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ICICLE
5 捜査官
しおりを挟むセグワ島某所
レイはその場から街を一望していた。
「レイー!」
レイの後ろからICICLEの隊員が走りながら呼んで来た。
「総帥が呼んでるよ。」
「私を?」
「ああ。」
それを聞いてレイは急ぎ足で総帥と呼ばれる男のところへ向かった。
「失礼します。」
総帥は島の地図の前に立ってレイを近くに来るよう言った。
「何でしょう?」
「お前は覚悟が出来てるんだろうな?後戻りは出来ないんだぞ。」
「それは覚悟の上です。」
「それは分かっているのだ。私が言いたいのは昔の仲間を撃てるのかと聞いている。」
「もちろんです。恨みを晴らすため、そしてセグワを取り戻すためにも撃ちます。それに総帥も私と似たような立場ではありませんか。」
レイが力強く言い放つと総帥は笑ってみせた。
「分かった。お前を今日からICICLEの一員として認めよう。」
「ありがとうございます。」
「要件はそれだけだ。行ってくれ。」
レイはそのまま部屋を出て他の隊員が、たむろしている所に行った。
「レイ、総帥から聞いたよ。受け取れ。」
レイにICICLEと書かれたパッチを手渡された。レイはそれを右腕に付け、街を一望していた場所に戻って行った。するとそこには1人の男が先に見下ろしていた。
「リスト?」
そう呼ばれるとリストは振り返ってレイを見た。
「えーっと、名前なんだっけ?」
「レイよ。」
「ああレイね、レイ。」
レイが笑ってリストを見た。
「そんなに覚えにくいかしら?」
「いや、そんなことは無いよ。覚えやすいじゃないか。」
リストが下手な愛想笑いをした。
「まあいいわ。それより、今朝あの街でスーツ姿の男3人組を見たわ。」
「え?」
急に真面目な話を切り出したレイに一瞬リストは遅れをとった。
「いやだから、今朝あの街で怪しい男組が居たのよ。」
「ああ、ハイハイ。それ俺も見たよ。」
「本当に?」
「ああ、本当だよ。」
レイはリストを終始疑ったが、それすらもレイには微笑ましく感じられた。
「まあ、見たのなら言わなくても分かるか。」
「うんー。あれは多分他のレジスタンスだよきっと。」
「ハァ?あなた本気で言ってるの?」
「え?違ったかな?」
「あれはきっと公安か、他の保安組織よ。」
「ああそうか。それだよ。」
「あなた、適当に言ってたでしょ?」
レイは笑いながら聞いた。その顔を見たリストは強がって別にと照れながら言い放った。
「あ、俺には急用があったわ。そんじゃ」
リストは逃げるようにして走って戻って行った。レイは一瞬止めようとしたが、そのままリストは走り去って行った。
リストはそのまま建物内に入り、屋上に出た。誰もいないことを確認して、リストは携帯を取り出してとある電話番号に掛けた。
『もしもし?リストです。
はい。さきほど元保安庁職員のレイと接触しました。
いえ。そこまではまだ分かってないです。
ええそうです。ICICLEに。
分かりました。また何かあったら連絡します。
それでは失礼します。』
リストは携帯を閉じて屋上から離れた。
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