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5. 陛下の北妃と呼ばれる男(一)
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宿は通りに面した一階で飯庁を営んでいる。
二階の自室の白蘭に、一階から雲雀が「お嬢様、冬籟様がお越しですよぅ」と呼ぶ声が聞こえた。
階段を下りると、椅子と卓が並ぶ飯庁は朝食時の混雑が終わり、比較的すいていた。
冬籟は戸口近くの椅子に腰かけていたが、白蘭の姿を目にとめてすっと立ち上がる。今日も彼は黒ずくめだ。筒袖の上衣に細袴の裾を長靴に入れた出で立ちは均整の取れた長身によく似合う。
ところが。白蘭が彼に良い印象を持ったというのに、彼は白蘭を見るなり眉をひそめる。
「なんだ? その見てくれは?」
白蘭は毛織物の上衣に男物と変わらぬ褌子をはき、そして編んで垂らした髪に絨帽をかぶっていた。妝はまだ自分でしたことがないので、宿屋の女将に頼んだ。
「これは琥の服です。董の人には見慣れないかもしれませんが、珍しい服を見せて歩いて売り込むのも商人の仕事だと思いますので」
隣で雲雀が「刺繍が豪華で素敵ですぅ」と頷いている。
「服は別にいい。しかし、その顔はなんだ?」
「妝ですか? おかみさんにできるだけ大人っぽく見えるように描いて貰いましたが?」
額に花鈿、唇に深い色味の紅、そして両頬に靨。これなら十歳は年上に見えるはず。
「小娘には小娘の年齢に相応な顔があるだろう。そんな年増のような妝なぞ全く似合っていない」
女将が同じ働く女として加勢してくれる。
「冬籟様、男に立ち混じるにも若い女はなめられがちなんです。女の妝は武器なんですよ」
「だからといって……」
そこに若い男が割って入った。先ほどから飯庁で遅い朝食を終えてゆっくりと茶を飲んでいた男だ。中肉中背でこれといった特徴もない。
「その西域のお嬢さんは素顔の方がいいと僕も思うね。昨日見かけた君は素朴で清楚で、それがよかったのに」
女将が「春賢様、これから受験勉強ですか?」と声をかける。董王朝の前の王朝から高等文官選抜のための科挙と呼ばれる制度が始まっていた。春賢という男はそれを受けるらしい。
彼は「うん、そろそろ勉強をしに自邸へ帰るところだった」と女将に答えてから、白蘭に「でも、少し長居をして良かったな。君に会いたかったんだよ」と笑みをむける。
「昨日見かけて可愛い子がいるなあって目をつけてたんだ。君、今夜うちにおいで。僕の家はちょっとした貴族だ。気分転換に朝食をここで取ることもあるが、家にちゃんとした料理人がいる。夕餉をご馳走してあげるよ」
確かに身なりはいい。受験勉強の息抜きに外食しているだけの貴族の子弟だというのも本当だろう。だが、初対面の相手に今夜家に来いと誘うのはなれなれすぎやしないか?
「いえ、知りあいでもない方の家で夕食などいただくわけには……」
貴族なら白蘭の上客になるかもしれないし、将来を考えても余計な敵は作りたくない。だからここは穏やかにかわしておきたい。
「僕は君が気に入ったんだよ。ねえ、今夜おいでよ」
「昨日到着したばかりで落ち着きませんので。いずれ機会がありましたら……」
「その機会を僕が今夜あげようと言ってるんじゃないか」
しつこいな、こいつ。あまり深く関わりにならない方が良さそうな気がする。かといって、強く出るのもためらわれるし……。白蘭があいまいな笑みを浮かべてごまかすための言葉を探していると、冬籟がぐいっと白蘭の二の腕をつかんで引き寄せた。
「春賢殿、悪いが彼女は今日先約がある。彼女は琥の豪商、戴家の者だ。後宮に納入する品のことで商談がある」
春賢が何か言う前に、冬籟は白蘭から手を放すと足早に戸口に向かい、外に出る手前でふり返った。
「早く来い。皇帝陛下をお待たせするつもりか」
白蘭は「はい!」と小走りで、外の馬に乗ろうとする冬籟の背中を追いかけた。
馬に乗った冬籟が「双輝石は持ってきたか?」と問う。「胸元にしまっております」と白蘭が答えると、冬籟は一つ頷き、横に並ぶ葦毛の馬に乗るように促した。
宿から遠ざかったところで、冬籟の馬の隣に白蘭も自分の馬を寄せる。
「変な男に絡まれたところを連れ出して下さりありがとうございます」
助かったのは確かなので、それには礼を言っておく。冬籟は「別に」とそっけなく答え、「そんなことよりも」と別の話を始める。
「あの春賢が貴族なのは本当だ。それも大貴族の崔家の嫡男だ。学業優秀でなかなかの野心家だと評判だな」
冬籟は一つ息を吐いた。
「彼らの重んずる伝統的な学問では、文化に優れた中華とその周辺の夷の間には序列がある。四神国も彼らにとっては蛮族の国に過ぎない。また、女は男よりも一段下だとも明言してる」
「……」
「董の中枢にはそんな価値観の者も多い。あんたは西の生まれの小娘だ。董にいれば理不尽に蔑まれて嫌な思いもするだろう。商売人の真似事などさっさとやめて、琥の養父のもとに帰った方がいい」
「私は商談をしに華都に来たのですが」
「ああ、双輝石か。その話が済めば……」
いや、双輝石はきっかけに過ぎない。なぜなら……。
「私はこの華都に嫁ぐことが決まっております。双輝石の件が一段落すれば、許婚と結婚して華都に住むこととなるでしょう」
「は? あんた、まだ子どもだろ?」
冬籟にはよほど思いがけないことだったらしく、呆気にとられた様子で切れ長の目を見開いて絶句することしばし。
「……まあ、小娘とはいえ確かにこれくらいの年で後宮に入る女もいるから、あんたに許婚がいてもおかしくないのかもしれん。で、嫁ぎ先というのはやはり商家か?」
「戴家の取引先です」
冬籟の口からクスクスと笑いが漏れた。
「あんたみたいな気の強い小娘が許婚とは、その男も先々大変だな。だが、大店のお内儀になるなら、少々生意気なくらいでちょうどいいのかもしれん。まあ、さっさと嫁に行って亭主に可愛がってもらうことだ」
「嫁ぐ前にまずは双輝石です。私は琥商人の利益のために董へ嫁ぐのです。琥と董の関係で不穏な事情があるのならそれを解決しなければ」
「あんたも戴家からこちらの大商人に嫁ぐからには、東西交易でそれなりの役割が期待されているんだろうな」
「そうです。冬籟様は私を小娘小娘と子ども扱いされますが、私は……」
冬籟が鼻を鳴らしてその先を引き取った。
「大人だと言いたいか? その妝もそのためだと? はん、そんなもので大人に見せかけようと背伸びするのがまだ子供だというんだ」
「な……」
「俺も卓瑛も妝ごときで人の器量を判断しない。あんただって表面を取りつくろったところで中身が大人になる訳でもあるまい」
冬籟は片手で馬を操りながら、もう片方の手で懐から手巾を取り出し放って寄こした。白蘭も手綱を持つ手を片方離してそれを受け取る。
「さっさと顔を拭け。嫁入り前の小娘が皇帝陛下に派手な妝で会おうとするなど妙に勘繰られても後々困るだろう? あんた、それともまさか皇帝から寵を得たいのか?」
「とんでもない! 私は男の寵愛など要りません!」
自分は男にすがって生きてきた母とは違う。己の力で自立したいのだ。
「だったら、その似合ってもいない妝を落とすんだな。小娘ではなく一人前の女商人だと言いたければ中身で勝負してみろ」
腹は立つが、それはそれで一理あるので、白蘭は布に色がつかなくなるまで顔をこすって妝を落とした。
「ところで、先ほど名前の挙がった卓瑛とはどなたです?」
彼はこともなげに答える。
「皇帝だ。俺とあいつは兄弟のようなものだから個人的には名で呼んでいる」
驚きのあまり言葉を失う白蘭をよそに、冬籟の馬が角を曲がった。慌てて白蘭も馬の向きを変える。
「この大路を北上する……じろじろとなんだ?」
白蘭の視線はよほどぶしつけであったらしい。だけど仕方ないではないか。皇帝を名前で呼ぶなど不敬きわまりないのだから。
いや、まてよ。白蘭は思い出した。昨日、身体を拭いてもらった後も雲雀とおしゃべりに興じていたが、その大半がこの冬籟という男についてだったのだ。
「冬籟様は北の毅国の王子でいらっしゃるとか」
二階の自室の白蘭に、一階から雲雀が「お嬢様、冬籟様がお越しですよぅ」と呼ぶ声が聞こえた。
階段を下りると、椅子と卓が並ぶ飯庁は朝食時の混雑が終わり、比較的すいていた。
冬籟は戸口近くの椅子に腰かけていたが、白蘭の姿を目にとめてすっと立ち上がる。今日も彼は黒ずくめだ。筒袖の上衣に細袴の裾を長靴に入れた出で立ちは均整の取れた長身によく似合う。
ところが。白蘭が彼に良い印象を持ったというのに、彼は白蘭を見るなり眉をひそめる。
「なんだ? その見てくれは?」
白蘭は毛織物の上衣に男物と変わらぬ褌子をはき、そして編んで垂らした髪に絨帽をかぶっていた。妝はまだ自分でしたことがないので、宿屋の女将に頼んだ。
「これは琥の服です。董の人には見慣れないかもしれませんが、珍しい服を見せて歩いて売り込むのも商人の仕事だと思いますので」
隣で雲雀が「刺繍が豪華で素敵ですぅ」と頷いている。
「服は別にいい。しかし、その顔はなんだ?」
「妝ですか? おかみさんにできるだけ大人っぽく見えるように描いて貰いましたが?」
額に花鈿、唇に深い色味の紅、そして両頬に靨。これなら十歳は年上に見えるはず。
「小娘には小娘の年齢に相応な顔があるだろう。そんな年増のような妝なぞ全く似合っていない」
女将が同じ働く女として加勢してくれる。
「冬籟様、男に立ち混じるにも若い女はなめられがちなんです。女の妝は武器なんですよ」
「だからといって……」
そこに若い男が割って入った。先ほどから飯庁で遅い朝食を終えてゆっくりと茶を飲んでいた男だ。中肉中背でこれといった特徴もない。
「その西域のお嬢さんは素顔の方がいいと僕も思うね。昨日見かけた君は素朴で清楚で、それがよかったのに」
女将が「春賢様、これから受験勉強ですか?」と声をかける。董王朝の前の王朝から高等文官選抜のための科挙と呼ばれる制度が始まっていた。春賢という男はそれを受けるらしい。
彼は「うん、そろそろ勉強をしに自邸へ帰るところだった」と女将に答えてから、白蘭に「でも、少し長居をして良かったな。君に会いたかったんだよ」と笑みをむける。
「昨日見かけて可愛い子がいるなあって目をつけてたんだ。君、今夜うちにおいで。僕の家はちょっとした貴族だ。気分転換に朝食をここで取ることもあるが、家にちゃんとした料理人がいる。夕餉をご馳走してあげるよ」
確かに身なりはいい。受験勉強の息抜きに外食しているだけの貴族の子弟だというのも本当だろう。だが、初対面の相手に今夜家に来いと誘うのはなれなれすぎやしないか?
「いえ、知りあいでもない方の家で夕食などいただくわけには……」
貴族なら白蘭の上客になるかもしれないし、将来を考えても余計な敵は作りたくない。だからここは穏やかにかわしておきたい。
「僕は君が気に入ったんだよ。ねえ、今夜おいでよ」
「昨日到着したばかりで落ち着きませんので。いずれ機会がありましたら……」
「その機会を僕が今夜あげようと言ってるんじゃないか」
しつこいな、こいつ。あまり深く関わりにならない方が良さそうな気がする。かといって、強く出るのもためらわれるし……。白蘭があいまいな笑みを浮かべてごまかすための言葉を探していると、冬籟がぐいっと白蘭の二の腕をつかんで引き寄せた。
「春賢殿、悪いが彼女は今日先約がある。彼女は琥の豪商、戴家の者だ。後宮に納入する品のことで商談がある」
春賢が何か言う前に、冬籟は白蘭から手を放すと足早に戸口に向かい、外に出る手前でふり返った。
「早く来い。皇帝陛下をお待たせするつもりか」
白蘭は「はい!」と小走りで、外の馬に乗ろうとする冬籟の背中を追いかけた。
馬に乗った冬籟が「双輝石は持ってきたか?」と問う。「胸元にしまっております」と白蘭が答えると、冬籟は一つ頷き、横に並ぶ葦毛の馬に乗るように促した。
宿から遠ざかったところで、冬籟の馬の隣に白蘭も自分の馬を寄せる。
「変な男に絡まれたところを連れ出して下さりありがとうございます」
助かったのは確かなので、それには礼を言っておく。冬籟は「別に」とそっけなく答え、「そんなことよりも」と別の話を始める。
「あの春賢が貴族なのは本当だ。それも大貴族の崔家の嫡男だ。学業優秀でなかなかの野心家だと評判だな」
冬籟は一つ息を吐いた。
「彼らの重んずる伝統的な学問では、文化に優れた中華とその周辺の夷の間には序列がある。四神国も彼らにとっては蛮族の国に過ぎない。また、女は男よりも一段下だとも明言してる」
「……」
「董の中枢にはそんな価値観の者も多い。あんたは西の生まれの小娘だ。董にいれば理不尽に蔑まれて嫌な思いもするだろう。商売人の真似事などさっさとやめて、琥の養父のもとに帰った方がいい」
「私は商談をしに華都に来たのですが」
「ああ、双輝石か。その話が済めば……」
いや、双輝石はきっかけに過ぎない。なぜなら……。
「私はこの華都に嫁ぐことが決まっております。双輝石の件が一段落すれば、許婚と結婚して華都に住むこととなるでしょう」
「は? あんた、まだ子どもだろ?」
冬籟にはよほど思いがけないことだったらしく、呆気にとられた様子で切れ長の目を見開いて絶句することしばし。
「……まあ、小娘とはいえ確かにこれくらいの年で後宮に入る女もいるから、あんたに許婚がいてもおかしくないのかもしれん。で、嫁ぎ先というのはやはり商家か?」
「戴家の取引先です」
冬籟の口からクスクスと笑いが漏れた。
「あんたみたいな気の強い小娘が許婚とは、その男も先々大変だな。だが、大店のお内儀になるなら、少々生意気なくらいでちょうどいいのかもしれん。まあ、さっさと嫁に行って亭主に可愛がってもらうことだ」
「嫁ぐ前にまずは双輝石です。私は琥商人の利益のために董へ嫁ぐのです。琥と董の関係で不穏な事情があるのならそれを解決しなければ」
「あんたも戴家からこちらの大商人に嫁ぐからには、東西交易でそれなりの役割が期待されているんだろうな」
「そうです。冬籟様は私を小娘小娘と子ども扱いされますが、私は……」
冬籟が鼻を鳴らしてその先を引き取った。
「大人だと言いたいか? その妝もそのためだと? はん、そんなもので大人に見せかけようと背伸びするのがまだ子供だというんだ」
「な……」
「俺も卓瑛も妝ごときで人の器量を判断しない。あんただって表面を取りつくろったところで中身が大人になる訳でもあるまい」
冬籟は片手で馬を操りながら、もう片方の手で懐から手巾を取り出し放って寄こした。白蘭も手綱を持つ手を片方離してそれを受け取る。
「さっさと顔を拭け。嫁入り前の小娘が皇帝陛下に派手な妝で会おうとするなど妙に勘繰られても後々困るだろう? あんた、それともまさか皇帝から寵を得たいのか?」
「とんでもない! 私は男の寵愛など要りません!」
自分は男にすがって生きてきた母とは違う。己の力で自立したいのだ。
「だったら、その似合ってもいない妝を落とすんだな。小娘ではなく一人前の女商人だと言いたければ中身で勝負してみろ」
腹は立つが、それはそれで一理あるので、白蘭は布に色がつかなくなるまで顔をこすって妝を落とした。
「ところで、先ほど名前の挙がった卓瑛とはどなたです?」
彼はこともなげに答える。
「皇帝だ。俺とあいつは兄弟のようなものだから個人的には名で呼んでいる」
驚きのあまり言葉を失う白蘭をよそに、冬籟の馬が角を曲がった。慌てて白蘭も馬の向きを変える。
「この大路を北上する……じろじろとなんだ?」
白蘭の視線はよほどぶしつけであったらしい。だけど仕方ないではないか。皇帝を名前で呼ぶなど不敬きわまりないのだから。
いや、まてよ。白蘭は思い出した。昨日、身体を拭いてもらった後も雲雀とおしゃべりに興じていたが、その大半がこの冬籟という男についてだったのだ。
「冬籟様は北の毅国の王子でいらっしゃるとか」
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