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正倉院展(2024年)行ってきました!
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昨年に引き続き正倉院展に行ってきました。
いつも一人で行動する私には珍しく、友人とその結婚相手、そして私の子どもという変わった取り合わせでしたw
正倉院展は撮影禁止ですので、公式ウェブサイトで展示品の写真をご確認くださいませ(※1)。
ご覧になると驚かれると思いますが、とてもビビットな、色彩豊かな品々ですよ~。
友人夫妻とは近鉄奈良駅の行基像の前で待ち合わせたので、京都から奈良までの電車の中で『唐物の文化史』という本を読んでいました(※2)。
正倉院展に入場してすぐ目につくところに展示されていたのが、その本に出てくる「新羅琴」。
桓武天皇の息子の嵯峨天皇が正倉院から別の琴を持ち出し、代わりに収めたものだそうです。
鷲生は何を勘違いしたのか六弦だと思い込んで帰宅したのですが、今、この文章を読んでいると十二弦だそうです。
中国古代の筝を模して発達した十二弦の楽器です。今の日本の筝は十三弦です。じゃあ中国は?となると、Wikipedia「筝」から中国の「古筝」の項目を辿ってみて見ると、時代や地方によって異なるようですね。
そこから奥に入ると「鹿草木夾纈屏風」があります。
夾纈というのは古代の染色技法です。インド、中国、日本などアジアに広く見られるようですね。
昨年も別の図柄の作品が展示されていました。今回、正倉院展の予習に調べていて、やっとそのプロセスが良く分かる説明を見つけました(※3)
型に挟んで染めるんですが(詳しくはリンク先をご覧ください)、ぎゅうぎゅうに型を縛り上げるとはいえ、そのままドボンと染色液につけるらしいということに鷲生はびっくりしました。
防染したところには色がつかないという前提ですが、とてもうまくいくとは思えないです!
失敗が多くて難しいゆえに早くに廃れたそうですが、逆になんで成功すると思ったのか聞きたいですw
そこから奥に入ると紅牙撥鏤(ばちる)尺がありました。撥鏤というのは象牙の表面を色で染め、それを彫ることで白い模様をつける技法だそうです。
今回出品された紅牙撥鏤尺は全体的に鮮やかな赤色で、そこに象牙の白い模様が彫られたり、緑色の着色がなされたりしたものです。
展示場の解説には、皇帝が臣下に下す儀礼があったとかいう説明がありました。暦が時間の支配を示す象徴であるように、空間を支配していることの象徴でしょうか。
私の友人がミュージアムショップでこの形の定規をお土産に買っていましたよ。
その傍には、今回の正倉院展のポスターに使われている「黄金瑠璃鈿背十二稜鏡」(これ単独でWikipediaに項目がありました)
事前に思い描いていたより小さめでした(鷲生だけでなく、他のお客さんも「あら、割と小さいわね」とおっしゃってましたw)。
その分、その精巧さが際立つ感じです。
色もとっても鮮やかなエメラルドグリーン(七宝焼だそうです)。
金も使われ、とてもゴージャスで、またアジアともヨーロッパともつかないこの世ならぬ不思議な魅力のあるものです。
可愛らしいのが「瑠璃魚形」。
古代中国では魚は吉祥の形で、身分に応じて魚型の割符をぶら下げていたものだそうですが(そう言えば『後宮の烏』にもそんなのがあったような気が……)。
正倉院のは割符の機能はなく、アクセサリーだったようです。
本当に可愛らしく、Xで見てても関連グッズが人気のようです。
鷲生にとって見られて良かったと思うのが「伎楽面 酔胡従」(「酔胡王」のもありました)。胡人(おそらくコーカソイド)の顔のお面です。
鷲生は過去作の中で、古代の日本に白人が来ていたという設定のファンタジーを書いたのですが(※4)、元ネタがこの伎楽面でした。実物が見られて良かったですw
鼻が高いというより長いという描写ですね。友人は「天狗みたい」との感想でした。
その奥には「緑地彩絵箱」。白みがかった緑に小花模様の、現代でも通用しそうな素敵な箱です(鷲生はこの模様のクリアファイルをお土産に買いました)。
この箱では、玳瑁の模様や透かし彫りが絵で代用されているという珍しい特徴があるのだそうです。
後援している読売新聞の紹介記事が出てきました(※5)。
正倉院展には本物の玳瑁を使った「玳瑁八角杖」もありました。こういうウミガメのまだら模様を活かした工芸品、中華ファンタジーに登場させてみるといいかも、ですね!
「沈香木画箱」は、沈香など貴重な木材を幾何学的に組み合わせた装飾がなされ、現代でも通用しそうな、モダンな印象を与えるオシャレな箱です。
箱についている脚は青地の撥鏤でした。
布の幡や建物の模型(?)のパーツ、それから書見台のようなもの(「紫檀金銀絵書几」)などもありました。
全体に、冒頭に述べたように色が鮮やか。そしてつくりが細かい!
千年前のものとは思えない、活き活きとしたモノが多いです。
それが千年以上保存されているのがすごい。
昨年も思いましたが、正倉院展は素晴らしいです!
今年は11月11日(日)まで開催中です。今年のチケットが手に入るか分かりませんが、もしゲットできましたらぜひ(日時指定の予約制です)。もし今年が無理でも、来年、再来年、機会があればぜひぜひお出かけしてみてくださいませ~。
*****
※1 正倉院展 主な出陳宝物
https://shosoin-ten.jp/info/treasures/
※2 『唐物の文化史 舶来品から見た日本』 川添房江 2014 岩波新書
https://www.iwanami.co.jp/book/b226264.html
※3 日本服飾史研究(風俗博物館関連のサイト様です)
https://costume.iz2.or.jp/word/477.html
※4 「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕ヘ或ハ近衛大将ノ大詐術」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/161111112/665799598
※5 読売新聞
彩色で再現した甲羅の工芸、正倉院展出展の「緑地彩絵箱」…「当時の人々の技術の高さを知って」https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20241026-OYO1T50028/
いつも一人で行動する私には珍しく、友人とその結婚相手、そして私の子どもという変わった取り合わせでしたw
正倉院展は撮影禁止ですので、公式ウェブサイトで展示品の写真をご確認くださいませ(※1)。
ご覧になると驚かれると思いますが、とてもビビットな、色彩豊かな品々ですよ~。
友人夫妻とは近鉄奈良駅の行基像の前で待ち合わせたので、京都から奈良までの電車の中で『唐物の文化史』という本を読んでいました(※2)。
正倉院展に入場してすぐ目につくところに展示されていたのが、その本に出てくる「新羅琴」。
桓武天皇の息子の嵯峨天皇が正倉院から別の琴を持ち出し、代わりに収めたものだそうです。
鷲生は何を勘違いしたのか六弦だと思い込んで帰宅したのですが、今、この文章を読んでいると十二弦だそうです。
中国古代の筝を模して発達した十二弦の楽器です。今の日本の筝は十三弦です。じゃあ中国は?となると、Wikipedia「筝」から中国の「古筝」の項目を辿ってみて見ると、時代や地方によって異なるようですね。
そこから奥に入ると「鹿草木夾纈屏風」があります。
夾纈というのは古代の染色技法です。インド、中国、日本などアジアに広く見られるようですね。
昨年も別の図柄の作品が展示されていました。今回、正倉院展の予習に調べていて、やっとそのプロセスが良く分かる説明を見つけました(※3)
型に挟んで染めるんですが(詳しくはリンク先をご覧ください)、ぎゅうぎゅうに型を縛り上げるとはいえ、そのままドボンと染色液につけるらしいということに鷲生はびっくりしました。
防染したところには色がつかないという前提ですが、とてもうまくいくとは思えないです!
失敗が多くて難しいゆえに早くに廃れたそうですが、逆になんで成功すると思ったのか聞きたいですw
そこから奥に入ると紅牙撥鏤(ばちる)尺がありました。撥鏤というのは象牙の表面を色で染め、それを彫ることで白い模様をつける技法だそうです。
今回出品された紅牙撥鏤尺は全体的に鮮やかな赤色で、そこに象牙の白い模様が彫られたり、緑色の着色がなされたりしたものです。
展示場の解説には、皇帝が臣下に下す儀礼があったとかいう説明がありました。暦が時間の支配を示す象徴であるように、空間を支配していることの象徴でしょうか。
私の友人がミュージアムショップでこの形の定規をお土産に買っていましたよ。
その傍には、今回の正倉院展のポスターに使われている「黄金瑠璃鈿背十二稜鏡」(これ単独でWikipediaに項目がありました)
事前に思い描いていたより小さめでした(鷲生だけでなく、他のお客さんも「あら、割と小さいわね」とおっしゃってましたw)。
その分、その精巧さが際立つ感じです。
色もとっても鮮やかなエメラルドグリーン(七宝焼だそうです)。
金も使われ、とてもゴージャスで、またアジアともヨーロッパともつかないこの世ならぬ不思議な魅力のあるものです。
可愛らしいのが「瑠璃魚形」。
古代中国では魚は吉祥の形で、身分に応じて魚型の割符をぶら下げていたものだそうですが(そう言えば『後宮の烏』にもそんなのがあったような気が……)。
正倉院のは割符の機能はなく、アクセサリーだったようです。
本当に可愛らしく、Xで見てても関連グッズが人気のようです。
鷲生にとって見られて良かったと思うのが「伎楽面 酔胡従」(「酔胡王」のもありました)。胡人(おそらくコーカソイド)の顔のお面です。
鷲生は過去作の中で、古代の日本に白人が来ていたという設定のファンタジーを書いたのですが(※4)、元ネタがこの伎楽面でした。実物が見られて良かったですw
鼻が高いというより長いという描写ですね。友人は「天狗みたい」との感想でした。
その奥には「緑地彩絵箱」。白みがかった緑に小花模様の、現代でも通用しそうな素敵な箱です(鷲生はこの模様のクリアファイルをお土産に買いました)。
この箱では、玳瑁の模様や透かし彫りが絵で代用されているという珍しい特徴があるのだそうです。
後援している読売新聞の紹介記事が出てきました(※5)。
正倉院展には本物の玳瑁を使った「玳瑁八角杖」もありました。こういうウミガメのまだら模様を活かした工芸品、中華ファンタジーに登場させてみるといいかも、ですね!
「沈香木画箱」は、沈香など貴重な木材を幾何学的に組み合わせた装飾がなされ、現代でも通用しそうな、モダンな印象を与えるオシャレな箱です。
箱についている脚は青地の撥鏤でした。
布の幡や建物の模型(?)のパーツ、それから書見台のようなもの(「紫檀金銀絵書几」)などもありました。
全体に、冒頭に述べたように色が鮮やか。そしてつくりが細かい!
千年前のものとは思えない、活き活きとしたモノが多いです。
それが千年以上保存されているのがすごい。
昨年も思いましたが、正倉院展は素晴らしいです!
今年は11月11日(日)まで開催中です。今年のチケットが手に入るか分かりませんが、もしゲットできましたらぜひ(日時指定の予約制です)。もし今年が無理でも、来年、再来年、機会があればぜひぜひお出かけしてみてくださいませ~。
*****
※1 正倉院展 主な出陳宝物
https://shosoin-ten.jp/info/treasures/
※2 『唐物の文化史 舶来品から見た日本』 川添房江 2014 岩波新書
https://www.iwanami.co.jp/book/b226264.html
※3 日本服飾史研究(風俗博物館関連のサイト様です)
https://costume.iz2.or.jp/word/477.html
※4 「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕ヘ或ハ近衛大将ノ大詐術」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/161111112/665799598
※5 読売新聞
彩色で再現した甲羅の工芸、正倉院展出展の「緑地彩絵箱」…「当時の人々の技術の高さを知って」https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20241026-OYO1T50028/
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