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第三章 次女キャサリンの「王子の夢は誰も知らない」
金槌をふるう王子
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リチャードは店舗内装工事の受注を無事に受けることができた。
インテリアコーディネーターと一緒に挑んだプレゼンテーションの日には、典子の母親と一緒にサマー夫妻も出席していたので緊張したが、リチャードが第一王子とはバレなかったようだ。
3人とも前回のスミス工務店のプレゼンよりは良いと判断してくれたようで、即決の受注となった。
一気に大勢の職人をつぎ込んで3日間で下地の内装工事を終え、後はリチャードとハーロウがコツコツと仕上げ工事をしている。
商品の在庫置き場になる西奥の部屋を最初に仕上げる予定だ。
お昼頃にキャサリンとエミリーが工事の進捗具合を確認に来た。
「すみません。ミスタージェンキンスはどちらかしら。」
キャサリンの可愛らしい声が私を呼んでくれる。
嬉しい。
違う名前だけど嬉しい。
「僕です。何かご用ですか?」
汚れたチェックの半袖シャツにジーパン、黒縁眼鏡、頭はぼさぼさで野球帽を反対に被っている。黒い髪の毛のカツラを被っているので、輝く金髪で有名なリチャード王子には見えないだろう。
それでもキャサリンは「えっ?」と言ってリチャードをマジマジと見返した。
「何か?」
「あっ、すみません。商品の第一便が届いたので運んできたんですけど…。在庫置き場にする部屋はいつ仕上がりますか?」
「もうできます。そこの飾り板が済んだら掃除をしようと思っていたんです。」
「良かった。じゃあ、少しずつ車から降ろしますね。そこの隅に積み上げてもいいかしら?」
まさか?!
キャサリンが重たい荷物を運ぶのか?
サマー家の男たちは何をしてるんだ!
今度デビッドを見かけたらひとこと言っておかなければならないな。
「待ってください。僕が荷物を運びますよ。」
「だって…。」
キャサリンはリチャードとハーロウを交互に見る。
「大丈夫です。掃除の専門家を呼びますから。」
携帯でリチャードに呼び出されたホルコムは、何事かと急いで店に入ってきたが、箒と塵取りを渡されて目がキョトキョトしていた。
「君は掃除が上手いからな。商品にホコリが付かないように綺麗にしてくれ。拭き掃除も頼むな。」
リチャードがホルコムに指示すると、ハーロウが後ろで笑いをこらえていた。すまんなスナイパーにこんなことをさせて。
しかしホルコムは以前勤務していた海軍の教育の賜物か、意外に手際よく瞬く間に掃除をし終えた。
ふーむ、使える。
今度から掃除は全部彼に頼もう。
私達が商品とそれを保管しておく収納棚を部屋の中に運び込むと、キャサリンとエミリーが大きな段ボール箱から小分けされた箱に入った商品を伝票の数と合わせながらチェックしていっていた。
エミリーがチェック済みの商品をそのまま棚に置こうとしたので、ちょっと待てとそれを止めた。
「売れ筋になりそうな商品は入り口近くに置いて、値段が高くて箔をつけるために置くようなものは数が出ないので奥の方に置くとかしたほうがいいんじゃないですか? 日本人は収納方法に一家言ありますからね。それに小箱を開けて破損がないか確かめたほうがいいですよ。クーリングオフの期間は限られてますから。」
「なるほどー。そうですねっ。これは助っ人が必要みたい。」
そう言うとエミリーは外に飛び出して行ったかと思うと、すぐに戻ってきた。
1人だ。
助っ人はどうしたのだろう?
電話でもして来たのだろうか?
それからの2人は迷いがなかった。
破損のチェックをした箱に赤いマジックで印をつけていく。そして何の意味があるのか箱にマーカーで色を付け、その色ごとに棚に並べていった。助っ人が来ないうちに作業が終わってしまいそうだ。
「キャサリン、その色分けは何の意味があるの?」
「どうして私の名前を…?」
しまった。
「えっと、イズミさんに聞いてたんですよ。こちらの人はエミリーでしょ?」
『ピーンポーン。正解ですっ。貴方はなかなかの判断力と知識があるようね。最初にエミっ…私達にアドバイスしてくれて助かったわ。後から全部の商品を移動させるのは骨だもの。』
中学生のはずのエミリーに大人顔負けの口調でそう言われた。
「なつ…エミリー。」
キャサリンがエミリーを嗜める。
「このくらいの口利きは生意気なうちに入りませんよ。ジュニアハイの2年生なんてこんなものですよ。」
リチャードがそう言うとキャサリンもエミリーも大爆笑した。
「………??」
どうして笑っているのかさっぱりわからないが、私の前では見せたことのないキャサリンの全開の笑い顔を見ることが出来るなんて…今日は記念すべき日だ。
「ボス、よだれが垂れてますよ。」
ハーロウが小声で言ってきた。
これはいかん。
リチャードは緩み切った顔を引き締め直した。
◇◇◇
それからほぼ毎日キャサリンはやって来た。
エミリーやデビッドと一緒の時もあったし、エミリーの婚約者のロベルトがついて来ていることもあった。
典子の母親の泉が日本に帰る時には、リチャードのことをディア・リカルドと呼んでくれて「またイギリスに来たら会いましょうねっ。」と別れを惜しんでくれた。
泉が日本に帰ると、子爵婦人のマーガレットがキャサリンを手伝うようになった。
どうもキャサリンが典子が帰って来るまでの全権を任されているらしい。
それを大人たちがフォローして、兄弟が遊びの合間に手伝いに来ているようだ。
リチャードがどうしてそんなに熱心に店の準備をしているのかと尋ねると、経済学の実践勉強だと言われた。
…キャサリンは本気でキャリアウーマンを目指しているんだ。
私も本腰を入れて彼女の行く末を考えないといけないな。
内装工事が終わる頃にはサマー家の人たちはリチャードのことをリッチと呼んでいた。
偽名はリカルドなのでリックと呼ぼうとしたのだが、出来るだけ本名のリチャードに近い呼び名にして欲しくてリッチにしてもらった。
そしてリチャードは今やサマー子爵婦人をメグ、エミリーをエム、ロベルトをロブ、デビッドをデヴ、そしてそして、愛するキャサリンをキャスと呼べる光栄を与えられている。
ああ、ここまでなんと長い道のりだっただろう。
この仕事を神が与えてくれたことに感謝する。
しかし内装工事の後、当初考えていた植物の営業に来た時に、初めてキャスと対立することになった。
苔玉やシダ類、ギボウシ、フウチソウ等を中心に店内のあちこちに静かな野山を再現しようとしたのだが…。
「こんな葉っぱばっかりじゃ暗いじゃないっ。もっと華やかな花とかは持って来ていないの?」
「キャス、日本人はワビサビといって素朴で質素なものに凛とした美しさを見出す民族なんだ。店内はあくまでも色味を押さえて、シックに静かさを演出したい。これは内装を含めての総合プランなんだよ。君のご両親も同意してくれた。」
キャスはぐっと詰まったが、ハイスクール1年生の時に見た弁舌鮮やかなキャサリンは健在だった。
「そう。それでも新装開店のインパクトを出したいのよ。これじゃあ全然目立たないじゃないの。いくら日本人がそうでもここはイギリスよっ。イギリスのお客さんにインパクトがないと誰にも気づいてもらえないじゃないのっ。」
「確かにそうだ。僕だって君と一緒に夏中この店に関わって来たんだ。典子にはぜひ成功してもらいたいと思っている。」
「だったら…。」
リチャードはストップと手を挙げてキャスの口を封じた。
もう夏も終わりだ。
後1週間で大学も始まる。
勝負の時が来たようだ。
「その事も考えて、準備も整えている。うちの家に提案したい飾りをいくつか用意している。出来たらキャスに見に来て欲しい。それでいいと思ったら5日後に帰って来る典子に提案してみてくれないか?」
「リッチ…自信があるのね。」
「ああ。そうじゃないと君に提案しないさ。」
…本当はドキドキしている。
キャスは本当にわかってくれるだろうか?
これは一世一代をかけた私とキャスの勝負だ。
インテリアコーディネーターと一緒に挑んだプレゼンテーションの日には、典子の母親と一緒にサマー夫妻も出席していたので緊張したが、リチャードが第一王子とはバレなかったようだ。
3人とも前回のスミス工務店のプレゼンよりは良いと判断してくれたようで、即決の受注となった。
一気に大勢の職人をつぎ込んで3日間で下地の内装工事を終え、後はリチャードとハーロウがコツコツと仕上げ工事をしている。
商品の在庫置き場になる西奥の部屋を最初に仕上げる予定だ。
お昼頃にキャサリンとエミリーが工事の進捗具合を確認に来た。
「すみません。ミスタージェンキンスはどちらかしら。」
キャサリンの可愛らしい声が私を呼んでくれる。
嬉しい。
違う名前だけど嬉しい。
「僕です。何かご用ですか?」
汚れたチェックの半袖シャツにジーパン、黒縁眼鏡、頭はぼさぼさで野球帽を反対に被っている。黒い髪の毛のカツラを被っているので、輝く金髪で有名なリチャード王子には見えないだろう。
それでもキャサリンは「えっ?」と言ってリチャードをマジマジと見返した。
「何か?」
「あっ、すみません。商品の第一便が届いたので運んできたんですけど…。在庫置き場にする部屋はいつ仕上がりますか?」
「もうできます。そこの飾り板が済んだら掃除をしようと思っていたんです。」
「良かった。じゃあ、少しずつ車から降ろしますね。そこの隅に積み上げてもいいかしら?」
まさか?!
キャサリンが重たい荷物を運ぶのか?
サマー家の男たちは何をしてるんだ!
今度デビッドを見かけたらひとこと言っておかなければならないな。
「待ってください。僕が荷物を運びますよ。」
「だって…。」
キャサリンはリチャードとハーロウを交互に見る。
「大丈夫です。掃除の専門家を呼びますから。」
携帯でリチャードに呼び出されたホルコムは、何事かと急いで店に入ってきたが、箒と塵取りを渡されて目がキョトキョトしていた。
「君は掃除が上手いからな。商品にホコリが付かないように綺麗にしてくれ。拭き掃除も頼むな。」
リチャードがホルコムに指示すると、ハーロウが後ろで笑いをこらえていた。すまんなスナイパーにこんなことをさせて。
しかしホルコムは以前勤務していた海軍の教育の賜物か、意外に手際よく瞬く間に掃除をし終えた。
ふーむ、使える。
今度から掃除は全部彼に頼もう。
私達が商品とそれを保管しておく収納棚を部屋の中に運び込むと、キャサリンとエミリーが大きな段ボール箱から小分けされた箱に入った商品を伝票の数と合わせながらチェックしていっていた。
エミリーがチェック済みの商品をそのまま棚に置こうとしたので、ちょっと待てとそれを止めた。
「売れ筋になりそうな商品は入り口近くに置いて、値段が高くて箔をつけるために置くようなものは数が出ないので奥の方に置くとかしたほうがいいんじゃないですか? 日本人は収納方法に一家言ありますからね。それに小箱を開けて破損がないか確かめたほうがいいですよ。クーリングオフの期間は限られてますから。」
「なるほどー。そうですねっ。これは助っ人が必要みたい。」
そう言うとエミリーは外に飛び出して行ったかと思うと、すぐに戻ってきた。
1人だ。
助っ人はどうしたのだろう?
電話でもして来たのだろうか?
それからの2人は迷いがなかった。
破損のチェックをした箱に赤いマジックで印をつけていく。そして何の意味があるのか箱にマーカーで色を付け、その色ごとに棚に並べていった。助っ人が来ないうちに作業が終わってしまいそうだ。
「キャサリン、その色分けは何の意味があるの?」
「どうして私の名前を…?」
しまった。
「えっと、イズミさんに聞いてたんですよ。こちらの人はエミリーでしょ?」
『ピーンポーン。正解ですっ。貴方はなかなかの判断力と知識があるようね。最初にエミっ…私達にアドバイスしてくれて助かったわ。後から全部の商品を移動させるのは骨だもの。』
中学生のはずのエミリーに大人顔負けの口調でそう言われた。
「なつ…エミリー。」
キャサリンがエミリーを嗜める。
「このくらいの口利きは生意気なうちに入りませんよ。ジュニアハイの2年生なんてこんなものですよ。」
リチャードがそう言うとキャサリンもエミリーも大爆笑した。
「………??」
どうして笑っているのかさっぱりわからないが、私の前では見せたことのないキャサリンの全開の笑い顔を見ることが出来るなんて…今日は記念すべき日だ。
「ボス、よだれが垂れてますよ。」
ハーロウが小声で言ってきた。
これはいかん。
リチャードは緩み切った顔を引き締め直した。
◇◇◇
それからほぼ毎日キャサリンはやって来た。
エミリーやデビッドと一緒の時もあったし、エミリーの婚約者のロベルトがついて来ていることもあった。
典子の母親の泉が日本に帰る時には、リチャードのことをディア・リカルドと呼んでくれて「またイギリスに来たら会いましょうねっ。」と別れを惜しんでくれた。
泉が日本に帰ると、子爵婦人のマーガレットがキャサリンを手伝うようになった。
どうもキャサリンが典子が帰って来るまでの全権を任されているらしい。
それを大人たちがフォローして、兄弟が遊びの合間に手伝いに来ているようだ。
リチャードがどうしてそんなに熱心に店の準備をしているのかと尋ねると、経済学の実践勉強だと言われた。
…キャサリンは本気でキャリアウーマンを目指しているんだ。
私も本腰を入れて彼女の行く末を考えないといけないな。
内装工事が終わる頃にはサマー家の人たちはリチャードのことをリッチと呼んでいた。
偽名はリカルドなのでリックと呼ぼうとしたのだが、出来るだけ本名のリチャードに近い呼び名にして欲しくてリッチにしてもらった。
そしてリチャードは今やサマー子爵婦人をメグ、エミリーをエム、ロベルトをロブ、デビッドをデヴ、そしてそして、愛するキャサリンをキャスと呼べる光栄を与えられている。
ああ、ここまでなんと長い道のりだっただろう。
この仕事を神が与えてくれたことに感謝する。
しかし内装工事の後、当初考えていた植物の営業に来た時に、初めてキャスと対立することになった。
苔玉やシダ類、ギボウシ、フウチソウ等を中心に店内のあちこちに静かな野山を再現しようとしたのだが…。
「こんな葉っぱばっかりじゃ暗いじゃないっ。もっと華やかな花とかは持って来ていないの?」
「キャス、日本人はワビサビといって素朴で質素なものに凛とした美しさを見出す民族なんだ。店内はあくまでも色味を押さえて、シックに静かさを演出したい。これは内装を含めての総合プランなんだよ。君のご両親も同意してくれた。」
キャスはぐっと詰まったが、ハイスクール1年生の時に見た弁舌鮮やかなキャサリンは健在だった。
「そう。それでも新装開店のインパクトを出したいのよ。これじゃあ全然目立たないじゃないの。いくら日本人がそうでもここはイギリスよっ。イギリスのお客さんにインパクトがないと誰にも気づいてもらえないじゃないのっ。」
「確かにそうだ。僕だって君と一緒に夏中この店に関わって来たんだ。典子にはぜひ成功してもらいたいと思っている。」
「だったら…。」
リチャードはストップと手を挙げてキャスの口を封じた。
もう夏も終わりだ。
後1週間で大学も始まる。
勝負の時が来たようだ。
「その事も考えて、準備も整えている。うちの家に提案したい飾りをいくつか用意している。出来たらキャスに見に来て欲しい。それでいいと思ったら5日後に帰って来る典子に提案してみてくれないか?」
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