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群青のハジヒロコウ
雲上の敵を撃て
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ハーグスでの戦闘での気運が高まって来ている。それはロレーヌの空軍基地でも見てとれた。整備員たちは必ず片方の手に工具やら何かしらの道具を持ち忙しそうに基地中を動き回って、パイロット達は毎日のようにブリーフィングと訓練を繰り返していた。ただ依然として慢性的な人手不足に悩まされ続けていて度々部隊が再編成されていた。
ブリーフィングルームにはソリュード、ライ、加藤、テレナイスの4人がいた。
最近、この4人組はよく集まって意見交換などを行なっている。
「格闘戦に持ち込めば、落とせる可能性は充分にある。」
先日、シエラ隊と交戦したソリュードが発言した。4人はシエラの写真が置かれたテーブルを囲むように立っている。
「格闘戦か....だが、機体性能は奴らのラプターの方が上だぞ?」
加藤が顔をしかめて言った。
「だから前も言ったじゃないかカトー。アイツらも人間だって。ソリュードが奴らのケツを取ったたんだぜ?」
テレナイスは加藤とは真逆で陽気に答えた。
「お前は能天気すぎるんだよ。アイツらはステルスだ。一撃離脱だってできる。」
加藤は反論した。
「たしかに、俺もトヨ上空でコイツらと戦った。そしてコイツが隊長機を撃ち落としたんだ。エースであることには間違いない。」
ライがヤングの顔を指差して言った。怒りに満ちた口調だった。その後もシエラ隊とどう戦うべきか、またシエラ隊以外の部隊などについて分析を行った。
そんな時だった。基地内に高いトーンの警報音が鳴りわたったと同時に4人はすぐさま出撃準備に取り掛かった。
スクランブルだ。
ソリュードはあっという間にパイロットスーツに着替えてヘルメットを持ち、格納庫に向けて全速力で走る。今度のスクランブル発進もナンバーズ隊が出ると思っていたからだ。
ところが、格納庫に行ってみるとナンバーズ隊だけでなく、他の部隊が大勢待機していて何機も発進待機していた。不思議に思ったソリュードは付近で何やら紙を見る士官に理由を尋ねた。
「ちょうど良いところに来たなソリュード。時間が無いから手短に話すぞ。ハーグスに向かう敵大規模編隊が確認された。それで、総動員をかけて迎撃するって事だ。準備が出来たものから上がらせてる。既に何機か飛んで行ったし、AWACSも上空で待機してる。それの指示で編成してくれ。」
ソリュードは手早くメモを取って敬礼したのち、グリペンへと向かった。整備士らがソリュードに気がつくと、機体状況など報告を終えて出撃準備に入った。誘導路は機体で溢れかえっていて滑走路からは次から次へと目まぐるしく戦闘機が離陸して行っていた。外から見れば壮大な航空ショーと見間違える程である。ソリュードも離陸し終えて、ハーグスに向けて位置を修正して待機した。
<AWACSからナンバーズ1。ソリュード、現状報告。>
<ナンバーズ1、ソリュードです。感度良好。>
<AWACS了解。ソリュード、君はブリーチング隊へと編成される。君の機体からみて1時方向上空だ。>
その指示を受けてソリュードは右上空を見上げた。3機編隊を組んでいる隊はタイフーン、Su27、F15からなる混成隊だった。
<目視で確認。了解しました。>
ソリュードは隊に合流して、無線で挨拶をしようとした。しかしそれよりも先に向こう側から無線が入った。
<やぁソリュード君。>
突然名前を呼ばれて一瞬動じたが、ソリュードはすぐに理解した。
<この部隊は....もしやさっきの3人か?>
<その通り!ちなみに俺はテレナイスだよ。ちょうど先頭を飛行している。それにしてもよく分かったね>
テレナイスが笑いながら翼を左右に揺らした。イーランカスのSu27、日国のF15、そしてセグワのタイフーン。ソリュードはこの3機を駆る者が同じ部隊にいる時点で3人の事をあらかた見抜いていたのかもしれない。
<テレナイスが俺とライを引き抜いたんだ。AWACSを強引に説得してな。>
加藤が若干迷惑そうに言った。そんな加藤にテレナイスが黙っている訳もなく、すぐに絡みをいれた。
<全員作戦は分かっているんだろうな?敵大規模編隊がハーグスに向かっているという事だ。トヨの惨劇を繰り返すわけには行かない。俺たちが止めるんだ。>
みかねたライが言い放った。
<それとテレナイス。ソリュードと位置を変われ。ソリュードがブリーチング隊の1番機だ。>
テレナイスは渋々了解してブレーキを掛けてローリングしながら後方へと回った。ソリュードは隊の先頭に移動した。
<頼むぞ、ブリーチング1。>
列機が口々言った。ハーグスの方へ位置を修正し終えた頃には各部隊の編成も完了していて、それぞれで固まりを成してハーグスへと向かった。
ブリーフィングルームにはソリュード、ライ、加藤、テレナイスの4人がいた。
最近、この4人組はよく集まって意見交換などを行なっている。
「格闘戦に持ち込めば、落とせる可能性は充分にある。」
先日、シエラ隊と交戦したソリュードが発言した。4人はシエラの写真が置かれたテーブルを囲むように立っている。
「格闘戦か....だが、機体性能は奴らのラプターの方が上だぞ?」
加藤が顔をしかめて言った。
「だから前も言ったじゃないかカトー。アイツらも人間だって。ソリュードが奴らのケツを取ったたんだぜ?」
テレナイスは加藤とは真逆で陽気に答えた。
「お前は能天気すぎるんだよ。アイツらはステルスだ。一撃離脱だってできる。」
加藤は反論した。
「たしかに、俺もトヨ上空でコイツらと戦った。そしてコイツが隊長機を撃ち落としたんだ。エースであることには間違いない。」
ライがヤングの顔を指差して言った。怒りに満ちた口調だった。その後もシエラ隊とどう戦うべきか、またシエラ隊以外の部隊などについて分析を行った。
そんな時だった。基地内に高いトーンの警報音が鳴りわたったと同時に4人はすぐさま出撃準備に取り掛かった。
スクランブルだ。
ソリュードはあっという間にパイロットスーツに着替えてヘルメットを持ち、格納庫に向けて全速力で走る。今度のスクランブル発進もナンバーズ隊が出ると思っていたからだ。
ところが、格納庫に行ってみるとナンバーズ隊だけでなく、他の部隊が大勢待機していて何機も発進待機していた。不思議に思ったソリュードは付近で何やら紙を見る士官に理由を尋ねた。
「ちょうど良いところに来たなソリュード。時間が無いから手短に話すぞ。ハーグスに向かう敵大規模編隊が確認された。それで、総動員をかけて迎撃するって事だ。準備が出来たものから上がらせてる。既に何機か飛んで行ったし、AWACSも上空で待機してる。それの指示で編成してくれ。」
ソリュードは手早くメモを取って敬礼したのち、グリペンへと向かった。整備士らがソリュードに気がつくと、機体状況など報告を終えて出撃準備に入った。誘導路は機体で溢れかえっていて滑走路からは次から次へと目まぐるしく戦闘機が離陸して行っていた。外から見れば壮大な航空ショーと見間違える程である。ソリュードも離陸し終えて、ハーグスに向けて位置を修正して待機した。
<AWACSからナンバーズ1。ソリュード、現状報告。>
<ナンバーズ1、ソリュードです。感度良好。>
<AWACS了解。ソリュード、君はブリーチング隊へと編成される。君の機体からみて1時方向上空だ。>
その指示を受けてソリュードは右上空を見上げた。3機編隊を組んでいる隊はタイフーン、Su27、F15からなる混成隊だった。
<目視で確認。了解しました。>
ソリュードは隊に合流して、無線で挨拶をしようとした。しかしそれよりも先に向こう側から無線が入った。
<やぁソリュード君。>
突然名前を呼ばれて一瞬動じたが、ソリュードはすぐに理解した。
<この部隊は....もしやさっきの3人か?>
<その通り!ちなみに俺はテレナイスだよ。ちょうど先頭を飛行している。それにしてもよく分かったね>
テレナイスが笑いながら翼を左右に揺らした。イーランカスのSu27、日国のF15、そしてセグワのタイフーン。ソリュードはこの3機を駆る者が同じ部隊にいる時点で3人の事をあらかた見抜いていたのかもしれない。
<テレナイスが俺とライを引き抜いたんだ。AWACSを強引に説得してな。>
加藤が若干迷惑そうに言った。そんな加藤にテレナイスが黙っている訳もなく、すぐに絡みをいれた。
<全員作戦は分かっているんだろうな?敵大規模編隊がハーグスに向かっているという事だ。トヨの惨劇を繰り返すわけには行かない。俺たちが止めるんだ。>
みかねたライが言い放った。
<それとテレナイス。ソリュードと位置を変われ。ソリュードがブリーチング隊の1番機だ。>
テレナイスは渋々了解してブレーキを掛けてローリングしながら後方へと回った。ソリュードは隊の先頭に移動した。
<頼むぞ、ブリーチング1。>
列機が口々言った。ハーグスの方へ位置を修正し終えた頃には各部隊の編成も完了していて、それぞれで固まりを成してハーグスへと向かった。
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