この気持ち ※ soft R18

この気持ち【出会いの予感】

プロローグ

日本人らしい長い黒髪をひとつに束ね
静かに部屋の隅でぽつんと。

楽しそうに話をしてるメンバーを
素っ気なく眺めている女性。

黒い髪とは対象に色白の素肌がみえる。
目鼻立ちはくっきりとしていた。
地味にしていても、何気に目立つ。
美人という事はないのだか、生まれつき
目が大きいだけで派手に見える。

楽しそうに話をしていた１人が
ボーっと眺めていた女性に近付ていく。

「ともちゃん、身体は大丈夫？」

丸い顔のふっくらとした女性。
笑顔が可愛らしい。
ムードメーカーというのにふさわしい
その場をポッと明るく照らしてくれる。

なぜ？と思うかもだが、そんな２人は
親友の間柄であった。

長い黒髪の色白な女性は『智子』と
いう名前。今時の名前でもない。
名前からしてお察しのとおり、
もう二十代半ばになろうとしていた。
未だ独身である。

「のんちゃん、大丈夫。元気だよ」

そう言って、智子は少し笑顔を見せる。

親友の名前は『のぞみ』
智子とは３歳年下であるが既婚者。
智子よりしっかりとしている姉御肌。

智子は体調を崩してから、
自分のペースで働ける親友の働いている
この職場へと転職をしたのだった。

自分で商品を購入し
自分に与えられた地域の顧客に商品を
販売するという仕事を今はしている。

智子は開拓が苦手だった。
売上をのばすには新しい顧客をゲット
しなくてはならないのだ。
地味にしていても目立ってしまっていた
学生時代。智子はイジメられていた。
なので、自分から積極的に何かをしよう
なんていう事も無くなり、今や。。。
どう？行動を起こして良いのやらが
解らないほど消極的になっていた。

そんなある日の事。
チーフに連れられ新しい顧客を増やす為
開拓をするのであった。