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【第九十三話】スーツの似合う男の仕草は人が殺せると思います。※
細い息継ぎをしながら私に熱を打ち付ける財田さんを下から見上げながら、相も変わらずこの黒獅子は美しいと見惚れていた。
いつものように海外ドラマを見ながらまったりと過ごしていた夜。
財田さんが部屋に来るなり、私に燃えるような熱を帯びた視線を向け、抱き寄せ、このまま食べられてしまうのではないかと思うようなキスをした。
壁に背中を押し付けられながら、何度も角度を変えながらされる口付け。
煙草と、爽やかだがどことなくセクシーな香水の匂いにのまれ、酸素が足りないせいなのか、香りに酔ったのか、私は脳がぽーっとしてなにも考えることができなくなっていた。
どうやって移動したのかなんて分からない。
気が付けば財田さんはいつの間にやらスーツのジャケットを脱ぎ捨て、キスを繰り返しながら私をベッドに押し倒していた。
程よくついている筋肉と、カチッとしたスーツを着こなす黒獅子の佇まいは、世の女性の大半を魅了するであろう。
ネクタイを邪魔そうに雑に緩め、ボタンを弾き飛ばすんじゃないかと思うほどの勢いで外し、雑に腕まくりをする。
押し倒されている私の上で繰り広げられるその一連の動作は、スーツ好きの皆さんなら理解できるだろうが、死ぬほどカッケー。
イケメンがそれをしてるのヨ。私に馬乗りで。
しかもね、聞いてくださいよ。
上げてた前髪を、これまた雑にくしゃっとほぐし、かき上げるしぐさが……鼻血出そう……。
…そんなこと脳内実況してる場合じゃなかった。
訳も分からず激しいチューの間にベッドに押し倒され、興奮している黒獅子を「あ、ちょっ、え。まって。あのっ」と口に出しながら、なんやかんやフェロモン垂れ流し兄やんをどかそうと私をまたいでいる足に向かって叩いたり押したりしているのだが、そんなことはお構いなし。
色気駄々洩れ状態で私の服をポイポイと脱がしていく。
ここまで無言な黒獅子の表情と言えば、高揚している感じはあるものの、怒ってるとかそういう感じではなさそう…くらいな…雰囲気で。
でも服を脱がそうっていうことは一応、強姦的なものじゃない…のか。
気を使っているような感じは一応する。
破いたり、速攻で入れたいみたいな感じではなさそう…一応。一応。
「深月ィ…」
財田さんの熱を帯びた吐息交じりの呼びかけは、低く、脳みそが溶けそうなほど甘い。
(マジでどうした!!!)
私は軽くパニックだ。
いつも余裕に満ちた感じなのになんでか今日は切羽詰まってそう。
色気爆発中の財田さんをこれ以上まともに見てられなくて、どうにか俯せになった。
が、そのブラジャーの下から左手の指を滑り込ませ、指先で私の胸の突起に触れながら、右手でホックを外す。
(ひぇぇぇぇ!!)
怖くはないけど、いつもの雰囲気とは違うことに、少し心配になる。
変な薬とか飲まされてないよな…?
ちゅ、ちゅっ。と、首から背中へとキスをされ、舌を這わされ、いつもよりも激しくされそうで不安が募る。
いつも死ぬと思うほど、抱きつぶされているのでそれよりも激しいと本当に抱き殺される。
「ど、どうしたんですか?」
「ん…ちょっとな」
「変な薬…とか?」
「ちげェわ。簡単に言うと、喧嘩したからこーふんした。一回出せば少しは良くなるはずだが、お前以外で出したくねェから」
なるほど。わからん。
喧嘩したらこーふんするってどんな性癖してんだ。
こわい。
まぁ男性は戦ったりなんだりかんだりすると興奮することもあると聞いたことあるし無いわけじゃないと…思う。
この間もそれで自分を納得させたし。
(本当にあるんだなそんなこと…こわっ…)
生存本能と直結した子孫繁栄的な生理現象なんだろうか…分からんけども。
とりあえず、変な薬とかじゃなくてよかったけど。安心したけど。
一応、ちゃんと受け答えしてくれるし、理性飛んでるわけではなさそうだし。
それなら加減もある程度はしてくれるだろ。と判断し。
逃げる体勢から黒獅子に向き直り、気が付けば全裸になってる体を雑に隠して「あ、あの」と声をかけ「優しく…してくださいね…」と真っ赤になりながら手加減してくれと祈る発言をするしかなかった。
だって【しない】のは無理なのだ。拒否権はとうに私にはないし。
なら少しでも受け入れたほうが楽。というのをここ1か月で私が学んだことの一つだった。
いつものように海外ドラマを見ながらまったりと過ごしていた夜。
財田さんが部屋に来るなり、私に燃えるような熱を帯びた視線を向け、抱き寄せ、このまま食べられてしまうのではないかと思うようなキスをした。
壁に背中を押し付けられながら、何度も角度を変えながらされる口付け。
煙草と、爽やかだがどことなくセクシーな香水の匂いにのまれ、酸素が足りないせいなのか、香りに酔ったのか、私は脳がぽーっとしてなにも考えることができなくなっていた。
どうやって移動したのかなんて分からない。
気が付けば財田さんはいつの間にやらスーツのジャケットを脱ぎ捨て、キスを繰り返しながら私をベッドに押し倒していた。
程よくついている筋肉と、カチッとしたスーツを着こなす黒獅子の佇まいは、世の女性の大半を魅了するであろう。
ネクタイを邪魔そうに雑に緩め、ボタンを弾き飛ばすんじゃないかと思うほどの勢いで外し、雑に腕まくりをする。
押し倒されている私の上で繰り広げられるその一連の動作は、スーツ好きの皆さんなら理解できるだろうが、死ぬほどカッケー。
イケメンがそれをしてるのヨ。私に馬乗りで。
しかもね、聞いてくださいよ。
上げてた前髪を、これまた雑にくしゃっとほぐし、かき上げるしぐさが……鼻血出そう……。
…そんなこと脳内実況してる場合じゃなかった。
訳も分からず激しいチューの間にベッドに押し倒され、興奮している黒獅子を「あ、ちょっ、え。まって。あのっ」と口に出しながら、なんやかんやフェロモン垂れ流し兄やんをどかそうと私をまたいでいる足に向かって叩いたり押したりしているのだが、そんなことはお構いなし。
色気駄々洩れ状態で私の服をポイポイと脱がしていく。
ここまで無言な黒獅子の表情と言えば、高揚している感じはあるものの、怒ってるとかそういう感じではなさそう…くらいな…雰囲気で。
でも服を脱がそうっていうことは一応、強姦的なものじゃない…のか。
気を使っているような感じは一応する。
破いたり、速攻で入れたいみたいな感じではなさそう…一応。一応。
「深月ィ…」
財田さんの熱を帯びた吐息交じりの呼びかけは、低く、脳みそが溶けそうなほど甘い。
(マジでどうした!!!)
私は軽くパニックだ。
いつも余裕に満ちた感じなのになんでか今日は切羽詰まってそう。
色気爆発中の財田さんをこれ以上まともに見てられなくて、どうにか俯せになった。
が、そのブラジャーの下から左手の指を滑り込ませ、指先で私の胸の突起に触れながら、右手でホックを外す。
(ひぇぇぇぇ!!)
怖くはないけど、いつもの雰囲気とは違うことに、少し心配になる。
変な薬とか飲まされてないよな…?
ちゅ、ちゅっ。と、首から背中へとキスをされ、舌を這わされ、いつもよりも激しくされそうで不安が募る。
いつも死ぬと思うほど、抱きつぶされているのでそれよりも激しいと本当に抱き殺される。
「ど、どうしたんですか?」
「ん…ちょっとな」
「変な薬…とか?」
「ちげェわ。簡単に言うと、喧嘩したからこーふんした。一回出せば少しは良くなるはずだが、お前以外で出したくねェから」
なるほど。わからん。
喧嘩したらこーふんするってどんな性癖してんだ。
こわい。
まぁ男性は戦ったりなんだりかんだりすると興奮することもあると聞いたことあるし無いわけじゃないと…思う。
この間もそれで自分を納得させたし。
(本当にあるんだなそんなこと…こわっ…)
生存本能と直結した子孫繁栄的な生理現象なんだろうか…分からんけども。
とりあえず、変な薬とかじゃなくてよかったけど。安心したけど。
一応、ちゃんと受け答えしてくれるし、理性飛んでるわけではなさそうだし。
それなら加減もある程度はしてくれるだろ。と判断し。
逃げる体勢から黒獅子に向き直り、気が付けば全裸になってる体を雑に隠して「あ、あの」と声をかけ「優しく…してくださいね…」と真っ赤になりながら手加減してくれと祈る発言をするしかなかった。
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