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「とりあえず、食べよっか。」
考え込み、戸惑う彼女を放っておいて、いつも通りに敷かれているシートに乗るためにと端の方に座り靴を脱ぐ。
そうすると、さっきまで向かい合って話していたこともあって、彼女に対して背を向けることになる。そんなタイミングで話しかけられる。
「その、君の祖父母はどうして、そこまでしてくれるの。」
「分からないよ。」
「え。」
そういったきり、彼女の方は言葉が続かない様子だ。
振り返って話したほうが良いのだろうかとも考えてしまうが、こちらが背を向けたときに話しかけてきたのだからと、そのまま言葉を続ける。
「心配だからって言うのはあると思うけど、それ以上は分からないかな。」
「聞いたりしなかったの。」
「誘うか、誘わないかも、僕の好きにって言われてたから。」
「そう、なんだ。」
「僕は祖父母じゃないから、二人がなにを考えているかなんてわからないよ。
気になるなら、聞いて来てもいいし、それこそ昨日みたいに何かに書いてくれれば、届けるよ。」
「君は、嫌じゃないの。」
「最初は嫌だったかな。」
そう、ここに来るまで、彼女に伝えるまで、足取りが重かったのは、それが嫌だったから、そこに間違いはない。
伝えてしまえば、振り返らなくても、相手が少し緊張するのが分かる。
それはそうだろう、僕だって面と向かって一緒にいるのが嫌だと言われれば、それなりの反応をするのだから。
「でも。」
そう、でも。
「ここで、さっきまで話して、うん、まぁ、いいかなって。」
「そう、なんだ。」
「話さずに帰っても、多分、というかそれも含めて好きにしたらって言われてたから、それでも良かったかもしれないけどね。うん、こうしてキミは今悩んでるみたいだし。」
「えっと、それでも私を誘うって、期待はされてたんじゃないかな。」
「多分ね。うん、僕が誘うって分かってたとは思うよ。いやいやでも。」
「あの、君が嫌だったら、ちゃんと断るよ。
だって、せっかくの休みに来てるんでしょ。気が休まらないんじゃないかな。」
「それを含めて、まぁ、いいかなって。それに祖父母は心配するだろうからね、君が来なかったら。」
すっかり靴は脱いでしまったけど、そのまま振り返らずに話を続ける。
靴下くらいは履いてるけど、やっぱりまだ外の風は足元を冷やしてくる。
「うん、だから、まぁ、任せるよ。僕は君がいてもいいかなって、そう思ったし。
後は君が来てもいいかなって、そう思ったなら来ればいいんじゃないかな。」
「でも、色々してもらって、悪いなって。」
「そう思うのは君だし、祖父母は気にしないから誘ったんだと思うから。」
「そう、なのかな。」
「多分。そのあたり、一度聞いてこようか。」
「えっと、うん、あの、手紙を、書きます。」
なにやら彼女の中で決まったのだと、ようやく僕は体の向きを入れ替える。
「ノートは持ってきてないから、どうしよっか。」
「私も、自分のがあるから。」
「そう。なら、先に食べよっか。」
昨日と違って、今日は祖母に食べ物を渡されると、そう分かっていたから夕食も少し少なめにしてきた。
今朝のご飯は、流石にいつもより遅い時間に追加で食べてしまったせいか、なかなか箸が進まなかったから。
いや、それはいいわけで、本当は彼女の事が有ったから、それに気を取られてしまって、ほとんど食べられなかっただけなのだが。
「うん。そうだね。キミは、その、自由だね。」
「そんなことないよ。君に話すまで、僕がそうやって今日一日悩んでいたわけだし。」
「ああ、そっか、そうだよね。じゃあ、ごめんなさい、かな。」
そういって頭を下げる彼女に僕も頭を下げる。
「うん、気にしないでよ、こっちこそ、ごめんね。なんだか面倒を押し付けたみたいで。」
「面倒、っていう訳じゃないかな、戸惑っているとか、その、心配かけてしまって申し訳ないとか、色々。」
「そう色々を全部まとめて、面倒でいいんじゃないかな。」
「それは、流石に乱暴かなって。」
そういって、彼女もどうにか先ほどまでと同じような表情に戻って、僕の向かいに座る。
スカートの裾を揃えて綺麗に座る姿は、なんというか、慣れを感じさせる。
部活でと、そうとだけ聞いているけれど、今の学校に入る前から、彼女はよく一人で、それとも彼女に楽しさを教える相手と、こうしていたのかもしれない。
「えっと、手紙書くの時間かかるかもしれないけど。」
「良いんじゃないかな。今日が無理なら明日でも。祖父か、祖母か、多分両方かも。二人から返事貰って、また渡すよ。」
「えっと、今日待ってもらってる間に書けそうになかったら、そうしてもらうかも。」
「うん。僕もこれ食べて、また一時間くらい練習したら戻るし。」
「あ、そこは、そうなんだ。」
「あんまり遅くなると、朝起きれなくなりそうだからね。」
「わ、えらいね。私は連休中は、だいたい逆転しちゃうから。」
偉いねと言われるが、彼女が連休の間、こうした趣味に時間を割いているなら、それはもうどうにもならないだろう。
そもそも夜に活動しなければ、天体観測などできやしないのだから。
「昼間って、何かできるの。」
「一応、研究資料を読んだり、図鑑を見たり、太陽の観測も立派な天体観測だから。」
「え、目を傷めるんじゃないの。」
「えっと、流石に今日は流石に持ってきてないけど、投影板、太陽投影板って言うのがあって、それを使うんだ。」
「あ、直接見る訳じゃないんだ。投影ってことは、何かに移すんだろうけど、あれって、そんなこともできるんだ。」
「うん、ちょっと面倒だけど。」
考え込み、戸惑う彼女を放っておいて、いつも通りに敷かれているシートに乗るためにと端の方に座り靴を脱ぐ。
そうすると、さっきまで向かい合って話していたこともあって、彼女に対して背を向けることになる。そんなタイミングで話しかけられる。
「その、君の祖父母はどうして、そこまでしてくれるの。」
「分からないよ。」
「え。」
そういったきり、彼女の方は言葉が続かない様子だ。
振り返って話したほうが良いのだろうかとも考えてしまうが、こちらが背を向けたときに話しかけてきたのだからと、そのまま言葉を続ける。
「心配だからって言うのはあると思うけど、それ以上は分からないかな。」
「聞いたりしなかったの。」
「誘うか、誘わないかも、僕の好きにって言われてたから。」
「そう、なんだ。」
「僕は祖父母じゃないから、二人がなにを考えているかなんてわからないよ。
気になるなら、聞いて来てもいいし、それこそ昨日みたいに何かに書いてくれれば、届けるよ。」
「君は、嫌じゃないの。」
「最初は嫌だったかな。」
そう、ここに来るまで、彼女に伝えるまで、足取りが重かったのは、それが嫌だったから、そこに間違いはない。
伝えてしまえば、振り返らなくても、相手が少し緊張するのが分かる。
それはそうだろう、僕だって面と向かって一緒にいるのが嫌だと言われれば、それなりの反応をするのだから。
「でも。」
そう、でも。
「ここで、さっきまで話して、うん、まぁ、いいかなって。」
「そう、なんだ。」
「話さずに帰っても、多分、というかそれも含めて好きにしたらって言われてたから、それでも良かったかもしれないけどね。うん、こうしてキミは今悩んでるみたいだし。」
「えっと、それでも私を誘うって、期待はされてたんじゃないかな。」
「多分ね。うん、僕が誘うって分かってたとは思うよ。いやいやでも。」
「あの、君が嫌だったら、ちゃんと断るよ。
だって、せっかくの休みに来てるんでしょ。気が休まらないんじゃないかな。」
「それを含めて、まぁ、いいかなって。それに祖父母は心配するだろうからね、君が来なかったら。」
すっかり靴は脱いでしまったけど、そのまま振り返らずに話を続ける。
靴下くらいは履いてるけど、やっぱりまだ外の風は足元を冷やしてくる。
「うん、だから、まぁ、任せるよ。僕は君がいてもいいかなって、そう思ったし。
後は君が来てもいいかなって、そう思ったなら来ればいいんじゃないかな。」
「でも、色々してもらって、悪いなって。」
「そう思うのは君だし、祖父母は気にしないから誘ったんだと思うから。」
「そう、なのかな。」
「多分。そのあたり、一度聞いてこようか。」
「えっと、うん、あの、手紙を、書きます。」
なにやら彼女の中で決まったのだと、ようやく僕は体の向きを入れ替える。
「ノートは持ってきてないから、どうしよっか。」
「私も、自分のがあるから。」
「そう。なら、先に食べよっか。」
昨日と違って、今日は祖母に食べ物を渡されると、そう分かっていたから夕食も少し少なめにしてきた。
今朝のご飯は、流石にいつもより遅い時間に追加で食べてしまったせいか、なかなか箸が進まなかったから。
いや、それはいいわけで、本当は彼女の事が有ったから、それに気を取られてしまって、ほとんど食べられなかっただけなのだが。
「うん。そうだね。キミは、その、自由だね。」
「そんなことないよ。君に話すまで、僕がそうやって今日一日悩んでいたわけだし。」
「ああ、そっか、そうだよね。じゃあ、ごめんなさい、かな。」
そういって頭を下げる彼女に僕も頭を下げる。
「うん、気にしないでよ、こっちこそ、ごめんね。なんだか面倒を押し付けたみたいで。」
「面倒、っていう訳じゃないかな、戸惑っているとか、その、心配かけてしまって申し訳ないとか、色々。」
「そう色々を全部まとめて、面倒でいいんじゃないかな。」
「それは、流石に乱暴かなって。」
そういって、彼女もどうにか先ほどまでと同じような表情に戻って、僕の向かいに座る。
スカートの裾を揃えて綺麗に座る姿は、なんというか、慣れを感じさせる。
部活でと、そうとだけ聞いているけれど、今の学校に入る前から、彼女はよく一人で、それとも彼女に楽しさを教える相手と、こうしていたのかもしれない。
「えっと、手紙書くの時間かかるかもしれないけど。」
「良いんじゃないかな。今日が無理なら明日でも。祖父か、祖母か、多分両方かも。二人から返事貰って、また渡すよ。」
「えっと、今日待ってもらってる間に書けそうになかったら、そうしてもらうかも。」
「うん。僕もこれ食べて、また一時間くらい練習したら戻るし。」
「あ、そこは、そうなんだ。」
「あんまり遅くなると、朝起きれなくなりそうだからね。」
「わ、えらいね。私は連休中は、だいたい逆転しちゃうから。」
偉いねと言われるが、彼女が連休の間、こうした趣味に時間を割いているなら、それはもうどうにもならないだろう。
そもそも夜に活動しなければ、天体観測などできやしないのだから。
「昼間って、何かできるの。」
「一応、研究資料を読んだり、図鑑を見たり、太陽の観測も立派な天体観測だから。」
「え、目を傷めるんじゃないの。」
「えっと、流石に今日は流石に持ってきてないけど、投影板、太陽投影板って言うのがあって、それを使うんだ。」
「あ、直接見る訳じゃないんだ。投影ってことは、何かに移すんだろうけど、あれって、そんなこともできるんだ。」
「うん、ちょっと面倒だけど。」
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