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サフィロアの花
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「オッケーオッケー任せてよ! 私、健康マニアだったから体力には自信あるんだよね。それに『やってみた』系の動画も撮ってて、色んなことにチャレンジするの好きだったし! 異世界で異世界の植物育てるなんて楽しそうじゃん。やるわ!」
そう花壇の世話を買って出たのが一昨日の昼のこと。
朝。麗らかな日差しの中、水の入ったバケツを手に、意気揚々と花壇までやってきた絵麻の目に信じられない光景が広がる。
昨日は、何事もなかった。
柄杓で水をやって雑草を抜いて。野菜の皮を肥料にするためのコンポスト用の穴を掘って。
コンポストを雨から保護するためのビニールシートみたいな物は見つけられなかったから、木箱を置いてそこにカーサに浄化魔法をかけてもらった。汚れを弾く浄化魔法は雨も弾く効果があるらしかった。その雨を弾く木箱で覆うことで、コンポストが濡れて腐ってしまうことを防止した。
そうやって世話をして、与えられたあの狭い自分の部屋に戻るまでは何事もなかった。
小さくて可憐なサフィロア。もう少しでその蕾を咲かせそうだったのに。
サフィロアだけじゃない。
昨日までは確かに生き生きと葉を繁らせていた他の植物たちも。
それらがみな、無惨に踏み荒らされていた。
そう花壇の世話を買って出たのが一昨日の昼のこと。
朝。麗らかな日差しの中、水の入ったバケツを手に、意気揚々と花壇までやってきた絵麻の目に信じられない光景が広がる。
昨日は、何事もなかった。
柄杓で水をやって雑草を抜いて。野菜の皮を肥料にするためのコンポスト用の穴を掘って。
コンポストを雨から保護するためのビニールシートみたいな物は見つけられなかったから、木箱を置いてそこにカーサに浄化魔法をかけてもらった。汚れを弾く浄化魔法は雨も弾く効果があるらしかった。その雨を弾く木箱で覆うことで、コンポストが濡れて腐ってしまうことを防止した。
そうやって世話をして、与えられたあの狭い自分の部屋に戻るまでは何事もなかった。
小さくて可憐なサフィロア。もう少しでその蕾を咲かせそうだったのに。
サフィロアだけじゃない。
昨日までは確かに生き生きと葉を繁らせていた他の植物たちも。
それらがみな、無惨に踏み荒らされていた。
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