君と私の甘いひととき

楠富 つかさ

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君とのキスの日に甘いひととき

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「すあま~お夕飯何がいい~?」

1Kのアパートに間延びした声が響く。すあまと呼ぶなと返してからむくりと起き上がる。バイトを終え帰ってきた私は取り敢えず座布団の上にうつ伏せでぐったりしていた。胸が苦しいが致し方ない。仰向けになってもしんどいし。

「ちょっと、天音。ぐったりしないの。まったく。何食べたい?」
「うぅ……小春の玉子焼き食べたい」

須藤天音、それが私の名前。高校二年になった私は二ヶ月前から幼馴染みの花咲小春と同棲生活を送っている。まぁ、いろいろあったわけですよ。ちっこいながら少しだけ母の貫禄みたいなものが付いてきた小春との生活は去年の今頃に比べて非常に過ごしやすい。自力でご飯の用意をしなくていいのは本当にありがたい。

「卵足りないや……。わたし買ってくるから、天音はお風呂先に入ってて」
「いや」
「え?」
「買い物、一緒に行く」
「何で? 卵くらいしか買わないしすぐ戻ってくるよ?」
「それでも、一人じゃやだ。お風呂も、後で一緒に入る」

今の生活は過ごしやすい反面、私をもろくしてしまった。本格的に一緒に住むようになったのは一年生の春休みからだったけど、それまでも小春は家にいてくれた。だから……どうしても一人がいやになってしまった。それも全部、小春のせいだから。小春を一人にしたくない。小春にそばにいてほしい。

「なんだか天音はすっかり素直になっちゃって。もっと甘えてほしくなるから困っちゃうよ。じゃ、一緒に行こっか」


 卵を買って戻ってきた時にはますます疲れてしまって再びばったりと座布団へと転がるのだった。よくよく考えたらスーパーまで歩いて二十分くらいあるからね。片道で。そりゃ徒歩三分のコンビニでも卵売ってるだろうけど高いし。二人での暮らしは節約がモットーなのだ。

「あぁ疲れた。小春、脱がせて」
「もう天音ぇ。それが何ヶ月か前に生着替え見せてって言ったわたしを部屋から追い出した人の台詞なの? ねぇ?」
「あの時はまだ恥ずかしかったけど、今の小春になら何を見られても恥ずかしくない!」
「また適当なこと言って……。まぁ、脱がすんだけどね。ていうか、小春。またおっぱい大きくなったでしょ?」

流石は小春。無駄に私の乳揉んじゃいないね。

「そうだよ。ふふ、栄養状態がいいからね」
「わたし自身の責任かぁ……っく」

……まぁ、ブラの価格が上がる一方で戦々恐々としているのだが。一着でほぼ4000円はつらい。これから夏用も欲しくなるし。

「ほらスカート皺になっちゃうからゴロゴロしないの」
「スカートから脱がせて」

スカートのホックだけ外して小春を誘う。目がいやらしくなってるのは長い付き合いだしとっくに分かってる。少しかがんだ小春の腰を抱き寄せて私の上に寝かす。ちょっとひんやりした小春をぎゅっと抱きしめる。

「最初からその気だったんでしょ?」
「まぁ、ね」

二人で微笑んで、どちらからともなく唇を重ねる。

「「んちゅ……ちゅぱ」」

真っ赤で甘い小春の唇。初めてから三ヶ月ちょっと。毎日のようにキスを交わしてきた。最初はちょっとした罪悪感もあったのに……それを忘れるくらい気持ちよくなってる自分がいる。小春は冗談半分でバブみだなんて言ってたけど……そんな甘っちょろいもんじゃない。この甘い蜜は法に触れるブツのような依存性があって……私を絡めて離さない。

「大好きだよ、天音」

……あぁ、そんなことを言われてしまったら。私の小春への愛も溢れてしまう。じっとりと濡れたそこはもう小春の指の進入を許していた。

「お夕飯前なのにわたし、すあまを食べちゃうの。えへへ」
「すあまじゃない。私を……天音を食べて」
「うん、いただくね」

疲れも意識も吹き飛ぶような、短いのに濃密な時間と……小春の愛に私はおぼれていった。
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