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本編
029 これから
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火曜日はバンドの練習でサラさんへ連絡することが出来ずにいた。ただ、幸いなことにシンディ先輩に相談する時間が取れた。練習終わりにスタジオ近くの路地裏で話すことに。先輩はたばこに火を着けようとして寸前でやめた。
「相談したいのは音楽のことか? それとも女か?」
「あー、強いて言えば女ですかね。サラさんが、その……うちの大祭に来たいって」
「は? 別に案内してやればいいだろ。別に誰が来ようと構わないだろ?」
深刻な悩みを相談するような雰囲気になってしまっていたせいか、シンディ先輩は私の話した内容に拍子抜けしたような声を出した。
確かにシンディ先輩のいう通り、大祭は高校の文化祭とは違って三日とも一般公開されている。そもそも大学そのものが日ごろから開放された存在だから当然ではあるし、サラさんが大学構内をうろついていたところでなんら不審ではない。ナンパはされそうで不安だが。
「まあ、それはそうなんですけど、友達に見られたときになんて説明していいのやらで。私、バイトについて人には話してないので」
「お前とサラの関係でバイト要素を隠すならそりゃもう、セフレじゃん」
「――っげほ、んぐ……それは、それで、言えないでしょう!」
隠しているわけでもないが、別に大っぴらにしているわけでもないサラさんとの関係について、はっきりと言語化されてしまい思わずむせた私を他所に、先輩はささっとケータイの操作を終え、たばこに火を着けくゆらせ始めた。まるで話は終わりだとでも言いたいようなそぶりだった。
「はい、解決解決。サラには大祭の日時とステージのタイミングをメールしておいた。あとはお前がエスコートしてやれ」
「ちょっと、先輩!」
「どうせやることやってんだろう? ちったぁ大事にしてやれよ。たまにはかっこいいとこ見せてやんのが長続きの秘訣だぞ?」
とうとう追い払うようなジェスチャーまでし始めた先輩。すると私のケータイから着信音が鳴る。
「もしもし」
『あ、ランちゃんごめん、サラだけど、今……いいかな?』
もとはと言えば私が日和ったというか優柔不断になったことが悪い。誰に言われようがかまわないか。
「いいよ。昨日はごめんね。大学の文化祭だけど、むしろ来てほしい」
『ほんとに? 迷惑じゃない?』
「迷惑なんてとんでもない。私、バンドでステージに立つから、ちゃんと見ていてほしい」
『うん、楽しみにしてるね。ありがとう、じゃあ、えっと……今度の土曜日、またお店でね』
「そうだね、またね」
電話を切った後もしばらくケータイを握りしめたまま。サラさんとの関係は心地いい。互いのカラダをよく理解してきている。でもココロの方はどうだろう。一緒に働く仲間として、この先どう関係を続けていくのか、考えることは棚上げしてしまう。取り敢えずは、サラさんに見せるステージは最高のものにしたい。それに集中することにした。
「相談したいのは音楽のことか? それとも女か?」
「あー、強いて言えば女ですかね。サラさんが、その……うちの大祭に来たいって」
「は? 別に案内してやればいいだろ。別に誰が来ようと構わないだろ?」
深刻な悩みを相談するような雰囲気になってしまっていたせいか、シンディ先輩は私の話した内容に拍子抜けしたような声を出した。
確かにシンディ先輩のいう通り、大祭は高校の文化祭とは違って三日とも一般公開されている。そもそも大学そのものが日ごろから開放された存在だから当然ではあるし、サラさんが大学構内をうろついていたところでなんら不審ではない。ナンパはされそうで不安だが。
「まあ、それはそうなんですけど、友達に見られたときになんて説明していいのやらで。私、バイトについて人には話してないので」
「お前とサラの関係でバイト要素を隠すならそりゃもう、セフレじゃん」
「――っげほ、んぐ……それは、それで、言えないでしょう!」
隠しているわけでもないが、別に大っぴらにしているわけでもないサラさんとの関係について、はっきりと言語化されてしまい思わずむせた私を他所に、先輩はささっとケータイの操作を終え、たばこに火を着けくゆらせ始めた。まるで話は終わりだとでも言いたいようなそぶりだった。
「はい、解決解決。サラには大祭の日時とステージのタイミングをメールしておいた。あとはお前がエスコートしてやれ」
「ちょっと、先輩!」
「どうせやることやってんだろう? ちったぁ大事にしてやれよ。たまにはかっこいいとこ見せてやんのが長続きの秘訣だぞ?」
とうとう追い払うようなジェスチャーまでし始めた先輩。すると私のケータイから着信音が鳴る。
「もしもし」
『あ、ランちゃんごめん、サラだけど、今……いいかな?』
もとはと言えば私が日和ったというか優柔不断になったことが悪い。誰に言われようがかまわないか。
「いいよ。昨日はごめんね。大学の文化祭だけど、むしろ来てほしい」
『ほんとに? 迷惑じゃない?』
「迷惑なんてとんでもない。私、バンドでステージに立つから、ちゃんと見ていてほしい」
『うん、楽しみにしてるね。ありがとう、じゃあ、えっと……今度の土曜日、またお店でね』
「そうだね、またね」
電話を切った後もしばらくケータイを握りしめたまま。サラさんとの関係は心地いい。互いのカラダをよく理解してきている。でもココロの方はどうだろう。一緒に働く仲間として、この先どう関係を続けていくのか、考えることは棚上げしてしまう。取り敢えずは、サラさんに見せるステージは最高のものにしたい。それに集中することにした。
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