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#12 結歌の要求
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「惜しかったね。あのタイミングで引き面みたいなことするのかと思って、私だったら視線が上に行っちゃってますます足下がお留守になったかも」
部屋に戻り、剣帯を外して鞘もいつもの場所に戻す。今まで結歌ちゃんとはルームメイトとして過ごしてきたが……彼女が佐官になったことで状況は変わってくる。
魔導学園の学生は基本的に軍属で、尉官に満たない下士官や正式に討伐者として認定されていない学生は四人部屋で過ごすことになる。そして尉官に昇進すると二人部屋を割り当てられ、ルームメイトとはバディとして戦時も平時も共に時間を過ごすことになる。しかし、佐官になると一人部屋が割り当てられるようになる。
結歌ちゃんの准佐昇進は特例的な側面もあるから、すぐさま引っ越しはしないだろうけれど……。
「ねえ舞美ちゃん。魔剣にどれくらい力を込めたら……その、暴走しちゃうの?」
「え、え? そうだね、意識して使える魔力の……半分ちょっとくらい、かな」
魔力の総量は学園にある大型の計測器でマナを単位とする数値として測定することが出来るが、あれはあくまで形式的な数値であり、実戦として使う上での指標になるようなものではない。ロールプレイングゲームのマジックポイントとは違うのだ。
とはいえ、精細な魔力コントロールで一定ずつ魔力を込めることが出来るとしたら、参考程度にはなる。私の場合、総魔力量が二万マナだから五千マナで結歌ちゃんが言うところの暴走……つまるところ発情状態に陥ってしまうわけだ。
お互いベッドに腰掛けて向かい合って話す。一体どういう理由でそんなことを聞いてくるのだろうか。
「どうせこの後お風呂に行くでしょ? だからその、制御の練習と思って魔剣に魔力を注いでみてくれない? 私に出来る協力は何だってするからさ」
結歌ちゃんのその提案に私は瞠目した。グリーディ・メイデンの代償は性欲の解放、それを鎮めるためには性的に満足する必要があるのだが……結歌ちゃんがそれを買って出るということはつまり、結歌ちゃんがそういうことをしたがっていることに相違ない。
「そ、それはちょっと困るよ……だったらまだ、その……一人にしてくれた方が、いい」
「むぅ、舞美ちゃんそういうところあるよね。いいよ、じゃあ私ひかりさんとお風呂行ってくるから」
「ま、待ってよ!」
思わず結歌ちゃんの手を掴んでしまう。だって、そんな拗ねたような寂しそうな声……滅多に聞かないもの。私に、どんな落ち度があるって言うの?
「私、舞美ちゃんになら何されてもいいよ」
「わ、私も、結歌ちゃんになら……全部あげるから」
お菓子も、手柄も、命だって……結歌ちゃんのためなら惜しくない。私は魔剣グリーディ・メイデンを鞘から引き抜き、懸命に魔力を注ぎ込む。
「……く、はぁ、んぅ……」
身体中が熱を帯び、心臓がうるさいほどに激しく脈打つ。呼吸が荒くなる。度しがたいほどの渇きが私を襲う。
「はぁ、私の舞美ちゃんがすっごくえっちな顔してる。ねぇ、教えて? どうしてほしいの?」
剣を抜いた時と同じ、射貫くようなその目に、蜜がどろっと溢れてしまうような思いだった。私は魔剣を手放し、ブレザーを脱ぎ、ブラウスのボタンを外し、フロントホックのブラまで取り払う。初冬の外気に触れ、先端が硬くなる。
「あは、やっぱり大きいなぁ舞美ちゃんの。羨ましい」
思えば結歌ちゃんは私の胸に顔を埋めるのが好きだった。彼女の手を自分の胸に押し当て、そのまま唇を貪った。意識は朦朧としていくのに、舌の感覚だけが鋭敏になっていく。
「「ちゅぷ……ん、ずちゅ……じゅるぅ……ちゅぱ」」
荒い吐息だけが部屋に響く。そっと、結歌ちゃんを抱き寄せる。そうするだけで、満たされるような気がした。けれど、結歌ちゃんの舌が私の蕾を弾いた時、圧倒的な多幸感が私を満たし、そして視界に掛かっていた薄桃色の靄が晴れ渡ったような感覚に飲み込まれた。
「……はぁ、はぁ、ぅぅ。はふぅ」
「えへへ、綺麗なピンクだからついペロペロしちゃった」
無邪気な笑みを浮かべながら、そこには確かな欲望が渦巻いていた。私の軽率な行動が、揺り起こしてはならない結歌ちゃんの衝動を呼び覚ましてしまったのかもしれない。
けれど私は、もし結歌ちゃんの欲望を一身に浴びることができたら、それは幸せなことなのかも知れない。そう、心から思ってしまった。
部屋に戻り、剣帯を外して鞘もいつもの場所に戻す。今まで結歌ちゃんとはルームメイトとして過ごしてきたが……彼女が佐官になったことで状況は変わってくる。
魔導学園の学生は基本的に軍属で、尉官に満たない下士官や正式に討伐者として認定されていない学生は四人部屋で過ごすことになる。そして尉官に昇進すると二人部屋を割り当てられ、ルームメイトとはバディとして戦時も平時も共に時間を過ごすことになる。しかし、佐官になると一人部屋が割り当てられるようになる。
結歌ちゃんの准佐昇進は特例的な側面もあるから、すぐさま引っ越しはしないだろうけれど……。
「ねえ舞美ちゃん。魔剣にどれくらい力を込めたら……その、暴走しちゃうの?」
「え、え? そうだね、意識して使える魔力の……半分ちょっとくらい、かな」
魔力の総量は学園にある大型の計測器でマナを単位とする数値として測定することが出来るが、あれはあくまで形式的な数値であり、実戦として使う上での指標になるようなものではない。ロールプレイングゲームのマジックポイントとは違うのだ。
とはいえ、精細な魔力コントロールで一定ずつ魔力を込めることが出来るとしたら、参考程度にはなる。私の場合、総魔力量が二万マナだから五千マナで結歌ちゃんが言うところの暴走……つまるところ発情状態に陥ってしまうわけだ。
お互いベッドに腰掛けて向かい合って話す。一体どういう理由でそんなことを聞いてくるのだろうか。
「どうせこの後お風呂に行くでしょ? だからその、制御の練習と思って魔剣に魔力を注いでみてくれない? 私に出来る協力は何だってするからさ」
結歌ちゃんのその提案に私は瞠目した。グリーディ・メイデンの代償は性欲の解放、それを鎮めるためには性的に満足する必要があるのだが……結歌ちゃんがそれを買って出るということはつまり、結歌ちゃんがそういうことをしたがっていることに相違ない。
「そ、それはちょっと困るよ……だったらまだ、その……一人にしてくれた方が、いい」
「むぅ、舞美ちゃんそういうところあるよね。いいよ、じゃあ私ひかりさんとお風呂行ってくるから」
「ま、待ってよ!」
思わず結歌ちゃんの手を掴んでしまう。だって、そんな拗ねたような寂しそうな声……滅多に聞かないもの。私に、どんな落ち度があるって言うの?
「私、舞美ちゃんになら何されてもいいよ」
「わ、私も、結歌ちゃんになら……全部あげるから」
お菓子も、手柄も、命だって……結歌ちゃんのためなら惜しくない。私は魔剣グリーディ・メイデンを鞘から引き抜き、懸命に魔力を注ぎ込む。
「……く、はぁ、んぅ……」
身体中が熱を帯び、心臓がうるさいほどに激しく脈打つ。呼吸が荒くなる。度しがたいほどの渇きが私を襲う。
「はぁ、私の舞美ちゃんがすっごくえっちな顔してる。ねぇ、教えて? どうしてほしいの?」
剣を抜いた時と同じ、射貫くようなその目に、蜜がどろっと溢れてしまうような思いだった。私は魔剣を手放し、ブレザーを脱ぎ、ブラウスのボタンを外し、フロントホックのブラまで取り払う。初冬の外気に触れ、先端が硬くなる。
「あは、やっぱり大きいなぁ舞美ちゃんの。羨ましい」
思えば結歌ちゃんは私の胸に顔を埋めるのが好きだった。彼女の手を自分の胸に押し当て、そのまま唇を貪った。意識は朦朧としていくのに、舌の感覚だけが鋭敏になっていく。
「「ちゅぷ……ん、ずちゅ……じゅるぅ……ちゅぱ」」
荒い吐息だけが部屋に響く。そっと、結歌ちゃんを抱き寄せる。そうするだけで、満たされるような気がした。けれど、結歌ちゃんの舌が私の蕾を弾いた時、圧倒的な多幸感が私を満たし、そして視界に掛かっていた薄桃色の靄が晴れ渡ったような感覚に飲み込まれた。
「……はぁ、はぁ、ぅぅ。はふぅ」
「えへへ、綺麗なピンクだからついペロペロしちゃった」
無邪気な笑みを浮かべながら、そこには確かな欲望が渦巻いていた。私の軽率な行動が、揺り起こしてはならない結歌ちゃんの衝動を呼び覚ましてしまったのかもしれない。
けれど私は、もし結歌ちゃんの欲望を一身に浴びることができたら、それは幸せなことなのかも知れない。そう、心から思ってしまった。
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