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9章 忙しくも楽しい日々
祭りに向けて
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「オユキちゃん、おはよ。」
「はい、おはようございます。」
朝起きて、トモエと二人。公爵から借り受けている屋敷の庭で体をゆっくり伸ばしているところに、まだどこか眠たげなアナが現れる。
「まだ、疲れは抜けませんか。」
「うん。」
王都までは3週間ほど馬車の中でほとんどを過ごす、そんな移動であったためにどうしても数日で完全に回復とはいかない。まだまだ幼い少年達であればなおの事であろう。
青年、以前で言えば成人に近い体格のトモエにしても、体の芯に鉛の様な重さがしっかりと残っているのだから。
「二人は、いつも早いよね。」
「習い性のような物ですから。他の皆さんは。」
「起こしてきたけど、もう少しかかるかな。」
そうしてアナも柔軟に混ざり、のんびりと体を伸ばしていると、そこに次々と人が加わり始める。
「どうにも、気が抜けたと言えばいいのか。」
こちらに来て直ぐに出会った五人組、その中で最も体格に恵まれたパウが、反面硬い体をゆっくりと伸ばしながらそう呟く。
「どうしても、そういう物ですから。」
「昨日よりはましだけど、なんか疲れてるんだよな。」
「そういう物ですよ。」
過酷な旅路の原因、その身の上としてはそれ以上の言葉をかけられるわけもなく、ただのんびりと体を伸ばす。
そしてそこにまだ幼いと、そう表現してもいい領都から加わった子供たちや、昨日から加わったばかりのファルコも混ざりだす。
「早朝の訓練は、これですか。」
「走り込みなどもいいのですが、今は柔軟が先ですね。疲労を抱えて始められる日程ではありませんから。」
この後も朝食という名のマナーの授業、それが終わればオユキ達は教会に向かう事になる。
無論、その後時間があれば実戦と、そういう予定を立てている以上、朝、一日の初めに疲れるわけには行かないのだ。そういった予定に比べてしまえば、朝の限られた時間に行える訓練、身につけなければならない事の優先順位は、どうしても数段さがるのだから。
「成程。ああ、皆もおはよう。長旅の後だというのに、早いな。」
「私たちは、普段より遅いですよ。」
「勤勉な事だな。」
「そっちは、その分夜遅いみたいだし、変わらないんじゃね。」
「どうだろうか。それにしても、教会ではそんなに早くから起きるのか。」
「礼拝に来る人達よりも先に、掃除もしないとですから。」
最初の頃は少年たちにしても、今子供たちがそうであるように柔軟で息が詰まり話す事も出来ない様子だったが、今ではこうして滑らかに受け答えが出来る様になっている。
そして、それを当たり前のように行えるファルコは、成程、確かにきちんとした基礎訓練を積んできたのだろう。
「えっと、オユキちゃん、今日は。」
「朝食の時に、改めて確認しましょうか。」
日程は昨晩公爵夫人と大枠は確認しているが、公爵本人の追認は得ていない。今日、この後のという事であればそれもできない以上、腹案通りになるはずではあるが。
「そういえば、ファルコ君。」
「何でしょうか。」
「王都の名産というのは、どのような物が。」
トモエがファルコにそうして話を向けると、意外にもすぐに答えが返らず、悩む様子を見せる。
「こう、珍しい食べ物とか、美味しい食べ物とかってあるのか。」
その様子に不思議そうにシグルドが尋ねる。
「あるにはあるのだが、一番となればどうしても水になってしまうのでな。」
「あー、そういや水と癒しの女神様の神殿があるんだもんな。」
「ああ。だからこそ、最も有名なと言えばそれになってしまってな。しかし。」
「神様の施しでも、水が名産ですって、それは確かに言いにくいよね。」
そうして子供たちが何とも言えない表情で笑いあう。
生き物にとって必須、そういった物ではあるし、確かに銘水などというのもあり、それに相応の根は付いてはいるが、あくまで食事としてみたときに主たるものではない。その理解は皆にもあるのだろう。
「でも、確かにここのお水、美味しかったな。」
植物の特性を含むからか、セシリアがそんな事をぽつりとこぼす。
「それについては、私も同意しよう。これまで訪れたどの場所よりも、此処の水は質がいい。」
「あー、それは俺もそう思うな。始まりの町と比べたら全然違うし、領都のよりも美味しく感じたな。」
「そこはそれこそ女神のお膝元、それゆえだろうな。そして料理となればその水を使うわけでな。後は、水に関わる酒の類、そうなってしまうために、名産と、そう特定の何かを上げるのも難しいのだ。」
「へー、そんなもんなのか。」
成程、確かにそうであるなら難しいものではあるのだろう。特に酒類については、文化で言えば口にすることもあるのだろうが、口ぶりから好んでいるとは取れない。
水と、原料になる何某か、それがあれば酒の類は間違いなく名産となり、それなりに有名な物もあるのだろうが、知識と知ってはいるがと、そういった風ではあるのだから。
「後は、王都に限った物では無いが、油で色々と煮る料理や菓子の類もあるな。」
油で煮る、その言葉にオユキはすぐに思い至らなかったが、トモエは分かったようであり、料理法としての名前を口にする。
「アヒージョですか。確かにこちらの文化圏であればタパスとして見そうなものですね。」
「油で煮るのって、その、大丈夫なの。」
「植物性の物を使うはずですから、意外と口当たりにくどさはありませんよ。」
「トモエ殿はご存知でしたか。」
言われれば、オユキにも思い当たる。森も近く、王都からの物として、以前クララからオリーブオイルに付けられた山ワサビなどを譲られたこともあるのだ。
そうであるなら、こちらでは油として使うだけのオリーブがあるのも当然ではある。
「オリーブ、アセイトゥナでしたか、それがあるならその果実そのものも頂けそうですね。」
瓶詰めのオリーブ、それこそオユキの元居た世界でもそのままであったり、サラダの具材であったり、ピザに乗せられたりと色々な形で利用されていたそれを思い出して口にする。
「ええ、勿論ありますよ。」
「栽培は沿岸とばかり考えていましたが。」
「南部の物は確かに一段質が良いと言われますが、王都の河沿いでも栽培しています。」
「成程。」
そこまで生育条件を詳しくは覚えていないが、水と日照時間、その潤沢が用件であったはず、そうであれば確かに河沿いでも叶うのかもしれないとトモエは納得する。加えてこちらならではの何かがあるのかもしれないと、そんな事も考えはするが。
「その、御菓子とかって。」
食事や、調味料の方向に話が傾いていたためか、アドリアーナからそんな声が上がる。しかし、聞く相手が間違っている。
「すまない。その。」
「あ、苦手なんですね。」
「いや、好ましいものもあるが、特に有名となると。」
「マサパン、等があるのですね。」
その様子に、オユキが気持ちは良く解るとそれを口にする。
「ご存知でしたか。」
「それって、どんなの。」
「扁桃、木の実を粉にしたものと蜂蜜や砂糖を混ぜて固めたお菓子です。異邦では修道院、教会の一種ですが、発祥と聞いていますね。」
オユキの簡単な説明に少女たちは嬉しそうに声を上げるが、少年たちは揃って苦い顔をする。甘いものの話でその表情というのは確かに面白いのかもしれないが、甘すぎる物を苦手とすれば、そうなるのも当然ではある。
「後は、私が知っているものであれば、アロスコンレチェ、ポルボロン、クレマカタラーナ。色々ありますよ。」
オユキが補足すれば少女達からさらに歓声が上がる。
「オユキさん、よくご存じですね。」
「いくつかは持ち帰るのが難しいですから。」
一方で何処かトモエからの視線に圧が乗ったのを感じるオユキとしては、気が気ではないのだが。
「まぁ、今上がったものは確かに好むものは多いのですが、どれも持ち運びは難しいですから。」
「えっと、そうなんですか。」
「焼き菓子のマサパンとポルボロンにしても、簡単に潰れますからね。後の二つは、クリームですから。」
そうしてファルコが説明を行えばトモエも納得はいったようであるが、それでも視線でまだ訴えているためオユキは言葉を重ねる。
「ポルボロンはそうですね、落雁が近いですし、近くでも売っていましたから。」
「そうなのですか。」
「マサパンについては、その、当時の私がとてもではありませんが好んで食べられるものではなかったので。私たちの言葉では、マジパンの方が馴染みがありますか。少々差はありますが。」
「ああ。」
マジパン自体は何度か買い求め、特にヨーロッパでは贈り物としてそれこそ手の込んだ形のものも多かったため、折に触れて、クリスマスが近くなればそれこそ大量に並ぶために買って帰りはしたのだが、その味を思い出してか、トモエが理解を見せる。
口当たりがよくなるように、柑橘の果汁などが混ぜられているものもあるが、用は半分は砂糖で出来た保存食。よほど甘いものが好きでもなければ、そのような物ではある。
「どうにも、私は苦手です。」
ファルコのその呟きに、今なら喜んで食べられるかもしれない、そうは思いながらもオユキは頷くしかなかった。
「はい、おはようございます。」
朝起きて、トモエと二人。公爵から借り受けている屋敷の庭で体をゆっくり伸ばしているところに、まだどこか眠たげなアナが現れる。
「まだ、疲れは抜けませんか。」
「うん。」
王都までは3週間ほど馬車の中でほとんどを過ごす、そんな移動であったためにどうしても数日で完全に回復とはいかない。まだまだ幼い少年達であればなおの事であろう。
青年、以前で言えば成人に近い体格のトモエにしても、体の芯に鉛の様な重さがしっかりと残っているのだから。
「二人は、いつも早いよね。」
「習い性のような物ですから。他の皆さんは。」
「起こしてきたけど、もう少しかかるかな。」
そうしてアナも柔軟に混ざり、のんびりと体を伸ばしていると、そこに次々と人が加わり始める。
「どうにも、気が抜けたと言えばいいのか。」
こちらに来て直ぐに出会った五人組、その中で最も体格に恵まれたパウが、反面硬い体をゆっくりと伸ばしながらそう呟く。
「どうしても、そういう物ですから。」
「昨日よりはましだけど、なんか疲れてるんだよな。」
「そういう物ですよ。」
過酷な旅路の原因、その身の上としてはそれ以上の言葉をかけられるわけもなく、ただのんびりと体を伸ばす。
そしてそこにまだ幼いと、そう表現してもいい領都から加わった子供たちや、昨日から加わったばかりのファルコも混ざりだす。
「早朝の訓練は、これですか。」
「走り込みなどもいいのですが、今は柔軟が先ですね。疲労を抱えて始められる日程ではありませんから。」
この後も朝食という名のマナーの授業、それが終わればオユキ達は教会に向かう事になる。
無論、その後時間があれば実戦と、そういう予定を立てている以上、朝、一日の初めに疲れるわけには行かないのだ。そういった予定に比べてしまえば、朝の限られた時間に行える訓練、身につけなければならない事の優先順位は、どうしても数段さがるのだから。
「成程。ああ、皆もおはよう。長旅の後だというのに、早いな。」
「私たちは、普段より遅いですよ。」
「勤勉な事だな。」
「そっちは、その分夜遅いみたいだし、変わらないんじゃね。」
「どうだろうか。それにしても、教会ではそんなに早くから起きるのか。」
「礼拝に来る人達よりも先に、掃除もしないとですから。」
最初の頃は少年たちにしても、今子供たちがそうであるように柔軟で息が詰まり話す事も出来ない様子だったが、今ではこうして滑らかに受け答えが出来る様になっている。
そして、それを当たり前のように行えるファルコは、成程、確かにきちんとした基礎訓練を積んできたのだろう。
「えっと、オユキちゃん、今日は。」
「朝食の時に、改めて確認しましょうか。」
日程は昨晩公爵夫人と大枠は確認しているが、公爵本人の追認は得ていない。今日、この後のという事であればそれもできない以上、腹案通りになるはずではあるが。
「そういえば、ファルコ君。」
「何でしょうか。」
「王都の名産というのは、どのような物が。」
トモエがファルコにそうして話を向けると、意外にもすぐに答えが返らず、悩む様子を見せる。
「こう、珍しい食べ物とか、美味しい食べ物とかってあるのか。」
その様子に不思議そうにシグルドが尋ねる。
「あるにはあるのだが、一番となればどうしても水になってしまうのでな。」
「あー、そういや水と癒しの女神様の神殿があるんだもんな。」
「ああ。だからこそ、最も有名なと言えばそれになってしまってな。しかし。」
「神様の施しでも、水が名産ですって、それは確かに言いにくいよね。」
そうして子供たちが何とも言えない表情で笑いあう。
生き物にとって必須、そういった物ではあるし、確かに銘水などというのもあり、それに相応の根は付いてはいるが、あくまで食事としてみたときに主たるものではない。その理解は皆にもあるのだろう。
「でも、確かにここのお水、美味しかったな。」
植物の特性を含むからか、セシリアがそんな事をぽつりとこぼす。
「それについては、私も同意しよう。これまで訪れたどの場所よりも、此処の水は質がいい。」
「あー、それは俺もそう思うな。始まりの町と比べたら全然違うし、領都のよりも美味しく感じたな。」
「そこはそれこそ女神のお膝元、それゆえだろうな。そして料理となればその水を使うわけでな。後は、水に関わる酒の類、そうなってしまうために、名産と、そう特定の何かを上げるのも難しいのだ。」
「へー、そんなもんなのか。」
成程、確かにそうであるなら難しいものではあるのだろう。特に酒類については、文化で言えば口にすることもあるのだろうが、口ぶりから好んでいるとは取れない。
水と、原料になる何某か、それがあれば酒の類は間違いなく名産となり、それなりに有名な物もあるのだろうが、知識と知ってはいるがと、そういった風ではあるのだから。
「後は、王都に限った物では無いが、油で色々と煮る料理や菓子の類もあるな。」
油で煮る、その言葉にオユキはすぐに思い至らなかったが、トモエは分かったようであり、料理法としての名前を口にする。
「アヒージョですか。確かにこちらの文化圏であればタパスとして見そうなものですね。」
「油で煮るのって、その、大丈夫なの。」
「植物性の物を使うはずですから、意外と口当たりにくどさはありませんよ。」
「トモエ殿はご存知でしたか。」
言われれば、オユキにも思い当たる。森も近く、王都からの物として、以前クララからオリーブオイルに付けられた山ワサビなどを譲られたこともあるのだ。
そうであるなら、こちらでは油として使うだけのオリーブがあるのも当然ではある。
「オリーブ、アセイトゥナでしたか、それがあるならその果実そのものも頂けそうですね。」
瓶詰めのオリーブ、それこそオユキの元居た世界でもそのままであったり、サラダの具材であったり、ピザに乗せられたりと色々な形で利用されていたそれを思い出して口にする。
「ええ、勿論ありますよ。」
「栽培は沿岸とばかり考えていましたが。」
「南部の物は確かに一段質が良いと言われますが、王都の河沿いでも栽培しています。」
「成程。」
そこまで生育条件を詳しくは覚えていないが、水と日照時間、その潤沢が用件であったはず、そうであれば確かに河沿いでも叶うのかもしれないとトモエは納得する。加えてこちらならではの何かがあるのかもしれないと、そんな事も考えはするが。
「その、御菓子とかって。」
食事や、調味料の方向に話が傾いていたためか、アドリアーナからそんな声が上がる。しかし、聞く相手が間違っている。
「すまない。その。」
「あ、苦手なんですね。」
「いや、好ましいものもあるが、特に有名となると。」
「マサパン、等があるのですね。」
その様子に、オユキが気持ちは良く解るとそれを口にする。
「ご存知でしたか。」
「それって、どんなの。」
「扁桃、木の実を粉にしたものと蜂蜜や砂糖を混ぜて固めたお菓子です。異邦では修道院、教会の一種ですが、発祥と聞いていますね。」
オユキの簡単な説明に少女たちは嬉しそうに声を上げるが、少年たちは揃って苦い顔をする。甘いものの話でその表情というのは確かに面白いのかもしれないが、甘すぎる物を苦手とすれば、そうなるのも当然ではある。
「後は、私が知っているものであれば、アロスコンレチェ、ポルボロン、クレマカタラーナ。色々ありますよ。」
オユキが補足すれば少女達からさらに歓声が上がる。
「オユキさん、よくご存じですね。」
「いくつかは持ち帰るのが難しいですから。」
一方で何処かトモエからの視線に圧が乗ったのを感じるオユキとしては、気が気ではないのだが。
「まぁ、今上がったものは確かに好むものは多いのですが、どれも持ち運びは難しいですから。」
「えっと、そうなんですか。」
「焼き菓子のマサパンとポルボロンにしても、簡単に潰れますからね。後の二つは、クリームですから。」
そうしてファルコが説明を行えばトモエも納得はいったようであるが、それでも視線でまだ訴えているためオユキは言葉を重ねる。
「ポルボロンはそうですね、落雁が近いですし、近くでも売っていましたから。」
「そうなのですか。」
「マサパンについては、その、当時の私がとてもではありませんが好んで食べられるものではなかったので。私たちの言葉では、マジパンの方が馴染みがありますか。少々差はありますが。」
「ああ。」
マジパン自体は何度か買い求め、特にヨーロッパでは贈り物としてそれこそ手の込んだ形のものも多かったため、折に触れて、クリスマスが近くなればそれこそ大量に並ぶために買って帰りはしたのだが、その味を思い出してか、トモエが理解を見せる。
口当たりがよくなるように、柑橘の果汁などが混ぜられているものもあるが、用は半分は砂糖で出来た保存食。よほど甘いものが好きでもなければ、そのような物ではある。
「どうにも、私は苦手です。」
ファルコのその呟きに、今なら喜んで食べられるかもしれない、そうは思いながらもオユキは頷くしかなかった。
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