京都に住んで和風ファンタジー(時には中華風)の取材などする日記

washusatomi

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風俗博物館に行きました(仏名会・その他)

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 平安時代の風俗をドールハウスとして展示する風俗博物館。
 先日行ってきた探訪記の最終回です。

 写真はnoteにまとめて投稿しております(noteのURLは※1)。

 12月末頃に行われる年中行事、仏名会の場面が展示されています。
 宮中だけでなく、中宮・東宮・貴族たちの邸宅でも行われるようになり、御堂関白記にも記載があるそうです。

『源氏物語』では「幻」の巻で、源氏の生前の姿が描かれる最後の年の年中行事として仏名会の様子が記されています。

 その仏名絵についての風俗博物館の資料を引用しておきます↓

 *****

 ◆『源氏物語』に見る仏名会

 源氏52歳の12月(旧暦)、六條院で仏名会が執り行われた。昨年の8月14日には紫の上が43歳で亡くなっており、一周忌を終えた年の暮れ、この年最後の六條院の参会行事に親王や上達部の多くが訪れた。

 この仏名会は12月の末、初夜・中夜・後夜の三夜にわたって行われた仏事で、1年間の終わりにその年の六根の罪障を懺悔し、過去(法藏比丘)・現在(阿弥陀如来)・未来 (弥勒菩薩)の三世の諸仏の三千仏名を唱えることで、滅罪されると信じられ、 心身ともに清らかになって新しい年を迎えることを願う行事で、神道の「大祓」の行事に相当する。
 始まりは清涼殿で行われた朝廷の行事であり、後には中宮や貴族の邸でも同じように行われるようになった。

 御帳台の中には三世の三千仏が掲げられ、廂には地獄絵の屏風が立て渡されている。この地獄絵屏風に囲まれ、参会した人には犯した罪の恐るべきことを教えられ、三千仏図を仰ぎ見て、人として罪を悔い改める心を掻き起こし、三千仏に罪障消滅を祈り続ける。

 母屋では参集した七僧が仏名経三巻を読み、導師は仏名を唱えながら錫杖を振り鳴らし、御仏名を唱えるたびに礼拝し、散華の藪椿とともに三千仏に香が手向けられる。

 *****

 以上、長々と引用しましたが、こうして仏教関連の行事についてもある程度の知識が必要かな……と思いまして。

 といいますのも。
 鷲生は次回作を藤原彰子をモデルにした平安ファンタジーにしようと思っており、それで藤原彰子の伝記を読んだのですが……。
 なんか後半はずっと○○の仏事を営んだ、△△の仏事を営んだと、仏教行事ばっかりなんですよ……。

 そういう史実に基づくためか、冲方丁さんが藤原彰子を描いた『月と日の后』(※2)でもそんな感じです。

 鷲生が今年の8月に風俗博物館に行った時は、「紫の上の法会」が取り上げられており(※3)、法華八講の薪の行道という仏教行事についての解説がありました。
 これで法華八講「薪の行道」の知識が得られましたので、その後は、史資料に登場しても「ああ、アレのことか」と具体的にイメージできるようになりました。

 鷲生は日本人には珍しいクリスチャンであり、それは実父の世代からなのですが、実父は祖父母の仏壇を引き継いだため、お盆にお坊さんに来てもらうということはしていました。
 その時でないと出せないような提灯や湯飲みセットなどが飾られ、多少は仏教行事に触れた経験があるといえばありますが……。
 それでも平安時代の仏教行事は、心がけて知ろうとしないと、全く分かりません。

 これは、鷲生がキリスト教徒で仏教徒じゃないからというより、他の日本人も鎌倉仏教以降の宗派に入ってらっしゃる方が大半で、ご存知ないケースの方が多いんじゃないかと思います。

 そう言えば、枕草子で清少納言が「仏教行事でお説法するお坊さんはイケメンがいい。だってそっちのほうが顔を見ながら話が頭に入るから」みたいなこと書いてませんでしたっけ。
 当時は他にエンタメもないので、生活の中心だったんでしょうね……。
 ↑
 あ、この文章を何日かかけて書きながら、『枕草子』も読み進めているのですが、ちょうど出てきました、仏名会!
「御仏名のまたの日」という章段のようです。
「御仏名のまたの日、地獄絵の屏風とりわたして、宮に御覧ぜさせ奉らせ給ふ。ゆゆしう、いみじきことかぎりなし」
清少納言には地獄絵屏風が怖かったみたいですねw

 風俗博物館の展示の写真をnoteに投稿した記事では、その他にも、女房が髪に「かもじ」をつけ足しているところや、菊に綿をかぶせている場面なども投稿しております。

 前回に引き続き、出産場面の人形展示もありましたが、簀子縁に座っていた男君が今回は鳴弦をする人の立ち姿に変わってました。

 *****

 ※1note「2024年10月風俗博物館展示(仏名会・その他)」
 https://note.com/monmonsiteru/n/nfb737067cb51
 「note」「鷲生智美」で検索しても出てくると思います。

 ※2 『月と日の后』 冲方丁 PHP研究所
 https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-90356-9

 ※3「風俗博物館に行きました(紫の上の法会)」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/161111112/900876435/episode/8929878


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