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四月
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それでも私がみなみを親友だと思っているのは、いつもネガティブな私を明るく励ましてくれる性格の優しさが、とても居心地が良かったから。
でも、毎回好きな人がみなみを好きになるのは正直嫌だと思う。
今年から高校も別になる。
みなみより少し偏差値の高い共学を選んだ。
親友だけど、学校が違えば好きな人が出来てももう大丈夫かなと思ったのだ。
「高校べつになって、さみしいけどずっとあたしたち親友だからねっ!」
そう言って抱きついてくるみなみを私はそっと引き離した。
「みなみ、今までありがとう。もう、邪魔しないで」
すると、驚いた様に目を見開いた彼女は見つめてきた。
「理奈?あたし、何かしたかな?明日から高校生だけどあたしたち何も変わらないよ?」
「何言ってるの」
私は羨ましい気持ちとともに、彼女を妬んでしまっていたんだ。
だから、もう今まで我慢していた何かを押さえつけることが出来なかった。
「もう、親友じゃなくていいから」
「え?」
「男も女も、もう何もいらない!」
吐き捨てて私はみなみと連絡を取るのをやめた。
私なんかと親友でいてくれて嬉しかった。
だけど好きな人がみなみを好きになるのが悔しかった。
私は明日から高校生になる。
もう、私の世界にみなみはいない。
そう思っていたのに…。
でも、毎回好きな人がみなみを好きになるのは正直嫌だと思う。
今年から高校も別になる。
みなみより少し偏差値の高い共学を選んだ。
親友だけど、学校が違えば好きな人が出来てももう大丈夫かなと思ったのだ。
「高校べつになって、さみしいけどずっとあたしたち親友だからねっ!」
そう言って抱きついてくるみなみを私はそっと引き離した。
「みなみ、今までありがとう。もう、邪魔しないで」
すると、驚いた様に目を見開いた彼女は見つめてきた。
「理奈?あたし、何かしたかな?明日から高校生だけどあたしたち何も変わらないよ?」
「何言ってるの」
私は羨ましい気持ちとともに、彼女を妬んでしまっていたんだ。
だから、もう今まで我慢していた何かを押さえつけることが出来なかった。
「もう、親友じゃなくていいから」
「え?」
「男も女も、もう何もいらない!」
吐き捨てて私はみなみと連絡を取るのをやめた。
私なんかと親友でいてくれて嬉しかった。
だけど好きな人がみなみを好きになるのが悔しかった。
私は明日から高校生になる。
もう、私の世界にみなみはいない。
そう思っていたのに…。
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