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第二章 アルテア大陸
side シェリア=バーン=アルテア ~アルタの塔~
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アルタの塔と呼ばれるこの場所は、私達とは体の作りの違う鳥人が住んでいた場所だ。
鳥人とは、このアルテア大陸における30%の割合を占めていて、背中に翼のある、獣人から派生した種族。
身長が基本的に高く、アルテア大陸創設の王族の末裔とまで言われていて、皆誇り高い精神を持ち合わせている。
そんな誇り高い鳥人達は、裏切りなど絶対にない種族だったはずなのに、なぜこうも変わってしまったのだろうか…
父様のいるナウル村には同じように逃げてきた鳥人の人達もいた。
彼らがそんな家族を裏切ってまで、住む場所を奪ってまでしたかったこととはなんだったのだろう。
私は塔の天井を見上げながらそんなことを考えていた。
私達は2階層に辿り着くと待ち伏せしていた騎鳥軍の兵達と戦闘に入った。
この鎧の恩恵のおかげで風魔法が強化され、暴風魔法にまでなった私の魔法は、騎鳥軍の兵の魔法を寄せ付けず、一人また一人と倒していった。
すごい… ターナーさんの作ったものはちゃんと私達の力になってる… 戻ったら必ずお礼を言わなくちゃ…
上を見上げるとアリア様は高い身体能力を活かして壁を蹴り、宙に舞う。
まるで飛べているのだと錯覚してしまうほどに。
カインもアインも身体能力はすごいけど、アリア様はそれ以上…
私もいつかあんな風に強くなれたら…
戦闘は私達の勝利に終わり、再び私達は上を目指す。
でも、あまりにも上手く行き過ぎている気がする。
そんな心配が私の胸の中を駆け巡る。
ホントに彼らの実力はこの程度のものなんだろうか… 敵国を寄せ付けないと噂の騎鳥軍がこれだけのはずがない…
3階に辿り着き、様子を窺うとやけに静かなのが不安を搔き立てた。
「誰も… いない…」
また待ち伏せや兵士がここにもいるだろうと考えていたが、誰一人この階にはいない。
見渡すと、居住区が並んでおり、今は誰も住んでいないのか不自然なほど静かな景観だった。
「たしかにこの階に人は居ないみたいだな」
カインが目を閉じ、耳を澄まして音を探っている。
私よりも優れた聴力を持っているカインがわからないとなると本当にこの階にはいないみたい。
「罠… でしょうか」
「なんにせよ先に進むしかないな… そして次の階で一番上らしい」
上を見上げると吹き抜けの終わりに当たる場所がすぐそこには見えた。
この先に捕らわれているキルアさんのお兄さんが…
同じように壁にチェーンアームで突き刺しながら上に登っていく。
4階に皆がたどり着くと、そこには大きな武器を携えた巨躯の騎長軍の男が2人、その奥に鎖で雁字搦めになり、傷だらけになっているガイアスさんと思われる人が居た。
「ようやく登ってきたか… これだから翼を持たない者は…」
「兄者、そう無理を言うな、彼らも苦労して登ってきたのだろう」
「フン、弟よ、新たに貰ったこの力をようやく試す時が来たぞ」
「兄者、存分に見せつけてやりましょう、我らの力を」
兄と呼ばれる鳥人は2メートルを超える身長と筋肉がまるで寄せ集まった身体つきをしている。弟も同じように引き締まった筋肉と、鋼鉄の長い棒を振りかざしている。
これが本来の騎鳥軍騎士なのか。
じゃらりとガイアスさんの鎖が揺れ、ガイアスさんも騒ぎに気付いたようだ。
「おま… えら… 何モンだ…」
ひどい傷の具合だ。
顔は腫れあがり、体は裂傷の跡が絶えず、所々血が噴き出している。
「まだ生きているみたいだな、この死にぞこないが」
弟のほうがガイアスさんを睨み、吐き捨てるように言う。
「キルアさんに頼まれて来た! 助けに来たぞ!」
アリア様が声を張り上げ言い放つ。
「簡単に助け出せると思うなよ?」
兄の方は背中から大鎌を手に持ち、慣れた手つきで構える。
「ハイスピーダー、ハイオーバーパワー」
高度強化魔法!?、さっきまでの兵とはやはり格が違うみたい…
そして構えから、並々ならぬ気迫を感じる。
歴戦の戦士の様に、彼らは目前の私達を見据え、獲物を刈る野獣のような眼を向ける。
「鍵…は、…ダルタニアンが… 持っている…」
振り絞るように吐き出したガイアスさんの声は掠れていたが、しっかり聞くことができた。
鎖で雁字搦めになっているガイアスさんを見ると、強固そうな錠が嵌められていた。
「チッ… 余計なことを!!」
「グブッ…」
思い切り顔面を蹴られ、ぐらりとガイアスさんは倒れる。
ダルタニアンと呼ばれる人はどうやらこの場に居ないみたい… もしかしたらキルアさんの所に…
先にそっちに行ったほうがいいかもしれない。
この中で早く走れるのは私だ。
私が加勢に行くべきだろう…
振り向くとそんな考えをわかってくれていたのかカインもアインもアリア様も頷いてくれた。
幸いなことに、この塔には窓がある。
この距離なら行ける。
「行かせるわけないだろ!!」
一瞬翼を広げ、二人の鳥人の兄弟は驚くべき速さで、私の走る先を塞ぎにかかる。
「ぐぅ」
「ぬっ」
「「「お前らの相手はこっちだ」」」
振り返ると、アリア様は兄のほうを、カインとアインは二人係で弟を食い止めてくれた。
今のうちに!
窓を突き破り、塔からダイブする。
普通こんな高さから落ちたら命はない。
だけど、私は獣人で脚力も特化されていて、さらに暴風魔法を扱える。
くるんと宙返りして、タイミングを計る。
ここだ!!
「サイクロン!!」
ゴウという凄まじい暴風が地面に向かい押し出される。
びたりと下降していた体が一瞬風圧で止まる。
見事に縄無しバンジーを成功させた私は、そのまま水の滴る川のようになった都市を駆けていく。
これが私にしかできないことだ!!
鳥人とは、このアルテア大陸における30%の割合を占めていて、背中に翼のある、獣人から派生した種族。
身長が基本的に高く、アルテア大陸創設の王族の末裔とまで言われていて、皆誇り高い精神を持ち合わせている。
そんな誇り高い鳥人達は、裏切りなど絶対にない種族だったはずなのに、なぜこうも変わってしまったのだろうか…
父様のいるナウル村には同じように逃げてきた鳥人の人達もいた。
彼らがそんな家族を裏切ってまで、住む場所を奪ってまでしたかったこととはなんだったのだろう。
私は塔の天井を見上げながらそんなことを考えていた。
私達は2階層に辿り着くと待ち伏せしていた騎鳥軍の兵達と戦闘に入った。
この鎧の恩恵のおかげで風魔法が強化され、暴風魔法にまでなった私の魔法は、騎鳥軍の兵の魔法を寄せ付けず、一人また一人と倒していった。
すごい… ターナーさんの作ったものはちゃんと私達の力になってる… 戻ったら必ずお礼を言わなくちゃ…
上を見上げるとアリア様は高い身体能力を活かして壁を蹴り、宙に舞う。
まるで飛べているのだと錯覚してしまうほどに。
カインもアインも身体能力はすごいけど、アリア様はそれ以上…
私もいつかあんな風に強くなれたら…
戦闘は私達の勝利に終わり、再び私達は上を目指す。
でも、あまりにも上手く行き過ぎている気がする。
そんな心配が私の胸の中を駆け巡る。
ホントに彼らの実力はこの程度のものなんだろうか… 敵国を寄せ付けないと噂の騎鳥軍がこれだけのはずがない…
3階に辿り着き、様子を窺うとやけに静かなのが不安を搔き立てた。
「誰も… いない…」
また待ち伏せや兵士がここにもいるだろうと考えていたが、誰一人この階にはいない。
見渡すと、居住区が並んでおり、今は誰も住んでいないのか不自然なほど静かな景観だった。
「たしかにこの階に人は居ないみたいだな」
カインが目を閉じ、耳を澄まして音を探っている。
私よりも優れた聴力を持っているカインがわからないとなると本当にこの階にはいないみたい。
「罠… でしょうか」
「なんにせよ先に進むしかないな… そして次の階で一番上らしい」
上を見上げると吹き抜けの終わりに当たる場所がすぐそこには見えた。
この先に捕らわれているキルアさんのお兄さんが…
同じように壁にチェーンアームで突き刺しながら上に登っていく。
4階に皆がたどり着くと、そこには大きな武器を携えた巨躯の騎長軍の男が2人、その奥に鎖で雁字搦めになり、傷だらけになっているガイアスさんと思われる人が居た。
「ようやく登ってきたか… これだから翼を持たない者は…」
「兄者、そう無理を言うな、彼らも苦労して登ってきたのだろう」
「フン、弟よ、新たに貰ったこの力をようやく試す時が来たぞ」
「兄者、存分に見せつけてやりましょう、我らの力を」
兄と呼ばれる鳥人は2メートルを超える身長と筋肉がまるで寄せ集まった身体つきをしている。弟も同じように引き締まった筋肉と、鋼鉄の長い棒を振りかざしている。
これが本来の騎鳥軍騎士なのか。
じゃらりとガイアスさんの鎖が揺れ、ガイアスさんも騒ぎに気付いたようだ。
「おま… えら… 何モンだ…」
ひどい傷の具合だ。
顔は腫れあがり、体は裂傷の跡が絶えず、所々血が噴き出している。
「まだ生きているみたいだな、この死にぞこないが」
弟のほうがガイアスさんを睨み、吐き捨てるように言う。
「キルアさんに頼まれて来た! 助けに来たぞ!」
アリア様が声を張り上げ言い放つ。
「簡単に助け出せると思うなよ?」
兄の方は背中から大鎌を手に持ち、慣れた手つきで構える。
「ハイスピーダー、ハイオーバーパワー」
高度強化魔法!?、さっきまでの兵とはやはり格が違うみたい…
そして構えから、並々ならぬ気迫を感じる。
歴戦の戦士の様に、彼らは目前の私達を見据え、獲物を刈る野獣のような眼を向ける。
「鍵…は、…ダルタニアンが… 持っている…」
振り絞るように吐き出したガイアスさんの声は掠れていたが、しっかり聞くことができた。
鎖で雁字搦めになっているガイアスさんを見ると、強固そうな錠が嵌められていた。
「チッ… 余計なことを!!」
「グブッ…」
思い切り顔面を蹴られ、ぐらりとガイアスさんは倒れる。
ダルタニアンと呼ばれる人はどうやらこの場に居ないみたい… もしかしたらキルアさんの所に…
先にそっちに行ったほうがいいかもしれない。
この中で早く走れるのは私だ。
私が加勢に行くべきだろう…
振り向くとそんな考えをわかってくれていたのかカインもアインもアリア様も頷いてくれた。
幸いなことに、この塔には窓がある。
この距離なら行ける。
「行かせるわけないだろ!!」
一瞬翼を広げ、二人の鳥人の兄弟は驚くべき速さで、私の走る先を塞ぎにかかる。
「ぐぅ」
「ぬっ」
「「「お前らの相手はこっちだ」」」
振り返ると、アリア様は兄のほうを、カインとアインは二人係で弟を食い止めてくれた。
今のうちに!
窓を突き破り、塔からダイブする。
普通こんな高さから落ちたら命はない。
だけど、私は獣人で脚力も特化されていて、さらに暴風魔法を扱える。
くるんと宙返りして、タイミングを計る。
ここだ!!
「サイクロン!!」
ゴウという凄まじい暴風が地面に向かい押し出される。
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