中華ファンタジー・中華後宮モノを書きたい人への資料をご紹介!

washusatomi

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第1話 検索すると出てくる『古代中国と中華風の創作事典』

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中華ファンタジーの資料を探していて、ネットで検索したら、一度はこの本のタイトルを見たことがあるのではないでしょうか。

Googleで「中華ファンタジー」「資料」で検索すると出てきます(2022年11月現在。もちろん、私個人の過去の検索結果が反映されないようシークレッドモードでの検索です)。

この『古代中国と中華風の創作事典』(2020年 榎本 秋 ・榎本 海月・ 榎本事務所 著 秀和システム)はその名の通り、中華風の創作をするための情報が網羅的に解説された本です。

え? 「検索してみたけど値段が高すぎる!」ですか?

確かに、2022年11月現在、出版がなされていないために、古書としてプレミア価格がついている状態です。
本体は2000円ですが、某ネット書店では8000円近い価格となっています。

高すぎて購入するのは躊躇われる……。
そうですよね……。でも! 諦めないで!!!
この本の編著者である「榎本事務所」のウェブサイトによると、再出版が決まったのだそうですよ!

榎本事務所 
『古代中国と中華風の創作事典』再出版について 2022.08.24
https://enomoto-office.com/news/%E3%80%8E%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%A8%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E9%A2%A8%E3%81%AE%E5%89%B5%E4%BD%9C%E4%BA%8B%E5%85%B8%E3%80%8F%E5%86%8D%E5%87%BA%E7%89%88%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

私が読んだのは図書館で借りたものですが。
再出版されて手が届く範囲の価格であれば、是非、購入して手元に置いておきたいと思います。

※本文投稿直前に上記リンク先をチェックしたところ、既にDBジャパンから出版されているようです。
『物語づくりのための黄金パターン 世界観設定編①中国と中華風のポイント25』
榎本事務所のサイトのお知らせです→https://enomoto-office.com/news/%e7%a7%80%e5%92%8c%e3%82%b7%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%a0%e3%80%8c%e5%89%b5%e4%bd%9c%e4%ba%8b%e5%85%b8%e3%80%8d%e3%82%b7%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%ba%e5%86%8d%e5%87%ba%e7%89%88%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84/

以下は、2022年以前に出版された『古代中国と中華風の創作事典』についての内容となります。

私はこの本を住んでいる自治体の図書館で2回借りました。
(そして購入しようとして、値段の高さに断念してました……)。

この本がどのようであるのか。
この本の著者ご自身が「あとがき」で述べられた箇所を引用してお示ししますね。

「これで、『古代中国と中華風の創作事典』はおしまいである。
さて、本書は皆さんにとって役に立つものになっていたであろうか。単純に知識・情報を紹介するものだけでなく、読み物としても面白く、つまみ食いするだけで皆さん
の興味を刺激し、『中国ってすごいな』『中華風世界って面白いな』と思っていただけるような本を目指したものだが、思った通りに作れただろうか。その辺りは皆さんの感想を待つしかない」

この引用文にあるように、全体として作者が読者に語りかけるような口調です。

で。「あとがき」での「皆さんの感想を待つしかない」についての、私の感想は……。
一度目は「うーん?」。二度目は「YES!」です。

某巨大ネット書店でのレビューに「全く知識のない状態で読むのはしんどい」という評価がありました。

事典として知識・情報を紹介することと、読み物としての面白さというのは、どうしても相反するところがあります。

初読時の私は、このようなタイトルの本を手に取るくらいですから、かなり中国史に無知な状態でした。。
そんな私がこの本を(1回目)に読もうとすると……。

中国史について全く背景を知らずに「読み物」として読もうにも、そこで紹介されている知識・情報の量の多さについていけず、「知識情報の羅列」のように感じられてしまう……。

一方、ちょっと興味を覚えた「知識・情報」をこの本から知ろうにも、「読み物」の一部なので深い理解が得られない……。

1度め読んだ後の感想としては……。
私は「自分は色んなことを知らない」ということがよーく分かりましたw

で。色々と別の本を読んできて……。
そして、今回この文章を書くために、再びこの本を手に取りました。
すると……。
ある程度知識を得た状態でこの本を読み返すと、「おお! 情報・知識も網羅してあって読み物としてスイスイ読めて、よくできてるわ、この本!」と思えるのです。

初読時の私が無知すぎただけでw、ある程度知識がある人でしたら、初めて読んでも、私の2回目と同じ感想を持たれるのではないかと思います。

この本が取り上げているのは、本当に世界の森羅万象という感じですね。

もちろん歴史が要領よくまとめられています。
「1章 中華風世界のベースを探る」のあたりですね。

「2章 中華世界の諸要素」では、科挙・武器・戦争・都市と農村・料理に衣服、文字・学問などが説明されます。

「3章 中華風世界のファンタジー」では、史実を離れ、陰陽五行、風水、仙人や神々などが紹介されています。
ファンタジー小説に取り入れたい題材ですよね。

各項目の専門の本を読み始めたらきりがありませんが、この本ではざっくり概説が書かれているので助かります。

それから、著者がライター・作家でいらっしゃるので、「創作するならこういう風に活かしてみては」という提案が随所でなされています。

私が2回目にこの本を読んだ時、この提案にはっとしました。

2回目の読書までに頑張って色んな資料本を読んでいたのですが……。そうやって読書を重ね、既存の研究結果に(多少なりとも)詳しくなると……。
その半面で自由にフィクション(物語)を頭の中で展開させづらくなってしまうんです。

その点、あくまで「クリエイターのため」というスタンスで書かれたこのような資料本は貴重です。

こういうコンセプトの本、ありそうでないですから。
再出版が決まって良かったです。
再出版ではタイトルも変わるようですが、お値段が普通の新刊本レベルでしたら、購入して手元に置いてもいいのではないかと思います。

ただ、一つだけ注意するとすれば……。
全体に、男性向けかなあという感じはしますかね……。

私は中華ファンタジーでも「後宮モノ」を書こうかと思っているのですが。
「後宮」「女性」についての言及はあまりありません。

上述の通り、武器や戦争などのほうが詳しく、「三国志」的な男性向け作品を念頭に置いての内容かなという感じ。

この点、後宮モノなどをを書こうとされている方には次回に紹介する本の方が向いているかもしれません。

という訳で。
次回は女性が取り上げられている入門書をご紹介しますね。

*****
2024年7月14日追記
中華ファンタジー「後宮出入りの女商人 四神国の妃と消えた護符」の投稿を始めました!
是非お越し下さいませ!
「後宮出入りの女商人 四神国の妃と消えた護符」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/161111112/878803039
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