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「めんどくさがりのプリンセス」の末っ子エミリー
ビギンガム侯爵領
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バスはビギンガム侯爵領に入っていった。
道はなだらかな勾配を繰り返して行く。
草原には馬や牛が草を食んでいて牧歌的な風景が広がっている。
たまに通り過ぎる村々では、カボチャやイモ、穀物の収穫をしている様子が見える。
ここでも、なつみさんは『南瓜の収穫体験をして、その後に南瓜パイと紅茶でティータイムというのもいいわね。村の手作り品を売ったりもできるわよ。』と言っていた。
なんでも観光になるものだ。
こうやって、観光客が道々お金を落としていってくれれば、沿道の村も観光事業で潤うかもしれない。
遠くの小高い丘の上に、ビギンガム公爵邸が見えて来た。
ロブとエミリーが、このままいけばハイスクールを卒業する15歳から住む所になる。
ただ、たぶんロブは大学に行くと思うので、本格的に住むのは今のアル兄さまぐらいの歳になってからになるだろう。
この侯爵邸のある街が、ビギンガム領では一番大きい街になる。
この街をもう少し南に下ったところに、この辺りでは有名な湖と滝のある観光地がある。
ここにアル兄さまの言っていたホテルがあった。
湖のほとりに建っているので、ホテルの部屋の窓から眺める景色が期待できそうだ。
『このロケーションは素晴らしいわ。日本人好みの景色だと思う。』
なつみさんにもそう太鼓判を貰った。
ホテルと言っても、街中にある四角いビルのような建物ではなかった。山小屋を模したような木をふんだんに使った建物だった。
中に入ると、ホールがありゆったりしたソファがあちこちにおいてある。
そのホールの奥にチェックインカウンターがあった。
『このホールはいいわね。でもあそこの椅子の間は狭すぎるわ。海外旅行客対応のホテルにするんなら、大きい荷物を側において腰を掛けられるようにしたほうがいいわね。ツアーコンダクターがチェックイン手続きをしている間にお客様は、荷物と一緒にここで待つことになるわけでしょう? それから、チェックインカウンターの前に、小さい荷物を乗せられる台があると便利よ。バッグをそこに置いてパスポートなんかを探せるから。』
細かい、なんて細かいのなつみさん。
日本人ってそんな細かいことにもこだわるの? 眩暈がしそう。
カレンとアル兄さまは、なつみさんの言うことをいちいちメモしている。
サービス業も大変だ。
ホテルの部屋に行くことになった。
エミリーとカレン、ロブとアル兄さまに分かれて部屋で一旦休憩してから、ホテルの設備を見ることになった。
「エミリー、今日はありがとう。いろいろアドバイスを貰って助かるわ。この企画を上司に言い出したのは私なの。日本人の一主婦の意見がどれほど参考になるんだい?とボスに言われてたから、これで見返せるわ。」
カレンは、ほくほく顔だ。
「…お役に立ててなによりです。」
「それでも、エミリーがしゃべるのを聞いてると時々経験豊富なお年寄りが話しているみたいに感じることがあるの。不思議ね。」
ドキッ、それ不思議でもなんでもないから、本当に80歳のおばあさんが話してるから…。
ヤバいよなつみさん。
もうちょっと抑えて話さないとバレちゃうよ。
(そうね。カレンは大勢の人に接する仕事をしてるから、勘がいいのかもね。気を付ける。)
なつみさんの言う気を付けるというのは…。
『こういう山小屋ふうのホテルだと、洗濯機が置いてあって自分で洗濯ができるとか、朝食のパンなんかを自分で焼いて食べられたりするといいなぁーと思わない? ロブぅ。でしょぉ? アル兄さまぁ。』
…なんかビミョーに語尾を変えてるんだけど、私っぽくない。
ロブとアル兄さまがどう反応していいか困っている。
なつみさん、そのしゃべり方は止めて。
むず痒くなる。
(難しいわねぇ。11歳ってどんなだったか忘れたわ。)
休憩後のホテル設備についての見学では、なつみさんのしゃべり方にやや疲れを覚えたが、なんとかこれらの提案も好評のうちに受け入れてもらったようである。
これで、私の役目は終わった。
やれやれ。
◇◇◇
夜まで時間ができたので、ビギンガム邸のある街、カーステンにロブと車で買い物に行くことにした。
「私、カーステンは1年ぶりかも。いや、それより前だね。去年のロブの誕生日パーティーの後に、皆で来て以来か。」
「僕もそんなに頻繁には来ないけど、月に1回は会計報告を聞きに来てるんだ。」
「へぇー、もうそんなこともしてるの? 従者のカリグと会計主任のスチュアートに全部任せてるのかと思ってた。」
「ジュニア・ハイに入ってからだけどね。今後のことを考えるとしょうがないよ。」
「そっか。そういう事もしなきゃいけないし、婚約もしたし、ロブも大人になってるんだなぁ。」
「他人事みたいに言うなよ。エムもその渦中の1人だろ。」
「そうだけど、なんか今一つ婚約に実感が持てないのよね。今までとあんまり違わないし。覚えることが増えたぐらいかなぁ。」
「んーエムはさ、将来は何をしたいと思ってるの? アレックスみたいな観光業?」
「え? …それはない。なんかめんどくさそうなんだもの。将来ねぇ…本をずっと読んでるっていうのはだめだよね。」
「だめだね。侯爵夫人だもの、なにかやらなくちゃ。慈善事業とかさ。」
「それは出来るとは思えない。やらなきゃいけないなら、なんか本に関わる仕事がいいな。」
「そうか、そうだよね。そう言えば、うちが後援してる図書館があるよ。今日、行ってみる?」
「へぇー、それは興味あるな。行く行く。」
というわけで、急遽お買い物の予定は変更して、図書館に行くことになった。
その図書館は緑豊かな公園の中に建っていた。
こじんまりとしていて、可愛らしい図書館だ。
中に入ると、カウンターに座っていたおばあさんが慌てて立ち上がってこちらにやって来た。
「ロベルトさま、いらっしゃいませ。お出でになるとは思っていませんでした。」
「いや今日は仕事で来たんじゃないんだよ、マーサ。僕の婚約者が本が好きなもので、ちょっと見学させてもらいたいと思ってさ。マーサ館長、こちらは婚約者のエミリー・サマー。エム、ここの館長をしてもらってるマーサ・スカイラー、本のことをとてもよく知ってる人だよ。」
「ミス・エミリー、よろしくお願いします。まぁ、可愛らしい方。ロベルトさまとは、小さい頃からのお馴染みなんですの。昔はこちらにもよくお出でになっていたんですけど、今はポルトの方にお住まいですから、最近はなかなかお目にかかれなくて…。」
「こちらこそよろしくお願いします、マーサ館長。カーステンの街には何度か来ていたんですけれど、こちらに来るのは初めてなんです。私達、ぶらぶら見て回っていますのでまた後でお話を聞かせてください。」
エミリーが、カウンターのほうを見ながらそう言うと、マーサ館長も後ろを見た。
「あら、大変。お客様が並んでいらっしゃったのね。直ぐに行きます。では、また後程。」
優しそうでおっとりとしたおばあさまだ。この図書館の雰囲気に合ってる。
1階は木の本棚が置かれていて、素朴であたたかいインテリアになっている。
図書館には珍しい南向きの大きな窓が取ってあるコーナーがあって、そちらには小さい喫茶コーナーと子ども達の遊び場があった。
うわー、素敵。
これはいいわ。
子連れのお母さんたちが子ども達の様子を見ながら思い思いに本を読んでいる。
緩やかな螺旋階段を上ると、2階にはスチール棚がずらりと並べられて沢山の本が分類別に綺麗に並んでいた。
こういう景色を見るとワクワクするね。
一番奥に勉強室があって、ガラスの壁で区切られていた。
「ロブ、素敵な図書館ね。私、ここに勤めたいわ。どうやったら就職できるの? 教えてっ。」
「就職って…。ここうちの図書館だから、エムも結婚したら自由に使っていいよ。」
「えっ? だって後援してるって言ってなかった?」
「領民向け福祉サービスの一環としてやってる事業だから、一応独立会計にはなっているけど百パーセント侯爵家後援なんだ。」
なんということでしょうーーー。
ロブと結婚するとこんな素敵な特典がついて来るなんて知らなかったよっ。
俄然、結婚するのが待ち遠しくなってきた。
カーステンの侯爵邸に住んだら、ここに毎日来られるってことじゃん。
やったぁーーー。
急に結婚に前向きになったエミリーだった。
道はなだらかな勾配を繰り返して行く。
草原には馬や牛が草を食んでいて牧歌的な風景が広がっている。
たまに通り過ぎる村々では、カボチャやイモ、穀物の収穫をしている様子が見える。
ここでも、なつみさんは『南瓜の収穫体験をして、その後に南瓜パイと紅茶でティータイムというのもいいわね。村の手作り品を売ったりもできるわよ。』と言っていた。
なんでも観光になるものだ。
こうやって、観光客が道々お金を落としていってくれれば、沿道の村も観光事業で潤うかもしれない。
遠くの小高い丘の上に、ビギンガム公爵邸が見えて来た。
ロブとエミリーが、このままいけばハイスクールを卒業する15歳から住む所になる。
ただ、たぶんロブは大学に行くと思うので、本格的に住むのは今のアル兄さまぐらいの歳になってからになるだろう。
この侯爵邸のある街が、ビギンガム領では一番大きい街になる。
この街をもう少し南に下ったところに、この辺りでは有名な湖と滝のある観光地がある。
ここにアル兄さまの言っていたホテルがあった。
湖のほとりに建っているので、ホテルの部屋の窓から眺める景色が期待できそうだ。
『このロケーションは素晴らしいわ。日本人好みの景色だと思う。』
なつみさんにもそう太鼓判を貰った。
ホテルと言っても、街中にある四角いビルのような建物ではなかった。山小屋を模したような木をふんだんに使った建物だった。
中に入ると、ホールがありゆったりしたソファがあちこちにおいてある。
そのホールの奥にチェックインカウンターがあった。
『このホールはいいわね。でもあそこの椅子の間は狭すぎるわ。海外旅行客対応のホテルにするんなら、大きい荷物を側において腰を掛けられるようにしたほうがいいわね。ツアーコンダクターがチェックイン手続きをしている間にお客様は、荷物と一緒にここで待つことになるわけでしょう? それから、チェックインカウンターの前に、小さい荷物を乗せられる台があると便利よ。バッグをそこに置いてパスポートなんかを探せるから。』
細かい、なんて細かいのなつみさん。
日本人ってそんな細かいことにもこだわるの? 眩暈がしそう。
カレンとアル兄さまは、なつみさんの言うことをいちいちメモしている。
サービス業も大変だ。
ホテルの部屋に行くことになった。
エミリーとカレン、ロブとアル兄さまに分かれて部屋で一旦休憩してから、ホテルの設備を見ることになった。
「エミリー、今日はありがとう。いろいろアドバイスを貰って助かるわ。この企画を上司に言い出したのは私なの。日本人の一主婦の意見がどれほど参考になるんだい?とボスに言われてたから、これで見返せるわ。」
カレンは、ほくほく顔だ。
「…お役に立ててなによりです。」
「それでも、エミリーがしゃべるのを聞いてると時々経験豊富なお年寄りが話しているみたいに感じることがあるの。不思議ね。」
ドキッ、それ不思議でもなんでもないから、本当に80歳のおばあさんが話してるから…。
ヤバいよなつみさん。
もうちょっと抑えて話さないとバレちゃうよ。
(そうね。カレンは大勢の人に接する仕事をしてるから、勘がいいのかもね。気を付ける。)
なつみさんの言う気を付けるというのは…。
『こういう山小屋ふうのホテルだと、洗濯機が置いてあって自分で洗濯ができるとか、朝食のパンなんかを自分で焼いて食べられたりするといいなぁーと思わない? ロブぅ。でしょぉ? アル兄さまぁ。』
…なんかビミョーに語尾を変えてるんだけど、私っぽくない。
ロブとアル兄さまがどう反応していいか困っている。
なつみさん、そのしゃべり方は止めて。
むず痒くなる。
(難しいわねぇ。11歳ってどんなだったか忘れたわ。)
休憩後のホテル設備についての見学では、なつみさんのしゃべり方にやや疲れを覚えたが、なんとかこれらの提案も好評のうちに受け入れてもらったようである。
これで、私の役目は終わった。
やれやれ。
◇◇◇
夜まで時間ができたので、ビギンガム邸のある街、カーステンにロブと車で買い物に行くことにした。
「私、カーステンは1年ぶりかも。いや、それより前だね。去年のロブの誕生日パーティーの後に、皆で来て以来か。」
「僕もそんなに頻繁には来ないけど、月に1回は会計報告を聞きに来てるんだ。」
「へぇー、もうそんなこともしてるの? 従者のカリグと会計主任のスチュアートに全部任せてるのかと思ってた。」
「ジュニア・ハイに入ってからだけどね。今後のことを考えるとしょうがないよ。」
「そっか。そういう事もしなきゃいけないし、婚約もしたし、ロブも大人になってるんだなぁ。」
「他人事みたいに言うなよ。エムもその渦中の1人だろ。」
「そうだけど、なんか今一つ婚約に実感が持てないのよね。今までとあんまり違わないし。覚えることが増えたぐらいかなぁ。」
「んーエムはさ、将来は何をしたいと思ってるの? アレックスみたいな観光業?」
「え? …それはない。なんかめんどくさそうなんだもの。将来ねぇ…本をずっと読んでるっていうのはだめだよね。」
「だめだね。侯爵夫人だもの、なにかやらなくちゃ。慈善事業とかさ。」
「それは出来るとは思えない。やらなきゃいけないなら、なんか本に関わる仕事がいいな。」
「そうか、そうだよね。そう言えば、うちが後援してる図書館があるよ。今日、行ってみる?」
「へぇー、それは興味あるな。行く行く。」
というわけで、急遽お買い物の予定は変更して、図書館に行くことになった。
その図書館は緑豊かな公園の中に建っていた。
こじんまりとしていて、可愛らしい図書館だ。
中に入ると、カウンターに座っていたおばあさんが慌てて立ち上がってこちらにやって来た。
「ロベルトさま、いらっしゃいませ。お出でになるとは思っていませんでした。」
「いや今日は仕事で来たんじゃないんだよ、マーサ。僕の婚約者が本が好きなもので、ちょっと見学させてもらいたいと思ってさ。マーサ館長、こちらは婚約者のエミリー・サマー。エム、ここの館長をしてもらってるマーサ・スカイラー、本のことをとてもよく知ってる人だよ。」
「ミス・エミリー、よろしくお願いします。まぁ、可愛らしい方。ロベルトさまとは、小さい頃からのお馴染みなんですの。昔はこちらにもよくお出でになっていたんですけど、今はポルトの方にお住まいですから、最近はなかなかお目にかかれなくて…。」
「こちらこそよろしくお願いします、マーサ館長。カーステンの街には何度か来ていたんですけれど、こちらに来るのは初めてなんです。私達、ぶらぶら見て回っていますのでまた後でお話を聞かせてください。」
エミリーが、カウンターのほうを見ながらそう言うと、マーサ館長も後ろを見た。
「あら、大変。お客様が並んでいらっしゃったのね。直ぐに行きます。では、また後程。」
優しそうでおっとりとしたおばあさまだ。この図書館の雰囲気に合ってる。
1階は木の本棚が置かれていて、素朴であたたかいインテリアになっている。
図書館には珍しい南向きの大きな窓が取ってあるコーナーがあって、そちらには小さい喫茶コーナーと子ども達の遊び場があった。
うわー、素敵。
これはいいわ。
子連れのお母さんたちが子ども達の様子を見ながら思い思いに本を読んでいる。
緩やかな螺旋階段を上ると、2階にはスチール棚がずらりと並べられて沢山の本が分類別に綺麗に並んでいた。
こういう景色を見るとワクワクするね。
一番奥に勉強室があって、ガラスの壁で区切られていた。
「ロブ、素敵な図書館ね。私、ここに勤めたいわ。どうやったら就職できるの? 教えてっ。」
「就職って…。ここうちの図書館だから、エムも結婚したら自由に使っていいよ。」
「えっ? だって後援してるって言ってなかった?」
「領民向け福祉サービスの一環としてやってる事業だから、一応独立会計にはなっているけど百パーセント侯爵家後援なんだ。」
なんということでしょうーーー。
ロブと結婚するとこんな素敵な特典がついて来るなんて知らなかったよっ。
俄然、結婚するのが待ち遠しくなってきた。
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急に結婚に前向きになったエミリーだった。
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