ある日,トカゲに転生~ダンジョン暮らしの少年は外の世界の強さが分からない~

ルー

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二章 人間での生活

第十五話 Bランク冒険者として働いた件

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 俺がガルムさんに勝って冒険者の仲間とばか食いした次の日
「ああ,飲みすぎた。これが二日酔いってやつか」
(全く弘樹,昨日は大変でしたものね)
ああ。結局あの後酒を飲んで,冒険者さんといっぱい話してな。

 ちなみにこの世界では飲酒は15歳から大丈夫である。

(ですね。ようやく終わりそうだって時にガルムさんと受付譲さんの付き合いが発覚して,ですね)

 ああ,そうだったな。確か少し前に告ったんだっけ。でも意外だったな。ガルムさん既婚者だと思ってた。
(私もです。てっきり第二夫人以降になるのかと思いました)
ていうかここでは普通に第二夫人ってあるんだよな。
(はい。強い物がモテるのは自然の摂理ですから)
そっか。

そんなことを話しているとギルドに着いた。
昨日の今日だし緊張するな。
(大丈夫です。こんなとこでくよくよしてないで早く行って下さい。)
わかったよ。
俺はギルドのドアを開ける。するとそこにはいつもと変わらないギルドがあった。


 俺は依頼の紙が貼ってあるボードの前まで行く。ギルドではそこで依頼を取ってカウンターまで持っていく仕組みだ。そこにはたくさんの紙が貼ってあった。

 ちょうどいいのはないかな。できれば討伐依頼でBランクでも受けられるやつ。

 そう思ってみるとそのほとんどが討伐依頼で全てBランクあれば受けられるようだ。そして俺はその中から同時にできそうな数枚を取りカウンターまで持っていく。
「これお願いします」
「はい分かりました。依頼の受理ですね」
そこにいたのはミューさんではない受付譲さんだった。俺はその人に聞いてみる。
「あの,ミューさんはどうしましたか」
「えっと,ミューでしたらもう婚約したのでここで働く必要はないと言ってやめていきました。でもあの子のことだからなんだかんだ言ってまた復活すると思いますけどね」

「そうなんですか。というか婚約したんですか。早すぎじゃないですか」
「そんなことないですよ。それにあそこは一日だけとは言え付き合ってますからね。普通付きあうとかないですよ」
「そうなんですか」
「はい。仲良くなったら,すぐに婚約とかですよ。それに男子は何人でも妻にできますからあまり抵抗もないようで」
「そうなんですか」
そして受付譲さんは俺に数枚の紙を渡す。
「はい。それではこの依頼の受理が完了しました。でも一回に複数なんて大丈夫なんですか」
「はい,大丈夫です。それにどれもBランクの物なので危険もあまりなさそうですし」
「わかりました。でも本来Bランクはかなり高難易度の依頼なんですよ」
「そうなんですか。ちなみに違約金はいくらになりますか」
「この魔鳥討伐なら銀貨三枚ほどです」
日本円で言う三万円か。なかなかするな。
「分かりました。それではそれぞれ出現する場所を教えてください」
そういうと受付譲さんに魔物のことを詳しく教えてもらうのであった。






 ギルドから出た俺はこの街の出口に向かう。今回の依頼を終えるためだ。
(もうすっかりこの街にも慣れましたね)
そうだな。初めて来たときはどうなることかと思ったけどここまで来れてよかったよ。
(ですね。この調子なら竜王決定戦にも間に合いそうですもんね)
そっか。竜王決定戦,忘れていた。そのために強くならないとだもんね。
俺はもう一度決意を固める。
(はい。がんばってください)
そうこうしているうちに町を出た。弘樹はシーの名前を呼んでいつものように妖精スタイルにする。シーも普通のスタイルより妖精のスタイルの方が好きなようだ。

「さて,最初はなんでしたっけ」
「えっと,このビッグオーガ討伐だよ」
「分かりました。それならこの近くの森ですね」
「ああ。すぐに行っちゃおう」
そういうと俺は駆け出だす。もちろん妖精もついていく。こうして弘樹は冒険者として働き始めるのだった。


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