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017 森の中で……熊
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マイホームにハンマーボアの素材を収納し終え、スタル村へ戻ろうと思った矢先、
「……ん? 何か聞こえないか」
「……本当ですね。……これは……悲鳴?」
俺とマリーは耳を澄ませる。すると、かすかにだが確かに女性の叫び声が聞こえる。けっこう危機的な状況なのでは?
「……行ってみよう」
「はい!」
俺達は声のする方へ駆け出した。
「きゃああっ!」
「グルルル……!!」
そこには、巨大な熊のような魔物に襲われかけている女性がいた。女性は必死に逃げようとするが、足を負傷していて動けないようだ。
「レックスさん!」
「わかってる!」
俺が先行して飛び出し、その魔物に斬りかかる。迫力ある姿で、大きさなんて先ほどまでのハンマーボアとは比べ物にならないほどだ。
「ていっ!」
「ガアァッ!」
俺の攻撃はあっさりとその魔物に受け止められてしまう。が、それでいい。マリーが背後から迫っているのだから。
「せいっ!」
「グギャアアアッッ!」
マリーの一撃をもろにくらった魔獣は、大きく怯んで後ずさりする。
「よし! 今のうちに!」
「はい! ありがとうございます!」
襲われていた女性をマリーに救出してもらい、盾を構えて正対する。
「その魔物はエッグベアー、撤退すべきです!」
後ろの女性が叫ぶ。どうやら彼女は討伐するつもりはなく、単純に逃げ遅れてしまったようだ。さて、撤退とはいえエッグベアーの注意は完全にこちらに向いている。身体強化をランクアップさせても倒せそうな気がしない。
「グォォォォ!!!」
エッグベアーの咆哮に身体が竦む。そんな俺に容赦なくエッグベアーの鋭い爪が襲い掛かる。ラリアットのような横薙ぎの一撃だ。
「うわっ!」
咄嵯に身を屈め、回避に成功。しかし、間髪入れずに今度は前蹴りが来る。これもなんとか避けたが、体勢が崩れた。そこへさらに追撃がくる。
「くっ……うおぉっ!」
しりもちをつく俺にアッパーカットのように熊手が迫りくる。俺は盾を前に構え、防御態勢をとるが盾ごと俺の身体が吹っ飛ばされる。気づけばマリーと足を負傷した女性の側にまで後退してしまった。さらにさっきの一撃で手放してしまった盾はエッグベアーに踏まれ、無残にもバラバラに砕けてしまった。
「まずいな……」
「レックスさん!」
「大丈夫ですか!?」
二人は心配そうに声を掛けてくれるが、正直大丈夫ではない。HP残量という意味では辛うじて大丈夫な範囲なのだろうが、剣一本でこいつから逃げられるか?
「私が一瞬の隙を作ります。こうなったらレックスさんのマイホームに逃げ込みましょう!」
マリーが俺の目を見てそう言った。確かにマイホームに逃げ込む考えはずっとしていたが、初対面の人をあの空間に連れていって大丈夫だろうか。いや、今はそんなことよりも命が大事だ。俺は頷き、マリーは持っていた剣をエッグベアー目掛けて投げた。剣を回収するまでマリーは石を投げて敵の気をひいてくれていた。そのおかげで投擲スキルが身についている。腕にぐっさり刺さった剣にエッグベアーは身をよじる。
「今だ、マイホーム!!」
俺はマリーと負傷した女性の手を掴んで光のゲートに飛び込んだ。
「……ん? 何か聞こえないか」
「……本当ですね。……これは……悲鳴?」
俺とマリーは耳を澄ませる。すると、かすかにだが確かに女性の叫び声が聞こえる。けっこう危機的な状況なのでは?
「……行ってみよう」
「はい!」
俺達は声のする方へ駆け出した。
「きゃああっ!」
「グルルル……!!」
そこには、巨大な熊のような魔物に襲われかけている女性がいた。女性は必死に逃げようとするが、足を負傷していて動けないようだ。
「レックスさん!」
「わかってる!」
俺が先行して飛び出し、その魔物に斬りかかる。迫力ある姿で、大きさなんて先ほどまでのハンマーボアとは比べ物にならないほどだ。
「ていっ!」
「ガアァッ!」
俺の攻撃はあっさりとその魔物に受け止められてしまう。が、それでいい。マリーが背後から迫っているのだから。
「せいっ!」
「グギャアアアッッ!」
マリーの一撃をもろにくらった魔獣は、大きく怯んで後ずさりする。
「よし! 今のうちに!」
「はい! ありがとうございます!」
襲われていた女性をマリーに救出してもらい、盾を構えて正対する。
「その魔物はエッグベアー、撤退すべきです!」
後ろの女性が叫ぶ。どうやら彼女は討伐するつもりはなく、単純に逃げ遅れてしまったようだ。さて、撤退とはいえエッグベアーの注意は完全にこちらに向いている。身体強化をランクアップさせても倒せそうな気がしない。
「グォォォォ!!!」
エッグベアーの咆哮に身体が竦む。そんな俺に容赦なくエッグベアーの鋭い爪が襲い掛かる。ラリアットのような横薙ぎの一撃だ。
「うわっ!」
咄嵯に身を屈め、回避に成功。しかし、間髪入れずに今度は前蹴りが来る。これもなんとか避けたが、体勢が崩れた。そこへさらに追撃がくる。
「くっ……うおぉっ!」
しりもちをつく俺にアッパーカットのように熊手が迫りくる。俺は盾を前に構え、防御態勢をとるが盾ごと俺の身体が吹っ飛ばされる。気づけばマリーと足を負傷した女性の側にまで後退してしまった。さらにさっきの一撃で手放してしまった盾はエッグベアーに踏まれ、無残にもバラバラに砕けてしまった。
「まずいな……」
「レックスさん!」
「大丈夫ですか!?」
二人は心配そうに声を掛けてくれるが、正直大丈夫ではない。HP残量という意味では辛うじて大丈夫な範囲なのだろうが、剣一本でこいつから逃げられるか?
「私が一瞬の隙を作ります。こうなったらレックスさんのマイホームに逃げ込みましょう!」
マリーが俺の目を見てそう言った。確かにマイホームに逃げ込む考えはずっとしていたが、初対面の人をあの空間に連れていって大丈夫だろうか。いや、今はそんなことよりも命が大事だ。俺は頷き、マリーは持っていた剣をエッグベアー目掛けて投げた。剣を回収するまでマリーは石を投げて敵の気をひいてくれていた。そのおかげで投擲スキルが身についている。腕にぐっさり刺さった剣にエッグベアーは身をよじる。
「今だ、マイホーム!!」
俺はマリーと負傷した女性の手を掴んで光のゲートに飛び込んだ。
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