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獣人の村
ナリスの伝説 「オンリーワン」
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ナリスの伝説「オンリー・ワン」第二部
★獣人の村★
転移で帰ってきました。
さや
「ナリスお帰り」
つるぎ
「なんだ、遅かったな」
私
「はい、ちょっとありまして、あそうそうサンタナに会いましたよ」
ルミとカナ
「サンタナってあの悪魔の方ですね」
そうそう
つるぎ
「何をしていたんだ」
私
「魔物を捕まえて使役するとか言ってました。」
ソニア
「さすが、悪魔ね」
笑ってしまいました。
さや
「だよね」と言ってさやも笑っていた。
私
「明日、出発します、今度は数日戻らないと思いますのでよろしくお願いいたします」
つるぎ
「おお、任せておけ」
さや
「じゃあ、今日はしっかり訓練しないとね」
ソニアがさやに向かって
「そうね」と言って笑った。
鑑定中のルミとカナが向こうから手を振っているのが見えた
わかっているのか!
つるぎ
「なぁ、この前渡した宝物じゃなくて、大臣が探している宝物がここにあった場合どうする?」
なるほど・・・・
どうしよう・・・・・って
私
「その時はまだありますと言ってみる、あの砦の事と一緒に」
つるぎ
「まぁ、それがいいか」
ソニア
「報奨金額って、金貨で数万枚とかになるのかな?」
さや
「そうね、そうなるよね」
ソロモン
「まあ競売で売れたらの話ですね」
ライアス
「なるほど、競売での売り上げの一割とか?」
つるぎ
「ああ、それならありえるかもな」
査定を行って競売をやって売れてから入金も現金とはいかないだろうから
ああ、
私
「金貨ってどれくらいの枚数あるのでしょうね、売れても入金・・あ、分割かな」
さや
「分割って」
つるぎ
「それはあるな、十年分割とか」
ソロモン
「競売が開催されるまでまだかなり時間がかかりそうですね」
私
「報奨金はあったらラッキーぐらいでいきましょ」
さや
「ナリスがそれでいいなら何も言わないけど」
ソニア
「だよね」
ソロモン
「ナリスは大金持ちになる必要が無いですからね」
つるぎ
「まあ、そう・・・だな」
さや
「もう大金持ちじゃん」
私
「そうですね、報奨金が出たら商会の方で資金運用していただきましょうか」
困ったような顔をして皆が顔を見合わせています・・・
何も困ることはありませんけどね?
次の日の朝
獣人の皆さんと一緒にお出かけです。
さや
「ナリス、ちゃんと帰ってくるんだよ」
ソニア
「迷子にならないでね」
つるぎが笑をこらえています。
あのね・・・・
私
「わかったよ、おばあちゃん」
さや
「誰がおばあちゃんやねん!」
私
「さやとソニア」
ソニア
「えええぇ 私も?」
さや
「なに? ソニアさん?」
ソニア
「え、いえ・・・・あはは」
さやとソニアがにらみ合っている間につるぎ達に手を振って転移です。
さや
「あああ、ナリス!」
ソニア
「ええ」
さや
「つるぎ何故引き留めてくれないのよ」
つるぎ
「いやいや、見て分かっただろナリスがワクワク嬉しそうなのが、それを止めれるかよ」
ライアス
「ですね」
さや
「だから私も連れていけー」
ソニア
「私も私も!」
つるぎ
「諦めろ」
ライアス
「そうですよ」
考え込んでいたソロモンが
「もしかしてですよ、転生を繰り返している歴代のナリスの中でもここまでたどり着いたのは彼だけだったりして」
ライアス
「数千年前から始まってこれから七千年かけてここまで来たって事か?」
つるぎ
「そうだとしたら、とんでもないな」
さや
「いきなりつるぎみたいなやつに命を狙われたりしてね」
辞めろと言わんばかりに睨んでいるつるぎ!
さやが舌を出して笑って
「返り討ちに会ったけどね」
つるぎ
「返り討ち・・・・」
ソニア
「私、初めて会ったときからこの子は違うって思ったよ、すごい?」
はいはい
つるぎ
「ほんとに壮大なロールプレイングゲームだな」
ソロモン
「獣人の村に秘密があったとして、ナリスに有益な情報だったらいいですね」
さや
「きっと、にこにこして帰ってくるわよ」
ソニア
「うんうん」
ライアス
「そう信じましょう」
転移で移動してくるとモンドさんが立ってこちらを睨んでいました。
私
「これはモンドさん、どうかしましたか?」
もも
「ひぃ」
ゆき
「死霊?」
たろう
「皆後ろに下がって」
モンド
「小僧、サンタナ様の覚えがいいからと言って気安く我が名を呼ぶではないわ」
ジロー
「ナリス様、お知り合いですか?」
私
「いやぁ 私の知り合いから昨日紹介されたばかりです」
ジロー
「はぁ?」
私
「ここを通りたければ戦って行けと言う事でしょうか?」
モンド
「ふん!私は不死、お前に勝ち目などないわ」
面倒くさい方ですね、もう
私
「絶対零度」
私はモンドの両足を凍らせ
「殺さないでも動けなくすることは可能ですよ?」
モンド
「な・・・・なんだと」
私
「そこにそのまま七千年ほど立っていますか?」
モンド
「こんなので勝った気になるな」と言って両足を切り落とした。
とあっという間に両足が再生しました。
たろう
「うわ」
私
「おお、やりますね、じゃあ今度は」
次は首から下を凍らせる事にします
私
「絶対零度」
モンド
「き・・貴様」
もも
「なに?」
たろう
「これはナリス様の魔法ですか?」
私
「首から下を切り落として再生したら次は全身を凍らせます」
モンド
「全身・・・・」
私
「ええ、切り落とす部位が無くなりますね、どうします?」
モンド
「私を愚弄しおって、ゆるさんぞ」
私
「あらあら強気ですね、でも貴方に許してもらう必要なんてありませんので気にしないでください」
ジロー
「な・・・・ナリス様」
私
「あ、ちなみにその氷はサンタナでも割れないと思いますよ、気を付けてくださいね」
何か言いたそうなモンドでしたが
私
「私は先を急ぎますのでこれで失礼します。」
たろう
「いいのですがあのままで」
私
「さすがに連続では魔力、体力的にも消耗するのでしょう、しばらくして回復してからまた切断、再生で復活すると思います。」
もも
「襲ってはこないのでしょうか?」
私
「あの方はこの辺りを守護する様に命令を受けていますから急いで離れると追っては来ないでしょ」
ジロー
「命令ですか」
私は魔法の絨毯に皆を乗せて移動速度を上げました。
途中で昼食を済ませ再度移動を開始、明日にはドワーフ村近くまで行けそうです。
今夜はここで夕食を済ませ野宿です。
え?我が家に戻ればいいじゃん? さやとソニアが面倒くさいじゃないですか 笑
連れては来れないですからね
まあ一緒にいるのは獣人の皆さんですから夜間の暗闇には強いでしょうから夜も安心ですね
次の朝、朝食を済ませて出発です。
ドワーフ村の入り口がある岩肌が向こうに見えてきました。
とりあえず昼食を済ませてから近づくことにしました。
到着です
高い断崖の間に通る一本の細い道、ドワーフ村への入り口です
高い断崖の上から声が聞こえます。
「ここからはドワーフ村である、立ち去れ」
私
「ダ・ナにナリスが来たと伝えてほしい」
しばらく待っていると
「通行を許可する、入ってこい」
と声が聞こえたので細い通路に入って行った。
途中で
「ナリス、ダ・ナだよ、よく来たナリス」
私
「ダ・ナ、言葉」
ダ・ナ
「ナリスが居なくなってから覚えた」
私
「すごいね、ダ・ナ」
ダ・ナ
「ナリス、ダ・ナをもっと褒めていいよ」
私は笑ってしまいました。
私
「ダ・ナ、獣人七名を保護したので獣人の村に連れていきたいからドワーフ村を通してほしい」
ダ・ナ
「問題ないよ、ナリスはドワーフ村の恩人、誰にも文句は言わせないよ」
私
「助かるよ」
たろう
「え?ドワーフ村の恩人?」
断崖を抜けると前に見た荒地の風景ではなく、田畑が広がっていました。
ダ・ナ
「ナリスが作ってくれたんだよねあの川」
ジロー
「川?」
ダ・ナ
「あの川の水を引いてこの辺り一面土地が豊かになった」
私
「皆、頑張ったんだね」
ダ・ナ
「うん、皆でがんばったよ」
村の中に入ってダ・ナが他のドワーフ村の住民に私の事を紹介してくれた。
私は一気にドワーフ村の神様的存在として歓迎された。
水を湧き出しておいて良かったと心の底から思いました。
そういえば竈は用意していかなかったな
という事で
石の土台の上に竈スペル(火のスペル)を書き込んで、エメラルドを創作、私の魔力を満たし土台の中央に埋め込みました。
エメラルドの左右に鍋を配置、水を入れ
私
「強火」
竈に火が入りました
おおおおお
驚きの声が上がりました。
もう一つの鍋には脂を入れ鍋に広げてから肉を入れ、炒め、それを隣の鍋の中に入れ味付けと野菜を入れて煮込むと完成
夕食を皆で囲んで食べながら竈の使い方を伝えました。
あれ、ここに砦を作る、あの時にこの竈には気が付かなかったな?
戻ったら一応確認しておこうっと
ドワーフ村で一晩過ごして明日の朝、獣人の村へ出発です。
★★★
えっと・・・・ 獣人の村上空です。
魔法の絨毯で高度を上げてのんびり来ましたけど、早めのお昼をとってそれも含めて出発してから三時間ぐらいが経ちました。
うーん・・・・結構距離があったなぁ
すぐ隣にあると勝手に思っていました。
上空から獣人の村の広場に降りて行くと下ではこちらを指さして見上げています。
まあ、そうなるか・・・・
すぐに囲まれて
たろう
「皆、私です、たろうです。帰ってきました。」
おお、たしかにあれはたろうだ
って声が聞こえてきました。
ざわざわ
貫禄のある男?が前に出て
「お前たち、よく無事で戻った」
視線は私に集中!
貫禄のある男?
「で、そこにいる人間を何故連れて来た」
たろう
「この方はナリス様と言われます、私達全員この方に助けていただきました。」
ジロー
「この方の魔法の力でここまで送っていただいたのです。」
貫禄のある男?
「どんな理由があろうとも人間をこの村に入れるわけにはいかん、悪いが捕らえて死罪とする」
たろう
「お待ちください、ナリス様と争うなどこの村が全滅してしまいます。」
はぁ
回りからブーイングが・・・・笑
私はたろうに
「すみませんが、歓迎されないのはわかっておりました。ここからは好きにさせていただきますね」
振り返って
私
「申し訳ありませんがあなた方が私を捕らえる事は無理です。この村に用事がありますので好きに調査させていただきます。」
ふざけるな!
回りから声が上がっております。
三人?が私を囲んできました。
獣人だから爪とかで攻撃するのかと思ってたらちゃんと剣を持ってる。
なんか残念
獣人一号
「怪我をしたくなければ止まれ!」
ぷっ
笑ってしまいました。
私
「怪我をしたく無ければって、さっき捕らえて死罪とか言っていましたよね」
獣人一号
「なら今ここで死ね」
たろう
「駄目です」
獣人一号さんが私に剣を振り下ろしてきました。
たろうさんが声を上げて私をかばうように間に入ってきましたが
獣人一号
「この、愚か者が!」
って、おいおい
と言うかたろうさん、貴方邪魔
両手を挙げて立ちはだかっているたろうさんの腰のあたりをちょっと踏ん張って横に払う
目の前からたろうさんが居なくなり振り下ろされてくる剣が見えます。
なんか切れ味の悪そうな剣・・・・というかこれ切るのではなく剣で殴るみたいな?
さらに踏み込んで獣人一号さんの懐に入り、勢いよく振り下ろしてくる手に下から一撃入れるとカウンターとはいかなくてもダメージが大きいだろうから、内側のちょっと上から下方向の外に払うように一撃を入れました。
勢いがあるので振り下ろされて来た剣は私の左下の地面にあたりキンと音を鳴らしています。
私が踏み込んで近づいたのも見えてはいないでしょうからなぜ剣を払われて手に痛みがあるのかも、もしかして解っていない・・・かも
っと・・・
後ろ、左右から、同時?
避けたら同士打ちにならないか?
おお剣先だけが私にかかりそうな距離だ
前に出れば・・・・っと獣人一号さんのパンチが前から来た
面白い攻撃ですけど、当然前に詰めます、獣人一号さんのパンチの腕をとって受け流し、そのまま剣先に向かって投げる・・・・・・つもりでしたが投げれませんでした。
剣先の一つが獣人一号さんの拳をかすった。
おお、流石、毛皮が固い・・・ではなく手甲装備してるのね。
おや? 獣人一号さんがちょっと下がった。
目くばせをして?
回りの方たちが武器を手放し、立つ位置を変え・・・・囲まれました。
この輪の中で戦うという事かな?
いやいや、お付き合いする気なんかありませんよ
私は全身に魔力を纏い魔力障壁で防御は万全、そこからさらに魔力を上げて行きました。
下手に攻撃すると怪我しますよ。 フフフ
おや?皆さんの顔色が悪い・・・・魔力障壁が見えている?
と言うより魔力を感じているのかな?
獣人一号さんに一歩寄ってみた。
慌てて下がる獣人一号
そんなに怯えるとは?
私
「どうしました、怖いですか?」
たろう
「ああ、ナリス様を怒らせてしまいました。」
ジロー
「ナリス様、申し訳ありません」
メイ
「大丈夫、ナリス様は怒っておられません」
え?
メイの言葉でみんなの視線がメイに集まった。
と・・・・・
私の魔力が流れて・・・と言うか吸われている?
これは!
ここの皆の事は無視ですね、魔力の流れを追っていきます。
空中移動!
なんか 久しぶりだ
獣人一号
「いかん、我らの聖域の方に行くぞ、追いかけろ」
メイ
「追いかけなくていい」
ミイ
「メイがそういうならそう、追いかけなくていい」
ライア
「そうか、ならここからは邪魔をするものは私が相手をいたします」
ライアはそう言うなり立ちふさがり構えた。
たろう
「ど、どうした?」
貫禄のある男?
「なんと!三人の巫女よ」
回りがざわつく
ジロー
「巫女?」
たろう
「どういうことだ親父殿」
貫禄のある男?に向かってたろうが睨みながら叫んだ
意外と高さのある山の方に向かって魔力が流れています。
麓・・・・には、別にこれと言って目立った物は無さそうな
ふうむ、上から見た感じでは村があるとは思えない、普通に木が茂って森が広がっています。
上手に隠してあるのかな?
魔力の流れは・・・・・おや?
あれは、洞窟・・・・あれが入口かな?
魔力は洞窟の中に流れているようです
入口付近に見張りがいるような感じはしません
真っすぐに洞窟前に降りてみました。
辺りを見渡しても何もなさそう、追っても来ていない
では入ってみますか
薄暗いと思っていたのですが私の魔力で明かりが点いた?
あ、奥の方まで明るくなった、洞窟?通路?を抜けると広くなっていました。
そう大きくはない神殿の入り口が広場の奥に立っています。
広場の天井は石造りでかなりの数の柱で支えてあります。
山を掘ってここを作ったというより、ここを作った後に外を山にした感じがします。
神殿の入り口
と言っても扉も何もない進めるのはここだけですね
?
入って三メートルも歩くと壁!
お、左に通路がありました。
日本語で「注意!」
ん?
「エレベーターこの先、ドアはありません。乗り場は下に降りています。落ちないようにお気を付けください」
ぷっ
日本語で「使用方法」
はいはい
「下に降りている乗り場の下に魔力をはってください、油圧方式ではなく魔力圧で乗り場を押し上げてください。」
はい?
さらに日本語で「その二」
「上がって来た乗り場に乗ると貴方の体重で下に降りて行きます。魔力の張りすぎにご注意ください」
なるほど
つまり帰りは自分の体重の分も魔力をはると登って来れる・・・と、そういう事か
エレベーター乗り場の前に来ました。
さて、魔力をはってみます、あ、ここまで来れても魔力操作が出来ないと先には進めないって事か、いやロープがあれば降りられるかな?
うーん・・・と索敵?
感かな? 笑
あ、これだな、かなり下にあるな
乗り場の下に魔力をはる・・・・
魔力圧で押し上げる、乗り場の床面積に合わせて魔力を積み上げる、こんな感じか
いいぞ、上がって来てる
けど・・・・深いなぁ
来たぁ お?カチっと音がした
一人乗り用だな、と言うかこれに乗るのって私ぐらいなものか
乗ると体重の重さで降りて行く・・・・うん?降りないじゃん
おや ボタン?
当然ボタンを押します!
カチっと音がした
上に来るとどこかで固定しているのか、なるほど
私の体重の分、下に押されて・・・・押されて?
魔力の逃げ道が無いと駄目じゃない?
あ、動き出した!
という事はどこかに魔力が流れて?
お? そうか乗り場の下にはった魔力は動力として備蓄か!
壁に吸収用の何かが、まぁあるだろうな
止まった、部屋に明かりが点いて行く
結構広そうだ
柱が見える、複数・・・
エレベーターで下に三十メートルぐらい降りて来ただろうか、この部屋高さは十メートルまではなさそうだけど上に隠し部屋でもあるのかな
この部屋の高さも無駄に高いのか?背の高い生物が入ってくる予定があるのか?
部屋中が明るくなって見えて来た、広い、高さと言い広さと言い、人専用ではなさそうな
回りの壁にはガラス製?筒状の物が、一、二、・・・・十五機? 機?
ああ、コールドスリープとか生命維持装置みたいなやつかな
とりあえず、柱の所に行ってみるか
六本の柱の中央にコンソール?と前に大きなモニター、左右にサブモニター?
そして私好みの、これってゲーミングチェアだよね 笑
うーん、私ならこれに座るとまた、椅子が魔力を吸収して灯がともるってやりそうだけど?
まぁ座ってみますか
ほらー
ビンゴ!
コンソール、モニターに灯がともる
システム
「起動します」
おお、ゲーミング仕様だ、カラフル!
いや、それってもしかして無駄に動力減らしてない?
モニターに映し出されたのは動画かな?
「無駄に電力を使用しているとか思っているかい?」
ぶっ
思っているよ
「ようこそ、獣人の村へ、次世代の私」
・・・・
・・・
・・
何だこの間は?
「もうわかっているとは思うけどこれは動画だ、質問しても答えられない」
む!私が何か言ってる予定だったのか
「さすがに会話出来るようには作れなかった」
いいよ
「では本題に入ろう、まずはエルフの里から盗まれた一冊の本は無い」
・・・・
・・・
何か言わないといけないのか例えば嘘だろ?とか
「とか思っているか?」
え?
「あるよ」
このやろー
「この世界の終わりを止めた私からのメッセージが一冊の本になっていた、だから君も読め」
お?
「最終戦争が起こった事は聞いていると思うが知らなかったらすまない」
聞いているよ
「大気、水、地の汚染を浄化するのにエルフの里が必要だった、簡単に言うとそういう事だ」
こらこら
「その辺にあるからあとで読め」
わかった
「では私の話に入ろう、まず君は精霊と妖精の違いは認識出来ているかい?」
精霊と妖精か・・・うーん
「基本的に人間の目に映らないのは精霊、目で見る事が出来るのが妖精とされている」
ほんとか?
「本当か嘘かは知らん」
ぶっ
「エルフ、ドワーフは妖精になる」
なるほど目に見えるか
「私が来たときに居たエルフ、ドワーフは皆妖精だった」
はい?
「じゃあ、今いる彼らはいったいなんだ?って思っているかい?」
・・・・
思っているよ!
「ふふふ」
・・・・
じ・・じらすな!
「先にこの施設の説明をしよう」
なんだと
「ここは私の非道な?実験場だ」
非道?
「私は前世でステーションに居た、その時の記憶でここを作った、当然「創作」のスキルを持っている」
え
「ステーションではクローンの実験を行っていたが私もそれに少し関わった」
ほう
「あれは実際の所、無理な研究だったよ」
おや?
「クローンは存在して活動をしているじゃないか!とか思っているかい」
・・・・
思っているよ!
「クローンの成功も私のスキル「創作」が最終、手を貸した」
な!
「あ、スキルだけでは無くて私の魔力も帯びていないと失敗している」
魔力
「ステーションのクローン培養器は私の魔力を帯びている」
培養器?
「ここにある円筒のものがその培養器だよ、ここには十五、用意してある」
え
「ここではクローンの開発は行っていない、ここでは生物の融合そして培養を研究していた」
生物の・・・
「研究の協力者は年老いて役目を終えたクローン達だ、妖精のエルフでは世界樹を守るのは難しいと判断した私とクローン達の意見が一致したんだ」
世界樹を守る?
「百もあったらしい世界樹の最後の一つがエルフの里にある、出来るだけ長く持たせるのとそれから人間に知られると間違いなく伐採されてしまう。」
確かに
「妖精エルフとクローン達を融合させてエルフという種族を作った。」
作った・・・
「彼らの融合に成功した遺伝子の情報はここにあるのでいつでも培養できる」
な
「ちなみに妖精に死と言うものは無いそうだ、時折再生のために姿を隠すらしい」
エルフもドワーフもそれで寿命が長いのかな
「獣人は最初、異世界からの召還でこっちに来た者を保護、同じように融合を行って、より人間に近い姿になった。」
獣人は異世界人だったのか
「ドワーフについては想像していると思うがこの獣人の村をエルフから守るために用意した」
やっぱり
「妖精エルフと妖精ドワーフは元々仲が悪い、融合しても一緒だったので利用させてもらった、君をここに誘導するのに獣人が本を盗んだという事にしてしまったからね」
ん?妖精はどこから来たんだ?
「今妖精の出生の事を考えているかい?」
・・・・
うん
「考えていないかもしれないが説明しておこう、世界樹の傍には生命の泉という物が存在していて、そこから妖精は生まれてくる。ちなみに精霊は世界樹から生まれる」
生命の泉ってそれも「創作」かな
「生命の泉を作ったのは私ではない」
了解
「さて、君がここに来るにあたってエルフの里ともう一つ獣人の三人にあったからだと思う」
その通り
「あの子たちもまた融合と培養で生まれて来た、そして役目を与えてある」
役目?
「あの子たちは千年に一度ここで生まれるようにプログラムしてある。そして売られる」
売られる?
「その年代にいるはずの私に出会うためにここを出て行くようにしてある」
会えないときもあるだろうに
「出会いが無かった場合、獣人の奴隷として酷い目にあっているかもしれない」
おい
「メイにはこの世界には必要になる医学の知識を持たせてある、役に立ったかい?本人は使えないけどね」
やっぱり
「ミイとライアにはメイを守る役目を与えてそれに必要な能力を持たせてある」
うん
「あの二人は絶対にメイを裏切らないよ」
私もそう思う
「この施設を必要とするときが来たら自由に使ってくれていいよ、コンソールを使ってマニュアルを読んでくれ」
施設を利用か・・・
「あ、そうそうここの動力は太陽光を基本利用しているが私がいる場合は魔力を使用します、しっかり供給してくれ」
あと七千年は長持ちさせてね
「早く知りたいだろう情報だけ録画しておいたけどあとはデータかその辺りにある本を読んでくれ」
確かに知りたい情報は得られました。
マニュアルを見ろってどうやって?
私
「マニュアルか」思わず声に出てしまいました。
システム
「了解しました、マニュアルを起動します」
モニターに「コンソールマニュアル」と文字が映し出された。
また今度読むことにします。
コンソールとその周りにある柱から離れて壁側に行くとガラスかな中が透けて見える円筒がある、幅二メートル高さ三メートルかな?
規則正しく並んでいる円筒だけど一か所だけ間隔が広いところがある。
下に降りる階段だ
当然、降りてみます。
螺旋状に降りて行く階段、下に着くと扉がありました。
私が前に立つと自動で開いた。
壁際に本棚が並んでいるだけの広い部屋です。
ふむ、ここに転移紋を印して行こう
外に出るには・・・・・
来たとおりに戻るしかないか 笑 めんどくさいな
魔力の圧力で上に昇って、この乗り場は下におろしておいた方がいいかな、という事でさらに上から圧力を加えて乗り場を下ろしました。
うむ、魔力の補充が二度出来たことになりますね。
神殿もどきの施設を出ると外には、皆が待っていました。
私
「やぁ」
メイ
「探し物は見つかりましたか?」
私
「ええ、全てではありませんが現段階では十分な情報でした。」
メイ
「それは良かった」
私
「メイ、貴方達の今回の役目は果たされました。」
メイ
「はい?」
AIの自動翻訳でも持っているのか?しっかりと会話がなりたっているわ
私
「私をここまで導いてくれるのが貴方達の今回の役目だったのです」
メイ
「私はナリス様の役には立ちませんか?」
私
「役にたちますたちます、が、今回私も私の役目を果たさないといけません。今回、私はたぶんこの世界には二十年ぐらいしか滞在しないと思います。」
メイ
「一緒にいきます」
私
「そのうち居なくなるよ?」
メイ
「はい。」
ミイ
「メイが一緒に行くなら私も一緒」
ライア
「当然、私も」
たろう
「あの」
私は獣人の皆さんの方を向きなおして
私
「獣人の皆さんはこれまで通り、この村を守ってください。」
貫禄のある男?
「これまでこの村に入った獣人以外の種族は貴方が初めてです」
私
「そうですか、ここにたどり着くのも大変なのですね、私はラッキーですね」
たろう
「ここは我ら獣人の聖域です、獣人も中に入れません」
私
「ああ、そうですね、私以外の者が中に入るとたぶん死亡します、気を付けてください」
なんと
ざわざわと声が上がった。
私
「私は貴方方の聖域の中に転移紋を印してきましたのでこれからは自由に出入りさせていただきます。」
たろう
「ここは何だったのでしょうか?」
私
「ここは私の前任者が作った施設です。私以外の者には使用できないようになっています、この施設の全てを私が受け継いできました。」
おお
ざわついたと思ったら目の前の獣人の皆さんが平伏して
貫禄のある男?
「我々の神よ、先ほどは失礼いたしました、お許しください」
神?
貫禄のある男?
「私はたろうの父でだいごと申します。この村にはこの聖域に入って無事に帰還した者に従えと伝えられています。」
私
「あらら」
さてと、どうしましょうか
私
「この聖域は他の誰かに何かされることはないでしょう」
たろう
「それは?」
私は魔力をこの聖域と呼ばれる神殿とその山頂まで広げ魔力障壁をはり結界としました。
洞窟の通路にも、これからは入るのはたやすくありません。
私
「今この聖域と外の山に結界をはりました。知らない者の進入を拒みます」
だいご
「我々獣人はこの聖域の主の貴方様に従う事を誓います、どうぞお導き下さい」
そうかぁ・・・
私
「では獣人の皆さん、この村を住みやすくするために手を入れましょう」
だいご
「手を入れる?」
私
「はい、飲み水の確保に調理等が最初でしょうか」
みず!
飲み水に苦労しなくて済むのか
だいご
「そのような事が可能なのでしょうか」
私
「はい、大丈夫ですよ」
わーっと歓声があがった。
私
「今まで飲み水はどうしていたのですか?」と聞いてみた
だいご
「井戸を掘ってはいますが、水は澄んでおりません。」
そうか
私
「これからは美味しい水が飲めますよ」
洞窟通路を通って外に出ましたが、もう日が暮れるようです。
獣人の方達はやっぱり夜の方が活動時間かな?
私は今日はここまでにします。
さてとどこで夜を過ごすかな
と思いつつ振り返って洞窟を見てたら、気が変わりました。
そういえば来るときもすぐにこの洞窟見つけたな、少し隠すか
どうしようかな
寝室とかもここに用意しよう
まずは基礎を考えて、あ?下水が先かな、いやいや下水よりその先の処理施設が先か
ああああ、楽しくなってきた、これは寝れない。
さてと、この生い茂った森・・・という事は地下には水がしっかり含まれているってことか
足元あたりを見渡して
まぁこの辺りは岩盤ばかり、ん?草も生えてないなぁ
ああ、この下には何かあるんだな
深く掘り下げなければいける、いやそれでいこう
下水用の施設も浅く、横に広くして、ああ、上に重ねればいいのか、そうなると・・・
洞窟の入り口を隠す建物は三階建て、階段を使って普通に建物に入るとそこは実は二階で食事、風呂、トイレを置くかな、下に降りると洞窟の入り口があるけど一階、上に昇ると寝室で三階、外から見ると二階建てに見える、地下に降りる階段の横の方に少し距離をとって下水処理用のタンクを作れば問題無いな
建物だとわからないように岩肌に見えるように、そうだ、上から岩が崩れ落ちたように見えれば言う事なしだ
よし、建物の横に貯水場を用意して中央に水のスペルを置く
貯水場からこぼれ落ちる水を建物の前を流して川を作ろう、最後は下水処理場に流せば出来上がりだ
獣人の村の飲料水の準備もこれで完成
風呂、トイレも下水処理場と連結して、解毒、消毒って一緒か?消臭効果を下水処理場に準備する
食堂と風呂には竈(火のスペル)の準備をすれば完成かな
あ、まだだ、下水処理場と海に流す場所とをディメンションボックスをつなげたままにしておくことが必要か
私は魔力を広くはり、いないと思いますが誰にも見られないように隠蔽をかけて準備
そして私は持っている能力「解放」を使用した。
「創作のスキルを解放」
※注 解放スキル:私だけのオンリー・ワンスキル
他人もしくは自分のスキルを解放することで私の意思で使用、取得・付与することが出来る
通常はパッシブスキル(持っているだけで効力を発揮します)でも私の能力「解放」で解放することで私が自由に使用することが可能になります。
今想像した施設全体をイメージ
「創作スキルを発動」
広げた魔力が立体となりさらに広がり、光を放って消えた。
そして想像した物体(中身は間違いなく優良物件)がそこに現れた。
手前にある川を渡る橋にかかった階段、その向こうに玄関の扉
あれ?
かえって目立ったかも・・・・笑
いや、よしとしよう、完成です。
まだ時間はあるし部屋で寝よう。
★獣人の村★
転移で帰ってきました。
さや
「ナリスお帰り」
つるぎ
「なんだ、遅かったな」
私
「はい、ちょっとありまして、あそうそうサンタナに会いましたよ」
ルミとカナ
「サンタナってあの悪魔の方ですね」
そうそう
つるぎ
「何をしていたんだ」
私
「魔物を捕まえて使役するとか言ってました。」
ソニア
「さすが、悪魔ね」
笑ってしまいました。
さや
「だよね」と言ってさやも笑っていた。
私
「明日、出発します、今度は数日戻らないと思いますのでよろしくお願いいたします」
つるぎ
「おお、任せておけ」
さや
「じゃあ、今日はしっかり訓練しないとね」
ソニアがさやに向かって
「そうね」と言って笑った。
鑑定中のルミとカナが向こうから手を振っているのが見えた
わかっているのか!
つるぎ
「なぁ、この前渡した宝物じゃなくて、大臣が探している宝物がここにあった場合どうする?」
なるほど・・・・
どうしよう・・・・・って
私
「その時はまだありますと言ってみる、あの砦の事と一緒に」
つるぎ
「まぁ、それがいいか」
ソニア
「報奨金額って、金貨で数万枚とかになるのかな?」
さや
「そうね、そうなるよね」
ソロモン
「まあ競売で売れたらの話ですね」
ライアス
「なるほど、競売での売り上げの一割とか?」
つるぎ
「ああ、それならありえるかもな」
査定を行って競売をやって売れてから入金も現金とはいかないだろうから
ああ、
私
「金貨ってどれくらいの枚数あるのでしょうね、売れても入金・・あ、分割かな」
さや
「分割って」
つるぎ
「それはあるな、十年分割とか」
ソロモン
「競売が開催されるまでまだかなり時間がかかりそうですね」
私
「報奨金はあったらラッキーぐらいでいきましょ」
さや
「ナリスがそれでいいなら何も言わないけど」
ソニア
「だよね」
ソロモン
「ナリスは大金持ちになる必要が無いですからね」
つるぎ
「まあ、そう・・・だな」
さや
「もう大金持ちじゃん」
私
「そうですね、報奨金が出たら商会の方で資金運用していただきましょうか」
困ったような顔をして皆が顔を見合わせています・・・
何も困ることはありませんけどね?
次の日の朝
獣人の皆さんと一緒にお出かけです。
さや
「ナリス、ちゃんと帰ってくるんだよ」
ソニア
「迷子にならないでね」
つるぎが笑をこらえています。
あのね・・・・
私
「わかったよ、おばあちゃん」
さや
「誰がおばあちゃんやねん!」
私
「さやとソニア」
ソニア
「えええぇ 私も?」
さや
「なに? ソニアさん?」
ソニア
「え、いえ・・・・あはは」
さやとソニアがにらみ合っている間につるぎ達に手を振って転移です。
さや
「あああ、ナリス!」
ソニア
「ええ」
さや
「つるぎ何故引き留めてくれないのよ」
つるぎ
「いやいや、見て分かっただろナリスがワクワク嬉しそうなのが、それを止めれるかよ」
ライアス
「ですね」
さや
「だから私も連れていけー」
ソニア
「私も私も!」
つるぎ
「諦めろ」
ライアス
「そうですよ」
考え込んでいたソロモンが
「もしかしてですよ、転生を繰り返している歴代のナリスの中でもここまでたどり着いたのは彼だけだったりして」
ライアス
「数千年前から始まってこれから七千年かけてここまで来たって事か?」
つるぎ
「そうだとしたら、とんでもないな」
さや
「いきなりつるぎみたいなやつに命を狙われたりしてね」
辞めろと言わんばかりに睨んでいるつるぎ!
さやが舌を出して笑って
「返り討ちに会ったけどね」
つるぎ
「返り討ち・・・・」
ソニア
「私、初めて会ったときからこの子は違うって思ったよ、すごい?」
はいはい
つるぎ
「ほんとに壮大なロールプレイングゲームだな」
ソロモン
「獣人の村に秘密があったとして、ナリスに有益な情報だったらいいですね」
さや
「きっと、にこにこして帰ってくるわよ」
ソニア
「うんうん」
ライアス
「そう信じましょう」
転移で移動してくるとモンドさんが立ってこちらを睨んでいました。
私
「これはモンドさん、どうかしましたか?」
もも
「ひぃ」
ゆき
「死霊?」
たろう
「皆後ろに下がって」
モンド
「小僧、サンタナ様の覚えがいいからと言って気安く我が名を呼ぶではないわ」
ジロー
「ナリス様、お知り合いですか?」
私
「いやぁ 私の知り合いから昨日紹介されたばかりです」
ジロー
「はぁ?」
私
「ここを通りたければ戦って行けと言う事でしょうか?」
モンド
「ふん!私は不死、お前に勝ち目などないわ」
面倒くさい方ですね、もう
私
「絶対零度」
私はモンドの両足を凍らせ
「殺さないでも動けなくすることは可能ですよ?」
モンド
「な・・・・なんだと」
私
「そこにそのまま七千年ほど立っていますか?」
モンド
「こんなので勝った気になるな」と言って両足を切り落とした。
とあっという間に両足が再生しました。
たろう
「うわ」
私
「おお、やりますね、じゃあ今度は」
次は首から下を凍らせる事にします
私
「絶対零度」
モンド
「き・・貴様」
もも
「なに?」
たろう
「これはナリス様の魔法ですか?」
私
「首から下を切り落として再生したら次は全身を凍らせます」
モンド
「全身・・・・」
私
「ええ、切り落とす部位が無くなりますね、どうします?」
モンド
「私を愚弄しおって、ゆるさんぞ」
私
「あらあら強気ですね、でも貴方に許してもらう必要なんてありませんので気にしないでください」
ジロー
「な・・・・ナリス様」
私
「あ、ちなみにその氷はサンタナでも割れないと思いますよ、気を付けてくださいね」
何か言いたそうなモンドでしたが
私
「私は先を急ぎますのでこれで失礼します。」
たろう
「いいのですがあのままで」
私
「さすがに連続では魔力、体力的にも消耗するのでしょう、しばらくして回復してからまた切断、再生で復活すると思います。」
もも
「襲ってはこないのでしょうか?」
私
「あの方はこの辺りを守護する様に命令を受けていますから急いで離れると追っては来ないでしょ」
ジロー
「命令ですか」
私は魔法の絨毯に皆を乗せて移動速度を上げました。
途中で昼食を済ませ再度移動を開始、明日にはドワーフ村近くまで行けそうです。
今夜はここで夕食を済ませ野宿です。
え?我が家に戻ればいいじゃん? さやとソニアが面倒くさいじゃないですか 笑
連れては来れないですからね
まあ一緒にいるのは獣人の皆さんですから夜間の暗闇には強いでしょうから夜も安心ですね
次の朝、朝食を済ませて出発です。
ドワーフ村の入り口がある岩肌が向こうに見えてきました。
とりあえず昼食を済ませてから近づくことにしました。
到着です
高い断崖の間に通る一本の細い道、ドワーフ村への入り口です
高い断崖の上から声が聞こえます。
「ここからはドワーフ村である、立ち去れ」
私
「ダ・ナにナリスが来たと伝えてほしい」
しばらく待っていると
「通行を許可する、入ってこい」
と声が聞こえたので細い通路に入って行った。
途中で
「ナリス、ダ・ナだよ、よく来たナリス」
私
「ダ・ナ、言葉」
ダ・ナ
「ナリスが居なくなってから覚えた」
私
「すごいね、ダ・ナ」
ダ・ナ
「ナリス、ダ・ナをもっと褒めていいよ」
私は笑ってしまいました。
私
「ダ・ナ、獣人七名を保護したので獣人の村に連れていきたいからドワーフ村を通してほしい」
ダ・ナ
「問題ないよ、ナリスはドワーフ村の恩人、誰にも文句は言わせないよ」
私
「助かるよ」
たろう
「え?ドワーフ村の恩人?」
断崖を抜けると前に見た荒地の風景ではなく、田畑が広がっていました。
ダ・ナ
「ナリスが作ってくれたんだよねあの川」
ジロー
「川?」
ダ・ナ
「あの川の水を引いてこの辺り一面土地が豊かになった」
私
「皆、頑張ったんだね」
ダ・ナ
「うん、皆でがんばったよ」
村の中に入ってダ・ナが他のドワーフ村の住民に私の事を紹介してくれた。
私は一気にドワーフ村の神様的存在として歓迎された。
水を湧き出しておいて良かったと心の底から思いました。
そういえば竈は用意していかなかったな
という事で
石の土台の上に竈スペル(火のスペル)を書き込んで、エメラルドを創作、私の魔力を満たし土台の中央に埋め込みました。
エメラルドの左右に鍋を配置、水を入れ
私
「強火」
竈に火が入りました
おおおおお
驚きの声が上がりました。
もう一つの鍋には脂を入れ鍋に広げてから肉を入れ、炒め、それを隣の鍋の中に入れ味付けと野菜を入れて煮込むと完成
夕食を皆で囲んで食べながら竈の使い方を伝えました。
あれ、ここに砦を作る、あの時にこの竈には気が付かなかったな?
戻ったら一応確認しておこうっと
ドワーフ村で一晩過ごして明日の朝、獣人の村へ出発です。
★★★
えっと・・・・ 獣人の村上空です。
魔法の絨毯で高度を上げてのんびり来ましたけど、早めのお昼をとってそれも含めて出発してから三時間ぐらいが経ちました。
うーん・・・・結構距離があったなぁ
すぐ隣にあると勝手に思っていました。
上空から獣人の村の広場に降りて行くと下ではこちらを指さして見上げています。
まあ、そうなるか・・・・
すぐに囲まれて
たろう
「皆、私です、たろうです。帰ってきました。」
おお、たしかにあれはたろうだ
って声が聞こえてきました。
ざわざわ
貫禄のある男?が前に出て
「お前たち、よく無事で戻った」
視線は私に集中!
貫禄のある男?
「で、そこにいる人間を何故連れて来た」
たろう
「この方はナリス様と言われます、私達全員この方に助けていただきました。」
ジロー
「この方の魔法の力でここまで送っていただいたのです。」
貫禄のある男?
「どんな理由があろうとも人間をこの村に入れるわけにはいかん、悪いが捕らえて死罪とする」
たろう
「お待ちください、ナリス様と争うなどこの村が全滅してしまいます。」
はぁ
回りからブーイングが・・・・笑
私はたろうに
「すみませんが、歓迎されないのはわかっておりました。ここからは好きにさせていただきますね」
振り返って
私
「申し訳ありませんがあなた方が私を捕らえる事は無理です。この村に用事がありますので好きに調査させていただきます。」
ふざけるな!
回りから声が上がっております。
三人?が私を囲んできました。
獣人だから爪とかで攻撃するのかと思ってたらちゃんと剣を持ってる。
なんか残念
獣人一号
「怪我をしたくなければ止まれ!」
ぷっ
笑ってしまいました。
私
「怪我をしたく無ければって、さっき捕らえて死罪とか言っていましたよね」
獣人一号
「なら今ここで死ね」
たろう
「駄目です」
獣人一号さんが私に剣を振り下ろしてきました。
たろうさんが声を上げて私をかばうように間に入ってきましたが
獣人一号
「この、愚か者が!」
って、おいおい
と言うかたろうさん、貴方邪魔
両手を挙げて立ちはだかっているたろうさんの腰のあたりをちょっと踏ん張って横に払う
目の前からたろうさんが居なくなり振り下ろされてくる剣が見えます。
なんか切れ味の悪そうな剣・・・・というかこれ切るのではなく剣で殴るみたいな?
さらに踏み込んで獣人一号さんの懐に入り、勢いよく振り下ろしてくる手に下から一撃入れるとカウンターとはいかなくてもダメージが大きいだろうから、内側のちょっと上から下方向の外に払うように一撃を入れました。
勢いがあるので振り下ろされて来た剣は私の左下の地面にあたりキンと音を鳴らしています。
私が踏み込んで近づいたのも見えてはいないでしょうからなぜ剣を払われて手に痛みがあるのかも、もしかして解っていない・・・かも
っと・・・
後ろ、左右から、同時?
避けたら同士打ちにならないか?
おお剣先だけが私にかかりそうな距離だ
前に出れば・・・・っと獣人一号さんのパンチが前から来た
面白い攻撃ですけど、当然前に詰めます、獣人一号さんのパンチの腕をとって受け流し、そのまま剣先に向かって投げる・・・・・・つもりでしたが投げれませんでした。
剣先の一つが獣人一号さんの拳をかすった。
おお、流石、毛皮が固い・・・ではなく手甲装備してるのね。
おや? 獣人一号さんがちょっと下がった。
目くばせをして?
回りの方たちが武器を手放し、立つ位置を変え・・・・囲まれました。
この輪の中で戦うという事かな?
いやいや、お付き合いする気なんかありませんよ
私は全身に魔力を纏い魔力障壁で防御は万全、そこからさらに魔力を上げて行きました。
下手に攻撃すると怪我しますよ。 フフフ
おや?皆さんの顔色が悪い・・・・魔力障壁が見えている?
と言うより魔力を感じているのかな?
獣人一号さんに一歩寄ってみた。
慌てて下がる獣人一号
そんなに怯えるとは?
私
「どうしました、怖いですか?」
たろう
「ああ、ナリス様を怒らせてしまいました。」
ジロー
「ナリス様、申し訳ありません」
メイ
「大丈夫、ナリス様は怒っておられません」
え?
メイの言葉でみんなの視線がメイに集まった。
と・・・・・
私の魔力が流れて・・・と言うか吸われている?
これは!
ここの皆の事は無視ですね、魔力の流れを追っていきます。
空中移動!
なんか 久しぶりだ
獣人一号
「いかん、我らの聖域の方に行くぞ、追いかけろ」
メイ
「追いかけなくていい」
ミイ
「メイがそういうならそう、追いかけなくていい」
ライア
「そうか、ならここからは邪魔をするものは私が相手をいたします」
ライアはそう言うなり立ちふさがり構えた。
たろう
「ど、どうした?」
貫禄のある男?
「なんと!三人の巫女よ」
回りがざわつく
ジロー
「巫女?」
たろう
「どういうことだ親父殿」
貫禄のある男?に向かってたろうが睨みながら叫んだ
意外と高さのある山の方に向かって魔力が流れています。
麓・・・・には、別にこれと言って目立った物は無さそうな
ふうむ、上から見た感じでは村があるとは思えない、普通に木が茂って森が広がっています。
上手に隠してあるのかな?
魔力の流れは・・・・・おや?
あれは、洞窟・・・・あれが入口かな?
魔力は洞窟の中に流れているようです
入口付近に見張りがいるような感じはしません
真っすぐに洞窟前に降りてみました。
辺りを見渡しても何もなさそう、追っても来ていない
では入ってみますか
薄暗いと思っていたのですが私の魔力で明かりが点いた?
あ、奥の方まで明るくなった、洞窟?通路?を抜けると広くなっていました。
そう大きくはない神殿の入り口が広場の奥に立っています。
広場の天井は石造りでかなりの数の柱で支えてあります。
山を掘ってここを作ったというより、ここを作った後に外を山にした感じがします。
神殿の入り口
と言っても扉も何もない進めるのはここだけですね
?
入って三メートルも歩くと壁!
お、左に通路がありました。
日本語で「注意!」
ん?
「エレベーターこの先、ドアはありません。乗り場は下に降りています。落ちないようにお気を付けください」
ぷっ
日本語で「使用方法」
はいはい
「下に降りている乗り場の下に魔力をはってください、油圧方式ではなく魔力圧で乗り場を押し上げてください。」
はい?
さらに日本語で「その二」
「上がって来た乗り場に乗ると貴方の体重で下に降りて行きます。魔力の張りすぎにご注意ください」
なるほど
つまり帰りは自分の体重の分も魔力をはると登って来れる・・・と、そういう事か
エレベーター乗り場の前に来ました。
さて、魔力をはってみます、あ、ここまで来れても魔力操作が出来ないと先には進めないって事か、いやロープがあれば降りられるかな?
うーん・・・と索敵?
感かな? 笑
あ、これだな、かなり下にあるな
乗り場の下に魔力をはる・・・・
魔力圧で押し上げる、乗り場の床面積に合わせて魔力を積み上げる、こんな感じか
いいぞ、上がって来てる
けど・・・・深いなぁ
来たぁ お?カチっと音がした
一人乗り用だな、と言うかこれに乗るのって私ぐらいなものか
乗ると体重の重さで降りて行く・・・・うん?降りないじゃん
おや ボタン?
当然ボタンを押します!
カチっと音がした
上に来るとどこかで固定しているのか、なるほど
私の体重の分、下に押されて・・・・押されて?
魔力の逃げ道が無いと駄目じゃない?
あ、動き出した!
という事はどこかに魔力が流れて?
お? そうか乗り場の下にはった魔力は動力として備蓄か!
壁に吸収用の何かが、まぁあるだろうな
止まった、部屋に明かりが点いて行く
結構広そうだ
柱が見える、複数・・・
エレベーターで下に三十メートルぐらい降りて来ただろうか、この部屋高さは十メートルまではなさそうだけど上に隠し部屋でもあるのかな
この部屋の高さも無駄に高いのか?背の高い生物が入ってくる予定があるのか?
部屋中が明るくなって見えて来た、広い、高さと言い広さと言い、人専用ではなさそうな
回りの壁にはガラス製?筒状の物が、一、二、・・・・十五機? 機?
ああ、コールドスリープとか生命維持装置みたいなやつかな
とりあえず、柱の所に行ってみるか
六本の柱の中央にコンソール?と前に大きなモニター、左右にサブモニター?
そして私好みの、これってゲーミングチェアだよね 笑
うーん、私ならこれに座るとまた、椅子が魔力を吸収して灯がともるってやりそうだけど?
まぁ座ってみますか
ほらー
ビンゴ!
コンソール、モニターに灯がともる
システム
「起動します」
おお、ゲーミング仕様だ、カラフル!
いや、それってもしかして無駄に動力減らしてない?
モニターに映し出されたのは動画かな?
「無駄に電力を使用しているとか思っているかい?」
ぶっ
思っているよ
「ようこそ、獣人の村へ、次世代の私」
・・・・
・・・
・・
何だこの間は?
「もうわかっているとは思うけどこれは動画だ、質問しても答えられない」
む!私が何か言ってる予定だったのか
「さすがに会話出来るようには作れなかった」
いいよ
「では本題に入ろう、まずはエルフの里から盗まれた一冊の本は無い」
・・・・
・・・
何か言わないといけないのか例えば嘘だろ?とか
「とか思っているか?」
え?
「あるよ」
このやろー
「この世界の終わりを止めた私からのメッセージが一冊の本になっていた、だから君も読め」
お?
「最終戦争が起こった事は聞いていると思うが知らなかったらすまない」
聞いているよ
「大気、水、地の汚染を浄化するのにエルフの里が必要だった、簡単に言うとそういう事だ」
こらこら
「その辺にあるからあとで読め」
わかった
「では私の話に入ろう、まず君は精霊と妖精の違いは認識出来ているかい?」
精霊と妖精か・・・うーん
「基本的に人間の目に映らないのは精霊、目で見る事が出来るのが妖精とされている」
ほんとか?
「本当か嘘かは知らん」
ぶっ
「エルフ、ドワーフは妖精になる」
なるほど目に見えるか
「私が来たときに居たエルフ、ドワーフは皆妖精だった」
はい?
「じゃあ、今いる彼らはいったいなんだ?って思っているかい?」
・・・・
思っているよ!
「ふふふ」
・・・・
じ・・じらすな!
「先にこの施設の説明をしよう」
なんだと
「ここは私の非道な?実験場だ」
非道?
「私は前世でステーションに居た、その時の記憶でここを作った、当然「創作」のスキルを持っている」
え
「ステーションではクローンの実験を行っていたが私もそれに少し関わった」
ほう
「あれは実際の所、無理な研究だったよ」
おや?
「クローンは存在して活動をしているじゃないか!とか思っているかい」
・・・・
思っているよ!
「クローンの成功も私のスキル「創作」が最終、手を貸した」
な!
「あ、スキルだけでは無くて私の魔力も帯びていないと失敗している」
魔力
「ステーションのクローン培養器は私の魔力を帯びている」
培養器?
「ここにある円筒のものがその培養器だよ、ここには十五、用意してある」
え
「ここではクローンの開発は行っていない、ここでは生物の融合そして培養を研究していた」
生物の・・・
「研究の協力者は年老いて役目を終えたクローン達だ、妖精のエルフでは世界樹を守るのは難しいと判断した私とクローン達の意見が一致したんだ」
世界樹を守る?
「百もあったらしい世界樹の最後の一つがエルフの里にある、出来るだけ長く持たせるのとそれから人間に知られると間違いなく伐採されてしまう。」
確かに
「妖精エルフとクローン達を融合させてエルフという種族を作った。」
作った・・・
「彼らの融合に成功した遺伝子の情報はここにあるのでいつでも培養できる」
な
「ちなみに妖精に死と言うものは無いそうだ、時折再生のために姿を隠すらしい」
エルフもドワーフもそれで寿命が長いのかな
「獣人は最初、異世界からの召還でこっちに来た者を保護、同じように融合を行って、より人間に近い姿になった。」
獣人は異世界人だったのか
「ドワーフについては想像していると思うがこの獣人の村をエルフから守るために用意した」
やっぱり
「妖精エルフと妖精ドワーフは元々仲が悪い、融合しても一緒だったので利用させてもらった、君をここに誘導するのに獣人が本を盗んだという事にしてしまったからね」
ん?妖精はどこから来たんだ?
「今妖精の出生の事を考えているかい?」
・・・・
うん
「考えていないかもしれないが説明しておこう、世界樹の傍には生命の泉という物が存在していて、そこから妖精は生まれてくる。ちなみに精霊は世界樹から生まれる」
生命の泉ってそれも「創作」かな
「生命の泉を作ったのは私ではない」
了解
「さて、君がここに来るにあたってエルフの里ともう一つ獣人の三人にあったからだと思う」
その通り
「あの子たちもまた融合と培養で生まれて来た、そして役目を与えてある」
役目?
「あの子たちは千年に一度ここで生まれるようにプログラムしてある。そして売られる」
売られる?
「その年代にいるはずの私に出会うためにここを出て行くようにしてある」
会えないときもあるだろうに
「出会いが無かった場合、獣人の奴隷として酷い目にあっているかもしれない」
おい
「メイにはこの世界には必要になる医学の知識を持たせてある、役に立ったかい?本人は使えないけどね」
やっぱり
「ミイとライアにはメイを守る役目を与えてそれに必要な能力を持たせてある」
うん
「あの二人は絶対にメイを裏切らないよ」
私もそう思う
「この施設を必要とするときが来たら自由に使ってくれていいよ、コンソールを使ってマニュアルを読んでくれ」
施設を利用か・・・
「あ、そうそうここの動力は太陽光を基本利用しているが私がいる場合は魔力を使用します、しっかり供給してくれ」
あと七千年は長持ちさせてね
「早く知りたいだろう情報だけ録画しておいたけどあとはデータかその辺りにある本を読んでくれ」
確かに知りたい情報は得られました。
マニュアルを見ろってどうやって?
私
「マニュアルか」思わず声に出てしまいました。
システム
「了解しました、マニュアルを起動します」
モニターに「コンソールマニュアル」と文字が映し出された。
また今度読むことにします。
コンソールとその周りにある柱から離れて壁側に行くとガラスかな中が透けて見える円筒がある、幅二メートル高さ三メートルかな?
規則正しく並んでいる円筒だけど一か所だけ間隔が広いところがある。
下に降りる階段だ
当然、降りてみます。
螺旋状に降りて行く階段、下に着くと扉がありました。
私が前に立つと自動で開いた。
壁際に本棚が並んでいるだけの広い部屋です。
ふむ、ここに転移紋を印して行こう
外に出るには・・・・・
来たとおりに戻るしかないか 笑 めんどくさいな
魔力の圧力で上に昇って、この乗り場は下におろしておいた方がいいかな、という事でさらに上から圧力を加えて乗り場を下ろしました。
うむ、魔力の補充が二度出来たことになりますね。
神殿もどきの施設を出ると外には、皆が待っていました。
私
「やぁ」
メイ
「探し物は見つかりましたか?」
私
「ええ、全てではありませんが現段階では十分な情報でした。」
メイ
「それは良かった」
私
「メイ、貴方達の今回の役目は果たされました。」
メイ
「はい?」
AIの自動翻訳でも持っているのか?しっかりと会話がなりたっているわ
私
「私をここまで導いてくれるのが貴方達の今回の役目だったのです」
メイ
「私はナリス様の役には立ちませんか?」
私
「役にたちますたちます、が、今回私も私の役目を果たさないといけません。今回、私はたぶんこの世界には二十年ぐらいしか滞在しないと思います。」
メイ
「一緒にいきます」
私
「そのうち居なくなるよ?」
メイ
「はい。」
ミイ
「メイが一緒に行くなら私も一緒」
ライア
「当然、私も」
たろう
「あの」
私は獣人の皆さんの方を向きなおして
私
「獣人の皆さんはこれまで通り、この村を守ってください。」
貫禄のある男?
「これまでこの村に入った獣人以外の種族は貴方が初めてです」
私
「そうですか、ここにたどり着くのも大変なのですね、私はラッキーですね」
たろう
「ここは我ら獣人の聖域です、獣人も中に入れません」
私
「ああ、そうですね、私以外の者が中に入るとたぶん死亡します、気を付けてください」
なんと
ざわざわと声が上がった。
私
「私は貴方方の聖域の中に転移紋を印してきましたのでこれからは自由に出入りさせていただきます。」
たろう
「ここは何だったのでしょうか?」
私
「ここは私の前任者が作った施設です。私以外の者には使用できないようになっています、この施設の全てを私が受け継いできました。」
おお
ざわついたと思ったら目の前の獣人の皆さんが平伏して
貫禄のある男?
「我々の神よ、先ほどは失礼いたしました、お許しください」
神?
貫禄のある男?
「私はたろうの父でだいごと申します。この村にはこの聖域に入って無事に帰還した者に従えと伝えられています。」
私
「あらら」
さてと、どうしましょうか
私
「この聖域は他の誰かに何かされることはないでしょう」
たろう
「それは?」
私は魔力をこの聖域と呼ばれる神殿とその山頂まで広げ魔力障壁をはり結界としました。
洞窟の通路にも、これからは入るのはたやすくありません。
私
「今この聖域と外の山に結界をはりました。知らない者の進入を拒みます」
だいご
「我々獣人はこの聖域の主の貴方様に従う事を誓います、どうぞお導き下さい」
そうかぁ・・・
私
「では獣人の皆さん、この村を住みやすくするために手を入れましょう」
だいご
「手を入れる?」
私
「はい、飲み水の確保に調理等が最初でしょうか」
みず!
飲み水に苦労しなくて済むのか
だいご
「そのような事が可能なのでしょうか」
私
「はい、大丈夫ですよ」
わーっと歓声があがった。
私
「今まで飲み水はどうしていたのですか?」と聞いてみた
だいご
「井戸を掘ってはいますが、水は澄んでおりません。」
そうか
私
「これからは美味しい水が飲めますよ」
洞窟通路を通って外に出ましたが、もう日が暮れるようです。
獣人の方達はやっぱり夜の方が活動時間かな?
私は今日はここまでにします。
さてとどこで夜を過ごすかな
と思いつつ振り返って洞窟を見てたら、気が変わりました。
そういえば来るときもすぐにこの洞窟見つけたな、少し隠すか
どうしようかな
寝室とかもここに用意しよう
まずは基礎を考えて、あ?下水が先かな、いやいや下水よりその先の処理施設が先か
ああああ、楽しくなってきた、これは寝れない。
さてと、この生い茂った森・・・という事は地下には水がしっかり含まれているってことか
足元あたりを見渡して
まぁこの辺りは岩盤ばかり、ん?草も生えてないなぁ
ああ、この下には何かあるんだな
深く掘り下げなければいける、いやそれでいこう
下水用の施設も浅く、横に広くして、ああ、上に重ねればいいのか、そうなると・・・
洞窟の入り口を隠す建物は三階建て、階段を使って普通に建物に入るとそこは実は二階で食事、風呂、トイレを置くかな、下に降りると洞窟の入り口があるけど一階、上に昇ると寝室で三階、外から見ると二階建てに見える、地下に降りる階段の横の方に少し距離をとって下水処理用のタンクを作れば問題無いな
建物だとわからないように岩肌に見えるように、そうだ、上から岩が崩れ落ちたように見えれば言う事なしだ
よし、建物の横に貯水場を用意して中央に水のスペルを置く
貯水場からこぼれ落ちる水を建物の前を流して川を作ろう、最後は下水処理場に流せば出来上がりだ
獣人の村の飲料水の準備もこれで完成
風呂、トイレも下水処理場と連結して、解毒、消毒って一緒か?消臭効果を下水処理場に準備する
食堂と風呂には竈(火のスペル)の準備をすれば完成かな
あ、まだだ、下水処理場と海に流す場所とをディメンションボックスをつなげたままにしておくことが必要か
私は魔力を広くはり、いないと思いますが誰にも見られないように隠蔽をかけて準備
そして私は持っている能力「解放」を使用した。
「創作のスキルを解放」
※注 解放スキル:私だけのオンリー・ワンスキル
他人もしくは自分のスキルを解放することで私の意思で使用、取得・付与することが出来る
通常はパッシブスキル(持っているだけで効力を発揮します)でも私の能力「解放」で解放することで私が自由に使用することが可能になります。
今想像した施設全体をイメージ
「創作スキルを発動」
広げた魔力が立体となりさらに広がり、光を放って消えた。
そして想像した物体(中身は間違いなく優良物件)がそこに現れた。
手前にある川を渡る橋にかかった階段、その向こうに玄関の扉
あれ?
かえって目立ったかも・・・・笑
いや、よしとしよう、完成です。
まだ時間はあるし部屋で寝よう。
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