25 / 62
20話~39話
25:「ホラー」 キリ番
しおりを挟む
「やだぁ、今時キリ番なんていけてない」
ちょっと大きい声に周りの食事の手が一瞬止まった。どこのグループも自分たちの話をしながらも周りの話題に聞き耳を立てていた。話がつまらなそうだと分かると、自分たちの話に戻っていた。
「そうかな? でも四桁の大台を目の前にして伸び悩んでいるのよ」
「フォロワーさん、何人いるの?」
私のスマホを開いて見せた。
「960人・・・、確かに微妙ね、フォローが1100人と言う事は相互フォローしないのが結構いるのね。でも、普通の大学生にしては多いよね」
フォロワーの一覧を見せながらスクロールした。
「歴女の繋がりが多いかな。その中でも刀剣女子が多いかも」
「なるほど、では五分で1000人フォロワーが増える秘儀を教えてあげる。腐女子でも風呂上がりの自撮りをアップすれば、飴に群がるアリの如くフォロワーが増えるわよ」
全身に突き刺さるイヤらしい視線・・・・、考えるだけで悍ましい。
「まじ、キ・モ・イ」
「でもさ、キリ番宣伝してまでフォロワー増やしてどうするの?」
何か言いたげに私の顔を覗き込んでいる。
「結構、1000人超えている人が多くてね。ちょっと・・・・」
「ふーん・・・。でもさ、キリ番宣伝していたツイッターが踏まれたとたん更新しなくなっているの知ってる?」
ニヤリと笑っている。
「そんな話、聞いた事がない」
「それでは、今の話が真実だと教えてあげましょう」
彼女は自分のスマホのツイッターを開き、『キリ番』で検索を掛けている。
「私のスマホ見て・・・、この人」
300人のキリ番宣伝のツイートの後、『もう少しでキリ番^^』のツイートで途絶えていた。
「え・・・300人でキリ番? フォロワー何人いるの?」
プロフィール画面を見るとフォロワーが300人ピッタリで止まっている。タップすると、一覧が表示された。
「色々な人がフォロワーになっているのね。でも、一月以上経っているのに更新されないなんて、どうしたのかしら?」
「実はね・・・・一月前に踏まれたの。内臓破裂の圧死だったわ」
「え? なんで?」
「飼い猫に」
彼女は人差し指で私のほっぺたを優しく押した。
「やだ、冗談でしょ? それ萌死にの間違いでしょ」
瞬き一つしないで私を見ている。
彼女は検索画面に戻りスワイプして適当にタップ。
「こっちの人はキリ番宣伝して、500人ピッタリで止まっているの。この人も内臓破裂の圧死だったわ」
覗き込んでみると、確かに500人ピッタリ。一月前に更新されてから止まっている。フォロワーをタップすると、プロフィール画像に犬が多い・・・・、
「まさか、犬に踏まれて?」
「ええ、そうよ。飼い犬に踏まれてたわ」
また、検索画面に戻りスワイプして適当にタップ。
「こっちの人もキリ番宣伝して、1000人ピッタリで止まっているの。この人のフォロワーも見る?」
思わず頷いてしまった。プロフィール画像には電気機関車や蒸気機関車が多い。
「この人は鉄女だったの? なら踏まれる心配はないよね?」
彼女はゆっくり首を横に振った。
「彼女は特急列車に轢かれたわ」
「踏まれてないよね?」
「突き落とされて轢死よ。特急列車の車輪に踏まれたのよ」
確かに、キリ番を踏まれてる。
「なんで、そんなに詳しく知っているの?って言うかキリ番のプロフィール画像がみんな一緒じゃなかった?」
彼女がにっこりと笑っている。
「この人はキリ番宣伝していて、もうじき1000人ピッタリで止まるの」
「やだ、私の・・・・踏まれるような物を趣味にしてないし」
自分のスマホの通知音が連続して鳴りだした。アイコンのバッジ数も増え始めた。
「もう一つ教えてあげる。死ぬ直前に誰かと話していたらしいわよ。あなた、私の事知らないでしょ」
「え・・・・、ウソ」
今まで普通に話をしていたけど、誰? なんで普通に話していたんだろ。込み上げて来る恐怖心に身体が硬直して動かない。
「あなた刀剣女子だから切り番ね。ごめんね。ソースのついたナイフしかなくてね」
周りで食事をしていたグループから悲鳴が轟いた。
一人ランチを食べていた女性の首がテーブルに転がり、体からは鼓動に合わせて血が噴き出ていた。
悲鳴を聞きつけ、金縛りにあったように身動き取れず凝視したままの者。
それ以外は、恐怖で硬直した身体を引きずりながらスマホを構えて集まってきた。
ちょっと大きい声に周りの食事の手が一瞬止まった。どこのグループも自分たちの話をしながらも周りの話題に聞き耳を立てていた。話がつまらなそうだと分かると、自分たちの話に戻っていた。
「そうかな? でも四桁の大台を目の前にして伸び悩んでいるのよ」
「フォロワーさん、何人いるの?」
私のスマホを開いて見せた。
「960人・・・、確かに微妙ね、フォローが1100人と言う事は相互フォローしないのが結構いるのね。でも、普通の大学生にしては多いよね」
フォロワーの一覧を見せながらスクロールした。
「歴女の繋がりが多いかな。その中でも刀剣女子が多いかも」
「なるほど、では五分で1000人フォロワーが増える秘儀を教えてあげる。腐女子でも風呂上がりの自撮りをアップすれば、飴に群がるアリの如くフォロワーが増えるわよ」
全身に突き刺さるイヤらしい視線・・・・、考えるだけで悍ましい。
「まじ、キ・モ・イ」
「でもさ、キリ番宣伝してまでフォロワー増やしてどうするの?」
何か言いたげに私の顔を覗き込んでいる。
「結構、1000人超えている人が多くてね。ちょっと・・・・」
「ふーん・・・。でもさ、キリ番宣伝していたツイッターが踏まれたとたん更新しなくなっているの知ってる?」
ニヤリと笑っている。
「そんな話、聞いた事がない」
「それでは、今の話が真実だと教えてあげましょう」
彼女は自分のスマホのツイッターを開き、『キリ番』で検索を掛けている。
「私のスマホ見て・・・、この人」
300人のキリ番宣伝のツイートの後、『もう少しでキリ番^^』のツイートで途絶えていた。
「え・・・300人でキリ番? フォロワー何人いるの?」
プロフィール画面を見るとフォロワーが300人ピッタリで止まっている。タップすると、一覧が表示された。
「色々な人がフォロワーになっているのね。でも、一月以上経っているのに更新されないなんて、どうしたのかしら?」
「実はね・・・・一月前に踏まれたの。内臓破裂の圧死だったわ」
「え? なんで?」
「飼い猫に」
彼女は人差し指で私のほっぺたを優しく押した。
「やだ、冗談でしょ? それ萌死にの間違いでしょ」
瞬き一つしないで私を見ている。
彼女は検索画面に戻りスワイプして適当にタップ。
「こっちの人はキリ番宣伝して、500人ピッタリで止まっているの。この人も内臓破裂の圧死だったわ」
覗き込んでみると、確かに500人ピッタリ。一月前に更新されてから止まっている。フォロワーをタップすると、プロフィール画像に犬が多い・・・・、
「まさか、犬に踏まれて?」
「ええ、そうよ。飼い犬に踏まれてたわ」
また、検索画面に戻りスワイプして適当にタップ。
「こっちの人もキリ番宣伝して、1000人ピッタリで止まっているの。この人のフォロワーも見る?」
思わず頷いてしまった。プロフィール画像には電気機関車や蒸気機関車が多い。
「この人は鉄女だったの? なら踏まれる心配はないよね?」
彼女はゆっくり首を横に振った。
「彼女は特急列車に轢かれたわ」
「踏まれてないよね?」
「突き落とされて轢死よ。特急列車の車輪に踏まれたのよ」
確かに、キリ番を踏まれてる。
「なんで、そんなに詳しく知っているの?って言うかキリ番のプロフィール画像がみんな一緒じゃなかった?」
彼女がにっこりと笑っている。
「この人はキリ番宣伝していて、もうじき1000人ピッタリで止まるの」
「やだ、私の・・・・踏まれるような物を趣味にしてないし」
自分のスマホの通知音が連続して鳴りだした。アイコンのバッジ数も増え始めた。
「もう一つ教えてあげる。死ぬ直前に誰かと話していたらしいわよ。あなた、私の事知らないでしょ」
「え・・・・、ウソ」
今まで普通に話をしていたけど、誰? なんで普通に話していたんだろ。込み上げて来る恐怖心に身体が硬直して動かない。
「あなた刀剣女子だから切り番ね。ごめんね。ソースのついたナイフしかなくてね」
周りで食事をしていたグループから悲鳴が轟いた。
一人ランチを食べていた女性の首がテーブルに転がり、体からは鼓動に合わせて血が噴き出ていた。
悲鳴を聞きつけ、金縛りにあったように身動き取れず凝視したままの者。
それ以外は、恐怖で硬直した身体を引きずりながらスマホを構えて集まってきた。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる