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「あーあ。茉莉花のプライド、ぼろぼろ」
「綾乃、見てたの」
少し歩いたところで今度は黒髪の女が横に並ぶ。
茉莉花より付き合いが長いからかベタベタ触れてくるようなことはしない。
女は何故か楽しそうに笑っていた。
――ああ本当だ。美也子の言った通り踵の削れ方が歪だ。
髪質にしか興味が無かったから今まで見ていなかった。
「充也、そのうち刺されるんじゃない?」
「それは困るな。美也子が悲しむ」
「ほんと、充也はいつも妹さんが中心ね」
「可愛い妹だからね」
「ところで今度の連休なんだけど私の家に来ない? いつも貴方の家じゃ気を使う……」
「自分の家以外で誰かを抱く気は無いよ」
被せる様に言うと女は諦めた顔で言葉を呑み込んだ。
「綾乃、見てたの」
少し歩いたところで今度は黒髪の女が横に並ぶ。
茉莉花より付き合いが長いからかベタベタ触れてくるようなことはしない。
女は何故か楽しそうに笑っていた。
――ああ本当だ。美也子の言った通り踵の削れ方が歪だ。
髪質にしか興味が無かったから今まで見ていなかった。
「充也、そのうち刺されるんじゃない?」
「それは困るな。美也子が悲しむ」
「ほんと、充也はいつも妹さんが中心ね」
「可愛い妹だからね」
「ところで今度の連休なんだけど私の家に来ない? いつも貴方の家じゃ気を使う……」
「自分の家以外で誰かを抱く気は無いよ」
被せる様に言うと女は諦めた顔で言葉を呑み込んだ。
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