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第一章 ガルディア都市
異世界人の孫
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騎士団長との話が終わり部屋から出ると不意にカナリアが話しかけてくる。
「アリア、あなた無茶だとわかっていたのにもかかわらずまだ救おうと考えていたのね」
その声は静かであったが私を見上げる悲痛な顔までは隠しきれてはいなかった。
「ああ できることなら助けたかった」
「無理ですわ。あなたが死ぬのは目に見えているのよ」
「やはりカナリアからみてもそう思うか……」
「私もできることならなんとかしてあげたいけど…… 相手が悪すぎます」
結果的にあの場所には騎士団の最高戦力が揃っていることになっている。 そこでそのような上の命令を無視した行動をしてしまったらよくて職を失い、下手すれば死罪は免れないだろう……
「アリア…… あなたとは長い付き合いですが死に急ぐのはまだ早いわ…… あなたが守るべき者がいる限り今は死ねないのでしょう?」
私とカナリアは四年前からの騎士団の同期であり、お互いの事は色々と知っている。
カナリアはこの大陸戦争で姉を失っている。 カナリアの姉は二年前にガルディアンナイトに所属移籍され、前線で戦い敵の攻撃魔法に貫かれて亡くなった。
その当時も隊長であったカナリアと私は遺体処理のため騎士団の遺体安置所にいたが、カナリアの姉が転送されてきたときにカナリアはひどく動揺し、二つに分かれた姉の体に泣きながら延々と回復魔法をかけていた……
昨日まで当たり前の様に話していた人物が次の日は帰らぬ人になることは珍しくなかった。 これが戦争なのだと認識させられ、同時に戦いの意味を見出せなくなっていった。
わずかにだが、カナリアの肩は震えている。
トラウマはそう簡単には消えない。
「ああ」
「あなたの正義感は立派だわ…… ただあなたが亡くなったら悲しむ人がいることを忘れないで」
強い口調で目元に涙を溜め言い放つカナリアはふいっと踵を返して、自分の部署に戻って行った。
しばらくその小さい背中を見送り、私も第一部隊の部屋に戻った。
ガチャリと部屋を開けあたりを見渡すと、セレス、カナン、ジャスティン、パトラが椅子に座って待っていてくれた。
「隊長! なにがあったのですか?」
席を立ったカナンが緊迫した面持ちで聞いてくる。私は事のあらましをかいつまんで話すことにした。
「セーブザガーディアンの所を出てすぐにですか…」
「完全に敵の警告でしょう兄様」
「視察申請書はもらってきているから近いうちに捜査できるだろう、だが相手もその動きは読んでるとみたほうがいいな」
なにかしら今回の襲撃で対策を向こうはしてきていると考えてよいだろう。
「それと、明日の午前中は私は特別依頼が出てるから任務には参加できない」
「……勇者の儀ですね」
「知っていたのかセレス……」
私は一言も話していなかったのだが…… カナリア辺りが教えたのだろうか……
「明日は勇者召喚が行われる。 各隊長はその式典に参加するのが決まっていてお前たちは王宮周辺の警護が明日の任務だ」
「「「「はい」」」」
「それと当初の予定通り今日の午後からは武器の新調にとある店にむかうから早めに食事をすませておこう。 あそこの店主は気まぐれで店を閉めてしまうからな」
軽く食堂で食事をすませた私たちは都市の南区にあるとある武器店へとやってきていた。
そしてこの武器店に入るには私だけが知るとある仕掛けが必要になる。
「おっ アリアさんいらっしゃーい! 今日は騎士の皆もつれてきてくれたんだね」
「やぁターナーさん久しぶりだね、今日は色々と武器を新調に来たよ」
このとある武器店は看板を出しておらず、普通の家と変わらない店構えなのだが、私は昔からお世話になっている。
そしてここの店主である ターナー=タチバナは異世界人の孫である。
「ターナーさんの作った武器は頑丈でとても軽いんだ。 飾りが少ないのも特徴なんだが使い勝手がよく私はそこが気に入っていてね」
ターナーさんの作る武器には装飾がないのが多く、その分威力を上げていたり、追加効果を付加したりと、実践向けになっている武器やマジックアイテムが多い。
「やーそんなに褒めてもらっても十パーセントしかまけないですよー」
すごく嬉しそうなターナーさんは黒髪短髪で頭にオレンジのバンダナを巻いていて少し汚れている作業着に身を包んでいる。
「すごいっすねこの盾まったく重くないっす」
「ああ、この槍もだ…… だがこんなに軽くて威力は低いんじゃないのか?」
「あー重力軽減のマジックアイテムが内蔵されてるから軽く感じるのであってそれを付加してない同じものがこれですよ」
ターナーさんがカナンに同じような槍を手渡す。
「ぐっ!?! なんだこれは…… 本当に同じ槍なのか……」 あまりの重さに震える足を運び、槍を立てかけるカナン。
「あははやっぱりびっくりするよねぇー普通は重くて持てないからさ」
弾んだ声で嬉しそうに言うターナーさん。 パトラも弓を眺めて使いやすいとはしゃいでいた。
「おっとそういえば、頼まれていたマジックアイテムができたからアリアさんに渡しとくよー」
「本当ですか! 助かります色々装備するのにも限りが今まであったので」
「兄様は何を頼んでいらしたのですか?」
「ああ、次元収納だよ」
次元収納は高位の空間魔法でその名の通り異空間に物を収納、取り出しができる。この収納のマジックアイテムはターナーさんが元々持っていたマジックアイテムの一つだったものだ。
これを改良し手を加えたものをお願いしていた。
「今回は指輪に込めてみたのでそれをつけてる間次元収納ができますよ」
異世界人は特殊な能力を持ってることが多い。ターナーさんの祖父にあたる人物がその前回の勇者にあたる人物で、ターナーさんは【武器創造】の力を遺伝で受け継いでいる。
なぜこんな見つからないような場所で武器を作ってるのかというと、その強すぎる力は様々な事に利用されがちだからだ。 ターナーさん自身も争いは好きではなく普段は見つからないように擬態してまで隠れて生きている。 ターナーさんが武器を売るのはその人柄を判断され、悪用しない人に限るのだ。
私は昔、ターナーさんの命を救ったことがあった。その力を知った盗賊にさらわれていた現場を巡回任務でまわっていたところを発見し、捜索し盗賊達を討伐した。
ターナーさんに手渡された指輪を右手に着ける。手をかざすと空間が歪むのが分かった。この次元収納は自分が取りたいものを取ることができる。歪んだ空間に手を入れ中から一本の剣を取り出した。
「ほんとに出てきたっす」
「すごいすごい! 空間魔法私も覚えたいんだけど才能がないからなぁ」
「でも次元収納は完璧ではないので、入れられるものも本来の次元収納とは違い十個までです」
「それでもすごく便利なことには変わりはないよ。 ありがとうターナーさん」
「喜んでもらえてなによりですよ」
「それとターナーさん、これは騎士団の機密事項なんだが私は異世界人の孫である君に少しそのことで話があるんだ」
一瞬ターナーさんの眉根に皺が寄る。
「わかりました…… それでは奥にどうぞ」
「少し待っていてくれ皆」
「「「「はい」」」」
ターナーさんに連れられ店の奥に行く。ここなら隊員達にも話を聞かれることはないだろう。
奥の部屋は工房になっているらしく、様々な工具が並んでいる。
「話とはなんでしょう?」
不安な面持ちでターナーさんは答える。
「これは騎士団の機密事項で他言無用の話だ。 だが君は異世界人の孫でありこの話を知るべきだと思った」
「その機密とはいったい……」
「明日勇者召喚が極秘に行われる」
「!?!」
驚きに目を丸くするターナーさん。
「君は君の祖父から祖父が召喚された勇者召喚の話は聞いているね」
「ええ、戦争が激化するのですか」
「ああ、間違いなく激化するだろう。 そして異世界人は強大な力を持って召喚される。 君がその力について知っていることはないか? それと最近この周辺でどうにも怪しい動きをしている連中がいるくれぐれも気を付けてくれ」
「その力については祖父のことしかわかりませんが、なんでも祖父は【鑑定】と【武器創造】を持っていました。その力はやはりほかの方よりも強い力であると考えたほうがいいです。それとこの周辺の貧民街が危ないのは最近薄々感じていました。助けてもらった命ですからより一層認識阻害や一時的に身を隠すことにしますね」
「ああ、くれぐれも気をつけてな」
「はい、ありがとうございます」
それぞれ買いたい武器を買って店を後にする。散々性能を比べたり悩みすっかり外は暗くなりつつあった。
「いい買い物したっす!給料三か月分消えたけど文句はないっす!」
「お前大丈夫なのか!?」
カナンは呆れてジャスティンに話す。
ジャステインはとてもあの武器店が気に入ったのだろう色々と買っていた。私もつられて沢山武器を購入し、次元収納に突っ込んでいた。
今回ジャスティンは盾とちいさなマジックアイテムを購入し、カナンは槍を、パトラは弓を、セレスは杖を購入していた。
どれもちまたで買えば相当な値段になりえる一級品の武器は比較的良心的な値段で売られていて、給料がそんなに高くない騎士団でもそれなりに買える値段だったのが大きいだろう。
「今日はここで解散にする。 明日は周辺警護をしっかり頼むぞ」
「「「「はい」」」」
皆と別れセレスと二人帰路につく。
「あのお店は認識疎外がかかってたみたいですが…… なぜ兄様はわかっていたのですか?」
「ああ、前に持たされていたこのマジックアイテムのおかげだな、店の場所だけわかるようになってるんだ」
セレスに黒い艶のある小さな石を手渡す。
「綺麗な石ですねこれにそんな効果があったなんて…… これにも認識疎外がかかっているんですね」
「ああ…… 持っていないと普通に石としか見えなくなるからね落としたりしたら大変なんだよ」
「それは怖いですね、ありがとうございます」
セレスが手渡すときに落とすんじゃないかとハラハラしたがそんなことは起こらなかった。
「アリア、あなた無茶だとわかっていたのにもかかわらずまだ救おうと考えていたのね」
その声は静かであったが私を見上げる悲痛な顔までは隠しきれてはいなかった。
「ああ できることなら助けたかった」
「無理ですわ。あなたが死ぬのは目に見えているのよ」
「やはりカナリアからみてもそう思うか……」
「私もできることならなんとかしてあげたいけど…… 相手が悪すぎます」
結果的にあの場所には騎士団の最高戦力が揃っていることになっている。 そこでそのような上の命令を無視した行動をしてしまったらよくて職を失い、下手すれば死罪は免れないだろう……
「アリア…… あなたとは長い付き合いですが死に急ぐのはまだ早いわ…… あなたが守るべき者がいる限り今は死ねないのでしょう?」
私とカナリアは四年前からの騎士団の同期であり、お互いの事は色々と知っている。
カナリアはこの大陸戦争で姉を失っている。 カナリアの姉は二年前にガルディアンナイトに所属移籍され、前線で戦い敵の攻撃魔法に貫かれて亡くなった。
その当時も隊長であったカナリアと私は遺体処理のため騎士団の遺体安置所にいたが、カナリアの姉が転送されてきたときにカナリアはひどく動揺し、二つに分かれた姉の体に泣きながら延々と回復魔法をかけていた……
昨日まで当たり前の様に話していた人物が次の日は帰らぬ人になることは珍しくなかった。 これが戦争なのだと認識させられ、同時に戦いの意味を見出せなくなっていった。
わずかにだが、カナリアの肩は震えている。
トラウマはそう簡単には消えない。
「ああ」
「あなたの正義感は立派だわ…… ただあなたが亡くなったら悲しむ人がいることを忘れないで」
強い口調で目元に涙を溜め言い放つカナリアはふいっと踵を返して、自分の部署に戻って行った。
しばらくその小さい背中を見送り、私も第一部隊の部屋に戻った。
ガチャリと部屋を開けあたりを見渡すと、セレス、カナン、ジャスティン、パトラが椅子に座って待っていてくれた。
「隊長! なにがあったのですか?」
席を立ったカナンが緊迫した面持ちで聞いてくる。私は事のあらましをかいつまんで話すことにした。
「セーブザガーディアンの所を出てすぐにですか…」
「完全に敵の警告でしょう兄様」
「視察申請書はもらってきているから近いうちに捜査できるだろう、だが相手もその動きは読んでるとみたほうがいいな」
なにかしら今回の襲撃で対策を向こうはしてきていると考えてよいだろう。
「それと、明日の午前中は私は特別依頼が出てるから任務には参加できない」
「……勇者の儀ですね」
「知っていたのかセレス……」
私は一言も話していなかったのだが…… カナリア辺りが教えたのだろうか……
「明日は勇者召喚が行われる。 各隊長はその式典に参加するのが決まっていてお前たちは王宮周辺の警護が明日の任務だ」
「「「「はい」」」」
「それと当初の予定通り今日の午後からは武器の新調にとある店にむかうから早めに食事をすませておこう。 あそこの店主は気まぐれで店を閉めてしまうからな」
軽く食堂で食事をすませた私たちは都市の南区にあるとある武器店へとやってきていた。
そしてこの武器店に入るには私だけが知るとある仕掛けが必要になる。
「おっ アリアさんいらっしゃーい! 今日は騎士の皆もつれてきてくれたんだね」
「やぁターナーさん久しぶりだね、今日は色々と武器を新調に来たよ」
このとある武器店は看板を出しておらず、普通の家と変わらない店構えなのだが、私は昔からお世話になっている。
そしてここの店主である ターナー=タチバナは異世界人の孫である。
「ターナーさんの作った武器は頑丈でとても軽いんだ。 飾りが少ないのも特徴なんだが使い勝手がよく私はそこが気に入っていてね」
ターナーさんの作る武器には装飾がないのが多く、その分威力を上げていたり、追加効果を付加したりと、実践向けになっている武器やマジックアイテムが多い。
「やーそんなに褒めてもらっても十パーセントしかまけないですよー」
すごく嬉しそうなターナーさんは黒髪短髪で頭にオレンジのバンダナを巻いていて少し汚れている作業着に身を包んでいる。
「すごいっすねこの盾まったく重くないっす」
「ああ、この槍もだ…… だがこんなに軽くて威力は低いんじゃないのか?」
「あー重力軽減のマジックアイテムが内蔵されてるから軽く感じるのであってそれを付加してない同じものがこれですよ」
ターナーさんがカナンに同じような槍を手渡す。
「ぐっ!?! なんだこれは…… 本当に同じ槍なのか……」 あまりの重さに震える足を運び、槍を立てかけるカナン。
「あははやっぱりびっくりするよねぇー普通は重くて持てないからさ」
弾んだ声で嬉しそうに言うターナーさん。 パトラも弓を眺めて使いやすいとはしゃいでいた。
「おっとそういえば、頼まれていたマジックアイテムができたからアリアさんに渡しとくよー」
「本当ですか! 助かります色々装備するのにも限りが今まであったので」
「兄様は何を頼んでいらしたのですか?」
「ああ、次元収納だよ」
次元収納は高位の空間魔法でその名の通り異空間に物を収納、取り出しができる。この収納のマジックアイテムはターナーさんが元々持っていたマジックアイテムの一つだったものだ。
これを改良し手を加えたものをお願いしていた。
「今回は指輪に込めてみたのでそれをつけてる間次元収納ができますよ」
異世界人は特殊な能力を持ってることが多い。ターナーさんの祖父にあたる人物がその前回の勇者にあたる人物で、ターナーさんは【武器創造】の力を遺伝で受け継いでいる。
なぜこんな見つからないような場所で武器を作ってるのかというと、その強すぎる力は様々な事に利用されがちだからだ。 ターナーさん自身も争いは好きではなく普段は見つからないように擬態してまで隠れて生きている。 ターナーさんが武器を売るのはその人柄を判断され、悪用しない人に限るのだ。
私は昔、ターナーさんの命を救ったことがあった。その力を知った盗賊にさらわれていた現場を巡回任務でまわっていたところを発見し、捜索し盗賊達を討伐した。
ターナーさんに手渡された指輪を右手に着ける。手をかざすと空間が歪むのが分かった。この次元収納は自分が取りたいものを取ることができる。歪んだ空間に手を入れ中から一本の剣を取り出した。
「ほんとに出てきたっす」
「すごいすごい! 空間魔法私も覚えたいんだけど才能がないからなぁ」
「でも次元収納は完璧ではないので、入れられるものも本来の次元収納とは違い十個までです」
「それでもすごく便利なことには変わりはないよ。 ありがとうターナーさん」
「喜んでもらえてなによりですよ」
「それとターナーさん、これは騎士団の機密事項なんだが私は異世界人の孫である君に少しそのことで話があるんだ」
一瞬ターナーさんの眉根に皺が寄る。
「わかりました…… それでは奥にどうぞ」
「少し待っていてくれ皆」
「「「「はい」」」」
ターナーさんに連れられ店の奥に行く。ここなら隊員達にも話を聞かれることはないだろう。
奥の部屋は工房になっているらしく、様々な工具が並んでいる。
「話とはなんでしょう?」
不安な面持ちでターナーさんは答える。
「これは騎士団の機密事項で他言無用の話だ。 だが君は異世界人の孫でありこの話を知るべきだと思った」
「その機密とはいったい……」
「明日勇者召喚が極秘に行われる」
「!?!」
驚きに目を丸くするターナーさん。
「君は君の祖父から祖父が召喚された勇者召喚の話は聞いているね」
「ええ、戦争が激化するのですか」
「ああ、間違いなく激化するだろう。 そして異世界人は強大な力を持って召喚される。 君がその力について知っていることはないか? それと最近この周辺でどうにも怪しい動きをしている連中がいるくれぐれも気を付けてくれ」
「その力については祖父のことしかわかりませんが、なんでも祖父は【鑑定】と【武器創造】を持っていました。その力はやはりほかの方よりも強い力であると考えたほうがいいです。それとこの周辺の貧民街が危ないのは最近薄々感じていました。助けてもらった命ですからより一層認識阻害や一時的に身を隠すことにしますね」
「ああ、くれぐれも気をつけてな」
「はい、ありがとうございます」
それぞれ買いたい武器を買って店を後にする。散々性能を比べたり悩みすっかり外は暗くなりつつあった。
「いい買い物したっす!給料三か月分消えたけど文句はないっす!」
「お前大丈夫なのか!?」
カナンは呆れてジャスティンに話す。
ジャステインはとてもあの武器店が気に入ったのだろう色々と買っていた。私もつられて沢山武器を購入し、次元収納に突っ込んでいた。
今回ジャスティンは盾とちいさなマジックアイテムを購入し、カナンは槍を、パトラは弓を、セレスは杖を購入していた。
どれもちまたで買えば相当な値段になりえる一級品の武器は比較的良心的な値段で売られていて、給料がそんなに高くない騎士団でもそれなりに買える値段だったのが大きいだろう。
「今日はここで解散にする。 明日は周辺警護をしっかり頼むぞ」
「「「「はい」」」」
皆と別れセレスと二人帰路につく。
「あのお店は認識疎外がかかってたみたいですが…… なぜ兄様はわかっていたのですか?」
「ああ、前に持たされていたこのマジックアイテムのおかげだな、店の場所だけわかるようになってるんだ」
セレスに黒い艶のある小さな石を手渡す。
「綺麗な石ですねこれにそんな効果があったなんて…… これにも認識疎外がかかっているんですね」
「ああ…… 持っていないと普通に石としか見えなくなるからね落としたりしたら大変なんだよ」
「それは怖いですね、ありがとうございます」
セレスが手渡すときに落とすんじゃないかとハラハラしたがそんなことは起こらなかった。
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