君と咲かせる大輪の百合

楠富 つかさ

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Overflowing Night(1)宣言編 美海×恵玲奈

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 立成19年9月――。私、西恵玲奈が大学二年で恋人である須川美海が大学一年――つまり同棲して初めて迎える夏休みのある日、ふいに美海が私の予定を確認し始めた。

「恵玲奈、来週って暇よね? 特に予定が入っているようには見えないけど」
「そうだね。なーんの予定もないよ。美海は? 何か予定入れてる?」

 普段から暇人というわけではないが、時にはそう言う時間を設けてもいいだろうと思って他の予定を入れずに温存しておいた一週間だ。どこに行こうか何をしようかあれこれ考えるだけでも楽しい。美海と過ごすのもいいし、叶美たち同級生組や星玲奈たち妹や後輩たちに会うのもいい。

「じゃあ、恵玲奈の一週間を私にちょうだい」
「……へ?」

 どこか旅行にでもいこうということだろうか。あまり原資がないから遠出ってわけにはいかないけど……。でも美海のためなら頑張っちゃうぞ!!

「恵玲奈、ポリネシアンセックスをするわよ」
「……えーと、美海さんや。な、なんだって?」

 ポリネシアンセックスにつていは多少聞いたことがある。ポリネシア地方の人が五日間かけてするという行為は最終日に尋常じゃない快感を得られるというが……あくまであれは男女の営みだ。私たちにできるだろうか。

「恵玲奈を監禁して独り占めするの。素敵じゃないかしら?」

 小首をかしげて当たり前のようにそう告げる美海は非常に可愛らしいのだが、さらっと危険なワードが聞こえたのだが。

「ポリネシアンセックス……長いわね。ポリ……まぁいいわ。行為の間はスマホ没収、誰とも会わない。私と恵玲奈だけで過ごす一週間……いいと思わない?」
「な、なるほど……?」

 昨年の一件――私がサークルの新歓で輪姦されたあの件――以来、時折見せる美海の独占欲、それが恋人として大変愛しいのだけれど、流石に一週間は長い。私の身体は保つのだろうか。って、そんな心配をするってことは乗り気じゃん、私……。そうか、一週間じっくり美海のものになっちゃうのかぁ。

「最高じゃん」
「決まりね、明日は買い出しよ。一週間分の献立を考えておかないと……。何か用事や買い足しておかないといけないものがあるなら今日のうちにね。それこそローションとかフィンドムとか、その辺りのグッズも買い足しておかないと。足りなくなっちゃうかもしれないし」
「ひぇ、まだけっこう残ってると思ったけど……?」

 献立を考えることと同じライン上にアダルトグッズの在庫管理があるっていうのが不思議な話だけれど、そもそも詞を好んでいた文学少女がこんなにもサディスティックな恋人になるんだから、世の中何が起きるか分かったものじゃないなあ。

「恵玲奈のために新しい蝋燭も調達しようかしら。朝から晩までずっと一緒よ」
「う、うん。ちゃんと水分補給はさせてね」
「もちろん。ミネラルも取らないといけないわね。スポーツドリンクの粉でも用意しましょう」

 穴という穴から水分が出ていくからね。痩せちゃいそう。まあ、実際は体重落ちてないしちゃんと食べてキープしているんだけれども。

「でもそうか、最初のうちはじっくりだし……映画を借りると返すタイミングを逃すわね。まぁ、録画してあるものでもじっくり見ましょうか」

 焦らされるんだろうなぁ。それもまた楽しみだ。
 取り敢えず美海が頑張って考えている献立を見ながら、食べたいものでもオーダーしてみようかな。怒られちゃうかな。
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