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009 シフト2日目

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 日曜日はお休みをもらい、月曜日の授業後のシフトに入ることになった。今日の出勤メンバーは私とミキさん、メグさん、そしてシンディ先輩である。
 4Mのメンバーでもあるミキさんは眼鏡をかけた黒髪ストレートヘアの女性、メグさんは茶髪をポニテにした快活そうな女性だ。メグさんは音楽配信で披露する高い歌唱力が人気で、ミキさんはパソコンソフトを使って楽曲を作成している。
 さらに、マカさんのギター、モエちゃんのキーボード、ミキさんのベース、メグさんのとボーカルで音楽ユニットとして4Mが完成するのだ。

「おぉ、ファンと同じ職場かぁ。緊張するな」
「ランちゃんが緊張するなら分かるけど、どうしてミキちゃんが緊張するのかなぁ」

 というか、ぱっと見めっちゃ真面目でお堅い雰囲気のあるミキちゃんが、黒と紫のめちゃめちゃ大人っぽい下着をつけているっていうのがギャップがすごい。しかもかなり大きい。マカさんより大きいらしいから、さてはGカップ……? メグさんは私の同じくらいっぽい。

「4Mの皆さんってどうしてここで仕事してるんですか?」

 同い年で幼稚園の頃から仲良しだという4Mの皆さん、同じ職場で働いているというのは納得なのだが、まさかランジェリーカフェなんていう珍しい職場で一緒だなんて、いったいどういう経緯なんだろうか。

「あぁ、ハナエさんとは昔からの付き合いでね」
「動画活動でもけっこうサポートしてもらってるんだよ」

 聞くところによるとハナエさんはドラムが叩けるらしく、CDのレコーディングにも参加してくれているらしい。そもそも、4Mが所属している事務所の代表がハナエさんらしい。いろんな事業を手広くやってるなぁ。

「まぁ、ハナエさんは自分でデザインした下着の宣伝を私たちにさせて、逆に私たちはバンド活動の支援をお願いいているっていう、Win-Winの関係なんだよ」
「あ、シルキストのデザイナーってハナエさんなんですか?」
「そりゃ、そうじゃなければこんな店はできないよ。ふふ、下着姿でライブは無理があるからねぇ」
「あたしはできっけどな」

 ミキさんとメグさんがハナエさんと4Mの関係を教えてくれる。なるほどとは思うけど、だからといって下着姿で接待するカフェというのも……まぁ、シンディ先輩は下着姿でも演奏できるって言うけど、普通はそうはいかないし、少なくとも私も下着姿でライブをやれと言われたら首を横に振る。

「ちなみに今日はモエちゃんいませんけど、キッチンは……メグさん?」
「そだよー。モエには負けるけど、一応それなりに料理出来るからさ。軽食限定だけど」

 とはいえ、午後二時からのこの時間帯、ほとんどのお客さんは飲み物しかオーダーしないし、いっそランジェリーショップの方に用があって喫茶コーナーに来ない人だっている。

「いらっしゃいませー」

 今日はどんなお客さんが来るのかな。
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