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第5話
6・モフモフ野郎と買い物(その1)
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大賀と買い物なんていつ以来だろう。
高校時代、野球部仲間数人で出かけたことは何度かあった。
スポーツ用品店のあるショッピングモールをダラダラまわって、腹が減ったらファストフードに入って。それこそ、ふわとろのパンケーキを食ったのも大賀を含めた野球部の連中とだ。
ただ「大賀とふたりきり」というのは記憶にない。
たぶん、これが初めてだ。
「エプロンはどこで売っているんだ?」
「さぁ……たぶん生活雑貨の店とかじゃねぇ?」
「お前のはどこで買ったんだ?」
「俺のはいとこのお下がり。だから買ったことがねーんだよなぁ」
まあ、雑貨屋になければ婦人服売り場にあるだろ──なんて気楽に考えていたんだけど、ここで想定外の事態が発生した。
身長180センチ超えの大男に合うものが売っていなかったのだ。
「一番大きなサイズはこちらですね」
店員のお姉さんが探しに探して持ってきてくれたそれは、まさかの花柄。しかも、かなりメルヘンっぽい雰囲気のやつ。
「とりあえず試着してみれば?」
「……そうだな」
渋い顔つきのまま、大賀は花柄エプロンを首にぶらさげた。
「やべ……お前、それ……っ」
「笑いすぎだ」
「けどヤバいだろ、その格好」
丈が足りなさすぎて、エプロンというよりは「デカい前掛け」だ。
ひとしきり笑ったあと、店員さんが教えてくれたキッチングッズの店に行くことにした。
「おおっ、あったぞ、大賀!」
今度はちゃんと男性向けのエプロンコーナーがある。
色味もデザインも渋めでシンプルな感じ。
まあ、派手なのもなくはないけど、大賀は好きじゃなさそうだよな。
「どれを選べばいい?」
「胸当てがあるやつだな。それだとこの間みたいにシャツを汚さないだろうし」
店員さんが「何かお探しですか」と声をかけてきたので、大賀の相手を任せて、俺は店内をまわることにした。
鍋、まな板、フライ返し──様々なキッチングッズが、陳列棚にずらりと並んでいる。
そういえば、揚げ物専用の鍋が欲しかったんだよな。独り暮らし用の小さいやつ。
(それとトングだな)
バイト先でよく使うんだけど、パスタを盛り付けるのに使い勝手がいいし、グリルから熱いものを取りだしたり、フライパンの上のデカいかたまり肉をひっくり返したりするときにもすげー便利。
(まあ、でも値段次第だな)
高いようなら、他の店のを見てからだ。一昨日バイト代が入ったばかりだし、ちょっとくらいなら奮発してもいいけど。
なんて、いろいろ物色しているうちに、とあるキッチングッズが目に入った。
(これ……)
我が家にもあるけど、大賀にはまだ使わせたことがない。
でも、ひとつ持っているとすげー便利。特に「ちょっとだけ料理をしたい」とか「疲れていて包丁を握りたくない」ってときに重宝するんだよなぁ。
(まあ……持っていて損はないよな)
ちらりとエプロンコーナーに目を向ける。
大賀は、店員さんの説明にずいぶん熱心に耳を傾けているようだ。
(よし、予定変更)
トングは次回にまわして、今日はコイツを買おうじゃないか。
高校時代、野球部仲間数人で出かけたことは何度かあった。
スポーツ用品店のあるショッピングモールをダラダラまわって、腹が減ったらファストフードに入って。それこそ、ふわとろのパンケーキを食ったのも大賀を含めた野球部の連中とだ。
ただ「大賀とふたりきり」というのは記憶にない。
たぶん、これが初めてだ。
「エプロンはどこで売っているんだ?」
「さぁ……たぶん生活雑貨の店とかじゃねぇ?」
「お前のはどこで買ったんだ?」
「俺のはいとこのお下がり。だから買ったことがねーんだよなぁ」
まあ、雑貨屋になければ婦人服売り場にあるだろ──なんて気楽に考えていたんだけど、ここで想定外の事態が発生した。
身長180センチ超えの大男に合うものが売っていなかったのだ。
「一番大きなサイズはこちらですね」
店員のお姉さんが探しに探して持ってきてくれたそれは、まさかの花柄。しかも、かなりメルヘンっぽい雰囲気のやつ。
「とりあえず試着してみれば?」
「……そうだな」
渋い顔つきのまま、大賀は花柄エプロンを首にぶらさげた。
「やべ……お前、それ……っ」
「笑いすぎだ」
「けどヤバいだろ、その格好」
丈が足りなさすぎて、エプロンというよりは「デカい前掛け」だ。
ひとしきり笑ったあと、店員さんが教えてくれたキッチングッズの店に行くことにした。
「おおっ、あったぞ、大賀!」
今度はちゃんと男性向けのエプロンコーナーがある。
色味もデザインも渋めでシンプルな感じ。
まあ、派手なのもなくはないけど、大賀は好きじゃなさそうだよな。
「どれを選べばいい?」
「胸当てがあるやつだな。それだとこの間みたいにシャツを汚さないだろうし」
店員さんが「何かお探しですか」と声をかけてきたので、大賀の相手を任せて、俺は店内をまわることにした。
鍋、まな板、フライ返し──様々なキッチングッズが、陳列棚にずらりと並んでいる。
そういえば、揚げ物専用の鍋が欲しかったんだよな。独り暮らし用の小さいやつ。
(それとトングだな)
バイト先でよく使うんだけど、パスタを盛り付けるのに使い勝手がいいし、グリルから熱いものを取りだしたり、フライパンの上のデカいかたまり肉をひっくり返したりするときにもすげー便利。
(まあ、でも値段次第だな)
高いようなら、他の店のを見てからだ。一昨日バイト代が入ったばかりだし、ちょっとくらいなら奮発してもいいけど。
なんて、いろいろ物色しているうちに、とあるキッチングッズが目に入った。
(これ……)
我が家にもあるけど、大賀にはまだ使わせたことがない。
でも、ひとつ持っているとすげー便利。特に「ちょっとだけ料理をしたい」とか「疲れていて包丁を握りたくない」ってときに重宝するんだよなぁ。
(まあ……持っていて損はないよな)
ちらりとエプロンコーナーに目を向ける。
大賀は、店員さんの説明にずいぶん熱心に耳を傾けているようだ。
(よし、予定変更)
トングは次回にまわして、今日はコイツを買おうじゃないか。
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