かみのこHigh school!

空姫流めると

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笹本家の日常

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 という事で、今年も新学期が始まった。中学生時代の思い出を思い返せば、楽しいことは何一つない。じゃあ、高校では?そんなことを考えていたのは、今日から高校生の笹本千春であった。彼女は、有名な笹本竜樹ささもとたつき率いる不良一家の一人娘だ。彼女には十一人の兄弟がいて、その内の八人目であった。見た目は凛々しく、綺麗な金髪よりの茶色いロングヘアに、透き通った白い肌を持っている。頭も良く、ゲームは頭脳戦が得意らしい。・・・らしいというのは、私は全くの関係ない人だからだ。関わりなんて全くない人だ。強いて言うなら、この世界の神である。まあ、その話は置いといて。彼女達一家の日常をまずはご覧頂きたい。
 「お兄ちゃん、起きてってば。朝飯食ってやろうか。」
「んあ、千春かぁ。ごめんて。起きるから朝飯食わないでくれー。」
この普通な感じの人が長男・拓海たくみ。この人は、威嚇すると恐くなる。普段はおっとりしていて、面倒見も良いのであるが。
「おーい、お兄ちゃん、起ーきーて。」
「起こすんじゃねえよ・・・ったく。」
これが次男の龍二りゅうじ。普段はまさにヤクザ。いつでも威嚇してるような人だが、家族愛は誰よりもあり、本当は優しさに満ち溢れているようだ。なぜこんなにどぎついのかは分からないが。
「ごめんごめん。って龍二兄、海兎かいとお兄ちゃんと湊月みつき兄は。」
海兎は、湊月と双子で、海兎が一分早く産まれた。いつも一緒にいて、一日のシンクロ率は80%を上回る。二人とも考えは冷静で、けど王子様気質なので、一人娘の千春を凄く可愛がっている。いくら考えが冷静でも、好きな気持ちが抑えられない二人であった。いつも争わない二人も、そこだけは譲れないみたいだし。
「「あれ、どしたの。」」
「おはよう海兎お兄ちゃん、湊月兄。どこ行ってたの。」
「僕らも千春を探してただけだよ。」
「その辺には気配りないよね、この家。」
そう。あまりにもデカいこの家。他の家の3倍以上はあるのでは、という程デカい。うん、マジで。
「・・・ったく、手ぇ出すなよ海兎、湊月。出したらどうなるか。分かってるよな。」
冷えたような、けど愛情のある言葉が龍二の口から出てきた。何となくだが、ここは今後、千春の取り合いになるのではないか。皆もそう思っているだろうが。
「ひゃー逃げろぉー(棒)」
「わーこわぁーい(棒)」
龍二で遊ぶ二人。ケラケラと笑っては、周りに感染して行く。
「ふふっ。ほら、ご飯冷めちゃうよ。ゆう君も起きて。」
「あはは、ごめん。ずっと、起きてた。千春に起こしてもらうの、ずっと待ってただけ。」
祐は、簡単に言えばメンヘラ。千春が好きすぎて、喧嘩をしては必ず血を浴びて帰ってくる。そんでもって、心配されたいがために喧嘩依存性なのだ。まぁ、サイコパス感満載の兄上ということ。私は好きだけどね、こういう子も。
「あ、うん。ごめんね祐君、後回しにしちゃって。」
「・・・許さない。」
「何したら、許してくれるの。」
「また、手当てしてくれるよね。そしたら・・・許すかも。」
うん可愛い。甘え上手なとこもあざといよな。まだこれでも5人目を紹介しただけなのだが、追いついているだろうか。もし置いてけぼりなら、優しい私が後でまとめて書いてやろう。え、いいって?はい。出しゃばりました、すんません。まあどっちにしろ書くけどな(笑)そして6人目。
「祐君がに勝ったらかなぁ。そしたら考える。」
「ねね、俺も手当てしてくれる。」
「え、優和まお兄も。手当てしたら何かくれるの。」
天然な千春ちゃん。彼女は鈍感すぎる。危ないよ。どうするのよ、変なおじさんに絡まれたら・・・って彼女もヤンキー一家の一人だったな。ワンチャン兄弟の中で1番強い説もあるよ。あ、優和って人は、戦闘狂なんです。私の大好きな戦闘狂。名前からは想像出来ない戦闘狂。戦いとか大好きで、闘いとかも好きで・・・。まあとにかく戦闘狂なんだよ覚えときなさい。そして、戦いが兄弟一強いです。
「ハグしてあげる。」
「「「「「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」」」」」
「え、なになに、楽しそうじゃん。俺の事殺そうとしてくれてるの。嬉しいなー。戦うきっかけが増えて。じゃあ、勝ったら千春一日券貰うね。負けたら殺せば。負ける自信無いけど。」
優和からハグされるのが好きな千春ちゃん。他の兄上達や弟共とは違う、優しさを直に感じられる、特別なハグ。けど照れ屋な千春はいつも拒否をし、こういうきっかけがない限りはハグをしないと決めていた。
「うーん。いいよ、優和兄。今日の十三時、戦争でも起こしちゃおうか。ね、いいでしょお兄ちゃん達も。」
「うん、その話、長男として見逃せないな。ノった。」
「俺も殺ってやるよ。」
やめて怖いよ龍二君。漢字が違うね龍二君。
「なになにー。楽しそうな話してるじゃん。」
「あ、琥太こうたお兄ちゃん。朝ご飯当番任せちゃってごめんね。」
この陽気な人が7人目の人。千春の一個上で、同じ学校だ。まだ兄上達は出禁になったり、退学になったりで、学校にきちんと通えてないのだ。琥太もそうだけど、頭の良さで認められていたので、サボっても、校則違反しても平気だった。いや本当はダメだけどね。こんな謎の世界ですから。有り得るんすよ。
「だいじょぶー。それよりさ、弟共を送ってくれないかな。千春じゃないとヤダって駄々こねるから。あ、もうご飯は食べさせたから。」
「ちーはーる。はーやーく。」
「うん、ありがとう!はいはい、ちょっと待っててね。」
今のが中三の弟、奏多かなた。中三にしてこの甘えっぷり。やっぱり、まわりに家の環境を皆に知られたからには、家族としか話したくないもんね。っていう解釈を千春がしたところで。
「「千春はやく。」」
実は2つ目の双子。蒼汰そうた直虎なおと。マジかよ双子かよ。海兎と湊月の2号機かよってくらい二人に似てるから。海兎と湊月に憧れてるらしい。そして末っ子。
「お姉ちゃん、行ってきます。」
落ち着いたこの子が末っ子の燈夜とうや。末っ子なのに1番常識があって、落ち着いてる。そして目の保養。
「うん、行ってらっしゃい。まったくもう。末っ子が1番しっかりしてるね。」
「そんだけお前が大好きなんだよ。」
「父さん!」
「もう時間がない。今日は初日だろう。リムジンで飯を食って行きなさい。」
うん、なんだリムジンて。そんなのあんの笹本家。怖いよ、そりゃあ周りも引くよ。
「じゃ、お兄ちゃん達じゃあね。」
 こうしていつもの日常が始まりつつあるのだ。え、長いって?うん、これが日常さ。いや、まだ日常は始まったばかり。だって千春は、今日初めて高校というものに通うのだ。まだ学校のシーンにも入ってないんだよ?
 長いけど、最後まで千春を見届けてやってほしい。頑張って私(神)が面白くするからさ。
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