神社のゆかこさん

秋野 木星

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第二章 ゆかこさんの一年間

コスモス

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 気持ちのいい朝です。

境内から駆け出したゆかこさんは両手を上にあげて深呼吸をしました。

「いい風っ。いい空気。秋がやって来たわね!」

そうですね、ゆかこさん。空が高くなりました。うろこ雲が出てますよ。

涼しい風がゆかこさんの頬をなでていきます。


「ふふ、こういう日は空を散歩しなくっちゃ。」

ゆかこさんは高くなった空に向かってスーッとあがっていきました。

眼下には緑豊かな町が見えます。学校のチャイムが小さく聞こえてきました。

「あら、あのピンクの畑は何かしら?」

ゆかこさんは山のふもとの畑に向かってビューンと飛んでいきました。


「すてきすてき。コスモス畑だわっ。」

ゆかこさんは秋風と一緒になって、さわさわとコスモスの花を揺らしていきます。

背の高いコスモスの花が嬉しそうに風を受けています。

丸いつぼみで手を叩いているコスモスもいましたよ。

ゆかこさんは両手に一杯コスモスの花を摘んで、再び空高く舞い上がりました。


小学校の校庭では体育の授業をしているようです。

バトンを持って真剣な顔をして、ヨーイドンで走り始めました。

ゆかこさんが空から応援します。

「頑張れみんなっ。わー、あの子は早いわね。」

一人の子が素晴らしいスピードでコーナーを駆け抜けていきます。

ゴールテープを切った顔は誇らしく輝いていました。


ゆかこさんは嬉しくなって持っていたコスモスを空からき散らしました。

コスモスの花はくるくると風車のように回りながらみんなの上に落ちていきます。

わーーーっという歓声が校庭にひびきました。

みんなが空を見上げたので、ゆかこさんは走って見せました。


空中を何処までも翔けていくゆかこさんに子ども達のにぎやかな応援の声が届きましたよ。
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