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これがオレの委員会活動?

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オレが居眠りして心に叱られた入学式から三日が経った。桜の木に葉が多く見られ、若葉の息吹きを感じるようになり出したころ、帰り際の廊下で海空にこんなことを言われた。
「鈴規くん、奉仕委員会に参加しない?」

穂守では、委員会は自由参加だ。部活より縛りが緩く楽しいと思えたら楽しい……らしい。しかし、一つの疑問点に辿り着いた。
「海空は部活に参加しないのか?」
いかにも体育会系の雰囲気を持つ彼女が部活じゃなくて委員会に所属するとは、意外だった。でも、そこには彼女らしい理由があった。
「ウチとしては、体を動かすのは好きだけど、一つのことに集中するのって向いてないんだ。でも、奉仕委員会ならどこの部活にでも助っ人として参加出来るじゃん♪」
んーなるほど。確かに奉仕委員会は雑務が多いイメージだったがそういった考え方もありだ。だったら、
「決めた! オレも参加するよ」
普段は優柔不断なオレにしては、素早い決断だったと思う。その後すぐに教室に戻り入会の手続きをした。


ちなみに、心は中学生の頃から続けている吹奏楽部に入部届けを出し、和樹は……どうでもいいが映画研究同好会に所属するらしい。アイツらしいかな。


さて、その日の帰り道に心に奉仕委員会に参加することを伝えると……、
「えっ!? 奉仕委員会に参加って、だって鈴規は運動したらダメって……」
どうやらオレの奉仕委員会なら色んな部活のサポートが出来るという説明の仕方が悪かったようだ……。
「いや、まぁ助っ人といえども試合に出るワケじゃないし……さ」
「まぁ、それならいいけど」
まだ若干の不満というか心配がありそうだ。
「そう気にすんなって、それに奉仕委員会ならオレの生き甲斐探しにもピッタリだと思うし」
実際に、生き甲斐探しにピッタリだと思うのは本心だ。

そんな会話をしている間に家に着いた。
「んじゃ、また明日な」
オレが玄関の扉を開けながら心に言うと、心が慌てながらこう言った。
「そういえば、そろそろゴールデンウィークだからさ、一日だけ付き合ってね」

あぁ、忙しくってわすれてたや……。ふぅ、仰せのままに……。
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