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本編
花嫁に選ばれました
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ガッチイィィィィィン!!
何か硬いものがぶつかるような音と同時に額がジンジンと痛む。
(人外にも頭突きってできるんだ……)
なんだか妙な達成感を感じた瞬間、そこで世界は暗転した。
* * * * * *
「おめでとうございます巫女アリシア。貴女は三日後の晩に神の花嫁となることが決まりました」
何がおめでとうございます。だ。
何が神の花嫁だ。
そんなもの、ただの生贄ではないか。
そう目の前にいる老人を罵ろうとしたのに喉が引き攣って上手く声が出てこない。
紫の瞳を怒りに染め上げ唇を震わせるアリシアの両腕を無表情な神官たちが拘束する。
縛めを解こうともがきながらも射殺さんばかりに睨みつけてくる少女の姿を、老人……この国の大神官は慈愛に満ちたまなざしで見つめていた──。
*
「っだあぁぁぁぁっもう!! なんで、なんでなの私! 声が出ないのならせめて履いてた靴飛ばしてあのハゲジジイ(※大神官)の頭にぶつけてやれば良かったのにっっ!」
そう叫びながら粗末なベッドを殴りつける少女は、三日間幽閉されていたとは思えぬ程に生命力に溢れていた。
少女の名前はアリシア・メルギス。
月を神の象徴として信仰するこの国の巫女だ。
青い月の夜が七晩続いた時に神の花嫁は選ばれる。
それは古から伝わる神の言葉。
そして神はこう続ける。
もしも花嫁を捧げなければこの国は滅びるだろう。
花嫁などと言葉を飾っているが要は生贄だ。七晩目の青の月夜に神殿で毒を飲まされるのだ。
本来は七晩目の青の月夜に神殿で花嫁が祈りを捧げると神のもとへ呼ばれその姿は忽然と消え国に繁栄と平和が約束される。と言うのが正式な言い伝えらしい。
祈りが届かず神のもとへ召されなかった場合は自ら毒をあおり魂を肉体から解き放つ。
しかし6才の時に両親を事故で亡くし孤児として神殿に身を寄せただけのアリシアは他の巫女たちと違って神の存在など信じていなかった。
(神様が本当にいるのなら父さんも母さんも事故でなんか死ななかった。それにそんなの、例え神のもとに呼ばれたって、突然消えて二度と戻って来ないなんて死んじゃうのと同じようなものじゃない……)
大国ユーンブルグ。この国は青い月夜が続くたびに少女を犠牲にしてきた。
(お守り、人気有ったのになぁ……)
毎晩月に祈りを捧げ、けが人の治療と神殿の清掃をする。それが巫女に課せられた責務だったが生涯を巫女として終える気などさらさらないアリシアは18になったら神殿を飛び出すためにあの手この手で小銭を稼ぎ貯めこんでいた。最近もっとも稼ぎが良かったのが神殿に懺悔に訪れる人にこっそり販売していたアリシアお手製のお守りだ。
信仰心を持つ者はみなが平等。そう説きながらも優遇されるのは例え神殿においても王族や貴族で。町の人々が救いを求めて苦悩や後悔を口にしても、神官たちはもっと神殿に寄付をして月に祈りを捧げなさいと言うだけだった。
きっかけはそんな神官の態度に不満げだったパン屋のおかみさんの夫への愚痴を清掃中のアリシアが親身に聞いたことだった。「あの娘と話すと心が軽くなるのよ!」そうおかみさんが宣伝し神官にではなくアリシアに話を聞いて貰うことを目的に神殿へ訪れる人が増えた。
治療と清掃以外の仕事をしているのが神官に見つかると説教をされたので十分に話を聞けなかった時はお詫びにと手作りのお守りを渡した。信仰心などちっとも持ち合わせていないアリシアの作ったものでも「こんな美人の巫女様の手作りなんてきっと御利益が有るね」と人々は喜んでくれた。
そうして今度はお守りを目的にアリシアのところへ訪れる人が増えてそれが商売になった。お守りを手にした人の笑顔を見るのが好きだった。
それなのに何故成人として認められる18才まで後2年という時に20年ぶりの青い月が現れるのか。
そして何故自分が花嫁に選ばれるのか。
(まぁそれは年頃の巫女の中で孤児なのが私だけだからだろうけど。信仰が足りないってよく怒られてたし……)
ベッドを殴るのに疲れたアリシアは自分に着せられた青いドレスを見下ろした。
神のための花嫁衣装。腰まである銀髪も顔周りを残し複雑に結いあげられている。
こんなうなじを露わにする髪型も肩を出したデザインのドレスも巫女になってから初めてだ。ずっと堅苦しい巫女の格好しかさせて貰えなかった。
後ろに長く伸びた裾もこんな時でなければお姫様のようだと嬉しかっただろう。
今日はアリシアが花嫁に選ばれてから三日目の晩。
この部屋に閉じ込められたのが四晩目の青の月夜だったからつまりは今夜が七晩目の青の月夜だ。
(でも私は絶対諦めないわ。なんとか隙をついて逃げ出してやる……)
閉じ込められた最初の晩はただ茫然と格子越しに青い月を見上げた。もしかしたら元の白い月に戻るかもしれない。そうしたらごめんごめん神の花嫁は間違いでしたなんて言って扉が開かれるかもしれない。そうしたら扉を開けた神官の胸ぐらを掴んで慰謝料請求して大金持ってこの神殿からおさらばできるかもしれない。
しかしアリシアの願い(現実逃避)も空しく月は青いままだった。
次の日はなんとか物理的にどこか破壊して外に出られないかと暴れまわってみたが鉄の扉も石の壁もビクともせずに寝不足と貧血で目眩がした。
だからアリシアは決意した。
こりゃぁ落ち込んでる場合じゃないぞ出された食事はモリモリ食べて、なんならおかわりもして眠れるだけ眠って体力つけないとな。脱走はなんてたって体力勝負だからね。
え? なに? おかわり3回目は食べすぎだって? こちとら神の花嫁なんて未知の職業に無理やり転職させられるんだよお前にこの不安わかるかあぁん? 良いからおかわり持ってこいお前らの大事な神様の嫁だぞ私あーデザートに甘いもの食べたいな!
半ばやけくそ気味に神官たちをこき使ったせいでなんだか最後の方はこの部屋に来る神官が涙目だったような気もするが、おかげで幽閉されていたわりには髪はツヤツヤ肌はプリプリ瞳はキラキラだ。
花嫁になるための湯あみの時も普段は使わせて貰えない薔薇水を使ったからふんわりいい匂いまでする。
ちなみに湯あみの時にも脱走を考えたが湯殿の外にびっちり神官たちが立っていたから諦めた。恥をしのんで素っ裸で飛び出してもすぐに捕まって体力の無駄だと思ったからだ。
だが深夜に行われる神との婚礼の儀に参加するのは高位の神官だけだから今よりも逃げる隙が有るはずだ。
「こう、やっぱ狙うなら急所かな……」
ぶつぶつと呟きながら拳を握り締めるアリシアへついに運命の声がかけられた。
「花嫁アリシア。婚礼の儀を始めます」
何か硬いものがぶつかるような音と同時に額がジンジンと痛む。
(人外にも頭突きってできるんだ……)
なんだか妙な達成感を感じた瞬間、そこで世界は暗転した。
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「おめでとうございます巫女アリシア。貴女は三日後の晩に神の花嫁となることが決まりました」
何がおめでとうございます。だ。
何が神の花嫁だ。
そんなもの、ただの生贄ではないか。
そう目の前にいる老人を罵ろうとしたのに喉が引き攣って上手く声が出てこない。
紫の瞳を怒りに染め上げ唇を震わせるアリシアの両腕を無表情な神官たちが拘束する。
縛めを解こうともがきながらも射殺さんばかりに睨みつけてくる少女の姿を、老人……この国の大神官は慈愛に満ちたまなざしで見つめていた──。
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「っだあぁぁぁぁっもう!! なんで、なんでなの私! 声が出ないのならせめて履いてた靴飛ばしてあのハゲジジイ(※大神官)の頭にぶつけてやれば良かったのにっっ!」
そう叫びながら粗末なベッドを殴りつける少女は、三日間幽閉されていたとは思えぬ程に生命力に溢れていた。
少女の名前はアリシア・メルギス。
月を神の象徴として信仰するこの国の巫女だ。
青い月の夜が七晩続いた時に神の花嫁は選ばれる。
それは古から伝わる神の言葉。
そして神はこう続ける。
もしも花嫁を捧げなければこの国は滅びるだろう。
花嫁などと言葉を飾っているが要は生贄だ。七晩目の青の月夜に神殿で毒を飲まされるのだ。
本来は七晩目の青の月夜に神殿で花嫁が祈りを捧げると神のもとへ呼ばれその姿は忽然と消え国に繁栄と平和が約束される。と言うのが正式な言い伝えらしい。
祈りが届かず神のもとへ召されなかった場合は自ら毒をあおり魂を肉体から解き放つ。
しかし6才の時に両親を事故で亡くし孤児として神殿に身を寄せただけのアリシアは他の巫女たちと違って神の存在など信じていなかった。
(神様が本当にいるのなら父さんも母さんも事故でなんか死ななかった。それにそんなの、例え神のもとに呼ばれたって、突然消えて二度と戻って来ないなんて死んじゃうのと同じようなものじゃない……)
大国ユーンブルグ。この国は青い月夜が続くたびに少女を犠牲にしてきた。
(お守り、人気有ったのになぁ……)
毎晩月に祈りを捧げ、けが人の治療と神殿の清掃をする。それが巫女に課せられた責務だったが生涯を巫女として終える気などさらさらないアリシアは18になったら神殿を飛び出すためにあの手この手で小銭を稼ぎ貯めこんでいた。最近もっとも稼ぎが良かったのが神殿に懺悔に訪れる人にこっそり販売していたアリシアお手製のお守りだ。
信仰心を持つ者はみなが平等。そう説きながらも優遇されるのは例え神殿においても王族や貴族で。町の人々が救いを求めて苦悩や後悔を口にしても、神官たちはもっと神殿に寄付をして月に祈りを捧げなさいと言うだけだった。
きっかけはそんな神官の態度に不満げだったパン屋のおかみさんの夫への愚痴を清掃中のアリシアが親身に聞いたことだった。「あの娘と話すと心が軽くなるのよ!」そうおかみさんが宣伝し神官にではなくアリシアに話を聞いて貰うことを目的に神殿へ訪れる人が増えた。
治療と清掃以外の仕事をしているのが神官に見つかると説教をされたので十分に話を聞けなかった時はお詫びにと手作りのお守りを渡した。信仰心などちっとも持ち合わせていないアリシアの作ったものでも「こんな美人の巫女様の手作りなんてきっと御利益が有るね」と人々は喜んでくれた。
そうして今度はお守りを目的にアリシアのところへ訪れる人が増えてそれが商売になった。お守りを手にした人の笑顔を見るのが好きだった。
それなのに何故成人として認められる18才まで後2年という時に20年ぶりの青い月が現れるのか。
そして何故自分が花嫁に選ばれるのか。
(まぁそれは年頃の巫女の中で孤児なのが私だけだからだろうけど。信仰が足りないってよく怒られてたし……)
ベッドを殴るのに疲れたアリシアは自分に着せられた青いドレスを見下ろした。
神のための花嫁衣装。腰まである銀髪も顔周りを残し複雑に結いあげられている。
こんなうなじを露わにする髪型も肩を出したデザインのドレスも巫女になってから初めてだ。ずっと堅苦しい巫女の格好しかさせて貰えなかった。
後ろに長く伸びた裾もこんな時でなければお姫様のようだと嬉しかっただろう。
今日はアリシアが花嫁に選ばれてから三日目の晩。
この部屋に閉じ込められたのが四晩目の青の月夜だったからつまりは今夜が七晩目の青の月夜だ。
(でも私は絶対諦めないわ。なんとか隙をついて逃げ出してやる……)
閉じ込められた最初の晩はただ茫然と格子越しに青い月を見上げた。もしかしたら元の白い月に戻るかもしれない。そうしたらごめんごめん神の花嫁は間違いでしたなんて言って扉が開かれるかもしれない。そうしたら扉を開けた神官の胸ぐらを掴んで慰謝料請求して大金持ってこの神殿からおさらばできるかもしれない。
しかしアリシアの願い(現実逃避)も空しく月は青いままだった。
次の日はなんとか物理的にどこか破壊して外に出られないかと暴れまわってみたが鉄の扉も石の壁もビクともせずに寝不足と貧血で目眩がした。
だからアリシアは決意した。
こりゃぁ落ち込んでる場合じゃないぞ出された食事はモリモリ食べて、なんならおかわりもして眠れるだけ眠って体力つけないとな。脱走はなんてたって体力勝負だからね。
え? なに? おかわり3回目は食べすぎだって? こちとら神の花嫁なんて未知の職業に無理やり転職させられるんだよお前にこの不安わかるかあぁん? 良いからおかわり持ってこいお前らの大事な神様の嫁だぞ私あーデザートに甘いもの食べたいな!
半ばやけくそ気味に神官たちをこき使ったせいでなんだか最後の方はこの部屋に来る神官が涙目だったような気もするが、おかげで幽閉されていたわりには髪はツヤツヤ肌はプリプリ瞳はキラキラだ。
花嫁になるための湯あみの時も普段は使わせて貰えない薔薇水を使ったからふんわりいい匂いまでする。
ちなみに湯あみの時にも脱走を考えたが湯殿の外にびっちり神官たちが立っていたから諦めた。恥をしのんで素っ裸で飛び出してもすぐに捕まって体力の無駄だと思ったからだ。
だが深夜に行われる神との婚礼の儀に参加するのは高位の神官だけだから今よりも逃げる隙が有るはずだ。
「こう、やっぱ狙うなら急所かな……」
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