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二章 人間での生活
第七話 これからについて考えた件
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~サイド 弘樹~
俺は今,テロを阻止した後,森の中を歩いている。
まさか,カウラさんが裏切っていたなんて。これはいよいよやばいな。俺はどうするべき何なんだ。
俺は大変動揺していた。それもそのはずだ。少し前までお世話になっていた人がテロを起こしていたのだ。
とりあえず,あの町に戻るか。俺,冒険者の依頼を終えないといけないしな。そして,カウラさんに話を聞いてみよう。場合によっては告発もためらわない。どんな理由があろうと罪なき人々を殺すなんて許されることじゃないからな。
そして俺は町にむかった。
◇
俺はベルセルクに戻るとすぐにそこらへんにいる冒険者にサインをもらった。この街の冒険者がそうなのか冒険者がそうな仲は分からないけど,すごく陽気で俺が頼むとすぐにサインをくれた。
これなら俺,最初からゴミを拾うんじゃなくてサインをもらえばよかったかな。いや,この街がきれいになったんだからそこは気にしなくていいか。
そして依頼を終えた俺はついにギルドまで向かう。
やってきたな,ギルド。さて,カウラさんは居るのかな。いや,いなくても探し出して話を聞かなくては。
そしてギルドのドアを開ける。その瞬間かなりの熱気が降りかかってきた。
やはりここはみんな元気だな。今はこの元気がありがたい。
俺はギルドのカウンターの前まで行く。そこにはカウラさんじゃない受付嬢がいた。
「ご用件は何でしょうか」
「えっと,依頼の報告に来ました」
「分かりました。それでは受領書を見せてください」
「分かりました」
受付嬢さんがてきぱきと依頼の終了を受理していく。そして俺はカウラさんはどうしたのか聞いてみることにする。
「あら,聞いていないの? カウラさんならさっきギルドをやめたわよ」
「え? どうしてですか」
「たしか,田舎のご両親が病気で倒れたとかだったかしら。もしかしてカウラさんのこと狙ってた? 残念ね。カウラさんはもうこの街を出て行ってしまったわ」
「いえ,そんなわけはないです」
(弘樹,そうだったんですね。私は遊びだったのね)
いや,違うから。てか絶対分かっていたでしょ。それにしてもこの街から出て行ってしまったのか。なら,会えなさそうだな。
「そう? まあいいけど。それで,これからどうするのかしら。今日はもう日が暮れるし,今日はもう宿に帰るのかしら? それともまだ依頼を受けるのかしら」
「今日はもう依頼は受けないです。あともうこの街も出ようと思っているので」
「そう。がんばってね。あ,これ今回の依頼の報酬」
受付嬢はそう言って大銅貨七枚を渡した。
「ありがとうございます。それでは,さようなら」
「そうね。明日には得るのならこれでさようならね。じゃあ,元気にやるのよ」
そう言って受付嬢さんは手を振った。俺は手を振り返しながらギルドを出るのだった。
さて,これから俺はどうすればいいんだろうか。カウラさんは居ないし,かといってこの街には何となくだがとどまりたくはない。でもこの世界の町はぜんぜんわかんないしな。そうだ,あの人にきいてみよう。
「こんばんは,門番さん」
「おう,ってこの間のガキか。どうして中にいるんだ。もしかして不法侵入か」
俺はあわてて冒険者証を取り出す。
「確かにそれは冒険者証だな。だけどなんで前は出さなかったんだ」
「まあまあ,細かいところはいいじゃですか。それよりこの街の近くで大きな町ってどこですか」
内心ドキッとした俺であったが,そこは得意? のポーカーフェイスで何とかする。
「この近くの町か。もし冒険者として頑張りたいならペンタゴンか? いや,あそこは犯罪が多いからな。じゃあ,ヴァンか? だがあそこは冒険者として働きにくいな」
意外とこの門番さんはいい人だな。もしかして仕事熱心なだけなのか。
俺がそんなことを思っていた時,門番さんが急にひらめいた。
「おい,坊主。エンラがいいと思うぞ」
「エンラ,ですか」
「ああそうだ。なんだ,もしかして知らないのか」
「はい,知りません」
「エンラはな,ここからずっと北に行ったところにあってな,恐ろしく大きな町なんだ。それにあそこは魔物が多いから常に冒険者は足りない状態だって聞いたことがある。それに,今は勇者様一行がいるって聞いたからもしかしたら会えるかも知れないぞ」
勇者,か。もしかして,魔王を倒す存在なのかな。この世界じゃないところから召喚は,さすがにないか。
「って,勇者も知らないのか。勇者っていうのはな,この世界と別の世界から来た人たちのことだよ」
って,ほんとにこの世界じゃないところから召喚されたんだ。もしかしたら日本とか? いやいやまさか。まあいいや。でもエンラか。いいかもしれない。
だがそこで門に馬車が近づいてきた。
「ああ。おっと,人が来たようだ。ここらへんで無駄話は終わりにさせてもらうぜ」
「はい,ありがとうございました」
そういうと門番さんは新しく来た人のところに歩いて行った。
よし,ここは気持ちを切り替えていってみるか。もしかしたらカウラさんにも会えるかもしれない。それに今は俺自身が強くなることに集中しよう。竜王決定戦に向けてな。
そして,俺は北の町,エンラに向けて歩き始めた。
俺は今,テロを阻止した後,森の中を歩いている。
まさか,カウラさんが裏切っていたなんて。これはいよいよやばいな。俺はどうするべき何なんだ。
俺は大変動揺していた。それもそのはずだ。少し前までお世話になっていた人がテロを起こしていたのだ。
とりあえず,あの町に戻るか。俺,冒険者の依頼を終えないといけないしな。そして,カウラさんに話を聞いてみよう。場合によっては告発もためらわない。どんな理由があろうと罪なき人々を殺すなんて許されることじゃないからな。
そして俺は町にむかった。
◇
俺はベルセルクに戻るとすぐにそこらへんにいる冒険者にサインをもらった。この街の冒険者がそうなのか冒険者がそうな仲は分からないけど,すごく陽気で俺が頼むとすぐにサインをくれた。
これなら俺,最初からゴミを拾うんじゃなくてサインをもらえばよかったかな。いや,この街がきれいになったんだからそこは気にしなくていいか。
そして依頼を終えた俺はついにギルドまで向かう。
やってきたな,ギルド。さて,カウラさんは居るのかな。いや,いなくても探し出して話を聞かなくては。
そしてギルドのドアを開ける。その瞬間かなりの熱気が降りかかってきた。
やはりここはみんな元気だな。今はこの元気がありがたい。
俺はギルドのカウンターの前まで行く。そこにはカウラさんじゃない受付嬢がいた。
「ご用件は何でしょうか」
「えっと,依頼の報告に来ました」
「分かりました。それでは受領書を見せてください」
「分かりました」
受付嬢さんがてきぱきと依頼の終了を受理していく。そして俺はカウラさんはどうしたのか聞いてみることにする。
「あら,聞いていないの? カウラさんならさっきギルドをやめたわよ」
「え? どうしてですか」
「たしか,田舎のご両親が病気で倒れたとかだったかしら。もしかしてカウラさんのこと狙ってた? 残念ね。カウラさんはもうこの街を出て行ってしまったわ」
「いえ,そんなわけはないです」
(弘樹,そうだったんですね。私は遊びだったのね)
いや,違うから。てか絶対分かっていたでしょ。それにしてもこの街から出て行ってしまったのか。なら,会えなさそうだな。
「そう? まあいいけど。それで,これからどうするのかしら。今日はもう日が暮れるし,今日はもう宿に帰るのかしら? それともまだ依頼を受けるのかしら」
「今日はもう依頼は受けないです。あともうこの街も出ようと思っているので」
「そう。がんばってね。あ,これ今回の依頼の報酬」
受付嬢はそう言って大銅貨七枚を渡した。
「ありがとうございます。それでは,さようなら」
「そうね。明日には得るのならこれでさようならね。じゃあ,元気にやるのよ」
そう言って受付嬢さんは手を振った。俺は手を振り返しながらギルドを出るのだった。
さて,これから俺はどうすればいいんだろうか。カウラさんは居ないし,かといってこの街には何となくだがとどまりたくはない。でもこの世界の町はぜんぜんわかんないしな。そうだ,あの人にきいてみよう。
「こんばんは,門番さん」
「おう,ってこの間のガキか。どうして中にいるんだ。もしかして不法侵入か」
俺はあわてて冒険者証を取り出す。
「確かにそれは冒険者証だな。だけどなんで前は出さなかったんだ」
「まあまあ,細かいところはいいじゃですか。それよりこの街の近くで大きな町ってどこですか」
内心ドキッとした俺であったが,そこは得意? のポーカーフェイスで何とかする。
「この近くの町か。もし冒険者として頑張りたいならペンタゴンか? いや,あそこは犯罪が多いからな。じゃあ,ヴァンか? だがあそこは冒険者として働きにくいな」
意外とこの門番さんはいい人だな。もしかして仕事熱心なだけなのか。
俺がそんなことを思っていた時,門番さんが急にひらめいた。
「おい,坊主。エンラがいいと思うぞ」
「エンラ,ですか」
「ああそうだ。なんだ,もしかして知らないのか」
「はい,知りません」
「エンラはな,ここからずっと北に行ったところにあってな,恐ろしく大きな町なんだ。それにあそこは魔物が多いから常に冒険者は足りない状態だって聞いたことがある。それに,今は勇者様一行がいるって聞いたからもしかしたら会えるかも知れないぞ」
勇者,か。もしかして,魔王を倒す存在なのかな。この世界じゃないところから召喚は,さすがにないか。
「って,勇者も知らないのか。勇者っていうのはな,この世界と別の世界から来た人たちのことだよ」
って,ほんとにこの世界じゃないところから召喚されたんだ。もしかしたら日本とか? いやいやまさか。まあいいや。でもエンラか。いいかもしれない。
だがそこで門に馬車が近づいてきた。
「ああ。おっと,人が来たようだ。ここらへんで無駄話は終わりにさせてもらうぜ」
「はい,ありがとうございました」
そういうと門番さんは新しく来た人のところに歩いて行った。
よし,ここは気持ちを切り替えていってみるか。もしかしたらカウラさんにも会えるかもしれない。それに今は俺自身が強くなることに集中しよう。竜王決定戦に向けてな。
そして,俺は北の町,エンラに向けて歩き始めた。
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