底辺冒険者だけど魔法を極めてみることにした ~無能スキルから神スキルに進化した【魔法創造】と【アイテム作成】で無双する~

蒼乃白兎

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11話 難攻不落の少女

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 よし、レベル50になったし《豪火球》を取得できるな。
 ……ん? なんか忘れてないか?

 あ、そうだった!
 俺はソニアを助けるためにキングフロッグと戦ったんだった。
 周りを見て、倒れているソニアを発見。
 近寄って、声をかける。

「おーい、大丈夫か? 生きてるかー?」
「……はい、一応」

 力のない声だった。
 もしかすると、HPが低くなりすぎて危ない状況なのでは?
 ……ありうるな。
 しゃーない。
 [HP回復薬]を作ってやるか。

『【アイテム作成】の効果により[HP回復薬]を1つ作成しました』

 現れた[HP回復薬]を持って、ソニアに再び話しかける。

「……あの、あなたは大丈夫ですか?」
「他人の心配をしている場合か。今は自分のことだけ考えてりゃいいんだよ。ほら、飲めるか?」
「……いえ、こんな高価なもの、頂けません……」
「いいからいいから」
「……すみません、飲ませてくれませんか……? 力が入らなくて……」

 セリフだけ見れば恥ずかしそうに言いそうなもんだが、ソニアの表情は疲労困憊って感じでとても辛そうだった。

「任せろ」

 ソニアの背中を支え、上半身を起こし、[HP回復薬]を少しずつ飲ませてあげた。

「すごいですね……[HP回復薬]でこんなに元気が出るなんて……」
「元気になってくれたようで何よりだ」
「ありがとうございます。命を助けてもらったうえに高価な[HP回復薬]まで頂いちゃって」
「ほっとけないだろ。ここで見殺しにしたら、せっかく助けた意味もなくなる」
「……ふふっ、とても優しいんですね」

 笑うと結構可愛いなコイツ。
 なんとなくだけど、雰囲気も和んだ気がする。

「それでソニアはどうして一人でダンジョンボスと戦っていたんだ?」
「……あれ。私、自分の名前言いました?」
「最近、フォイルのダンジョンによく潜ってただろ? そのとき、パーティの仲間からソニアって呼ばれてるのを聞いたんだ。ちなみに俺の名前はロアだ」
「ロアさんですね」

 まぁ別に呼び捨てでも構わんのだが、わざわざ訂正する必要もないだろう。

「しかし……なるほど、それで私の名前を知っていたんですね。だったら話は早いです。見捨てられたんです、私」
「見捨てられた……?」
「ダンジョンボスと戦っている最中、私が攻撃を受けている隙に転移石で帰って行ったんです」

 ソニアのパーティでの扱いは酷かったが、まさかここまでとは思いもしなかった。

「……ひどいな。でも、なんでみんな逃げ出したんだ?」
「一通り戦ってから、ダンジョンボスに攻撃の有効打が無いことを悟ったんでしょうね」

 それで囮にしたって訳か。

「……ソニアは転移石を持ってなかったのか?」
「はい。持っているのはリーダーだけでした。いざというときは、メンバー全員に渡すと言っていたのですが、私はまんまと囮にされちゃいました」
「それはソニアも災難だったな」
「はい……だから、ロアさん、助けて頂き本当にありがとうございます。この御恩は一生忘れません」

 ソニアは立ち上がって、俺に向かって腰を折り曲げた。

「大袈裟だなぁ……」
「全然大袈裟じゃないですよ。私、ロアさんがいなかったらたぶん……」

 ソニアは目を伏せて、口ごもった。

「ま、これに懲りたら次はちゃんとしたパーティを選ぶんだな。一番活躍してたのがソニアなのに、どうしてここまで酷い扱いを受けているんだろうってずっと思ってたんだ」
「そんなこと無いです。だって私、自分で攻撃することが出来ませんから」
「攻撃出来ない……? どういうことだ?」
「ユニークスキル持ちなんです。【難攻不落】ってスキルなんですけど、これのせいで攻撃スキルが一切取れないんです……。パーティを組むことでしか冒険者をやっていけなくて、だからあんな扱いでも耐えてきたんです」

 ユニークスキル持ちはそこまで珍しはないらしい。
 だが、ユニークスキルで攻撃手段が無くなるってのは中々珍しいんじゃないだろうか。
 俺もスキルポイントが貰えない境遇にあるので、どことなく親近感を覚えた。

「パーティを組むことを条件にソニアを良いように使っていたって訳か」
「そうですね」
「……よし! じゃあ助かったんだし、そいつらにちょっと仕返ししてやろうぜ」
「……仕返し、ですか?」
「ああ、俺に任せとけ」

 まぁ単純にあのパーティの奴らを詰めるだけなんだけどな。
 冒険者ってのは評判を凄い気にする。
 そいつらの信頼を落としてやるだけでもいい仕返しになるのだ。
 事実、何も信頼できる要素が無さそうだからな。
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