派、じゃないわよね」
さっき聞かされた話を統合すると、社会に反感を持つ不穏分子が諸侯民宗派に目をつけられ、月を蝕むものになったといったところか。その予想は当たっていたようで、変態は深く頷いた。
「その通り、自分らは諸侯派ではない。訳も分からず月を蝕むものとなってしまった者たちで、互助を目的に集まっただけの単なる『寄合』だ。今はまだ……な」
「いつまで話してんの。早く入れよぉ、変態」
「すまんすまん……リン殿、再び会う日を楽しみにしている。その時は、貴殿の心持ちも変わっていよう。――それだけだ! 今日はそれだけを伝えに来た! 覚えていておいてくれ、イリュリアに我々のような者がいるということを!」
意味深な言葉を残し、変態――『寄合』の盟主メッサーラは壁の中に消えていった。
気が付けば、黒衣の集団の方も完全に消え去っている。唯一、変態が伸した不逞の輩たちだけがその場に残されており、先程までの出来事が夢や幻ではないことを示していた。
(そういえば、警察署に向かった商人風の男はどうしたのだろう。あの怯えようは、演技ではなかったと思うんだけど……)
嫌な想像が脳裏を過り、黒衣の集団が駆け付けてきた方の路地を覗き込む。すると、遠くに商人風の男らしき人影が倒れているのが見えた。慌てて駆け寄るも息はあったので、どうやら気絶させられているだけのようだ。
ほっと一安心すると、今度は怒りが湧いてきた。
そもそも何の目的で接触してきたのか。向こうがやった事といえば一方的にしゃべくり倒して逃げただけだ。私のことを『同志』だのなんだのと言っていたが……本当に露出のことじゃないのだろうな?
「――って、そんなことよりも!」
「んだよ、急に考え込んだと思ったら今度は叫びやがって。忙しねえやつだな」
「なんで、私がこの後処理までしなきゃなんないのよ~~~~~!」
私は地面に蹲る商人風の男と、それから不逞の輩たちを見下ろした。自立できない成人男性はさぞ重かろう。溶かしてしまってはいけないから、マネの助力を借りることもできない。運搬の手間を考え、迂闊に首を突っ込んだことを後悔した。
私は早々に自力で運搬することを諦め、アーシムさんのいる警察署へ助けを求めに向かった。
(ああ……それと、王党派だけでなく『聖歌隊』の方にも報告しなきゃならないのかしら、月を蝕むものの絡むことだものね……メンドクサ……)
重い溜め息を溢しながら、私は眠気を抑えて懸命に走った。
「いいや、違う。確かに王都の治安悪化は懸念事項の一つ。しかし、自分の目的は別にある。それは――全人類の『救済』」
「は? 何から救済するってのよ」
「自分らを縛り付ける、この世の全て」
そう言って、変態はチラと王城の方へ意味深な視線を向けた。おいおい、まさか……この変態はよりもにもよって、王政を打倒しようという腹なのか? ……裸で?
「原始時代――人が人として産み落とされた時、アレはあったか。王は、貴族は」
「ないに決まってるでしょ」
「ならば本来、人は自由だったのだな。まるで、神のごとく振る舞う者も、その奴隷のごとく振る舞う者もなかった」
彼は身振り手振りを交えて熱く語り出す。
「想像できるか? 人はもっと単純な『愛』――『自己愛』と『他者愛』によってのみ生きていたのだ。それがどうしてこのような不平等を生み出してしまったのか」
「……そりゃ、アンタの言うところの、その『愛』とやらが働いた結果なんじゃないの」
私は、更に上の方へ視線を調整しながら応える。
「人一人じゃ限界があるでしょ。生まれつき体が弱い奴とか、病気した奴とか怪我した奴は、厳しい大自然の中では死ぬしかない。だから、人は群れることで弱者を救い、外敵や食糧、自然環境といった諸問題の解決に取り組むことで今日まで生存してきた。不平等も……まあ、その仕組みの一つなんじゃないの? 認めたくはないことだけど。……アンタは人を殺したい訳?」
「とんでもない、全くもって貴殿の言う通りだ。社会は素晴らしい! 人の編み出した叡智だよ……」
だが――と、彼は悲しそうに続ける。
「だが、そういった相互協力の副作用として、人の精神は複雑に進化してしまった。もはや、人と人との関係は単純な『愛』という言葉では語り尽くせない。社会の中に私的財産が生まれ、そこに価値がつき、やがて人は彼我の私的財産の価値を比較するようになった。そして、他人より抜きん出たいという欲望が人の心に根差し、それは救いがたい『悪徳』を齎した! よいか、不平等は決して社会の仕組みの一つと看過できるものではない! 自分らが正さんと欲すれば正されるシステムの不備に過ぎないのだ!」
王党派として政争の一端に関わるようになった私としては、身につまされる説教だ。確かに世界には、社会には『悪徳』が蔓延っている。
(だけど、全裸で社会問題を論じられてもねえ……)
いまいち説得力に欠ける。はたして、どこまで本気で言っているのか。
「自分の目的は人々をその『悪徳』から救い、肉体的にも精神的にも救済することである! あらゆる柵からの救済!」
「フンッ……要は理由つけて脱ぎたいだけじゃないの? この変態が」
「変態ではない! これは大狼の体へと変ずる際の致し方ない弊害! 自分は救済者、『寄合』の盟主メッサーラである!」
方法や将来のビジョンはさっぱりだが、コイツはただの変態じゃなく思想ある変態だったらしい。ヤバそうな奴がもっとヤバくなっただけだ。
「リン、戻って来たぞ」
「そうね」
警察署の方角から複数人の足音が聞こえてきた。もう時間稼ぎは十分だろう。正直、精神にきていたから助かった。
「今宵、貴殿と対話ができてよかった」
変態の耳も足音をとらえたか、音がする方へ視線を向けながら話を切り上げようとする。
今度は逃げる気か? だが、みすみす逃がしてやるつもりは毛頭ない。
「あっそ……じゃあ、そろそろお縄についてもらおうかしら」
「そういう訳にはいかない。自分はまだ道の途中なのだから……皆、後は頼む!」
「皆?」
その時、違和感に気づいた。
(……足音が違う。警察制服のブーツじゃない!)
不揃いな足音だった。駆け付けてくる集団の靴底の種類がそれぞれ違う――つまり、警察ではない! 振り向くと、そこにいたのは警察などではなく正体不明の黒衣の集団だった。
視界の端で変態が大狼に姿を変える。マズイと思った時には、既に黒衣の集団の先頭を走る者たちが私に向かって飛びかかってきており、大狼はその場でクルリと華麗なターンを決めていた。野郎、逃げる気だ。
「フハハハハハッ! また会おうではないか。リン殿!」
不愉快な笑声を聞き流す。不意を衝かれたのは事実だけど、乱された思考はとっくに落ち着きを取り戻していた。大丈夫、十分に対応可能な範囲だ。
「問題ないわ。マネ」
「うーっす」
やる気のないマネの声に合わせて、カラギウスの剣を振るう。実体化させていない非致死性の魔力刃だから躊躇うことはない。一刀で集団の先鋒三人を斬り伏せた後は、その勢いを殺さず逃げる大狼へ剣を投擲する。
「おっと!」
大狼は軽やかに四本脚でステップを踏み、危なげなく私が投げた剣を躱した。だが、それこそ私の狙い。
「よし、ベストポジション! ――射出!」
「ッ――何ィ!?」
屋根から勢いよく射出されたカラギウスの剣が、大狼の後ろ足を貫く。さっき屋根から降りる前に、マネの体組織と予備の剣を残しておいたのだ。
狙い通り、その後ろ足に体重をかけていた大狼は、バランスを崩して派手にすっ転び、建物の壁に突っ込んだ。
「さぁて、と」
襲いかかってくる黒衣の一人に裏拳を食らわせ、急いで姿勢を立て直そうと激しくもがく大狼のもとに走る。途中、地面に転がる剣をマネに拾わせ、私はそれを大上段に振り上げた。
「これで終わりよ!」
「――だから、言ったのに。『負ける』ってぇ」
だがその時、突如として緊張感のない間延びした幼気な声が聞こえたかと思うと、壁からにゅっと生えてきた子供のものと思しき小さな両腕が大狼のもさもさの毛を掴み、壁の中に引っ張り込んでゆく。
「壁の、中に……!?」
幽体の月を蝕むものが建物の中から干渉しているのかと思い壁ごと斬ってみるも、何ら手応えらしきものは返ってこない。その間にも、大狼はまるで底なし沼へ沈むように壁の中へずぶずぶと消えてゆく。
「そう言うな、ワキールよ。自分は勝ち負けの勝負に来た訳じゃない。しかし、結局は予定にない場面で君の手を借りる羽目になってしまったことは詫びよう」
他の皆も頼む、と大狼が人に戻りながら言うと、ワキールと呼ばれた子供らしき人物は「もうやってる」と答えた。振り返ると、黒衣の集団もずぶずぶと床や壁に沈み始めていた。
「見込みが甘かった事は反省しているが、リン殿は我が同志である。どうしても早いうちに顔を合わせなければならなかったのだ。分かってくれ、ワキール」
「同志って露出のぉ?」
「ふっ……違うさ、ワキール。違うさ……」
変態は、壁の中にいるであろうワキールと、まるでもう全てが終わったかのように呑気に会話している。
(舐めやがって……)
確かに認めたくはないが、ワキールとやらの力の正体が分からない以上、ここからどうにかする手段は思いつかない……だが、このままみすみす帰してしまうのは癪だった。
「アンタたち……一体、何者よ。諸侯派、じゃないわよね」
さっき聞かされた話を統合すると、社会に反感を持つ不穏分子が諸侯民宗派に目をつけられ、月を蝕むものになったといったところか。その予想は当たっていたようで、変態は深く頷いた。
「その通り、自分らは諸侯派ではない。訳も分からず月を蝕むものとなってしまった者たちで、互助を目的に集まっただけの単なる『寄合』だ。今はまだ……な」
「いつまで話してんの。早く入れよぉ、変態」
「すまんすまん……リン殿、再び会う日を楽しみにしている。その時は、貴殿の心持ちも変わっていよう。――それだけだ! 今日はそれだけを伝えに来た! 覚えていておいてくれ、イリュリアに我々のような者がいるということを!」
意味深な言葉を残し、変態――『寄合』の盟主メッサーラは壁の中に消えていった。
気が付けば、黒衣の集団の方も完全に消え去っている。唯一、変態が伸した不逞の輩たちだけがその場に残されており、先程までの出来事が夢や幻ではないことを示していた。
(そういえば、警察署に向かった商人風の男はどうしたのだろう。あの怯えようは、演技ではなかったと思うんだけど……)
嫌な想像が脳裏を過り、黒衣の集団が駆け付けてきた方の路地を覗き込む。すると、遠くに商人風の男らしき人影が倒れているのが見えた。慌てて駆け寄るも息はあったので、どうやら気絶させられているだけのようだ。
ほっと一安心すると、今度は怒りが湧いてきた。
そもそも何の目的で接触してきたのか。向こうがやった事といえば一方的にしゃべくり倒して逃げただけだ。私のことを『同志』だのなんだのと言っていたが……本当に露出のことじゃないのだろうな?
「――って、そんなことよりも!」
「んだよ、急に考え込んだと思ったら今度は叫びやがって。忙しねえやつだな」
「なんで、私がこの後処理までしなきゃなんないのよ~~~~~!」
私は地面に蹲る商人風の男と、それから不逞の輩たちを見下ろした。自立できない成人男性はさぞ重かろう。溶かしてしまってはいけないから、マネの助力を借りることもできない。運搬の手間を考え、迂闊に首を突っ込んだことを後悔した。
私は早々に自力で運搬することを諦め、アーシムさんのいる警察署へ助けを求めに向かった。
(ああ……それと、王党派だけでなく『聖歌隊』の方にも報告しなきゃならないのかしら、月を蝕むものの絡むことだものね……メンドクサ……)
重い溜め息を溢しながら、私は眠気を抑えて懸命に走った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主』
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる