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二章 人間での生活
第十六話 異変について調査した話
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~サイド 連~
これは弘樹がガルドとの決闘を行う少し前のこと。ベルセルクの町にて。連たちが何やら町の人に話しかけていた。
「えっと,じゃああれから異変はないんだな」
「ああ,ないぞ。むしろなさ過ぎて怖いくらいだ」
そういうと男性は連から離れていく。
「なかなかはかどらないね」
「そうだな」
俺たちが今なのをしているのかと言えば聞き込みだ。昨日このベルセルクに来てからこの街の異変に関する聞き込みを行ってきた。だがその答えはみな何もわからない,知らないというものだった。
「何かめぼしい情報があればいいのにな」
「だよね。今のままじゃ絶対モチベ続かないもん」
立夏がそういう。しかし俺も今のままではよくないということは分かっていた。
こういう時弘樹ならどうするだろう。あいつならどこに行ってもすぐにその地域の人と打ち解けてしまうんだろうな。
そう自己嫌悪に陥っていた時,ふと俺に声をかける人がいた。
「あの,すいません。あなたたちこの街の異変について調べていましたよね」
声をかけてきたのは金色の髪をした美しい女性だった。その美しさに連は思わず見とれてしまう。それもしょうがないかもしれない。彼女の顔はすごく整っていて,前に日本のラノベで見た美人そのままだったからだ。
「あ,違いましたか」
女性は控えめにそう言って引き下がろうとする。
「ああ,そうだが。俺たちはこの街で起きた異変について調べている」
それを聞いた女性の顔はパっと明るくなった。
「そうですか,良かった。実は私もこの街に起きた異変について調べていまして,もしよかったら一緒に調べに調べないかなぁ,と思いあなたに話しかけました」
「そうか。それは好都合だ。ぜひ一緒に調べないか」
こうして俺は協力者を得たのだった。隣で立夏がひそかに,連が取られるんじゃないかと言っていたが何を想像したのだろう。
「えっと,まずは自己紹介からしましょうか。私はカウラ。傭兵をやっている物です」
「傭兵か。よろしくお願いな。俺は連です。一応この世界に召喚された異世界人です」
「まあ異世界人の方でしたか。それではこの街の調査も国からの命令でですか」
「そうです。よくわかりましたね。それでここでぶー垂れているのが立夏です」
「立夏よ。よろしく」
「他にも仲間がいるから案内するよ」
そういうと俺はその女性をみんなで止まっている宿まで連れていく。
◇
「連が,連が知らない綺麗な女の人を連れてきたーー」
俺がその女性を宿に連れ込んんだ時の舞子の第一声がこれである。俺が宿に入ると一回はロビーになっているのだがそこに舞子がいたからで,俺は不運であった。他の人はそれぞれの個室でゆっくりしている。
「違うから。この人は一緒に調査したいって言っている人だから」
「そうなんだ。残念残念。だだ,誰かさんにとっては朗報なのかな」
「ん? どうしたんだ舞子」
「何でもないわよ。それよりみんなを呼んでくるわね」
そう言って舞子は階段のを上がって見ん案を呼びに行った。しばらくするとみんなが降りてくる。
「お,ほんとに連が女の人を連れてる」
「スゴイデース。オトナのカイダンライジングデース」
「違うから。ていうか舞子,お前どんなこと言ったんだよ」
「まあまあそんなに怒らないで。他の客に迷惑でしょう」
「おこってねえ。それにここ今俺たちで貸し切りだろう」
そう怒っている連にカウラが話しかける。
「それでここにいる人たちがあなたのお仲間さん?」
「はいそうです。全員出そろいました」
「そう。じゃあまず自己紹介から行きましょうか。私はカウラ。傭兵をやっている物よ。今はこの街の異変について調べているわ。これからよろしくね」
そう言ってカウラはお辞儀をする。その優雅さと美しさに男子たちだけでなく女子も虜にされてしまった。
「えっと,俺と立夏はもうあいさつしたからいいとして次に一葉から行こうか」
「はい。私は佐藤さとう 一葉ひとはです。これからよろしくお願いします」
「次は私かしらね。私は立川たちかわ 舞子まいこ。立夏の親友よ。よろしく」
「私は滝川 風子です。お願いします」
「俺は長内 勝だぜ。よろしく」
「俺は風間 陽太です。よろしくお願いします」
「ワタシハウエカワ ボブデース。イゴオミシリオキヲー」
「これで全員です」
「そう。それで今あなたたちはどこまで情報をつかんでいるの」
「この近くで龍が出たこと,爆発があったことくらいだ。それ以外はなかなか知れなくてしらない」
「分かりました。今のところ私の方が持っている情報は多いようですね。私の知っている限りではさきほどの二つに加え,この街にテロが起きそうだったこと,そしてそれを防いだ人がいるということです」
これについては俺たちも初耳だ。
「テロ,か」
「ええ。正確には未遂ですけどね」
「じゃあその一連のことについてあなたはどう考ているんだ」
「そうねぇ。今は情報が少ないから何とも言えないけど龍と爆発に関して言えばその二つは関係していると思うわ」
「関係か」
「それじゃあ今日はここまでにしておきましょうか。何かわかったら教えてね。私も教えるから」
そう言ってカウラは連たちに背を向けた。
「あの,どこに行けば会えますか」
「んー,この先に騎士団駐屯所っていうのがあるでしょ。そこに行けば会えるわ」
「カウラさんって騎士だったんですか」
「違うわ。私は雇われているのよ」
「なるほど。それではまた何かわかったら教えますね」
「じゃあね」
そういうとカウラは帰っていった。
さてと,どうやって調べようか。なにもいい方法がないんだよな。俺がそう聞くと立夏が斬新な意見を出す。
「んー。もういっそ爆発が起きたっていう現場に行ってみる?」
「あ,それいいかもな」
ということで俺たちの現地調査が始まった。
◇
「ここが爆発があった場所か」
今俺たちは全員で近くの森まで来ていた。森の中に少し入っていくと,確かにそこには何かが爆発した跡があった。それはクレーターのようになっていてどうやらこれが噂の爆発音によって生み出されたもので間違いないようだ。ちなみにこれは弘樹がテロリストのアジトに行くために爆発させたものだった。
八人でその爆発の後を調査していると陽太が俺に言った。
「しかしこの大きさは想像以上だな」
「だな。これ百メートルはあるんじゃないか」
「ただこれだと何もわかんないよな」
「だな。見たところ何で爆発したのかも不明だし」
「だよなー」
「ただこれからわかることもあるぞ。これがもしさっき言っていた龍の戦いと関係があるとするならこれはその龍によって作られたものだ」
俺はそういうと手を顎に当てる。
「つまりその龍は爆発系の魔法が使えるってことか」
「そういうことだ。だがこの爆発を起こした理由がわからない。巣にしては浅すぎるしな」
そこでさきほどから聞いていたボブが思ったことを言う。
「モシカシタ―ラ,ダレカガインペイシタノカモデスネー」
「隠ぺいだと」
すかさず陽太が聞き返す。
「そうか,隠ぺいか。それならこの爆発の理由もわかってきたぞ」
そうか。誰かが隠ぺいしたと考えれば⋯⋯。
「三人で何か考えているけど何かわかったの」
立夏がそういうと連は答える。
「ああ。もしかしたらこの爆発は何か別のことに使われていたかも知れない。そして何者かが隠ぺいしたんだ」
これを聞いたみんなは困惑する。
「隠ぺいって,誰かがここにきて何かをしていったっていうこと」
「そういうことだ。ただ何のためかは分からない」
俺がそういうと風子が何か思いついたように言う。
「土が軟らかかったわ」
「ん? 風子今なんて」
「だから土が軟らかかったわ」
そういうと風子はクレーターの真ん中の方まで移動した。そして座ると土に触った。
「ほらここ。もし爆発が起きたんならここの土が軟らかいのはおかしいよね。つまりこの土の下に何かがあってそれを隠ぺいしたのかも」
ここが隠ぺいされているとしたら何がかくされていたのか。誰かにとって見られたくないもの。つまり犯罪か。だとするとこの下には死体とかが埋まってるのか。
そこでただ聞いていた立夏がしびれを切らしたようだ。
「ここで分かることはもうないんじゃない。だったら早いとここの森から出て行ってしまいましょう」
立夏の意見には賛同者がいたようで俺たちは歩き出す。歩いている間も連以外は話しているが連は何やら考えている。
◇
しばらく歩くとある程度舗装された道に出た。他のメンバーは楽しそうに話している。だが俺はまだ考えている。
何がどうなっているんだ。全く分からない。情報が少なすぎる。カウラさんに相談すれば何かわかるかな。
ふう,カウラさんのことを考えると,少し気が軽くなるな。さて,俺もみんなの会話に混ざろうかな。
その時,俺は向こうから騎士がやってくるのを見つけた。
「おーいみんな。向こうから誰かやってくるぞ。あれは騎士さんだな。道を開けろ」
そういわれた七人は右側による。少しすると騎士さんが近くに来た。俺はあいさつでもしようかなと考えていたが騎士が近くにきて,その顔がかなり余裕のない表情だったので考えを改める。
これは何かあったのかな。
騎士は俺の前に来るとかなり息が切れていたが大声で話し始める。彼の話したことは俺たちに衝撃を与得るには十分だった。騎士は開口一番に,
「ゆ,勇者様方。どうかベルセルクを助けてください」
というのだった。
「どうかしたんだ。まずは落ち着いて状況を説明して下さい」
俺がそう言ってなだめる。すると騎士もだいぶ落ち着いてきたのか話し始める。
「魔物が,魔物がベルセルクに押し寄せてきました。今だその数は分かっていません。ですがその中にはかなりの上位種もいて今のベルセルクでは勝てる見込みはありません。どうか勇者様のお力を貸してください」
そういうと騎士は頭を下げた。これを聞いた俺たちは焦った様子で騎士に尋ねる。
「ベルセルクに魔物が攻めてきたんだな。あとどのくらいで魔物は町に着くんだ」
だがその答えは誰も予想していないことだった。
「既にです。既に魔物は町に到着し攻撃を開始しています。いくら要塞都市といえども大量の魔物に攻撃を受け続ければ長くはもちません」
「なら早く行かないと。みんな走るぞ」
連がそういうと勇者たちは走り出す。その顔は決意を決めた騎士の物だった。
異世界から来た勇者や騎士を巻き込んで,ベルセルクと大量の魔物との歴史に残る戦いが今始まった。
これは弘樹がガルドとの決闘を行う少し前のこと。ベルセルクの町にて。連たちが何やら町の人に話しかけていた。
「えっと,じゃああれから異変はないんだな」
「ああ,ないぞ。むしろなさ過ぎて怖いくらいだ」
そういうと男性は連から離れていく。
「なかなかはかどらないね」
「そうだな」
俺たちが今なのをしているのかと言えば聞き込みだ。昨日このベルセルクに来てからこの街の異変に関する聞き込みを行ってきた。だがその答えはみな何もわからない,知らないというものだった。
「何かめぼしい情報があればいいのにな」
「だよね。今のままじゃ絶対モチベ続かないもん」
立夏がそういう。しかし俺も今のままではよくないということは分かっていた。
こういう時弘樹ならどうするだろう。あいつならどこに行ってもすぐにその地域の人と打ち解けてしまうんだろうな。
そう自己嫌悪に陥っていた時,ふと俺に声をかける人がいた。
「あの,すいません。あなたたちこの街の異変について調べていましたよね」
声をかけてきたのは金色の髪をした美しい女性だった。その美しさに連は思わず見とれてしまう。それもしょうがないかもしれない。彼女の顔はすごく整っていて,前に日本のラノベで見た美人そのままだったからだ。
「あ,違いましたか」
女性は控えめにそう言って引き下がろうとする。
「ああ,そうだが。俺たちはこの街で起きた異変について調べている」
それを聞いた女性の顔はパっと明るくなった。
「そうですか,良かった。実は私もこの街に起きた異変について調べていまして,もしよかったら一緒に調べに調べないかなぁ,と思いあなたに話しかけました」
「そうか。それは好都合だ。ぜひ一緒に調べないか」
こうして俺は協力者を得たのだった。隣で立夏がひそかに,連が取られるんじゃないかと言っていたが何を想像したのだろう。
「えっと,まずは自己紹介からしましょうか。私はカウラ。傭兵をやっている物です」
「傭兵か。よろしくお願いな。俺は連です。一応この世界に召喚された異世界人です」
「まあ異世界人の方でしたか。それではこの街の調査も国からの命令でですか」
「そうです。よくわかりましたね。それでここでぶー垂れているのが立夏です」
「立夏よ。よろしく」
「他にも仲間がいるから案内するよ」
そういうと俺はその女性をみんなで止まっている宿まで連れていく。
◇
「連が,連が知らない綺麗な女の人を連れてきたーー」
俺がその女性を宿に連れ込んんだ時の舞子の第一声がこれである。俺が宿に入ると一回はロビーになっているのだがそこに舞子がいたからで,俺は不運であった。他の人はそれぞれの個室でゆっくりしている。
「違うから。この人は一緒に調査したいって言っている人だから」
「そうなんだ。残念残念。だだ,誰かさんにとっては朗報なのかな」
「ん? どうしたんだ舞子」
「何でもないわよ。それよりみんなを呼んでくるわね」
そう言って舞子は階段のを上がって見ん案を呼びに行った。しばらくするとみんなが降りてくる。
「お,ほんとに連が女の人を連れてる」
「スゴイデース。オトナのカイダンライジングデース」
「違うから。ていうか舞子,お前どんなこと言ったんだよ」
「まあまあそんなに怒らないで。他の客に迷惑でしょう」
「おこってねえ。それにここ今俺たちで貸し切りだろう」
そう怒っている連にカウラが話しかける。
「それでここにいる人たちがあなたのお仲間さん?」
「はいそうです。全員出そろいました」
「そう。じゃあまず自己紹介から行きましょうか。私はカウラ。傭兵をやっている物よ。今はこの街の異変について調べているわ。これからよろしくね」
そう言ってカウラはお辞儀をする。その優雅さと美しさに男子たちだけでなく女子も虜にされてしまった。
「えっと,俺と立夏はもうあいさつしたからいいとして次に一葉から行こうか」
「はい。私は佐藤さとう 一葉ひとはです。これからよろしくお願いします」
「次は私かしらね。私は立川たちかわ 舞子まいこ。立夏の親友よ。よろしく」
「私は滝川 風子です。お願いします」
「俺は長内 勝だぜ。よろしく」
「俺は風間 陽太です。よろしくお願いします」
「ワタシハウエカワ ボブデース。イゴオミシリオキヲー」
「これで全員です」
「そう。それで今あなたたちはどこまで情報をつかんでいるの」
「この近くで龍が出たこと,爆発があったことくらいだ。それ以外はなかなか知れなくてしらない」
「分かりました。今のところ私の方が持っている情報は多いようですね。私の知っている限りではさきほどの二つに加え,この街にテロが起きそうだったこと,そしてそれを防いだ人がいるということです」
これについては俺たちも初耳だ。
「テロ,か」
「ええ。正確には未遂ですけどね」
「じゃあその一連のことについてあなたはどう考ているんだ」
「そうねぇ。今は情報が少ないから何とも言えないけど龍と爆発に関して言えばその二つは関係していると思うわ」
「関係か」
「それじゃあ今日はここまでにしておきましょうか。何かわかったら教えてね。私も教えるから」
そう言ってカウラは連たちに背を向けた。
「あの,どこに行けば会えますか」
「んー,この先に騎士団駐屯所っていうのがあるでしょ。そこに行けば会えるわ」
「カウラさんって騎士だったんですか」
「違うわ。私は雇われているのよ」
「なるほど。それではまた何かわかったら教えますね」
「じゃあね」
そういうとカウラは帰っていった。
さてと,どうやって調べようか。なにもいい方法がないんだよな。俺がそう聞くと立夏が斬新な意見を出す。
「んー。もういっそ爆発が起きたっていう現場に行ってみる?」
「あ,それいいかもな」
ということで俺たちの現地調査が始まった。
◇
「ここが爆発があった場所か」
今俺たちは全員で近くの森まで来ていた。森の中に少し入っていくと,確かにそこには何かが爆発した跡があった。それはクレーターのようになっていてどうやらこれが噂の爆発音によって生み出されたもので間違いないようだ。ちなみにこれは弘樹がテロリストのアジトに行くために爆発させたものだった。
八人でその爆発の後を調査していると陽太が俺に言った。
「しかしこの大きさは想像以上だな」
「だな。これ百メートルはあるんじゃないか」
「ただこれだと何もわかんないよな」
「だな。見たところ何で爆発したのかも不明だし」
「だよなー」
「ただこれからわかることもあるぞ。これがもしさっき言っていた龍の戦いと関係があるとするならこれはその龍によって作られたものだ」
俺はそういうと手を顎に当てる。
「つまりその龍は爆発系の魔法が使えるってことか」
「そういうことだ。だがこの爆発を起こした理由がわからない。巣にしては浅すぎるしな」
そこでさきほどから聞いていたボブが思ったことを言う。
「モシカシタ―ラ,ダレカガインペイシタノカモデスネー」
「隠ぺいだと」
すかさず陽太が聞き返す。
「そうか,隠ぺいか。それならこの爆発の理由もわかってきたぞ」
そうか。誰かが隠ぺいしたと考えれば⋯⋯。
「三人で何か考えているけど何かわかったの」
立夏がそういうと連は答える。
「ああ。もしかしたらこの爆発は何か別のことに使われていたかも知れない。そして何者かが隠ぺいしたんだ」
これを聞いたみんなは困惑する。
「隠ぺいって,誰かがここにきて何かをしていったっていうこと」
「そういうことだ。ただ何のためかは分からない」
俺がそういうと風子が何か思いついたように言う。
「土が軟らかかったわ」
「ん? 風子今なんて」
「だから土が軟らかかったわ」
そういうと風子はクレーターの真ん中の方まで移動した。そして座ると土に触った。
「ほらここ。もし爆発が起きたんならここの土が軟らかいのはおかしいよね。つまりこの土の下に何かがあってそれを隠ぺいしたのかも」
ここが隠ぺいされているとしたら何がかくされていたのか。誰かにとって見られたくないもの。つまり犯罪か。だとするとこの下には死体とかが埋まってるのか。
そこでただ聞いていた立夏がしびれを切らしたようだ。
「ここで分かることはもうないんじゃない。だったら早いとここの森から出て行ってしまいましょう」
立夏の意見には賛同者がいたようで俺たちは歩き出す。歩いている間も連以外は話しているが連は何やら考えている。
◇
しばらく歩くとある程度舗装された道に出た。他のメンバーは楽しそうに話している。だが俺はまだ考えている。
何がどうなっているんだ。全く分からない。情報が少なすぎる。カウラさんに相談すれば何かわかるかな。
ふう,カウラさんのことを考えると,少し気が軽くなるな。さて,俺もみんなの会話に混ざろうかな。
その時,俺は向こうから騎士がやってくるのを見つけた。
「おーいみんな。向こうから誰かやってくるぞ。あれは騎士さんだな。道を開けろ」
そういわれた七人は右側による。少しすると騎士さんが近くに来た。俺はあいさつでもしようかなと考えていたが騎士が近くにきて,その顔がかなり余裕のない表情だったので考えを改める。
これは何かあったのかな。
騎士は俺の前に来るとかなり息が切れていたが大声で話し始める。彼の話したことは俺たちに衝撃を与得るには十分だった。騎士は開口一番に,
「ゆ,勇者様方。どうかベルセルクを助けてください」
というのだった。
「どうかしたんだ。まずは落ち着いて状況を説明して下さい」
俺がそう言ってなだめる。すると騎士もだいぶ落ち着いてきたのか話し始める。
「魔物が,魔物がベルセルクに押し寄せてきました。今だその数は分かっていません。ですがその中にはかなりの上位種もいて今のベルセルクでは勝てる見込みはありません。どうか勇者様のお力を貸してください」
そういうと騎士は頭を下げた。これを聞いた俺たちは焦った様子で騎士に尋ねる。
「ベルセルクに魔物が攻めてきたんだな。あとどのくらいで魔物は町に着くんだ」
だがその答えは誰も予想していないことだった。
「既にです。既に魔物は町に到着し攻撃を開始しています。いくら要塞都市といえども大量の魔物に攻撃を受け続ければ長くはもちません」
「なら早く行かないと。みんな走るぞ」
連がそういうと勇者たちは走り出す。その顔は決意を決めた騎士の物だった。
異世界から来た勇者や騎士を巻き込んで,ベルセルクと大量の魔物との歴史に残る戦いが今始まった。
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