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自分で慰めている時だって、こうして誰かに抱かれている時だって、思い浮かぶのはただ一人。
充也の顔だけだ。
充也以外の人間になんて興味など無い。同じ空気を吸うことすら煩わしい。
この感情は愛だなんて言葉くらいじゃ済まない。
充也だって、同じくらい自分に執着している。
美也子が許せば充也は躊躇無く自分を抱くだろう。
血の繋がりも、世間の目も、倫理観も。そんなものはどうでも良い。
自分の邪魔をするのなら、世界も常識も壊れてしまえ。
美也子が恐れているのは、充也を失うことだけだ。
父と母は血の繋がりが有っても夫婦になって破綻した。
ならば自分達はずっと兄と妹のままで良い。
終わりに向かって歩み出すくらいなら、何も始まらせなどしない。
この壁の向こうで、兄も自分の痴態を想像しながら欲望を放っていて欲しい。
そう願いながら美也子は高みへ到達した。
充也の顔だけだ。
充也以外の人間になんて興味など無い。同じ空気を吸うことすら煩わしい。
この感情は愛だなんて言葉くらいじゃ済まない。
充也だって、同じくらい自分に執着している。
美也子が許せば充也は躊躇無く自分を抱くだろう。
血の繋がりも、世間の目も、倫理観も。そんなものはどうでも良い。
自分の邪魔をするのなら、世界も常識も壊れてしまえ。
美也子が恐れているのは、充也を失うことだけだ。
父と母は血の繋がりが有っても夫婦になって破綻した。
ならば自分達はずっと兄と妹のままで良い。
終わりに向かって歩み出すくらいなら、何も始まらせなどしない。
この壁の向こうで、兄も自分の痴態を想像しながら欲望を放っていて欲しい。
そう願いながら美也子は高みへ到達した。
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