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第四章 皇太子滝宮の「伝統を継ぐもの」
亜美の前世・宮様の思い
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*アミ*
「そうねぇ、例えば世が世なら亜美と滝宮様は反対の立場だったかもしれないわね。」というノッコの言葉で亜美の前世の話が始まった。
武士がまだ群雄割拠している頃、亜美は天皇陛下、当時の上皇の妹だったらしい。
今の東京の北方に力を持った武士の殿様がいて、その力を上皇が利用するために宮家から降嫁させられたそうだ。しかし、政治的な均衡が崩れて亜美は嫁という立場から人質という立場に変わってしまう。その後年は不遇な身であったらしい。
ノッコが言葉を濁していたのではっきりとはわからないが、どうもその死にざまが酷かったらしい。そこで「その県には関わらないほうがいいんじゃない。」という言葉が出て来てしまったと、ノッコは言っていた。
イタリアとスイスの間にあった小国の王様というのが、もう一つの亜美の前世らしい。
周りが力の強い国々で政治バランスをとるのが難しかったらしいが、そういう中で国民に慕われた善政を行ったそうだ。「だから亜美は、私やターチの間のバランスをとるのが上手かったのよ。」と言われても、国の外交と友達の間を取り持つのはさすがに違うだろう。
亜美が反論すると、例に出されたのが滝宮様だ。
宮様は、うちの実家の近くのお寺「孝養寺」の住職だったという。
うちはそこの壇家なんですけど…。
人格者で、優しくて、村の子ども達を集めて寺子屋をしていたらしい。「ねっ、生きる人生は違っても同じ魂なんだから、どこか似たところがあるのよ。」と言われた。
人格者で優しいか…なるほどね。
エミリーの前世の人たちも「めんどくさがり」繋がりらしい。
しかし今のエミリーを見ていると、とてもめんどくさがりには見えないけど…?
ノッコにこういう前世話を聞かされたせいか、ケネスに宮様の人柄を聞かされたせいかは判らないが、夜に宮様からまた散歩のお誘いがあった時に、亜美の中で応じる心構えが出来ていた。
◇◇◇
*ヒデ*
夜の散歩に亜美を誘った時には意気込んでいたが、亜美が素直に私の誘いに応じてくれたので、なにか殊更に言い訳をするのもおかしいようで、秀次としては何を話そうか迷っている。
「今日は晴れていたので、月が綺麗に見えますね。お月様は日本で見てもここで見ても同じなんでしょうね。そう考えるとなんだか不思議。」
秀次が黙っているので、さっきから亜美が話をしてくれている。
「…ケネスから少し聞きましたけど、ロザンナさんのご主人はどんな方だったんですか?」
そう質問されてびっくりした。
「ケネスが、昨日のことを亜美さんに話したんですか?!」
「ええ。顧客情報を漏らすのはしてはいけないことだと重々承知の上、宮様のことを思うと黙っていられなかったんですって。怒らないであげてくださいね。」
「とんでもないっ。今はケネスにキスをしたい気分ですよ!」
秀次とあのいかついケネスが抱き合ってキスをしているところを想像して、亜美は笑いが止まらなくなったようだ。
遠慮がちに声を殺して、クスクスと笑っている。
これからのことを考えると、この際スッキリと誤解を解いておくべきだなと秀次は思った。
もう少しロザンナとのことを話しておいた方がいいだろう。
「亜美、ロザンナとは何でもないんですよ。若い頃の淡い初恋だったというだけです。」
「…でも宮様はまだロザンナさんのことを、忘れてはいらっしゃらないでしょ?」
「そうですね。学生時代のロザンナのことは覚えています。しかし、昨日会った彼女は学生時代とは全くの別の人でした。逞しい田舎の大農家の奥さんでしたよ。」
「そうなんですか…。」
「そうなんです。まだお互いをよく知らないので、わたしのことをわかってはいらっしゃらないでしょうが、私は他に心を残している人がいるのに、貴方にプロポーズをするような人間ではないですよ。それだけはわかってください。本当に何年ぶりかに好ましいと思う方が現れた。その人が后になれる資質を十分に持っている方だったので、ついつい先走りしてプロポーズをしてしまったんです。それに仕事を探していると仰ってたでしょう。皇太子妃を職業と捉えて就職を考えて下さらないかなとも思いました。」
「職業…ですか?」
「ええ。私は天皇という身位を天が私に与えた、尊い職と考えています。一般の方で知っておられる方は少ないでしょうが、天皇は伝承の役目があるのです。農業・神職が大きな仕事ですが、皇后は蚕の養蚕・機織りなど古の日本人が営んできた生活の伝承の役目を持っているのです。ここが征服をもって統べる西洋などの他国の王族とは違う部分なのです。中世の日本では天皇の政治力などは形骸化していました。それでも細々とでも天皇家が続いてきたのは、この伝承の役目を背負っていたからなのではないかと考えます。私は、天照皇大神から続いてきた日本の芯なる系累としてこの役目を果たしていきたいと願っているのです。」
「そうなんですか。天皇家というのは、王族とはだいぶ違うんですね。宮様のお話からは、むしろ歌舞伎の家や技術を持った匠のような伝統伝承の部分が強いように感じました。それは繊細な、壮大な時を繋ぐお仕事のように思えます。」
「ええ、皇太子妃というのはそのような役柄なのです。そういう伝承を粛々と遂行できる人柄をも具え、私の好みにも合う方というのはなかなかいらっしゃらないのです。后という意味で私が求めていたことは、毎日を共に穏やかに過ごすことが出来て、一緒にいて楽しい人、そして何より私が抱きしめたい人を探していました。」
「…………………………。」
「この全部の条件を満たすのが、亜美、貴方なのです。どうかもう一度私とのことを考え直してくれませんか?」
亜美は黙ってしばらく考えていた。
ああ、なんとか亜美に決心して欲しい。
秀次はあらゆる神、皇祖に祈る思いだった。
「そんな重要な役割が私に果たせるとはとても思えません。宮様は本当に……私が適任だと思われるんですか?」
「あなたなら皇太子妃の仕事ができると思います。もちろん私が全面的にバックアップします。そして、私は仕事ではない日常の日々もあなたと一緒にいたい。生涯を共に過ごしたいと思っています。」
秀次が心を込めて亜美に話すと、亜美は苦しそうな顔をした後で、瞼を閉じてひとしきり思い悩んだ末に、どこか吹っ切ったように目を開いた。
「わかりました。宮様とのことを…考えてみます。」
「本当ですか?! …ああっ、亜美。嬉しいです!」
秀次は思わず亜美に飛びついてしまった。
こんな興奮は生まれてきて初めて感じた。
腕の中に抱きしめた亜美が愛おしくてたまらない。
いつまでもこうして2人でいたい。
亜美の身体のあたたかさと、庭のひそやかな花の匂いが秀次をこれまでにない幸福感で包んでいた。
「そうねぇ、例えば世が世なら亜美と滝宮様は反対の立場だったかもしれないわね。」というノッコの言葉で亜美の前世の話が始まった。
武士がまだ群雄割拠している頃、亜美は天皇陛下、当時の上皇の妹だったらしい。
今の東京の北方に力を持った武士の殿様がいて、その力を上皇が利用するために宮家から降嫁させられたそうだ。しかし、政治的な均衡が崩れて亜美は嫁という立場から人質という立場に変わってしまう。その後年は不遇な身であったらしい。
ノッコが言葉を濁していたのではっきりとはわからないが、どうもその死にざまが酷かったらしい。そこで「その県には関わらないほうがいいんじゃない。」という言葉が出て来てしまったと、ノッコは言っていた。
イタリアとスイスの間にあった小国の王様というのが、もう一つの亜美の前世らしい。
周りが力の強い国々で政治バランスをとるのが難しかったらしいが、そういう中で国民に慕われた善政を行ったそうだ。「だから亜美は、私やターチの間のバランスをとるのが上手かったのよ。」と言われても、国の外交と友達の間を取り持つのはさすがに違うだろう。
亜美が反論すると、例に出されたのが滝宮様だ。
宮様は、うちの実家の近くのお寺「孝養寺」の住職だったという。
うちはそこの壇家なんですけど…。
人格者で、優しくて、村の子ども達を集めて寺子屋をしていたらしい。「ねっ、生きる人生は違っても同じ魂なんだから、どこか似たところがあるのよ。」と言われた。
人格者で優しいか…なるほどね。
エミリーの前世の人たちも「めんどくさがり」繋がりらしい。
しかし今のエミリーを見ていると、とてもめんどくさがりには見えないけど…?
ノッコにこういう前世話を聞かされたせいか、ケネスに宮様の人柄を聞かされたせいかは判らないが、夜に宮様からまた散歩のお誘いがあった時に、亜美の中で応じる心構えが出来ていた。
◇◇◇
*ヒデ*
夜の散歩に亜美を誘った時には意気込んでいたが、亜美が素直に私の誘いに応じてくれたので、なにか殊更に言い訳をするのもおかしいようで、秀次としては何を話そうか迷っている。
「今日は晴れていたので、月が綺麗に見えますね。お月様は日本で見てもここで見ても同じなんでしょうね。そう考えるとなんだか不思議。」
秀次が黙っているので、さっきから亜美が話をしてくれている。
「…ケネスから少し聞きましたけど、ロザンナさんのご主人はどんな方だったんですか?」
そう質問されてびっくりした。
「ケネスが、昨日のことを亜美さんに話したんですか?!」
「ええ。顧客情報を漏らすのはしてはいけないことだと重々承知の上、宮様のことを思うと黙っていられなかったんですって。怒らないであげてくださいね。」
「とんでもないっ。今はケネスにキスをしたい気分ですよ!」
秀次とあのいかついケネスが抱き合ってキスをしているところを想像して、亜美は笑いが止まらなくなったようだ。
遠慮がちに声を殺して、クスクスと笑っている。
これからのことを考えると、この際スッキリと誤解を解いておくべきだなと秀次は思った。
もう少しロザンナとのことを話しておいた方がいいだろう。
「亜美、ロザンナとは何でもないんですよ。若い頃の淡い初恋だったというだけです。」
「…でも宮様はまだロザンナさんのことを、忘れてはいらっしゃらないでしょ?」
「そうですね。学生時代のロザンナのことは覚えています。しかし、昨日会った彼女は学生時代とは全くの別の人でした。逞しい田舎の大農家の奥さんでしたよ。」
「そうなんですか…。」
「そうなんです。まだお互いをよく知らないので、わたしのことをわかってはいらっしゃらないでしょうが、私は他に心を残している人がいるのに、貴方にプロポーズをするような人間ではないですよ。それだけはわかってください。本当に何年ぶりかに好ましいと思う方が現れた。その人が后になれる資質を十分に持っている方だったので、ついつい先走りしてプロポーズをしてしまったんです。それに仕事を探していると仰ってたでしょう。皇太子妃を職業と捉えて就職を考えて下さらないかなとも思いました。」
「職業…ですか?」
「ええ。私は天皇という身位を天が私に与えた、尊い職と考えています。一般の方で知っておられる方は少ないでしょうが、天皇は伝承の役目があるのです。農業・神職が大きな仕事ですが、皇后は蚕の養蚕・機織りなど古の日本人が営んできた生活の伝承の役目を持っているのです。ここが征服をもって統べる西洋などの他国の王族とは違う部分なのです。中世の日本では天皇の政治力などは形骸化していました。それでも細々とでも天皇家が続いてきたのは、この伝承の役目を背負っていたからなのではないかと考えます。私は、天照皇大神から続いてきた日本の芯なる系累としてこの役目を果たしていきたいと願っているのです。」
「そうなんですか。天皇家というのは、王族とはだいぶ違うんですね。宮様のお話からは、むしろ歌舞伎の家や技術を持った匠のような伝統伝承の部分が強いように感じました。それは繊細な、壮大な時を繋ぐお仕事のように思えます。」
「ええ、皇太子妃というのはそのような役柄なのです。そういう伝承を粛々と遂行できる人柄をも具え、私の好みにも合う方というのはなかなかいらっしゃらないのです。后という意味で私が求めていたことは、毎日を共に穏やかに過ごすことが出来て、一緒にいて楽しい人、そして何より私が抱きしめたい人を探していました。」
「…………………………。」
「この全部の条件を満たすのが、亜美、貴方なのです。どうかもう一度私とのことを考え直してくれませんか?」
亜美は黙ってしばらく考えていた。
ああ、なんとか亜美に決心して欲しい。
秀次はあらゆる神、皇祖に祈る思いだった。
「そんな重要な役割が私に果たせるとはとても思えません。宮様は本当に……私が適任だと思われるんですか?」
「あなたなら皇太子妃の仕事ができると思います。もちろん私が全面的にバックアップします。そして、私は仕事ではない日常の日々もあなたと一緒にいたい。生涯を共に過ごしたいと思っています。」
秀次が心を込めて亜美に話すと、亜美は苦しそうな顔をした後で、瞼を閉じてひとしきり思い悩んだ末に、どこか吹っ切ったように目を開いた。
「わかりました。宮様とのことを…考えてみます。」
「本当ですか?! …ああっ、亜美。嬉しいです!」
秀次は思わず亜美に飛びついてしまった。
こんな興奮は生まれてきて初めて感じた。
腕の中に抱きしめた亜美が愛おしくてたまらない。
いつまでもこうして2人でいたい。
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