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第二章 アルテア大陸
side オクムラタダシ ~勢力拡大~
しおりを挟む「さぁ、集まったようだし、これからについて話をしておこう」
そう切り出したのは、今回の首謀者でもあり、僕達が従うべき人、アルバラン=シュタイン。
僕達は今、王宮の会議室に集められている。
大きな円卓の大理石のテーブルに、一番上座にあたる席に座るのが、金色のオールバックの髪で銀色の眼鏡をかけたアルバラン=シュタイン。
その右隣には、黒いフルプレート姿、大きな体で腕組みをして座っている、ユーアール=ガルブエリ。
アルバランの左隣に座るのは、金色の髪を束ねた花魁のような姿の妖狐、エイシャ。
そのユーアールの隣に座るのは、病弱な顔をしていて今にも倒れそうな痩せたエルフ、ジェダイ=ウォーダン。
エイシャの隣には、あの時に洗脳した婆さん、ドンナム=イルレシアだったか。
その婆さんの隣に薄気味悪い笑みを絶やさない茶髪のエルフ、ドルイド=アンダーソン。
ドルイドの隣は名前もわからない黒いフードを深くかぶっている人物でこちらからは顔も見えない、その隣に僕が座っていて、その右隣も2席空席になっている。
それがこの円卓のテーブルを挟んで座っている人物の内容だった。
「まずは、皆ご苦労だった、予定外のことがあったが、おかげで順調に進んでいるよ」
皆静かに話を聞いているようだ。
「ここにも本来ならば来る予定だったテオは、残念ながら別の件に移ってもらって出席はしていない」
かちりと眼鏡をあげる音がやけに響く。
「そのテオの代わりと言ってはなんだが、新しくドンナムとジェダイが完成させた彼女が仲間になる、皆よろしくやってほしい」
何を完成させただと…
人なのか…
「入りなさい」
ガチャリと部屋に入ってくるのはただの幼い少女… ではなかった。
顔は金色の長い髪に、顔はかわいい顔をしているが、体がおかしかった。
足は人間のモノではなく蜘蛛のような、鋼鉄のような足が8本。
腕は普通に人間だが、背中にはドラゴンのような翼が生えており、額から生える2本の角が人間ではないことを実感させる。
なんだこれは…
「お初になるわね、なるかしら、人造キメラのヘンリエッタよ」
人造キメラ…
これが…
「素晴らしい出来だな、ジェダイ、彼女はちゃんと意思を持っているのか?」
「ええ、今までで最高の出来がデキマシタ。思考がアル究極の肉体を持ったキメラ、残虐姫ヘンリエッタ」
可愛い顔をしているが、目は赤く、見ていると震えが出てくる。
そのヘンリエッタがキチキチと足を鳴らして、こちらに歩み寄る。
顔を覗き込むようにじろりと眺められ、にやりと笑う。
「あなたはいい声で鳴いてくれそうね」
なんだ…
こいつ…
「ヨセ、ヘンリエッタ、彼も仲間だ」
「クスクス、はーい」
ジェダイが止めてくれなかったらどうなっていたか、考えたくもなかった。
スッとヘンリエッタが僕から離れると汗が止まらなかった。
はっきりと感じる生存本能があげる恐怖。
強くなったはずなのに勝てるビジョンが見えない…
「さあ、これでアルテアにいるダルタニアンを除いて全員集まったわけだが、これから諸君には各々動いてもらうことにするよ」
アルバランが話を元に戻したようだ…
「余計な者はいなくなったわけだから、これからは私がこの国の国王として君臨する。既に他の者にも手を回しているので明日には知れ渡ることになろう」
ここ最近の動きでガルディア都市内は完全に支配下に落ちた。
「そして、今までのぬるいやり方ではなく、本格的に領土を拡大するため、各大陸に宣戦布告を開始する」
この宣戦布告でこの世界『グランディア』は戦乱の業火に見舞われるだろう…
しかし仕方のない事だ、終わりを迎えなければこの戦争は終わらないのだから…
「楽しくなってきよったのう」
「これだから戦バカハ…」
「そして、手始めにまずはこの大陸、ガルド大陸を完全に我が物とする為、周辺の村を戦力に取り組むぞ、ドンナムは商人を、オクムラ、ユーアールは南東の村を、ジェダイ、ヘンリエッタは南西の村を、エイシャは北の村をそれぞれ担当してくれ、従がう者には隷属を、反抗する者には死を持って事を成せ」
「「「「「ハッ!」」」」」
「それが完了次第、各大陸に攻め込むぞ、全て根絶やしにする、おっと、言い忘れていた、能力者は殺すな、生かして捕らえて私の前に連れてこい、利用価値があるからな」
なぜ…能力者を狙っている…?
「ん? オクムラ不安か?」
「い、いえ」
「安心しろお前は私達の大切な仲間だ、お前の次の作戦が成功した暁には、…タムラユウキ…だったか、その者をこちらの世界に転生させてやろう」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ、私は嘘をつかない男だ、任せておけ」
…ようやく
ようやく会うことができるのか…
「頑張って任務を全うしてみせます!」
「ああ、頑張ってくれたまえ」
この世界に来てよかったと心から思える。
僕は君に会うためなら修羅にだってなれるさ…
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