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北東沿岸の初戦
侵攻と後退
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俺たちが訓練に励む一方で、ジェネッサとセパイアは、海、北方の陸地で大規模な戦闘を繰り広げていた。北方戦線ではジェネッサがやや優勢となっていた。海上では戦闘機同士の格闘戦、軍艦が直接砲火を交えるなど熾烈な戦いが依然として行われていた。
開戦から1年と2ヶ月後、セグワのレーダーにスカイライン国籍と思われる船団が捉えられた。非常事態宣言が出され、国民は避難を開始した。国民の多くは南方の日国か西方のイーランカス島へと避難した。俺は第103混成防衛隊へと配属され、島北東海岸の防衛任務についた。レーダーが捉えて2日後、政府に対して最後の勧告が行われた。もちろん答えはノーだった。それからさらに2日たった。
その日は朝が少し肌寒い日だった。日が昇り始めた海はとても綺麗だった。砂浜にはいくつもの戦車止めが置かれ、有刺鉄線も敷設された。俺は早朝のパトロールのために塹壕を抜け出た。遠い遠い所に敵の船が見える。
「敵は今日くるかな?」
同じ部隊のコークに話しかけた。
「今日かもしれないな。」
早朝のパトロールを終え塹壕に戻ろうとした時だった。
物凄い轟音がして目の前がぼやけた。
その瞬間反射的に思った。
「敵だ!」
すぐにコークを引き連れられ塹壕に飛び込んだ。砲撃は数十分で終わった。浜辺を見ると、いくつものクレーターが出来上がっていた。この攻撃による負傷者は出たものの、死者は出なかったらしい。
敵の攻撃に備え、SIG552の弾倉確認を行っていた時だった。
「敵機襲来ー!!」
上空を見上げると同時にセグワ砲兵隊が配置についた。俺もすぐ横に設置されていたMG3機関銃を構える。
「ってー!」
怒号が発せられ、対空砲火が始まった。砲兵隊はオリーブのヘルメットに紺色の戦闘服、ベージュの戦闘ズボンと特徴的な服装をしている。黒色の硝煙が敵機の付近で上がっているのが確認できる。
「しょ、正面さらに敵機接近!」
「SAM用意ー」
「ロックでき次第撃て」
「了解!!」
こっちにまっすぐ向かってくるのはA10だ。すぐに砲兵隊が対空砲火を始めるが怯む事なく接近してくる。すると先頭の機体から灰色の煙が吹き出た。
「その調子だ!やっちまえ!」
そして先頭の機体は炎を吹き出しながら海面に激突した。
「よし!」
俺もグッと握りこぶしをつくった。
その瞬間
バリバリバリバリバリ
A10の30㎜ ガトリング砲の音がしたと同時に塹壕のすぐ後ろの砲兵隊が土煙で覆われた。風切れのようなヒュンヒュンと音が間近でする。30㎜の弾丸は砲兵隊へと集中的に降り注がれた。
「や、やめろー!」
そう叫びながら俺はMG3をA10に向け連発した。当たってるのか当たっていないのか全くわからない、頭の中ももう真っ白だった。ただただ本能のままに応射していた。A10は爆音を鳴らしながら飛んで来た方角へ引き返していった。俺は我に帰るとすぐに真後ろの砲兵隊の元へ駆けつけた。土煙が風で流されていく。そこで俺が見たもの.....
無数の血塗られた空薬莢、誰のかもわからない腕、大きな穴の空いたオリーブ色のヘルメット。所々でうめき声、叫び声が聞こえてくる。俺の正面に立ちすくむ若い砲兵隊員がいた。彼の顔には血が飛び散っていた。彼は足を震わせその場に立ちすくんでいた。
「わ、分かってた。戦争が始まればこんな事になるなんて、」
声を震わせながら衛生隊の兵士が俺に話しかけて来た。その衛生兵の白色戦闘服の袖の部分と手袋が真っ赤に染め上がっていた。既に何人かの負傷者を搬送したらしい。
「敵の揚陸艦接近!接近!」
その叫び声が俺たちを再び地獄へと引き戻した。
開戦から1年と2ヶ月後、セグワのレーダーにスカイライン国籍と思われる船団が捉えられた。非常事態宣言が出され、国民は避難を開始した。国民の多くは南方の日国か西方のイーランカス島へと避難した。俺は第103混成防衛隊へと配属され、島北東海岸の防衛任務についた。レーダーが捉えて2日後、政府に対して最後の勧告が行われた。もちろん答えはノーだった。それからさらに2日たった。
その日は朝が少し肌寒い日だった。日が昇り始めた海はとても綺麗だった。砂浜にはいくつもの戦車止めが置かれ、有刺鉄線も敷設された。俺は早朝のパトロールのために塹壕を抜け出た。遠い遠い所に敵の船が見える。
「敵は今日くるかな?」
同じ部隊のコークに話しかけた。
「今日かもしれないな。」
早朝のパトロールを終え塹壕に戻ろうとした時だった。
物凄い轟音がして目の前がぼやけた。
その瞬間反射的に思った。
「敵だ!」
すぐにコークを引き連れられ塹壕に飛び込んだ。砲撃は数十分で終わった。浜辺を見ると、いくつものクレーターが出来上がっていた。この攻撃による負傷者は出たものの、死者は出なかったらしい。
敵の攻撃に備え、SIG552の弾倉確認を行っていた時だった。
「敵機襲来ー!!」
上空を見上げると同時にセグワ砲兵隊が配置についた。俺もすぐ横に設置されていたMG3機関銃を構える。
「ってー!」
怒号が発せられ、対空砲火が始まった。砲兵隊はオリーブのヘルメットに紺色の戦闘服、ベージュの戦闘ズボンと特徴的な服装をしている。黒色の硝煙が敵機の付近で上がっているのが確認できる。
「しょ、正面さらに敵機接近!」
「SAM用意ー」
「ロックでき次第撃て」
「了解!!」
こっちにまっすぐ向かってくるのはA10だ。すぐに砲兵隊が対空砲火を始めるが怯む事なく接近してくる。すると先頭の機体から灰色の煙が吹き出た。
「その調子だ!やっちまえ!」
そして先頭の機体は炎を吹き出しながら海面に激突した。
「よし!」
俺もグッと握りこぶしをつくった。
その瞬間
バリバリバリバリバリ
A10の30㎜ ガトリング砲の音がしたと同時に塹壕のすぐ後ろの砲兵隊が土煙で覆われた。風切れのようなヒュンヒュンと音が間近でする。30㎜の弾丸は砲兵隊へと集中的に降り注がれた。
「や、やめろー!」
そう叫びながら俺はMG3をA10に向け連発した。当たってるのか当たっていないのか全くわからない、頭の中ももう真っ白だった。ただただ本能のままに応射していた。A10は爆音を鳴らしながら飛んで来た方角へ引き返していった。俺は我に帰るとすぐに真後ろの砲兵隊の元へ駆けつけた。土煙が風で流されていく。そこで俺が見たもの.....
無数の血塗られた空薬莢、誰のかもわからない腕、大きな穴の空いたオリーブ色のヘルメット。所々でうめき声、叫び声が聞こえてくる。俺の正面に立ちすくむ若い砲兵隊員がいた。彼の顔には血が飛び散っていた。彼は足を震わせその場に立ちすくんでいた。
「わ、分かってた。戦争が始まればこんな事になるなんて、」
声を震わせながら衛生隊の兵士が俺に話しかけて来た。その衛生兵の白色戦闘服の袖の部分と手袋が真っ赤に染め上がっていた。既に何人かの負傷者を搬送したらしい。
「敵の揚陸艦接近!接近!」
その叫び声が俺たちを再び地獄へと引き戻した。
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