底辺冒険者だけど魔法を極めてみることにした ~無能スキルから神スキルに進化した【魔法創造】と【アイテム作成】で無双する~

蒼乃白兎

文字の大きさ
27 / 32

27話 《稲妻雷轟》

しおりを挟む

「レベル1になったけど、これで《稲妻雷轟》を使えるようになったな」
「一度どんな感じか見てみたいですね」
「そうだな。とりあえずパーティ組み直すか」

 そう言って俺はソニアにパーティ申請を送ろうとしたが、送れない。
 あれ?
 なんでだ?

「……あ、多分今はパーティ組めませんね。私とロアさんでレベル差が100以上あるので」
「レベル差が100以上あるとパーティを組めないのか」
「はい。理由は私も知りませんが……」
「不便だなぁ。まぁ神様もそこまで楽はさせないってことだろうか」

 レベル差が大きい人とパーティが組めたら、高ランクの魔物を倒し放題とかになっちゃうわけだ。

「《稲妻雷轟》の試し撃ちでもすれば、多分一瞬で50レベルぐらいは上がりますよ」
「そうだな」

 50レベルって【魔法創造】を取得する前に1年かけてあげたレベルだなぁ……。
 それをもう一瞬で上げられるようになるとは。

「1体や2体に撃つのはつまらないと思うので、何体か私が引き連れて来ますね」
「あんまり多くなくていいぞ。3~4体いれば十分だ。安全を一番に優先しろよ」
「はい。お気遣いありがとうございます」

 ……と、言ったのだが。

「ロアさーん、すみません! 助けてくださーい!」

 ソニアはなんと8体もの魔物を引き連れて走っていた。
 最初の2体を引き連れるところは良かった。
 だが、そこからが問題だった。
 ソニアはどんどんいろんな場所に向かっていき、走れば走るほど引き連れる魔物の数は多くなっていった。
 たぶんこういう場面では、一度行った場所を行き来して魔物との距離を保つのだと思っていた。
 俺は斬新な方法だな~、と思っていたら、珍しくソニアがドジをしたのだ。
 まぁちょうどいい。
 これだけの魔物を一気に倒せるのは中々爽快感がありそうだ。

「ソニア、こっちに向かって走ってこい!
「は、はいっ!」
「──《稲妻雷轟》」

 魔法陣を展開する。
 詠唱時間は7秒。
 範囲攻撃ということもあり、使い方を間違えればソニアにも直撃してしまう恐れがある。
 だから《稲妻雷轟》を使うタイミングは正確でなければいけない。

 詠唱を開始してから7秒後にソニアが俺の横を過ぎ去る瞬間。
 それを逆算して俺は《稲妻雷轟》の詠唱を開始した。

 なに、俺もただボーっとソニアが走っていたのを見たわけではない。
 ちゃんと7秒でソニアが走れる距離を目算していたのだ。

「はぁ……はぁ……」

 ソニアの息が切れてきた。
 スタミナが不足してきたのだろう。
 ……あれ? 走るスピードも落ちてる。
 これはちょっとヤバいかもしれない。

「ダッシュ! ダッシュ! 魔物に追い付かれるぞ!」

 俺はエールを送る。
 もう少しで攻撃範囲外に出れそうだが、そろそろ7秒が経過してしまう。

「ソニア! 飛べ!」
「──はいっ!」

 ソニアが身体を伸ばして、前に飛んだところで、7秒が経過した。
 《稲妻雷轟》が放たれた。

 幾多もの稲妻が空間をジグザグに裂いた。
 その閃光が眩しく、俺は右腕を顔の前に持っていく。

 ビリビリビリビリビリビリッ!!!!
 ドカーンッ!!!!



『自身よりも強い敵を倒したため、経験値が加算されました』
『レベルが50上がりました』
『自身よりも強い敵を倒したため、経験値が加算されました』
『レベルが25上がりました』
『自身よりも強い敵を倒したため、経験値が加算されました』
『レベルが15上がりました』
『自身よりも強い敵を倒したため、経験値が加算されました』
『レベルが8上がりました』
『自身よりも強い敵を倒したため、経験値が加算されました』
『レベルが4上がりました』
『自身よりも強い敵を倒したため、経験値が加算されました』
『レベルが3上がりました』
『自身よりも強い敵を倒したため、経験値が加算されました』
『レベルが2上がりました』
『自身よりも強い敵を倒したため、経験値が加算されました』
『レベルが2上がりました』


 ……めちゃくちゃレベル上がったな。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ロア・フォイル 19歳 男 
 称号:[フォイルのダンジョン踏破者]
 レベル:110
 HP:690/690 MP:1110/1110
 攻撃力:119
 防御力:102
 ユニークスキル:【アイテム作成】【魔法創造】
 魔法:《生活魔法》《火槍》《アイテムボックス(極小)》《豪火球》《投雷》《稲妻雷轟》

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 一気に110レベルまで上がっただと……!?
 き、気持ちいい……っ!
 なんて爽快なんだ!

 ……と、そんなことよりソニア大丈夫か?

「立てるか?」

 俺は地面に倒れたままのソニアに手を差し伸べる。
 ソニアはその手を握り、立ち上がった。

「……まさか、あんなに魔物を引き連れることになるとは予想していませんでした」
「もうちょっと走る場所考えような……」
「うっ……返す言葉がありませんね……。助けて頂き、ありがとうございます」
「気にするなよ。おかげで俺もめちゃくちゃレベルが上がった」
「何レベルになったんですか?」
「110レベルだ」
「結構上がりましたね」
「ああ、《稲妻雷轟》をモンスターハウスでぶっ放せばとんでもないことになるぜ」
「ふふっ、楽しみですね」
「だな」
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~

名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します

あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。 異世界パルメディアは、大魔法文明時代。 だが、その時代は崩壊寸前だった。 なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。 マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。 追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。 ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。 世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。 無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。 化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。 そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。 当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。 ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。

処理中です...