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第二章 アルテア大陸
侵入計画
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大きめの簡易テントの中私達はキルアさんの兄であるガイアスさんを助けるため、計画を練っていた。
この大きめのテントは王族軍の方達が運んで建てたもので、避難してきた住人たちが共同で暮らしていて、あちこちにこの大きなテントは見られた。
この村の名前はナウル村、首都アルタからは距離にして馬車や竜車で1日、徒歩で2日の距離にある場所だ。
元々首都アルタに次ぐ大きめの村として、ここが今の最終防衛ラインとなっていた。
元々ここに住んでいた多くの獣人達と避難してきた獣人達が過剰に溢れ、住む場所が足らず簡易のテントをいくつも並べ、食料も減少の一途をたどっているのだそうだ。
テントの中はただ雨風を凌げる簡素な作りになっていて、今はテーブルが運び込まれ、ランプの灯りだけが仄かに灯る。
「まずは、奪還は最小限の人数で行くこととする」
そう声をかけたのはシェリアの父親である、ゴートン=バーン=アルテア。
私達はその奪還の計画を立てるため、テーブルに地図を広げ、それを囲むように、ゴートン、私、シェリア、マーキス、アイン、カイン、キルア、ロズン、そして王族軍警護兵士の犬の獣人ホーソンがそれを眺めているところだった。
「ここにガルディアの兵達が来られたら終わりなのはわかっているなキルアよ」
「わかっております」
「奪還の為に多くの戦力は投入できん、ここの守りを強化し、次に備えなければならんのでな」
ここには逃げ延びた人達や元々いた人が多く住んでいる村だ。
次また攻め入られることになったら移動して逃げることは確実に困難を極める。
「そして奴らはこの運河は超えては来られないはずだ、絶対に迂回してくる」
地図を眺めるとここから首都アルタまで最短距離は複雑な森と大きな運河が隔てているらしく、どうしても迂回する必要があるらしい。
通常は橋が架かっていたらしいのだが、首都アルタを奪われ、逃げる際にすぐに追ってこられないように橋は落としたとカインが言っていた。
「そしてガルディアンナイトは重装備をした者が多い、行軍には最低でも1週間はかかるはずです」
何度か目にしたことのあるガルディアンナイトの情報。
この大陸は舗装されている道は少なく、ぬかるむ路面は行軍の際かなりの進行の妨げとなるはずだ。
「情報感謝するアリア殿、その前にできることはしておきたい、ロズン殿とホーソン殿は住民達と協力し、罠の設置と村の建物の強化を頼めるか」
「任せてください」
犬の獣人であるホーソンさんは胸をたたき、真剣な目で答えた。
「仕方ねぇ、少人数の作戦だからな」
ロズンさんは頬をかき、頷く。
「しかし私達も迂回しなくてはたどり着けないとなると時間がかかってしまうな…」
処刑は3日、迂回して進むとなるとかなり急いだとして間に合うかどうか…
「その点は問題ない、私は飛べるからな、複数は無理だが一人ずつなら抱えて運河を超えられる」
キルアさんはバサリと茶色い翼をはためかせ答えた。
「奪還には敵の情報に詳しいアリア殿、キルア、アインとカイン、マーキスに行ってもらうことにする」
「お父さん!!私も行きます!」
「ダメだ、シェリア、お前は戦えないだろう、足手まといになるだけだ、儂とここに残り戦況を…」
「あの頃とは違います、私はただ守られるだけの女じゃありません!」
キッとゴートンさんを睨み、次元収納から剣を取り出すシェリア。
「シェリア、その能力はなんだ!?」
ゴートンさんは驚きに目を見開き、驚愕の顔を向けている。
キルアさんやホーソンさん、ロズンも突然次元収納から出てきた剣に驚いているようだ。
「お父さん、いえ、王よ、私と戦ってください、私が本気で強くなったと証明します」
「本気で言ってるのかシェリアよ」
「はい、私はいつでも本気です」
「 …よかろう、手短にすます、儂が認めなかったら残ってもらうからなシェリア」
「ええ、わかっています」
「すまないが席を外す、後は任せるぞキルア」
「はい、お任せください」
席を立ったゴートンさんはテントから出ていき、後を追うようにシェリアもテントから出て行った。
「気の強い王女さんだな」
マーキスさんがぼそりと言葉を漏らす。
「私は嫌いではないぞ、同じ女として共感できる」
キルアさんは頷いている。
「僕とロズンさんはこれから住民たちと建物の強化について話し合いに行きますので、頑張ってくださいね、健闘を祈っています!」
「別行動だが、無事に戻ってきてくださいよ!兄貴!」
ホーソンさんとロズンさんも話し合いに行くためにテントから出て行った。
「さて、首都アルタに入ってからの動きを確認しておこう」
キルアさんは置いてある荷物の中から別の地図を取り出し、地図の上に広げて見せた。
「これが首都アルタのおおまかな内部地図だ」
ランプを近づけ、地図を見ると首都アルタは中央に大きな塔が聳え立ち、その周辺を囲むように家々が連なる都市の作りをしていた。
都市の内部は水路が巡っているようで、なかなかに複雑な地形をしている。
「おそらくガイアスはこの中央の塔に監禁されているだろうな」
「ああ、そこが一番攻めるには難しい場所だ」
「おそらくガルディアンナイトの部隊もそこに集中してるだろう」
示す塔の最上階を指差すキルアさんは険しい顔で答える。
「どうにかして塔からの警戒をそらす必要があるな…」
「陽動作戦か…」
「面倒くさいな、正面から行こうぜ」
「馬鹿野郎、カイン、考えが安直すぎだ」
警戒されている塔は中央にあり、闇雲に正面突破しても、簡単に道を塞がれ、その数の暴力によって潰されてしまうだろう。
どうやら塔への入り口は2か所あるらしく、キルアさんがその入り口に印をつけていく。
この二つしかない入り口からどうやって侵入するかだ。
あーでもないこうでもないと色々案は出てくるがなかなか最適なものは見つからず困難を極めた。
他にも道はないか入念に探してみるものの結局この入口の警備をなんとかしないと行けなさそうだ。
あとは生活排水の水路があるだけで、周辺の家から飛び移ろうかとも考えたが距離が離れすぎているのでその案は使えなかった。
まてよ…
この水路はどこに繋がってるんだ…
「少しいいかな、この水路はどこに繋がってるんだ?」
都市の中を張り巡るように作られている水路の先が気になった。
「む、この水路はサルク運河に最終的には繋がっているな」
サルク運河とはさっきの地図にもあったあの大きな運河の事だろうか。
なら好都合じゃないか。
「運河を決壊させ、都市に大量の水を流し込むんだ」
「なるほどな… それなら修復や混乱で塔から騎士が出てこざるを得ない状況を作れる」
「たしかにこの作戦なら敵の戦力を分散できますね」
キルアさんとアインがほぼ同時に答えた。
「だが、全員が全員そっちに行くとは限らないだろ、俺みたいに罠だと感づく者もいるはずだ」
カインが的確にこの短所をついてくる。
そう、まだ足らないのだ。
「そうだ、だから敵を誘導し、引き付ける役目を持つ人が必要になる」
この中で的確に役目をこなせるとしたら…
「そうか、兄を捕らえられた私はその囮に都合がいいな、敵には元騎鳥軍の者もいる。確実に敵の目を引き付けることだろう」
「すまない、囮なんて危険な役を… だが…」
「わかっている、この方法が一番効率的だ、必ずガイアスを助け出してくれよ」
「…ああ、約束しよう」
「安心しな、アリア、俺がキルアさんの護衛も兼ねるこっちは任せておけ」
「マーキスさん、…ありがとう」
戦力的には勇者であるマーキスさんも含めてだいぶ時間を稼げるはずだ、塔の侵入は私とアイン、カイン、そこに説得しているであろうシェリアも加えれば申し分ない。
「決行は明日にしよう、運河を超えていけるなら十分間に合うはずだ、今はそのためにも生気を養い、ゆっくり休むとしようじゃないか」
地図をくるくるとまとめてキルアさんは言う。
「うっし、俺らも戻って寝るぞ明日は早いんだ、ほら、ほら」
「おい、おっさん!押すなよ」
「子供扱いしないでください!」
マーキスさんに連れられ、カインもアインもそれぞれのテントに戻るようだ。
シェリアは果たして説得ができたのだろうか…
そんなことを考えているとふいにテントを打ち付ける雨音が聞こえ始めた。
「これは幸先がいいな、この雨で運河の水の量も増える」
ゴロゴロと雷が鳴っているようで、テントの隙間から土砂降りの雨が降るのが見えた。
バシャバシャと激しい音が響き、雷鳴が轟く。
するとバサリとテントに慌てて入ってきたのは雨でずぶ濡れになったシェリアだった。
「ひどい雨… もう…ずぶ濡れ」
雨を払い、濡れた服がぴっちりと張り付いていて、慌てて目を逸らしてしまう。
「シェリア、どうだったんだ?」
置いてあった布を渡し、あくまでも平静を装って答える。
「ありがとうございます、はい、同行してもよいと説得できましたよ」
シェリアは嬉しそうに耳をピコピコと動かした。
すっと手が伸びそうになったのを無理やり押さえつける。
危うく撫でるとこだった…
「?」
シェリアは首を傾げ、私を仰ぎ見る。
「王女、王から認められたのですね、嬉しいです、決行は明日となりましたので明日はよろしくお願いします!」
「キルアさん、王女なんて呼び方はしなくてもいいんですよ、気軽にシェリアと呼んでください」
「い、いえ、ですが」
「だめです、ほら、シェリアと」
「シ、シェリア… さ… ま」
「むぅ… 今はそれでもいいかな」
あははと苦笑いするシェリアだったが、気を取り直すと私に向き合い、拳を握りしめて微笑む。
「必ず助け出しましょうね、アリア様」
「ああ」
この大きめのテントは王族軍の方達が運んで建てたもので、避難してきた住人たちが共同で暮らしていて、あちこちにこの大きなテントは見られた。
この村の名前はナウル村、首都アルタからは距離にして馬車や竜車で1日、徒歩で2日の距離にある場所だ。
元々首都アルタに次ぐ大きめの村として、ここが今の最終防衛ラインとなっていた。
元々ここに住んでいた多くの獣人達と避難してきた獣人達が過剰に溢れ、住む場所が足らず簡易のテントをいくつも並べ、食料も減少の一途をたどっているのだそうだ。
テントの中はただ雨風を凌げる簡素な作りになっていて、今はテーブルが運び込まれ、ランプの灯りだけが仄かに灯る。
「まずは、奪還は最小限の人数で行くこととする」
そう声をかけたのはシェリアの父親である、ゴートン=バーン=アルテア。
私達はその奪還の計画を立てるため、テーブルに地図を広げ、それを囲むように、ゴートン、私、シェリア、マーキス、アイン、カイン、キルア、ロズン、そして王族軍警護兵士の犬の獣人ホーソンがそれを眺めているところだった。
「ここにガルディアの兵達が来られたら終わりなのはわかっているなキルアよ」
「わかっております」
「奪還の為に多くの戦力は投入できん、ここの守りを強化し、次に備えなければならんのでな」
ここには逃げ延びた人達や元々いた人が多く住んでいる村だ。
次また攻め入られることになったら移動して逃げることは確実に困難を極める。
「そして奴らはこの運河は超えては来られないはずだ、絶対に迂回してくる」
地図を眺めるとここから首都アルタまで最短距離は複雑な森と大きな運河が隔てているらしく、どうしても迂回する必要があるらしい。
通常は橋が架かっていたらしいのだが、首都アルタを奪われ、逃げる際にすぐに追ってこられないように橋は落としたとカインが言っていた。
「そしてガルディアンナイトは重装備をした者が多い、行軍には最低でも1週間はかかるはずです」
何度か目にしたことのあるガルディアンナイトの情報。
この大陸は舗装されている道は少なく、ぬかるむ路面は行軍の際かなりの進行の妨げとなるはずだ。
「情報感謝するアリア殿、その前にできることはしておきたい、ロズン殿とホーソン殿は住民達と協力し、罠の設置と村の建物の強化を頼めるか」
「任せてください」
犬の獣人であるホーソンさんは胸をたたき、真剣な目で答えた。
「仕方ねぇ、少人数の作戦だからな」
ロズンさんは頬をかき、頷く。
「しかし私達も迂回しなくてはたどり着けないとなると時間がかかってしまうな…」
処刑は3日、迂回して進むとなるとかなり急いだとして間に合うかどうか…
「その点は問題ない、私は飛べるからな、複数は無理だが一人ずつなら抱えて運河を超えられる」
キルアさんはバサリと茶色い翼をはためかせ答えた。
「奪還には敵の情報に詳しいアリア殿、キルア、アインとカイン、マーキスに行ってもらうことにする」
「お父さん!!私も行きます!」
「ダメだ、シェリア、お前は戦えないだろう、足手まといになるだけだ、儂とここに残り戦況を…」
「あの頃とは違います、私はただ守られるだけの女じゃありません!」
キッとゴートンさんを睨み、次元収納から剣を取り出すシェリア。
「シェリア、その能力はなんだ!?」
ゴートンさんは驚きに目を見開き、驚愕の顔を向けている。
キルアさんやホーソンさん、ロズンも突然次元収納から出てきた剣に驚いているようだ。
「お父さん、いえ、王よ、私と戦ってください、私が本気で強くなったと証明します」
「本気で言ってるのかシェリアよ」
「はい、私はいつでも本気です」
「 …よかろう、手短にすます、儂が認めなかったら残ってもらうからなシェリア」
「ええ、わかっています」
「すまないが席を外す、後は任せるぞキルア」
「はい、お任せください」
席を立ったゴートンさんはテントから出ていき、後を追うようにシェリアもテントから出て行った。
「気の強い王女さんだな」
マーキスさんがぼそりと言葉を漏らす。
「私は嫌いではないぞ、同じ女として共感できる」
キルアさんは頷いている。
「僕とロズンさんはこれから住民たちと建物の強化について話し合いに行きますので、頑張ってくださいね、健闘を祈っています!」
「別行動だが、無事に戻ってきてくださいよ!兄貴!」
ホーソンさんとロズンさんも話し合いに行くためにテントから出て行った。
「さて、首都アルタに入ってからの動きを確認しておこう」
キルアさんは置いてある荷物の中から別の地図を取り出し、地図の上に広げて見せた。
「これが首都アルタのおおまかな内部地図だ」
ランプを近づけ、地図を見ると首都アルタは中央に大きな塔が聳え立ち、その周辺を囲むように家々が連なる都市の作りをしていた。
都市の内部は水路が巡っているようで、なかなかに複雑な地形をしている。
「おそらくガイアスはこの中央の塔に監禁されているだろうな」
「ああ、そこが一番攻めるには難しい場所だ」
「おそらくガルディアンナイトの部隊もそこに集中してるだろう」
示す塔の最上階を指差すキルアさんは険しい顔で答える。
「どうにかして塔からの警戒をそらす必要があるな…」
「陽動作戦か…」
「面倒くさいな、正面から行こうぜ」
「馬鹿野郎、カイン、考えが安直すぎだ」
警戒されている塔は中央にあり、闇雲に正面突破しても、簡単に道を塞がれ、その数の暴力によって潰されてしまうだろう。
どうやら塔への入り口は2か所あるらしく、キルアさんがその入り口に印をつけていく。
この二つしかない入り口からどうやって侵入するかだ。
あーでもないこうでもないと色々案は出てくるがなかなか最適なものは見つからず困難を極めた。
他にも道はないか入念に探してみるものの結局この入口の警備をなんとかしないと行けなさそうだ。
あとは生活排水の水路があるだけで、周辺の家から飛び移ろうかとも考えたが距離が離れすぎているのでその案は使えなかった。
まてよ…
この水路はどこに繋がってるんだ…
「少しいいかな、この水路はどこに繋がってるんだ?」
都市の中を張り巡るように作られている水路の先が気になった。
「む、この水路はサルク運河に最終的には繋がっているな」
サルク運河とはさっきの地図にもあったあの大きな運河の事だろうか。
なら好都合じゃないか。
「運河を決壊させ、都市に大量の水を流し込むんだ」
「なるほどな… それなら修復や混乱で塔から騎士が出てこざるを得ない状況を作れる」
「たしかにこの作戦なら敵の戦力を分散できますね」
キルアさんとアインがほぼ同時に答えた。
「だが、全員が全員そっちに行くとは限らないだろ、俺みたいに罠だと感づく者もいるはずだ」
カインが的確にこの短所をついてくる。
そう、まだ足らないのだ。
「そうだ、だから敵を誘導し、引き付ける役目を持つ人が必要になる」
この中で的確に役目をこなせるとしたら…
「そうか、兄を捕らえられた私はその囮に都合がいいな、敵には元騎鳥軍の者もいる。確実に敵の目を引き付けることだろう」
「すまない、囮なんて危険な役を… だが…」
「わかっている、この方法が一番効率的だ、必ずガイアスを助け出してくれよ」
「…ああ、約束しよう」
「安心しな、アリア、俺がキルアさんの護衛も兼ねるこっちは任せておけ」
「マーキスさん、…ありがとう」
戦力的には勇者であるマーキスさんも含めてだいぶ時間を稼げるはずだ、塔の侵入は私とアイン、カイン、そこに説得しているであろうシェリアも加えれば申し分ない。
「決行は明日にしよう、運河を超えていけるなら十分間に合うはずだ、今はそのためにも生気を養い、ゆっくり休むとしようじゃないか」
地図をくるくるとまとめてキルアさんは言う。
「うっし、俺らも戻って寝るぞ明日は早いんだ、ほら、ほら」
「おい、おっさん!押すなよ」
「子供扱いしないでください!」
マーキスさんに連れられ、カインもアインもそれぞれのテントに戻るようだ。
シェリアは果たして説得ができたのだろうか…
そんなことを考えているとふいにテントを打ち付ける雨音が聞こえ始めた。
「これは幸先がいいな、この雨で運河の水の量も増える」
ゴロゴロと雷が鳴っているようで、テントの隙間から土砂降りの雨が降るのが見えた。
バシャバシャと激しい音が響き、雷鳴が轟く。
するとバサリとテントに慌てて入ってきたのは雨でずぶ濡れになったシェリアだった。
「ひどい雨… もう…ずぶ濡れ」
雨を払い、濡れた服がぴっちりと張り付いていて、慌てて目を逸らしてしまう。
「シェリア、どうだったんだ?」
置いてあった布を渡し、あくまでも平静を装って答える。
「ありがとうございます、はい、同行してもよいと説得できましたよ」
シェリアは嬉しそうに耳をピコピコと動かした。
すっと手が伸びそうになったのを無理やり押さえつける。
危うく撫でるとこだった…
「?」
シェリアは首を傾げ、私を仰ぎ見る。
「王女、王から認められたのですね、嬉しいです、決行は明日となりましたので明日はよろしくお願いします!」
「キルアさん、王女なんて呼び方はしなくてもいいんですよ、気軽にシェリアと呼んでください」
「い、いえ、ですが」
「だめです、ほら、シェリアと」
「シ、シェリア… さ… ま」
「むぅ… 今はそれでもいいかな」
あははと苦笑いするシェリアだったが、気を取り直すと私に向き合い、拳を握りしめて微笑む。
「必ず助け出しましょうね、アリア様」
「ああ」
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