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「カイ様、珍しいですね。今日は可愛いお嬢さんを連れなんて」
う、、、優しそうなのに、何?この迫力。帰りたいよ。とりあえず、お腹に力を入れて帰りたい気持ちを退けていると
「おば様、ホントに可愛いでしょ。おば様が会ってみたいって言っていたから、ドレスの採寸に来たついでに連れてきちゃったわ。だから普段着なのは多めに見てちょうだい」
え?今、おばって言ったよね。カイお姉様、公爵夫人の甥なの?なんだろ、ホント、なんだろう。平民が一生かかっても会えないような人達がドンドンやってくるのは。
「ようこそ、可愛いお嬢さん。スーザン・ドレッジャーリーよ」
と、とりあえず、マーガレットお姉様直伝、上品カテーシーで挨拶をしてみた。自分がするとカテーシーと言うよりガッテンシーなんだけど。そこは突っ込まないで欲しい。
「まぁ、バーン家では捨て置かれているって聞いたけど、どこで教育を?」
「マーガレット・アルノーお姉様に教えて頂いてます」
「あら、あのマーガレットがね」
あのマーガレットの『あの』ってどの『あの』なのかな?なんて思っていたら
「あの子、お節介なのにあんまり面倒を見るのが好きじゃないのよね。だから、大概、直した方がいい所を教えてあげたつもりが、いじめになっちゃうみたいなのよ」
カラカラと笑って夫人が暴露する。
「マーガレットお姉様、言い方がキツいだけで優しいですよ?それをいじめに感じる人が間違っていると思うんですけど」
素直に話すと、夫人の笑みが零れる。
「あらあら、いい子ね。それでエマがあなたをお茶会に呼んだってホントなの?」
「はい。でもデビュー前にエマお姉様のお茶会に出るのは例外ってマーガレットお姉様が言ってました」
「そうね。エマも、もう少し待てば良かったのに。こっちの予定が狂っちゃうじゃない」
夫人の予定?なんだか最後にお兄様と同じ不穏な空気を感じたのは気のせいよね。
「バーン家ではデビューさせるつもりもなさそうですよ」
「対面を気にする割に妻をデビューさせないって、何を考えているのかしらね。こんなに可愛い子のどこが気に入らないのかしら?」
「ボンキュッボン?」
つい思ったことをというか、アン様を見た時からのコンプレックスが思わずポロリと零れた。
「エリカちゃんは、これから...というか、エリカちゃんはボンキュッボンにならなくていいからね」
慰めてくれているんだか、なんだか分からないカイお姉様の言葉は褒め言葉と思っておこう。
「面白い子ね。いいわ。デビューは私がなんとかしてあげましょうね」
また、知らないところで話が進んでいく。
「この子のデビューはカイあなたがエスコートするのよ。いいわね」
「いいわよ。っていうかエリカちゃん踊れるの?」
「えっと、無理かな?」
「それはこれから特訓ね。1年あれば問題ないでしょ。それまでに王には根回しなくちゃね。
そうね、これからはカイの遠くの親戚の子って言うことで通してちょうだい。エマやマーガレット達にもそう連絡をしておくわ」
なんだか知らないけど、どんどんと話が決まっていく。公爵夫人、私に何をさせたいんだろう。こういう風に口を挟めないで決まっていくのは結婚話の時と同じだ。
これ、きっと公爵夫人の中で、何かのメリットがあるんだよね。夫人の予定?って言っていたし。なんだろうなー。聞くのは怖いなー。聞いても教えないよね。
その時は、その時だ。結婚だって、なんだかんだ言っても自分にとって悪いことは何も起きていないし、いろんな人と出会えているし、良かったのかな?と思えてきている。
こういう時は何も考えず波に乗る。これしかないよね。
翌日はエマお姉様とマーガレットお姉様がやってきて、カイお姉様の遠い親戚という設定に大盛り上がりだった。
「でも黒バラ姫様、何を企んでるのかしらね。うふふ」
エマお姉様が楽しげに笑っているけど内容が怖いんですけど。
「私たちの可愛い妹も黒バラ姫様に捕まっちゃいましたね。うふふ」
マーガレットお姉様も「うふふ」って、怖い。何?やっぱり、あの時、頑張って抵抗すれば良かったの?
ドキドキしていると「大丈夫よ」と2人がギュッとしてくれる。
信じとこう!
心の平安のために
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