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#11 舞美VSひかり
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「双方構えて、始め!!」
互いに正眼からやや引き気味に構える。先に、仕掛ける!!
「せりゃあ!!」
上段に振りかぶって、一歩踏み込みながら振り下ろす。その一撃を、少佐は左足を後方に捌きながら回避、右足を揃えるように引きながら刀を水平に振るう。胴を薙ぎ払わんとするその一刀を、グリーディ・メイデンの腹で受ける。右足を軸に体を捌き、再び正対する。
「はぁ!!」
次に仕掛けてきたのは少佐からだった。水平横薙ぎ、刺突、切り上げ、袈裟切り、シンプルな四連攻を淀みなく回避する。……不思議な感覚だった。初めて対戦するのに、その動きに対応するのは慣れているような……そうか、結歌ちゃんと同じ動きだ。さっきの一戦で結歌ちゃんの動きを模倣して、それを私に向けているということだ。
「……っく」
ただ、打刀サイズの結歌ちゃんの愛刀に対して、少佐の佩刀は太刀だ。少佐自身の長身も相まって、リーチは結歌ちゃんと大幅に異なる。かすめそうになる刃を魔剣で受け止めながら、隙を探す。連戦だというのに、少佐の息はちっとも乱れていないし、攻撃にも迷いがない。
「魔剣の力、もっと見せてくれてもいいじゃない?」
振るわれる刀はまさに斬撃の嵐と言っても過言ではない勢いだ。これが本当にメイガスでも魔剣使いでもない、純然たる剣客の力量だというのか。これに勝った結歌ちゃんはさらに何者なのだろうか。
「……すぅ」
息を吸い込んで意識を魔剣に集中させる。魔力の流れを認識し、魔剣へ少しずつ込めていく。象牙色だった刀身がほのかに輝きを宿す。欲深い女神の翼に光が灯る。
「てりゃあ!!」
翼状のエネルギー波を放つ。それはあくまで牽制、返す刀で少佐への一撃を放つ。が、太刀の鎬で受け止められる。しかし、受け止める時の体勢が万全でなかったのか、押し切れそうな感覚がある。ギリギリと刀身の擦れる音がする。その刹那、ふわりとした感覚が私の身体を襲った。
なんと、この鍔迫り合い状態の最中に少佐は刀身を引いたのだ。たまらず前のめりにつんのめる。一歩、足を出して体勢を整えなければならない。その出足がずっと狙われていたのだ。まさに足下を掬われる。転倒した私の眉間に、切っ先が突きつけられる。
「そこまで!!」
結歌ちゃんが見ている目の前で負けてしまった。納刀後、手を差し伸べる幸村少佐。流石にその好意を無碍にするほど、悪ぶれない私は、その手を取って起き上がる。魔剣を鞘に戻し、一礼する。
「いやあ、いい剣筋だったよ。三年前の私なら、あるいは三年後の貴女になら、負けていたかもしれないわ」
私と少佐は三学年差、その時間を……結歌ちゃんは超越してしまっている。私と結歌ちゃんの距離は三年努力しても埋まるどころか、きっと開いてしまうだろう。それが、たった今の敗戦より悔しく思えた。
「私、まだ強くなれますか?」
「なれるさ。まだ君は成長の過程にいるのだから。それに、対人戦と魔獣討伐ではまた毛色が違うからね」
頭では分かっている。だからといって全てを納得できるわけじゃない。
もやもやを抱えたまま、私たちは訓練場を後にし、各々部屋に戻ることにした。
互いに正眼からやや引き気味に構える。先に、仕掛ける!!
「せりゃあ!!」
上段に振りかぶって、一歩踏み込みながら振り下ろす。その一撃を、少佐は左足を後方に捌きながら回避、右足を揃えるように引きながら刀を水平に振るう。胴を薙ぎ払わんとするその一刀を、グリーディ・メイデンの腹で受ける。右足を軸に体を捌き、再び正対する。
「はぁ!!」
次に仕掛けてきたのは少佐からだった。水平横薙ぎ、刺突、切り上げ、袈裟切り、シンプルな四連攻を淀みなく回避する。……不思議な感覚だった。初めて対戦するのに、その動きに対応するのは慣れているような……そうか、結歌ちゃんと同じ動きだ。さっきの一戦で結歌ちゃんの動きを模倣して、それを私に向けているということだ。
「……っく」
ただ、打刀サイズの結歌ちゃんの愛刀に対して、少佐の佩刀は太刀だ。少佐自身の長身も相まって、リーチは結歌ちゃんと大幅に異なる。かすめそうになる刃を魔剣で受け止めながら、隙を探す。連戦だというのに、少佐の息はちっとも乱れていないし、攻撃にも迷いがない。
「魔剣の力、もっと見せてくれてもいいじゃない?」
振るわれる刀はまさに斬撃の嵐と言っても過言ではない勢いだ。これが本当にメイガスでも魔剣使いでもない、純然たる剣客の力量だというのか。これに勝った結歌ちゃんはさらに何者なのだろうか。
「……すぅ」
息を吸い込んで意識を魔剣に集中させる。魔力の流れを認識し、魔剣へ少しずつ込めていく。象牙色だった刀身がほのかに輝きを宿す。欲深い女神の翼に光が灯る。
「てりゃあ!!」
翼状のエネルギー波を放つ。それはあくまで牽制、返す刀で少佐への一撃を放つ。が、太刀の鎬で受け止められる。しかし、受け止める時の体勢が万全でなかったのか、押し切れそうな感覚がある。ギリギリと刀身の擦れる音がする。その刹那、ふわりとした感覚が私の身体を襲った。
なんと、この鍔迫り合い状態の最中に少佐は刀身を引いたのだ。たまらず前のめりにつんのめる。一歩、足を出して体勢を整えなければならない。その出足がずっと狙われていたのだ。まさに足下を掬われる。転倒した私の眉間に、切っ先が突きつけられる。
「そこまで!!」
結歌ちゃんが見ている目の前で負けてしまった。納刀後、手を差し伸べる幸村少佐。流石にその好意を無碍にするほど、悪ぶれない私は、その手を取って起き上がる。魔剣を鞘に戻し、一礼する。
「いやあ、いい剣筋だったよ。三年前の私なら、あるいは三年後の貴女になら、負けていたかもしれないわ」
私と少佐は三学年差、その時間を……結歌ちゃんは超越してしまっている。私と結歌ちゃんの距離は三年努力しても埋まるどころか、きっと開いてしまうだろう。それが、たった今の敗戦より悔しく思えた。
「私、まだ強くなれますか?」
「なれるさ。まだ君は成長の過程にいるのだから。それに、対人戦と魔獣討伐ではまた毛色が違うからね」
頭では分かっている。だからといって全てを納得できるわけじゃない。
もやもやを抱えたまま、私たちは訓練場を後にし、各々部屋に戻ることにした。
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